「やってしまった阪急」(2001/03/05号)
阪急がやってしまった。

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京阪特急が、去年後半のダイヤ改正で、停車駅を2駅増やした。

        「なんでそんなことするねん!」
        「丹波橋、中書島なら急行でも一緒やん!」

という思いがあったが、実際にはそれによる遅れも少なく、
まだ許せる範囲であった。
これは、中書島−京橋間でも十分な時間があるからだ。

しかし、今度の阪急京都線のダイヤ改正は「改悪」としか言えないものである。

        ・・・

今度の阪急のダイヤ改正では、事実上特急がなくなり、
全てが格下げされる。
すなわち、特急が急行と同じに、急行が準急にとなるわけである。

具体的には、特急は今の急行の停車駅から西院と淡路と大宮を抜いただけ
(大宮は乗客が少ないので止まらなくするそうだ)、
急行は南茨木に停車、さらに高槻以降各駅停車になる。
これで「特急を10分間隔にして便利を良くする」というふれ込みである。

愚劣である。
全く何の意味があるのか解らない変更である。
これなら素直に急行を増発する方が良い。

京都−大阪間を移動する場合、選択のポイントとしては時間・最終目的地に加え
懐具合があった。
そう、急ぐ場合はJR、ゆっくりでも良いから安く上げたい場合は阪急である。
(京阪は目的地によって選ぶ。)
JRは29分で530円(京都−大阪)、阪急は45分で390円(河原町−梅田)で
その差は地下鉄の料金も含めると150円以上になる。

このように阪急の特急は遅いが、河原町からなら確実に座れるし、
途中は高槻だけしか止まらないので、気楽であった。
(途中止まらないと寝られるというのは解るよね。)
が、これが急行とほぼ同じだけ止まるのだから、それだけ混んで
やかましくなるのである。「特急」という風格ではなくなる。

JRの新快速では、京都からではなかなか座れないが、
快速や各駅停車なら座れる。そして、実はその各駅停車でも
京都−大阪間は45分なのである。そう、阪急特急はJR各駅停車並み
だったのである。

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遅くてもこの安さで阪急を選んでいたところがあったが、もう駄目だ。
はっきり言って、私が阪急京都線に乗ることは、
京都−大阪間の移動手段としてはもうないだろう。

さらに今回の停車駅を見ると、淡路が特急停車駅から外れている。
これは、はっきり言って千里線を馬鹿にしているとしか思えない。

今までも京都行くのに一番苦労していたのだ。
急行が止まる駅で一番京都より遠いのである。

それでもしかたないので急行に乗っていったのに、
今度からはその急行だけに乗って京都に行くのは非常に遅くなるので
乗り換えを強要されるのである。
まだ格下げなら格下げで急行と同じ駅に止めれば良いものを、
こんな中途半端なことを。

こういう面でも、もう阪急は選べない。

「特急停車」という名前にだけこだわった今度のダイヤ改正は、
阪急にとっては切り札のつもりだろうが、
そのイメージが大きく下がり、乗客が減ると危惧する。

いつかその過ちに気づいて戻すことがあるだろうか。
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