「バイクの排ガス規制について」(1993/05/09)
以前から環境問題で車の排気ガスが問題になっています。
大気汚染の根本となるのはNOxと呼ばれる窒素酸化物と
塵媒(これでよかったかな?)です。

しかし、実際にはガソリン自家乗用車における排気ガスというものは
エンジン内でできるものの実に3%くらいだそうで、そのほかは
触媒などで処理され、無害な気体になっているそうです。

実はNOxはエンジン内での燃焼効率が上がるほどでやすくなるので、
馬力のある車ほど排気ガスでは「いけない」ということになります。
(ということは最近の車はみんないけないということか。)

いま車両の大気汚染で一番問題になっているのはディーゼル車の出す
塵媒すなわち黒い煙です。あれがいかにいけないかは道路沿いにあるもの
の黒ずみ方を見るだけでわかると思います。

最近になってようやくこれに対する規制ができ、自家乗用車のディーゼルは
数年中に廃止されるでしょうし(これでディーゼル依存の高いいすゞは
だめになった)ディーゼルの多いバス・トラックについても、新造車には
なんらかの排ガス規制がされるようです。実際電気モーターとディーゼルエンジンの
両方を積むハイブリッドカーや黒煙を吸収する装置をつけたクリーンカー
が大阪市バス等に導入されています。

ディーゼルに関してはバス・トラックと言う商用車に多く使われていたため
産業界から多くの反対があってなかなか規制ができなかったようですが、
国際的な環境保全意識の高まりから「しぶしぶ」実施したようです。
これだから日本は・・・困ったもんです。

そしてさらにもう1つ、排気ガスが問題になるものがあります。
それがバイクです。実はバイクには排気ガス規制がまったくありません。
原付はもちろん、限定解除の750、1000ccに至るまですべてそうです。
特に、バイクでは馬力アップのためにエンジンに小細工があるために
結構排気ガス中のNOxが高いようです。

バイクなんて小さいからいいじゃないか、と言われるかもしれませんが、
今日のように原付やバイクが大量にあふれている状況ではそれは決して
無視できない存在です。

どうしても大きいものばかりに目が向いてしまって小さいものまでに
気が回らないようですが、こういった小さなものにも目を向けて
排ガス規制をするべきである、と有識者の間では考えられているようです。

ひょっとすると数年以内にバイクの排ガス規制ができるかもしれません。
それは産業内でバイクがそれほど使われていないこと、バイクメーカーが
車に比べて小さいことなどを考えればすぐに決まるかもしれません。

排ガス規制による馬力ダウン等は車のエンジンの例を見てもすぐに
復活できることは間違いありません。

バス・トラック、自家用車、バイク、原付を含めた総合的な
排ガス規制(と騒音規制)が行なわれることを望みます。
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