「電子レンジの怪」(2002/06/17号)
うちにも電子レンジはある。
今や、たいていの家では必需品となっているのであろう。

しかし、一部の家にはあえて置かれていない場合がある。
それは、主に電磁波の影響を危険視するからである。
電子レンジの全面には金属のメッシュ板が必ずある。
このメッシュ板が電磁波を吸収し、外に漏れないようにしている。
しかし、それでは不十分という説がある。

中が見えると言うことは、光が出ていると言うことで、
光は電磁波の一種だから、電子レンジの出している電磁波も漏れているはずだ、
という理屈であろう。ところがどっこい、電子波はその周波数帯によって
透過率を含め性質が大きく異なるので、光=可視光はメッシュ板の編み目から
出てきても電子レンジの電磁波は出てこない可能性は高い。
実際、電磁波を計る装置で調べても電子レンジからの漏れは非常に少ない。
むしろ、インバーター蛍光灯(ちらつかない蛍光灯ね)やIHジャーの方が
ずっと上である。

しかし、電子レンジの電磁波は結構強力だ。
これをまともに浴びたらひとたまりもない。
それは、あの中に入れたものの姿を見ればわかると思うが、
少しでも漏れてたら怖くなるのは当然だろう。

うちでも電子レンジは出来るだけ使わないようにしている。
使うのはせいぜい温め程度であって、電子レンジを何十分も回して
調理するようなことは決してない。
使うときは近づかない。少なくとも子供は絶対に離れるように
言い聞かせている。

まあこの電磁波のおかげで、単なる加熱ではなく殺菌効果もあるのだが。

余談であるが、同様の理由で電磁調理器も危ない。
IHジャーを含む電磁調理器は電子レンジとは原理はほとんど同じなので、
当然電磁波が出、しかもかなり強力だ。腕時計は熱くなりませんとは言うが、
実際に電磁波をはかるとかなり漏れているのはわかる。

それはそうと、私が電子レンジがあまり好きでないもう1つの理由は、
卵が爆発するから・・・ではなく、温まり方が不自然なことにある。
(卵をあえて入れたりはしないけど、鶏肉を入れたら爆発するのも
困ったもんである。)

電子レンジで温めたご飯は食べにくい。
なぜなら、外が冷たく中の方が熱いから。
外があまり熱くないと思って噛むと中が熱くてアチチチチ。
私は猫舌なので、火傷することもしばしばである。

豆腐もそうかな。

蒸したり鍋などで温めると、このようなことはない。
外が温度が高く、中が低い。
普通の感覚と予想外だから余計に「熱い」のかもしれない。

中まで確実に温まることは、ある意味電子レンジの良さではあるが、
この温度のむらだけはどうしようもないのかもしれない。

いや、最初電磁波を弱くして中を温め、その後短時間強い電磁波を出して
外を温めるようにしたら出来るのかな。物体の出す赤外線を見知しながら
調整すると。むむっ、これは特許に出来るかも(もうすでに出てるかな?)。

電磁波でなく、炭火のような遠赤外線で中から温められる調理器があればいいのに。
(暖房器具はあるけど。)
炭火の場合は均一に温まり、中だけが極端に熱いことはないからね。

温め直しと言うことは結構多いだけに、操作が簡単ではあるが
ちょうど良い温めを極めた調理器具が欲しい、そう思うのであった。
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