「海 vs プール ; 局長編」(1995/07/10執筆)
「局長はなぜ海にこだわるのだ?」言われることがある。
そうか、確かにその理由を書いておかなければいかんかもしれん。

ということで、ちょいと書いてしまうのである。

        ・・・

「頭もやもやしてないか。そういう時は・・・」と、どこかで聞いたような台詞だが、
こういう時には超力水を飲むより、太陽の下に出て少し運動するのが一番いい。

人間というのは不思議なもので、空調の聞いた部屋の中にじっとして居続けると
いい考えが浮かんでこなくなる。
暑い暑いといいながらも、炎天下を少しでも歩くと結構頭がすっきりして
いい考えが出てくる。
(今なら昼間の一番暑い時は何なので、夕暮れ時のちょっと涼しくなった頃が
ベスト。)

太陽は人間に多くの力を与えてくれるのだ。
そして軽く運動して血の巡りを良くすることは、頭の働きも良くする。
それは理屈ではなく、事実だ。

せせこましい風景と言うものも人間のアイディアを限定してしまう。
狭い部屋の中にいて浮かんでくるアイディアと言うものは、
その部屋の大きさより大きなものは出ない。

かの坂本竜馬が太平洋を見て、日本の夜明けを思い描いたのと同じように、
広く大きく、人間を遥かに越えたスケールのものに出食わした時、
アイディアというものも、そのスケールが飛躍的に大きくなる。
それは不思議な人間の力である。

そのような観点から言って、海というものは非常にいい。
太陽のもと、広い水平線を見ながら泳ぐ。
これほど精神的に良いことはない。

        ・・・

さて、ここからはプールとの直接的な対比によってその良さを検証してみたい。
特に、海にはいろいろと誤解があるようなので、そのあたりを解いてみたい。
そうそう、室内プールなら年がら年中いつでも行けるから、
この際比較対象にはしない。


「海に行くと日焼けするからいや」

確かに炎天下で1時間も寝ていると真っ赤になってしまう。
が、これはプールとて同じ。室内プールでない限り、条件は同じだ。
(ひょっとすると、都会の空気は濁っているので少しは紫外線の通過量が
少ないかも・・・。)
プールには日陰もあるが、そんなところに長いこと居て何のためのプールだ?

むしろ、プールではサンオイルの使用が認められていないのに対し、
海では基本的に自由なので、防御という点では海の方が良かろう。
日焼けは、肩を中心にSPF25位のものをこまめにつけ、
ちゃんと泳ぎ、陸地では麦藁帽子をかぶっていれば十分防げる。
砂浜では砂をかけていれば日焼けは結構防げる。

だいたい、極度に日焼けを避けていると、皮膚が全く抵抗力をなくし良いことない。
夏にはある程度(ほんのり色がつく程度に)焼いた方がよい。
何のために皮膚は焼けると色が付くと思ってるんだ?
抵抗力を出すためだぞ。
真夏に異常に真っ白な人を見ると気持ち悪くないか?

        ・・・

「海は汚い」
海に入るとべたべたしてしまうのでそう思う人がいるのかも知れないが、
実は海よりプールの方が汚いし、皮膚のためには良くない。
 プールでは殺菌のためかなり濃い塩素が溶かし込んである。
これは体に良くない。大阪の夏の水がカルキ臭いのと同じだ。
ずっとプールに通っている人の髪の毛が脱色しているのを見たことがあるだろう。
あれほどすごいものだ。当然皮膚にもそれなりの影響はある。

では殺菌されているから良い・・・と思いきや、結構大腸菌はうようよである。
飲んだりしたらおなかを壊すかも。

海にもプランクトンとかいろいろ居るので、そういう意味では互角か。
でも、少なくとも皮膚に悪い成分は、きれいな海ならそんなにない。
むしろ1週間位連続で海に入っていると、皮膚はきれいになるように思う。
ミネラル分が多いからか。
確かにべたべたするのを落とすのには石鹸で洗わなければいけないので、
そういう意味ではたいへんかな。プールではシャワーだけでもいいけど。


「環境の問題」
空気のきれいさからいうと、これはもうプールには勝ち目はない。
あんな狭いところに多くの人間がいて良い空気なはずがない。

私は常々思うが、スポーツする時には、有酸素運動なのだから、良い空気も
必要なのだ。いくら体に良いと言って空気の汚い御堂筋沿いでジョギングしていたら
肺をやられてしまうのと同じだ。(そういう意味では、狭い室内での「エアロビクス」
運動のどこが有酸素運動何だ?と思う。山の中をゆっくり歩く方がよほどいい
エアロビクス運動だ。)

景色もそう。
狭いプールの中でうごめく人間を見て何が楽しい。
確かにむちむちのおねえちゃん水着の姿は目の保養にはなろうが、
それだけではもんもんしてしまって疲れるであろう。
海の景色は良いぞ。青い海の中で泳いでいると、
若干の人がいることなど忘れてしまう。
そういうの中で、たまに見る女の子の方がよほど美しい。(^_^;)

プールでは浮かんで浸っているだけでは何の意味があるようにも思えんが、
海ではそれだけでも十分にいい。
そうだ、海の方が浮くから泳ぎ易いと言うのもあるなあ。
そもそも人が多くないから泳いでいてぶつからないし。
(そういう海に行くということね。)

        ・・・

だいたい、海よりプールの方が良いという人は、
きれいで広い、見るだけでも十分に良い海というものを知らないようだ。
それとプールでは焼けずに海なら焼けるといった間違った認識を持っている。
本当にきれいな海というものは、泳がずにいられないものだ。
尼御前もそうだと思うし、ハワイでもワイキキビーチでなくハナウマベイなら
そうだと思う。
私は「海」と一口に言っているが、「プールもどき」の海は選ばない。

結局、海で泳ごうと言う人とプールでという人とは目的が違うということか。

残念ながら、大阪から近い範囲に広く美しい海というものは少ない。
若干の苦労が必要となるが、それでも幸いなことに、海に行き着くことは出来る。
(費用と言う面では、大阪では海はプールには絶対に勝てないということ。)

なれば海に行こうではないか。
プールへはいつでも行けるが、海へはそうそう行けるもんではない。
だからこそ1回のチャンスはいかすべきだ。
プールを否定するのではない。海に行ける時には行こう!といっているのだ。
プールにはいつでも行ける。

これは、別に海へ行くことを強要するわけではない。
いろんな機会を見つけてぜひ行って欲しいと思うのだ。
きっと何かを得ることが出来るから。
もう子供ではないのだから、海に行ってただ遊んで帰ってきただけでは悲しいではないか。
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