「高田明美さんの展覧会」(2001/05/28〜06/11号)
(書いてからずっと忘れてしまっていたので、随分と前の話しである。)

        「高田明美さんの展覧会に行ってきた。」

とは言っても、この人の名前を聞いて「あぁ、あの人ね」とぱっと解る人は
かなりその筋の人である。

私が絵の展覧会に行くなど非常に珍しいことで、
まして京都ではなく神戸まで行くというのは破格の出来事である。
JRの出しているミニコミ紙にその紹介があったので、
初日に行ってみたのである。
ただし、当然のことながら「無料」の展示会である。
有料であれば、きっと行かなかったであろう。
つくづく貧乏性なことで。

あったのは、JR神戸駅前歩いて5分位のところにある(駅から直接見えない上に
看板も無いので、始めていくと場所が解りにくい)オーガスタプラザというところで、
その3階の特設会場である。
(何やら駅前には見覚えのある建物があったが、あれはS社の神戸営業所が
あったか、今もある建物ではなかったか。JR神戸駅何ぞで降りるのは
初めてだと思っていたが、神戸営業所にはPC設置に行った気がするので
初めてではなかったわけだ。)

        ・・・

この3階と言うのも実に解りにくくて、館内放送が後であったのだが、
展示会をやっているという看板も小さなのが1つだけ、しかも何階か
書いてないのだから、手落ちである。
が、どうやら主催者側もこんなに人が来るとは思わなかったようで、
後で整理用のロープを張ったり、行列が長く解消されないので椅子を持ってきたり、
警備員が来るなどの対応があった。

行く前は、人は少なくて、さっと10分位で見て帰れるだろうと思ったが、
なんとそこには行列があった。
「入るのにこんなに並ぶのか?やめて帰ろうか・・・」などと思ったが、
折角神戸まで片道1050円も掛けてきたのだからそれは惜しい。
仕方無いので並ぶことにした。

しかし、これがまた一向に進まない。
狭い会場だから、入場制限でもしているのだろうか。
結局、会場に入れたのは1時間後であった。

で、入ってみてがく然。
なんてことだ。この行列は会場に入るための物ものはなかった。
今日(初日)は高田明美さんのサイン会があって、
グッズ購入、先着100名までに整理券が配られていたのだ。
この物を買うのがちんたらしているので、入るのに1時間もかかっていたのだ。
その行列に並んでしまったのであり、展示会を見るだけなら横からいくらでも
入れたのであった。

        「Oh! My ガ!!」

そういう列だって言うこと、説明しろよ。
(もちろん、この日にサイン会があるなんて知らずに行ってたのであった。)

        ・・・

しかし、ここまで並んでサインをもらわずに帰るのもしゃくなので、
予想外の出費であったが、テレホンカード(3000円)を買って
整理券をもらったのであった。
(たぶん)50度数のテレホンカード2枚が3000円なんて、
考えてみればぼったくりだよなぁ。
(通し番号入りの限定物らしいけど。)

展覧会は予想どおり10分くらいで見て回れるほどの広さで、
原画が40枚ほど在ったようだガ、どれもきれいでなかなか良かった
・・・って、まだどういう人か紹介してなかったか。

        ・・・

高田明美さんと言うのは、いわゆるアニメの原画を描く人で、
代表作には、ちょっと古いのだが「きまぐれオレンジロード」や
「魔法の天使クリーミーマミ」「機動警察パトレイバー」などがある。
最近はオリジナルの絵も多数書いているようで、ここでも
書き下ろしの絵が在った。もともとこの展示会は、神戸震災復興を
記念して開かれたものであった。

ほとんどの絵は油絵だったが、一部は和紙に墨を使って描いた物や、
コンピューターで描かれた物もあった。
絵柄的には細い線と太い線をうまく使い分け、大胆かつ繊細、
人物を、リアルでありながらも一部アニメ調にして親しみやすくしているような
感じである。特に女性絵の描画がすばらしいが、女性らしい繊細さを
随所に感じる。どれも皆綺麗である。
幼女系から大人の女性までどれも破綻無く描けている。
男性を描いた絵もあるが、美形しかない(^_^;)。

この人の絵はけっこう好きで、アニメ絵ではあるが見るに耐えるというか、
非常にきれいで、飾っておきたいほどである。
この場でも複製画が売られていたが、ちょっと高かった(だいたい1〜5万)
ので買えなかった。しかし、それだけ出しても買いたいなぁを思わせる絵も
何枚か在った。カードも使えたようなので、カードを持っていれば
買ってしまったかも知れない。
ポスターは525円と安かったので、サイン会の後1枚買ってしまったが。

