「心わびしき時代」(1993/02/03)
最近東京の方でわたって来た鴨にボーガン(アーチェリーの一種)
を撃つ込むという悲惨な事件が起こっています。

何羽かがやられ、殆どは死んだのですが、
1羽だけが羽に矢を刺したまま生きているそうです。

今日その姿をテレビで見たのですが、
以外にもごく普通にしています(飛ぶこともできます)が、
かえってその方が痛々しく思えます。

このあたりでは以前から空気銃などで鴨にいたずらをする
人間がいたそうです。

そんなことをして何が嬉しいのでしょうか。
そういえば以前浮浪者をリンチしたという事件もありました。
そうやって自分より弱い立場にあるものをいたぶって喜んでいるというのは
非常に心の狭い人間のすることです。

が、これは社会の歪なのかも知れません。
このような歪んだ人間をかばう気持ちはまったくありませんが、
物質的に非常に豊かにある一方で、
自然がなくなり、それと接する機会が減ることで、
心の豊かさがなくなって来ているのかも知れません。
(おそらくは今回の事件の犯人もお金だけは持っている人であろうと思います。)

真の心の豊かさとはなにか、
それを知り、それを持っている人はその人の物質的な豊かさ以上に
その人を輝かせているように思います。

歪んだ人間は社会のこのギャップに落ち込み、
そのままそれから脱却する方向をも違った者です。
しかし、普通の人間なら自己の判断で「正しい方向」が認識できるはず
なのですが、なぜかできていない。
それが今の人間の最大の欠落点かも知れません。
それを教えないことが今の教育の腐敗の象徴かも知れません。

「心の豊かさ」
物質的な豊かさがほぼ満たされた
今こそこれを追求する時代ではないでしょうか。
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