「オーディオ復活」(2000/02/18〜03/01号)
最近はAV(アダルト・・・ではなくてオーディオ・ビジュアル)系に
復活の兆しがある。

それにともない、いろいろな物が出てきつつある。
DVD−Audio/SuperAudioCD(SACD)
/DVD−Video/MDなど。
テレビは放送方式そのものが変わろうとしている激変期を迎え、
その波に乗っているわけだ。

これらの変化をよく見ると、技術内容的にはアナログからデジタルへの「質的変化」
であるが、実は量的変化もある。そして、一般人が求めるのはこの「量的変化」で
あると考える。それがある時だけ、売れるということである。

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実例を年代順へ上げてみよう。

        オープンリールからカセットへ
        レコードからCDへ
        単品オーディオから一体コンポへ
        カセットからMDへ
        LD/レンタルVHSからDVDへ
        ブラウン管TVから液晶TVへ

オーディオの世界では、過去にこのような変化があった。
これらの変化で大きく変わるのは実は「大きさ」である。
考えてみるといい。上記全ての場合でその大きさは半分以下になっている。
そういう時のみ大ヒットしていると言ってよい。
さらに、価格的に下がると一層弾みが付くのは言うまでもない。

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ところが、これらの変化では質的には極一部を除き、ほとんどの場合は落ちている。
ここで言う「質」とは音質だと考えてよい。

そう、一般人にしてみれば、それがあからさまでなければ、質的に落ちるのは
問題にされないのだ。専門家が求めるのは質的向上だが、
一般人の求めるのは「手軽さ」であり、量的向上と言うか減少なのだ。

質的向上があったのに売れなかった物を上げてみよう。
        Lカセット      (オープンリールの音質とカセットの手軽さを狙った物)
        DAT          (カセットと同じ位の大きさでデジタル録音する)
あっ、2つしか思い付かないか。多分もっとあるはずだけど。

もちろん規格のまずさ、協力会社を募れなかったとか言う政治的なものによって
無くなった物もある(βビデオとか)。
が、はやり・廃りはともかく、大きく売れるかどうかのポイントに、
「量的変化」が関係しているのは間違い無い。

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オーディオは、新しいメディアの発明によって好不況が出るといわれる。
レコード→CDの時も好況になったが、CDが行き渡ると不況になった。
今は新しいメディアがたくさん出つつあり、そのお蔭で好況になりつつあるわけだ。

DVD−Videoやテレビのデジタル化などはまさにその象徴とも言える。
業界的に無理やり変化させようという意図も見え見えなので嫌なのだが、
それによりAV業界が好況になるのは歓迎すべきなのかも知れない。
そこが不況だと良い物も出なくなるから。

この好況を押し進めるのに、DVD−AudioやSACDもその役を
果たすという人もある。しかし、今まで書いた通りに考えれば、
「そうはならないだろう」である。
DVD−AudioやSACDには量的変化はない。
(CDと同じ大きさだから。)
故に、一般人には受けないのではないか。
質的には大いに向上しているので個人的には歓迎しているのだが。

同様に考えるなら、テープの大きさが変わらないD−VHSはそんなにはやらないと
思うが、7〜8年先にはアナログテレビ放送がなくなるだけに、
遅くともその頃までに現行のVHSからの置き換えは進むだろう。

ディスク録画装置は量的変化を伴うが、現状ではいかんせん記録時間が短い。
いくら質的に若干の落ちは許されるといっても、こういうところは基本中の基本の
ところだけに許されないだろう。
だから、記録時間が伸びるようになるまでは売れないだろう。

技術的進歩は大いに結構だが、一般人の底辺を引き上げることも
大切なのではないかと思う。
文化的(というか能力的か?)底上げが出来る技術を
どんどん出して欲しいものだ。

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私はと言えば、私は10年に一度AV関係を見直すことにしている。
このことは前にも書いたが、今使っているAV系を買ったのは、
一部を除いて10年前である。故に1999年はその見直しをした。

