「イラク人質事件を考える」(2004/04/19〜05/10号)
例のイラクの拉致事件。私は最初からどうもうさんくさい気がしていた。
拉致された3人の顔に全く悲壮感がなかったからだ。
「自作自演ではないか?」という気すらした。
解放された後の顔もやたら明るいのもそうだ。
焦燥感がないのもそうだが、悪びれた感じがしないのが一番許せない。

はっきり言って、こんな時期にあんな危ない場所に行くのは一種の自殺行為である。
自殺行為であるからには、その責任は自分で取らなくてはならない。
こういっては何だが、国に助けを求めるのは筋違いだ。
3人の内2人はもう成人だから、余計に自分の行動には自身で責任を取る必要がある。
問題は高校生。これは親にも責任がある。
行くと言い出したときに止めなかった罪は重い。

私はテレビ会見など見ていないので聞きづたえであるが、
なんかなめた会見であり、かなり多くの批判が寄せられたとか。
別に行くとは言わない。しかし責任は全て自分で取れ。

3人は「イラクの安全が確保されるまで行かない」などと言っているようだが、
そんなことじゃだめだ。
少なくとも今後10年間の海外渡航禁止を申し渡すと共に、
救出にかかった費用の一部でも負担させるべきである。
日本国内でも何らかの遭難があったときに、その捜索費用は負担せねばならないのだ。
多くの場合それは莫大であり、破産するほどになることもあるという。
そこまで負担せよとは言わないが、己らの後先考えない愚かな行為により
どれだけの税金が浪費されたかを、身をもって感じ取らさなくてはならない。

支援を行うこと自体が悪いとは言わない。
でも、やり方が正しいとは言えない。

また、自衛隊のイラク派兵を肯定する気も全くない。
あれは小泉がブッシュへの忠誠を示すためのパフォーマンスに過ぎないのだから。
この3人の安否がどうであれ小泉に責任を取る必要はなかったが、
自衛隊員に何かあったら責任は全て小泉にある。

        ・・・

先週は、イラク人質の件で少々熱くなってしまったが、
結局の所言いたいのは、「やっていることは認めるが、もっと気を付けろ」
ということである。これは日本国内でもめずらしくないことだが、
あれはあまりにも目立ちすぎたのである。

        ・・・しかし・・・

結局イラクの問題を引き起こしたのはアメリカであり、
アメリカの傍若無人さについては別に非難しなければならない。
今日たまたま付けたTVで、アメリカがなぜパレスチナを支援するのかを
うまく解説した番組をやっていた。

アメリカの行動原理は全て「自国に利益があること」であるが、
パレスチナ支援もまたそれである。が、ここでの「利益」は
ユダヤ人が金を持っているという隠れた事実の他に、キリスト教の教義が関わっている
と言うことを初めて知った。エルサレムはユダヤ教にとっても聖地であるが、
これはすなわち、ユダヤ教から派生したキリスト教にとってもそうなのである。
むしろ、積極的にユダヤ教にその聖地を守らせるという教えがあるようだ。
それを行動原理にしている団体が「福音教会」(だいたいそんな名前)であり、
こいつらが全米で500万にもいて、結局の所、こいつらの票を頼りにしている
議員が多いから、アメリカはパレスチナを支持するのである。

特にこいつらはアメリカ南部に多いらしいが、ブッシュもその南部を支持基盤と
しているだけに、無視できないのだ。何かにつけてアメリカ南部というのは
保守的でいかん。

いやいやもっといかんのは、アメリカでは全く持って政教分離がなされていない、
それどころか宗教のためには他国の利益などどうなってもかまわないと思っている
ことである。

政治に宗教的理念を持ち込むことが悪いとは思わない。
日本も、もっと政治に仏教的(もしくは神道的)倫理観を持ち込むべきであるとは
思う。でもそれはあくまで倫理であって、誰かを崇拝したり、
どこかの宗教を特別扱いすることではない。

