「アイドル」(1999/11/01号)
ある時、とあるポスターを見て思った。
(そのポスターが何であって、何と書いてあったかは省略。)
「アイドル」という言葉には、なんとなく華やいでテレビ等の中で暴れている
若い人達というイメージがある。
少なくとも私にはそうである。
ところが、本来アイドルと言う意味は、
「本番前の準備段階」
とでも言うべき状態を指すのだ。
車ではエンジンをかけてまだ進んでいない状態を「アイドリング状態」と言う。
お店では人が少なく空いている期間のことを「アイドル期間」という。
Windowsでプログラムを1つも動かしていない状態も「アイドル状態」だ。
そう、「準備」とかいう意味で結構使われているのだ。
となれば、テレビ等に出ている「アイドル」も、
「スターになる前段階、準備段階にいる人」
という意味になる。
こう考えると、今のアイドルの状況はまさにその通りということがわかる。
車にしても、お店にしてもやがては発進し、お客が来る時間帯を迎える。
しかし、テレビのアイドルはどうだろうか。
しばらくはちやほやされていても、その間に個性や実力を出せなかったものは
容赦なく切り捨てられ、忘れ去られる。
それで一般人に戻れればまだよいが、そのままあらぬ方向へ行って、人生を
終えてしまうものもいる。
「このアイドルは本当にアイドル期間を過ぎてスターになり全力走行するだろうか」
そう思いながらテレビを見ると、また違って見えるものである。