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買ってから10年以上
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アンプ                  更新せず        十分、修理して継続
CD                    更新せず        当面このまま
チューナー              更新せず        十分、余り使ってない
                                        FMアンテナを追加して強化
カセットデッキ          更新せず        十分、余り使ってない
スピーカー              追加            音不足解消のためBOSE AWM追加
                                        ミニスピーカー2台をTV用から移行
                                        ケーブルを換えて音質向上
テレビ                  更新            デジタル対応のため更新(ワイドは見送り)
                                        前の物に不具合もあり
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買ってから10年未満
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ビデオデッキ            更新せず        D−VHS待ち
                                        ディスク録画装置も見ておく
レーザーディスク        更新            R7Gを購入。LDを買える最後の
                                        チャンスだったので
MIDI                更新せず        SC−8000を来年以降(予算の都合)
レコード                更新せず        十分、余り使ってない
MD                    更新せず        十分、高級機は不要
ヘッドフォン            更新せず        十分だと思っていたが、スピーカーの性能
                                        が上がったお蔭で少し物足りなく感じてい
                                        る。予算的に余裕があった時換えよう。
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結局のうちのシステム                            1999年 *=新規,+=復活(配置換え)
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アンプ          ONKYO           Integra A701XD
CD            DENON           DCD-1610
カセット        A&D             GX-Z7100
チューナー      ONKYO           Integra TX445XG
+アンテナ      maspro          FM3                     +
MD            SONY            MDS-JE700
レコード        DENON           DP-37F
+カードリッジ  audio-technica  AT33ML/OCC
セレクター      maspro          DSW42E
LaserDisc       Pioneer         CLD-R7G                 *
スピーカー      JBL             LX44
                BOSE            AWM                     *
                DIATONE         DS-103A                 +
ヘッドフォン    audio-technica  ATH-PRO6
Video           Victor          HR-VX1
                SHARP           VC-BS50                 +
TV            SONY            KV-29DRX5               *
MIDI        Roland          SC-88
                                SC-155
シーケンサー    SHARP           X68030
                                X68000 CompactXVI
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グラフィックイコライザー  marantz         EQ551                   現在入れるかどうか様子
                                                        見中

これらは常時ケーブルで接続されている物のみ。時々繋げる物
(ハンディービデオやマイクとか)は省いている。
細かい機種を書いても解らないと思うけど、それでも書いたのは自分でも何を
持っているのははっきり解ってなかったので、まとめるためである。
結構多いんだなぁ。
この他、ケーブルや細かい備品によって細かい部分での質的調整も行っている。
これに関しては別のシリーズで書く予定である。
高級セットを持っている人から言わせれば「ちゃち」なんだろうけど、
私なりに、結構凝っているとは思う。

        ・・・

1999年は3点新規購入し(げげっ、50万もかかってる!)、
いくつかの物を配違え及びしばらく使っていなかった物を復活させた。
まだ欲しい物はあったりするけど、1年位は控えないと怒られる。
家で余っている物を大量に処分して、1000円でも稼がんといかんなぁ。

この見直しで考えるのは主に質的変化だ。量的な物はほとんど考えない。
だから、常に単品物で買う。機能的に落ちても実質での向上があれば良い。
(一般に、大衆向けの物ほど高機能である。だが高性能ではない。)
大きさは大きくなってもいいのだ。良い音や映像になれば。

今回の見直しでは上表のように、今年中にスピーカー、レーザーディスク、
テレビは更新、CDとMIDIは次回回しとなった。
これでだいぶ質的向上がはかられた。特に映像系が大強化された。
ほんと、数年ぶりに音楽、映画鑑賞にはまっているのだ。

もう10年経った時には、全面的に入れ換えとなるだろう。
その時には1部屋を完全にオーディオルームにして、
いわゆる「ホームシアター」なるものを作りたいと思っているのだが、
はたして出来るか。
その時のAV業界ははたしてどうなっているか。
とりあえず、親戚が新しい家にホームシアターも出来る部屋も作ったらしいので、
そこに入れる物の選定に関わらして欲しいところ。
勉強になるぞ。

願わくば、10年後に軽薄短小、非質実剛健な物が幅をきかせてませんように。

        ・・・おわり・・・
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