「ゲーム機ブーム」(1996年01月11日号)
世の中ゲーム機ブームである。(ホントウ?)
(なんか前回と同じでだしだな。)

次世代機として発売されたSEGAサターンとSONYプレイステーション。
当初の予想を越えて早い時期に100万台を突破し、今も好調な売れ行きである。

去年11月までは両者はほぼ均衡、少しプレイステーションがリードという状態で
あったが、12月にサターン用に発売されたバーチャ・ファイター2が大売れで
今はサターンがだいぶ引き離しているらしい。
(ちなみに私はどちらも持っていない。)

この次世代機の売れ行きを支えているのが良質ソフトである。

実は、ゲーム機メーカーは本体の売りではほとんど利益は出ない。
場合によっては赤字になる。(最初のサターンは赤字売りだったようだ。)
ましてや今は最初より価格を下げている。幾ら量産効果があるとは言え、
価格を下げればそれだけ利益は減る。
にもかかわらず売り続けるのは、勿論別の面でもうけられる「あて」があるからだ。

このあてというのはソフトライセンス料である。
その機種用のゲームを起動すると、最初に必ずそのゲーム機のタイトルロゴが
表示される。このロゴはそのゲームがゲーム機メーカーによって認証された
ことを示している。そして、この認証料=ライセンス料によってゲーム機メーカーは
もうけている。

この認証料は決して安いものではない。
従ってゲームメーカーとしても売れるものを作ってきっちり元を回収せねば
ならない。そうしなければ認証料だけで赤字になってしまうからだ。
このプレッシャーが良質ソフトを市場に出す原動力になっている。
勿論、認証を与えるときにゲーム機メーカーがチェックをするのでおもしろくない
ソフトは出させない、というのもあるが。
(Hゲームがパソコン(98)で多いがゲーム機にないと言うのは、主にここで
ひっかかるからである。)

かつてアメリカでAtariというメーカーがゲーム機を出したとき、
最初こそ売れたがやがて「くずソフト」「粗悪ソフト」の多発で消えてしまった。
このときは(おそらく)ゲーム機本体で儲けを出し、ソフトはライセンス料なしで
どんどん作ってください方式をとったのだろう。
だからソフトメーカーは安易にソフトを作りばらまいた。
これが結局そのゲーム機市場そのものをつぶし、自らの首をしめたのである。

任天堂(おっ、今気づいたけど任天堂って「天に任せる」でんな。)は
ファミコンを出すときにこのあたりについて考え、「ライセンス料をとる」という
考えに至ったようだ。

このライセンス料、結構どころかかなり高額で、それについてはいろいろと
悪く言われるのであるが、結局の所、それが良質ソフトを排出し、健全な
市場を保っているのだから、「良いことである」といわなければならない。
(実際にはこの他に年に何本までしか出してはいけない、という制約もつけている
らしい。この制約は過去の実績により増減されるとか。まあ、実際の所、いいものを
作ろうと思ったらそう年に何本も出せるはずはないんだけど、よほどの大手で
開発チームを複数持っているところ以外は。)

SEGAもSONYも結局の所このライセンス料市場に乗り込んだ(整備した?)
わけだ。とりあえず、ユーザーにとっては良い効果しか出ていないようなので、
よしとしよう。

あっ、ライセンス料の悪いところはそれがゲームの価格に上乗せされている
ところか。ゲーム価格のうちかなりの所がライセンス料金だからね。
スーパーファミコンは、きたるべきウルトラ64にそなえてこのライセンス料を
だいぶ下げるらしい。これによってスパーファミコン市場もキープする戦略だ。
ゲーム1本につき3000円も下がるとか。いかにライセンス料が高いかが
わかりますな。
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