「最近ふと思うこと2」(1993/07/24)
この間書いたものをもう1回書いてみたいと思います。
少し別の面から。
若干散文的なので読みにくいのは御勘弁を。

    ・・・

最近のコンピューターの世界は早い。
それはマシンの速度という意味ではなく変化の早さという意味で。

マシンの速さと言えばOS自体は重いけど、
それ以外では速すぎてデバッグも容易でないことがある。
速すぎるのも困ったものだ。

速ければいいというのが今の流行。
昔は遅かったしメモリーも高く少なかったので
できるだけ少ないメモリーでできるだけ速くすることに色々と知恵を絞った。
でも今はそういうのははやらない。
若干の無駄があってもできるだけ早く「開発」できればいい。
無駄の分のスピード丁かはCPUのスピードアップにまかせ、
メモリーの無駄は大容量メモリーに任せる。

こういうのも細かいことを気にせずにアルゴリズムの追求などに専念できるから
いいのかもしれない。でもコンピューターの隅から隅まで知らないで組むというのは
私のような昔型人間には許せない気分もある。

アセンブラーができなくても今のプログラマーは通用する。
しかしアセンブラーはCPUの動作を知る上での基本である。
それを知っているといないとではプログラム組む上での細かい気の付き方に差がある。
使う使わないではなく知っている知っていないが大切だ。

アセンブラーを使わないからこそ今はCPUが何であるかというのが
問われない。早ければ早い方がいい。
だからインテルやRISCがはやる。
CPUが芸術性で選ばれる時代は終わった。

今の流行はウインドウスらしい。
プログラム的センスも芸術的センスも最低の動くことだけが重要の
お役所的世界。
嫌い。

しかし、その影響力は絶大だ。
今その上位OSのWindows−NTなどという物も登場し、
ワークステーションクラスに変化を与えようとしている。

今まではワークステーションレベルのOSといえばUNIXと決まっていた。
しかし、できてまもないWindows−NTは早くもこれにとって変わろうと
する勢いがある。

UNIXはオープンであるが故にいろんな場所で色々と改良され過ぎ、
システム的に重くなりすぎた。
それに対しNTは今ある技術をまとめて作られており、またマイクロソフト1社による
いわばクローズな環境で作られたため内部の構造がすっきりしているから
軽いらしい。

それにWindowsと名が付くだけあってパソコン上のそれらとソフトが
走るようにもできるらしい。

そういう事情によりワークステーションよりはるかに広いパソコン市場を狙う
ソフト/ハードメーカーが一斉に飛びついたわけだ。

UNIXすら没落の傾向にあるということだ。
それだけ今のコンピューター業界は先が見えず、変化が早い。
でも何が勝つのかはわからない。

今のこの世界を動かしているのはこんなこともしたいあんなこともしたいという
夢ではなく、こういうことも出来なければならない、ああいうこともという
実益のみを追求した世界である。

実におもしろくない。
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