が、アメリカでは堂々とキリスト教というかユダヤ教のために、
事もあろうにその軍事力・政治力・経済力を行使し、
言うことを聞かない国を攻撃したり弾圧するのである。
こんな傲慢な国家があろうか。
(それに従属する日本、小泉の愚かさもまたしかりである。)

ちょっと話はそれるかも知れないが、今の世の中では「ナチス」に対する
評価の見直しを行うことに対して、あまりにも否定的すぎる。
本来は、同じ過ちを繰り返さないためにも、その行動については十分に
研究しなければならない。何かが良かったからこそドイツ民衆に受け入れられたので
ある。その事実は知っておかなければならない。
しかし、そういう研究や再評価を暗に禁止し、そういうことをする人間を
あらゆる手を使って徹底的に(社会的に)抹殺しようとする傾向がある。
その手を裏で引いているのは間違いなくユダヤ関係の機関である。

それと当時になぜナチスがユダヤ人をあそこまで毛嫌いしたのか、
その理由も知るべきではないのだろうか。
果たして全ての非はナチス、いやヒットラーにあったのか。
彼に弾圧を決定させる日常的行動がユダヤ側にあったのではなかろうか。
最近のパレスチナの行動、アメリカの行動を見ているとそう思えてならない。

世界のマスコミのほとんどはアメリカ寄りだ。
アルジャジーラのような極一部だけがそうでないと言える。
だから多くがイスラムが悪いように聞える。そこには真実は見えない。

今回誘拐された3人は、是非ともその口からそういう事実を語って欲しい。
イラク平和にとって一番の的は誰なのか。
彼らの望んでいたものは何なのかをである。
それをしたとき初めて、彼らの解放のために使われた全ての苦労が報われるのである。

        ・・・

例のイラク人質事件では、2人が記者会見をした。
いろいろと語ってくれたのでそれはそれでよかったとして、
1つだけ納得できなかったのは、記者の野郎が自己責任について、
ジャーナリストには当てはまらないというような発言をしたことだ。

馬鹿も休み休み言え。
誰であろうと、自己責任は常につきまとう。
「真実を伝えるため」というお題目の下あっちこっちに行かれたあげくに
つかまって、他人の世話になるなんぞもってのほかだ。
こんな馬鹿なことを言っている限りは、こいつは二度と海外に行くどころか、
この手の仕事をやらせてはいけない。

明らかに危ない場所に行こうというのだから、そこには自己責任が伴う。
仮に会社の指示であったとしても同じだ。
その場合は会社の責任となる場合もあろうが。

どうも報道関係という連中は、プライバシーについても言論の自由についても、
こういう自己責任についてもどこか一般と異なる理解をしているようだ。
「自分の理解があまねく全ての領域で真とは限らない」悪い例である。
報道関係の人間なんぞと知り合いになりたくはないな。

        ・・・特に大きな進展がない限りこの話はここまで・・・

のつもりであったが、また1つ馬鹿話が出たので書く。

自民党の議員が人質になった連中を「反日分子」とかいうような発言をしたが、
これほど時代錯誤というか状況判断の出来てない議員も滅多におるまい。
(いや、最近の議員には多いのかも知れないが、ここまでまともに発言する
馬鹿も珍しかろう。)

確かに渡航に関して警告がでている国に勝手に言って捕まったのだから、
その分の非はあるろう。しかし、それをもって「反日」というのはどうか。
警告には法的規制はない。またこれを言うなら、法律違反を行った者は
全員そう呼ぶべきだ。携帯電話掛けながらの車運転も、例の年金未納もそうでは
ないのか?(再編集時注;年金加入が強制になる前の未納はその限りではない。)

私に言わせれば、こんな発言をする議員そのものが今の日本にとっては不要の
「反日」議員である。非国民だと言い放っても良い。
次回の選挙ではこんな愚か者が落ちる事を祈る。

というところで、この件は本当に終わり。
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