「あぁ松茸様!」(2000/12/20〜12/25号)
もうすでに気づいている人は気づいているだろうが、
私は貧乏性なので自分で高級品(高価格品にあらず)を
買えないたちである。

買えないだけでなく、近寄る縁すらない。
自分で買わないのはもちろん、家族も他人も与えてくれる
ことがなかったのだから、つくづく貧乏な性分である。

特に食材的高級品にはトンと縁がなくて、
自慢ではないがタラバガニは30過ぎるまで食べたことがなかったし、
フォアグラ、トリュフもほぼ同様、
松茸も向こうが透ける位に薄いものがご飯に炊き込まれている物しか
食べたことがなかった。
まあ、永谷園の汚水物・・・じゃなくてお吸い物はたくさん食べたけど。

そんなわけだから、自分の手で松茸を触るなどということは
今までかつて一度もなかったわけである。
あぁ、そんな私にもとうとう本物の松茸に触れる機会が巡ってやっきた。

        ・・・

先日、近所の商店街主催で「男の料理教室」と言うのが開催された。
一般参加可能であるにも関わらず、ほとんどが商店街の人であった、
というのは公然の事実と言うか、まあ、小さな商店街主催の催しでは
良くある話であるが、場所は商店街の中のどっかの料理屋ではなく、
一応「taiwa」というその筋では少し有名な料理教室であり、
ちゃんとした(?)先生の指導の下行われたのである。

ここでの食材として松茸が出たのである(茸ご飯の具)。

        「あぁ、これが松茸様か」

初めての体験である。椎茸より大きく硬く、容易に割ける点など、
繊維質の特徴も違うと見た。
1本くすねて家で飾る・・・というわけにはいかないので、
ここぞとばかり、向こうが透けない位に結構分厚く切って入れたのであった。
(ちゃんと歯応えがある位!!)

サイズ的には結構大き目ではなかろうか。
国産物か韓国か中国の物か、その判別は私には出来ないが、
香りは今一つであったが身はなかなか食べ応えがあった。
残念ながら、茸ご飯は炊き方を失敗してご飯に芯が残っていたのだが、
まあ、そこそこ食べられた、というか意地でも食べたのは
松茸様のお蔭である。

参加費は3000円かかったが、材料は松茸を始め、
秋刀魚は見るからによさそうな物だったし、椎茸も(しめじは普通)
茄子も上物だし、ワインも出たし、お土産に京野菜も幾つかもらったしで
元は取ったであろう。この「元を取る」と言う発想が
貧乏人の証明といえようが、しかし、それよりも松茸様に
触れられたこと(とそれをこのようにネタに出来たこと)が一番の
収穫ではなかったかと思うのであった。

        ・・・

さて、この料理教室の始めに主催者の挨拶と言うのがあり
大概そういうものはつまらんものなのだが、
今回1人だけ面白い話をした人がいたので紹介しよう。
(実は秋刀魚を提供した魚屋の親父。)

昔は恐いものとして「地震 雷 火事 親父」が言われたが、
これを平仮名で書いて「親父に必要なもの」とする。
「じしんかみなりかじおやじ」→「自信家 身成り 家事 親父」である。
親父足るもの、自信が必要である
親父足るもの、いえの中でもパンツ一丁で居てはいけない。身成りは大切。
そして、親父足るもの、家事ぐらい出来なくてはいかん。

ということである。まあ、100%賛同するわけではないが、
確かに家事ぐらい出来た方が良いよなぁ、特に料理は、と思う次第である。
だからこそこういう会に言ったのであるが、
実は最近、諸般の事情で土日の内どちらかは私が料理をせねば成らんような
状況なので、やっている内に、もう少しレパートリーを増やさんといかんなぁ、
と思っているのであった。
        現在の主なレパートリー
                ご飯炊き(人よりうまく炊ける自信あり)
                おこのみ焼き
                カレー
                手巻き寿司(ちゃんと寿司飯を酢から作れる)
                ピラフ
焼きそば、ラーメン、目玉焼きなどは言うに及ばずであるが、やはり種類は少ない。
やってみるとなかなか面白いし、これは一発、力を入れて料理を趣味にでもするかな。

はっ、次回のオタ会は局長の手料理による宴会か!?
<戻る>