「とあるセミナーの感想」(2001/08/20〜08/27)
それは5/25のこと、とあるセミナー、というより
講演+対談+ミニコンサートへいってきた。
ある保険会社主催のものだが、会社で招待券をくれたので行ってきたのだ。

会場は琵琶湖の辺にある公営のホールであったが、
予想の他人が多く、危うく座れないところであった。
2階の最上席の端にかろうじて座れた。
多分後5不遅かったら駄目だったろう。

さて、このセミナーのテーマは「生きる」。
全体をかの五木寛之さんが監修しているということで、
破綻なく見事な進行であり、
講演・対談・コンサート全てにそのテーマが織り込まれていた。
もっとも、後ろ2者に関してはさりげなくであったので、
どれだけの人にそれが通じたかはわからない。

講演はもちろん五木寛之さん。
細かい話しは抜きにして、全体として私が日頃思っている(書いている)
事と大筋で同じであったので共感する部分が多かった。

さすがに直木賞を始めとする賞をとっているだけあって、
同じ話しをするにしても、話題とか引用の豊富さはさすがである。
出だしの話しがちょっと意外な暗さをともなった話題からだったので、
「こりゃまた・・・」と思っていたが、後の収束させ方は見事であった。
(途中で眠たくなって一部聞き逃したのは残念である。)

        ・・・

この中で強調されていた言葉が「情」であった。
最近の日本人には「情」がない。
情とは「感情」であり「情熱」であり「情緒」「情操」である。
もっと簡単にいえば、涙を流す心の水分、潤いともいえる。
最近の日本人は泣かなくなってしまったのだ。
これを取り戻すことが重要ではないか。
一方で「情」には「情報」があり、昨今はIT革命などといわれているが、
今必要なのはその「情」ではなく、上記「情ではないか」という提言であった。

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対談は米良美一さんとである。
最近は知らない人はいないと思うが、かの宮崎駿の「もののけ姫」の
テーマ曲を歌った、日本で2人しかいないカウンターテナーの歌い手である。
残念ながら、今回は対談なので歌いはほとんどなかったのだが、
やはりうまかった。
いや、それ以上には印象的なのは話がうまかったことである。
うまいというより「面白い」と言った方が良いか。

もののけ姫で有名になった後、いろいろと苦労されたそうだが
(マスコミがいかに嘘付きであるか等言われていたが)、
それを乗り切り、苦労が見事に身になっている気がした。
ここに「生きる」のテーマにあった話が出ていたのだが細かいことは省略。

いずれにしても、人間的にもファンになりそうである。
まだCDは持ってないので一度買ってみると共に(最近ベストが出たそうだし)、
コンサートにも行ってみよう。

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コンサートは古謝美佐子(こじゃみさこ)&シンセサイザー佐原一哉さんである。
この人は沖縄民謡の歌手で、名前は知らなくても「花」という歌を聞けば大体の人は
「あぁ、あれを歌ってた人か」と解るだろう。
「泣きなさぁい〜笑いなさぁ〜い。」の歌である。

この人の声もまた非常に通る声だが、
米良さんが澄んで通るのに対し、古謝さんは野に鋭く渡る風のように響いて通る。
同じ「通る」でも好対称で面白かった。
(音域は同じ位なのに。)

沖縄の音階は日本の(沖縄も日本だけど)陰音階に似て、
心に染みるものがありどれも良いのだが、中でも孫のために作ったという
「童神(わらかみ、だったと思う)」の歌は、子供を思う心が込められているのが
良く解って、自分も子供が生まれたばかりだったのでとても共感した。
この人、ジェスチャーを交えながらうたうのでそれがよく解るのだ。

最後に「花」も歌われたが、これも歌詞も含め良かった。
久々に歌に感動した。

結果、全体的にとても良く、行った甲斐があるセミナーであった。
2時間半が長いようで短かった。

が。
1つだけ惜しむらくは、回りに座っていたおばはんが、全くおばはん(妖怪?)で
見苦しく下品だったことである。席の取り合いなんてもう、とても書けまへん。
こんなんが保険屋で来たら、保険内容以前の話で私は入ることはないだろう。
元々入る気もないけど。

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余談。
今回これから帰るために京阪浜大津線から京都市営地下鉄地下鉄東西線までの
直通列車に、初めて乗った。
地下鉄が未開通で京阪がまだ市電風だった時は、京阪浜大津線にも
何度も乗ったが、これになったからは初めてであった。

京阪の車両は、この相互乗り入れ開始のために新規に作成された800系であるが、
本線の新型特急車両9000系と同じシートを使っており、
(ただし、車両幅が狭いので、1:2シートである)。
なかなかに良いものであった。
結構大きい車両であるが、これが路面を走る様はでかいであろう。

2社乗り継ぎになるので高い&浜大津線はスルット関西が使えないのが難点だけど、
たまにはのんびり帰るのもいいかも知れない。
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