        ・・・

そういえば、この行列に並んでいる時、真後ろに並んだ奴がこれがまた
悪性のアニメおたくで、こういう人の展覧会だからその系統の人が
来ているだろうなぁとは想像していたが、ここまであからさまな奴も珍しい。
それにしても話の内容もさることながら、その話声がやかましいし、
臭いし、鞄を振り回してぶつけてくるし、一度あからさまに嫌な顔をして
睨んでやった。その後少しだけましになった気もするが、やはり
相変わらずであった。

それにしても、何でこの系統の人間はこういう馬鹿が多いのか。
日本のアニメが今だ偏見で見られることがあるのは、こういう馬鹿が
目立つからなのではないか、と思ってしまうのである。
純粋にその絵柄が好きな人にとってはいい迷惑である。

        ・・・

しかし、サイン会は3時からである。
それまでどうしようか。

神戸と言う町には、いろいろと見て回るところも多くて、
本来であれば時間潰しに困ることはないはずだが、
今日は余り手持ちもないし、もとからそういう気で来ていないということもあって、
回るのに躊躇していた。

ふと回りを見ると家族連れかカップルが多い。
なるほど、確かにおしゃれなお店が多いのでカップルには良いデートスポットだろう。
だが、私のように1人で行った人間には、ひたすらに退屈でしかない。
面白い店などほとんど無い。

食事は近くにあった焼き肉中心の店(「空海」という店。¥777で
サイコロステーキのランチがあるが、これがまたまずくて。)で済まし、
メガバンドールというダイエー系の、何て言うんだろう、
いろいろな物を売っている店に入った。

予想に反してなかなかの品揃えであったが、
店員はやはりダイエーの域を出なかった。

そこでステレオ関係の品を見ていたのだが、まあ、こんな所で買う人間は
そんなに音にもこだわらない人間が多いのだろうか、
それらしいことを言って「良い音だろう」等と言っていたが、
もう少し勉強した方が良いよ、などと思いながらもそれなりに聞き流していた。
それにしても、こちらは始めから「ボーナス時に購入を考えているので
今日は買う気無し」と言っているのに「今日までなら安くてお買い得、
カード使ってでも買いなはれ」と言うのが嫌であった。

CDコーナーでは、昔なつかしい物をCDで復刻したのが売れていて
思わず買いそうになったが、手持ちが少ないのが幸いして買わなかった。

ここで結構な時間が潰せたがそれも限界が来たので、
少し早いが展示会場に戻った。
するともう行列が出来ているのには少し驚いた。
整理券を持っているのだから、確実にサインはもらえるのだろうに、
やはり早くもらいたいということであろうか。

        ・・・

結局、1人1人のサインに時間がかかるので、
またここでも45分位待つ羽目になった。
少し早めでも並んでおいて良かった。

実は私はサイン会などというものはまったくの始めてで、
色紙などはその場でくれるのかと思っていたら、自分で買って持って
行かなければならないわけね。
(さすがにペンは用意する必要はなかったが。)
わかっていれば待時間の間にでも買ったのだろうが、
しょうがないので、買ったテレホンカードの台紙の裏にサインしてもらった。

この時初めて高田明美さん本人に会ったわけだが、
小柄でかわいい人であった。
若干の会話も出来たが、やさしい声で好印象であった。
今までは絵柄が好きなだけであったが、思わず本人のファンにもなりそうである。
カメラを持っていれば写真も撮ってくれたようで、
これは用意不足であった。残念。
もちろん、この時のサインは永久保存である。
ここまで行列続きで疲れていたが、少しはむくわれた気がした。

        ・・・

この後はさっさと帰路についてのであるが、
家を出たのが10時、並び始めたのが11時、中に入れたのが12時すぎ、
サイン会の行列に並んだのが、2時45分、サインしてもらったのが3時半、
京都駅に着いたのが4時半、散髪行って家に帰り着いたのが6時半。

2時くらいまでには余裕で帰れるだろうと思っていたのが、
結局、こんなにもかかってしまった。
しかも、お金も予想以上に使ってしまった。

絵も良かったし、本人さんも良かったので失敗とは言えないが、
まさしく、ただより高いものはないである。
反省。
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