「ヒーロー復活」(1996年02月02日号)
昔なつかしいヒーロー物。
特撮からアニメまで、昔のテレビには多くのヒーロー・ヒロインがいた。
それらのヒーロー達は今見てもかっこよく、美しく、あこがれるものである。

偏見かも知れないが、今のヒーローたちには残念ながらそういったカリスマ性はない。
今だけのヒーローであり、将来忘れられるであろう。

それは、似たようなヒーロー達が多すぎるのと、訴えるもの、インパクトが
ないからだ。視聴率を稼ぐだけの番組。
創り手にポリシーがない。なにかを訴えたいという情熱を感じない。
こういう物だから、未来には消え去られる。

そうした中、今年は2人のヒーロー達が戻ってくる。
ウルトラマンと赤影である。

ウルトラマンの方はすでに宣伝が出ているので知っている人も多いかも知れない。
出光の宣伝にも出ているし。
「ウルトラマン・ワンダフルワールド」という名前の映画で、
なんと主役はとんねるず。ウルトラマンも歯ブラシで変身し、
潔癖症で小心者という設定である。
そうそう、ウルトラマンの名前は「ウルトラマン・ゼアス」。

昔のイメージを一新しての、一言でいえばお笑い路線である。
宣伝を見る限りではおもしろそうではあるが、やはりかっこいいウルトラマンも
見てみたい。

そうしてもう1人が「赤影」。
この赤影はちょっと注目だ。なんとあの当時赤影をしていた人がもう一度
挑戦するのだ。
(去年、岐阜県のイメージポスターに登場したのとはまったく違う。
実際のところ、赤影と岐阜県にはまったく関係ないんだけどね。
だって、赤影は伊賀の忍者だから。)

彼の名前は忘れたが、余りに赤影のイメージが強すぎてその後の生活に
いろいろと影響があったようだ。これは、彼だけではなく、そのほかのヒーロー
ものや主役などになった人にはよくあるらしい。
そのため、彼はあれから20年以上再び赤影にはならないと決めていたそうだ。
それが、ファンの熱い復活の要望により、とうとう再び挑戦する気になったらしい。

実際のところ、あの赤影の「涼しい目」を持つ俳優は他にはいなかったらしい。
確かに、50を過ぎた今の彼を見ても、当時の目の涼しさは残っている。
今、彼は復活のためにトレーニングをしているそうだ。

世の中が混沌として不透明で悪がはびこり、しかも全体的な無気力が漂う中で、
超絶的なヒーローが復活するというのは時代の要求かも知れない
そう思うのである。

あぁどこぞの会社でも「赤影」が現れて、「悪」を一掃してくれないだろうか。
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