「パソコン通信というもの」(1995/06/05執筆)
あの阪神淡路大震災の時には多くの物理連絡網が寸断された。
同時に多くの情報網も寸断された。
人は個人的な連絡手段として電話に殺到したため
広域での諜報活動、安否連絡が不可能となった。
ここで一躍注目を集めたのがパソコン通信だ。

パソコン通信も電話回線を使う。
でも普通の電話との一番の違いは、
話が記録されるということであり、多くの人間が1つの場所に情報を集中するということにある。
普通の電話は1対1。
これに対しパソコン通信は多対多なのだ。

多くの大学にはワークステーションと呼ばれるタイプのコンピューターが
あるが、これはインターネットと言うもので全世界的につながっている。
今回の地震は海外でも大きなニュースとなったが、
海外でもその情報が入らなかった。
国内ですらそうなのだから、海外ではなおさらだ。
ここで役にたったのがこのインターネットだ。
例えばイギリスの大学から日本の大学へインターネットで通信する。
それで地震情報を得たのだ。

パソコン通信自体はもう随分と古くから有るが、
今回ほどその有効性が広く世間に知られたことはなかっただろう。

パソコン通信を情報元として有効利用しようとする試みは、
ここ数年急激に広まってきた。
いまでは「パソコン」以外からでもアクセス出来るようになっている。
ワープロはもちろん、ザウルスのような電子手帳のちょっといいものでも出来るのだ。

コンピューター系のメーカーは、自社の製品の紹介、サポートを通信で
行っているところが増えた。

パソコン通信は別に企業だけのものではない。
個人ベースの情報元や情報交換のバージョンをしても非常に重要だ。
非常に多岐に渡った人が集まっているため、情報が早いし、
何か聞いた時のレスポンスも早い。

やがて新聞は紙ではなくなり、通信によって配られる時代が来るかも知れない。
いや、もうすぐそこまで来ているといってもいい。
いくつかのホストではその日の新聞が読めるようになっている。
オタクラ通信は、実は時代の最先端なのかも知れない。

これからの世の中では、情報の広さと正確さと速さが勝負の鍵といわれる。
パソコン通信を使いこなせるかどうか、
これがこれからの鍵になるかも知れない。
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