{店紹介2006}
(2006/01/23号)
{お店紹介}

        「シュークリームカフェ・オワフ」

        京都市上京区堀川今出川(東)上がる三井ビル1F
        
        075−414−1282

        10:00〜19:00
        年中無休

2005/10/1に出来たばかりのシュークリームカフェ。

味にはかなり自信を持っているようなチラシだったので、
買いに行ってみた。まずは小手調べに普通のシュークリームとチョコクリームで。
どちらも150円。2005/10/24号で紹介の
「パティスリ セラヴィ」のこだわりシュークリームが1個100円(税抜き)だったから
それに比べるとちょっと高めと言うことになるが、セラヴィが特別安いだけで
世のシュークリーム専門店から見れば普通。

まずクリームは、普通、チョコ共に味は濃い方だと思う。
普通の方はバニラなど入っておらず、本当のクリームの味だけで勝負している。
チョコの方は、だいぶホイップされていて軽い感じがしつつも
チョコレートの味は濃厚である。しかし後味はくどくなく、意外とすっきり流れる。
素材にはこだわっているような感じ。

シューは柔らかめ。歯ごたえで勝負する感じではない。
シューよりもクリームで勝負という感じか。

全体的な雰囲気が、ヒロタのシュークリームに似ていると思った。
いや、当然あそこまでまずくはないが、全体的な柔らかさとか味の傾向が。

私はどちらかというと、以前紹介のメイプルリーフやビヤードパパのような
シューが硬い目でクリームにバニラが入っていて濃い味か、ミニヨンのような
芸術的バランスの味の方が好きなので、好みの線ではない。

        おすすめど      78%

少なくとも今回買った2品ではこの程度であるが、大いに私の趣向が入っているので
他の人には当てはまらない可能性は高い。
決してまずいわけではないので、一度試されると良いと思う。

そうそう、店名からも解るとおり店の奥にカフェがあって、
そこで食べることも出来る。静かだし禁煙なので落ち着いて利用できそう。
エクレア他多くの種類の品があったし、ドリンク類にもおもしろそうなのがあったので
その内また行ってみよう。うちからはちょっと遠いし、鉄道の駅からも遠いので
誰かを連れては行きにくいけどね。

そういえば、ものを作っているのは地下にある工房らしい。
店の中に階段があった。
「地下工房を見た者を生かして返すと思ったのか!」(C)カリオストロ
と言う台詞を思い出してしまった。降りたら全品食べ終わらないと
帰してくれなかったりして(^_^;)
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(2006/01/30号)
{お店紹介}

        「ビストロ フルシェット」
        Bistro la fourchette

        京都市中京区押小路通両替町西入る金吹町460
        070−5651−6331(PHS)
        地下鉄烏丸線御池駅から徒歩6分くらい
        (烏丸御池から一筋西の筋を北へ)

        お昼    11:30〜14:00
        夜      18:00〜21:00
        定休    月曜日

先に紹介した「たま妓」のすぐ南にある料理店。
本当は、祇園祭の時に見つけたこちらに入るつもりで行って、
混んでいるようだったので「たま妓」に行ったという経緯なのだが、
結局、たま妓に行った翌日にこちらに入った。
本当は月曜日が定休日のようだが、この日は3連休中だったからか開いていた。

店はこぢじんまりしていて、基本的に1人で全て切り盛りされている様子。
(アルバイト募集はされていた。)
観光シーズンの連休だからか、それともいつもなのかは解らないが、
お客は多かった。女性二人連れとかカップルが多かったが、
私と、ちょうど同じ時に入った女性だけが1人であった。
(でもその人に声をかけられないのが私の奥ゆかしさである・・・大嘘^_^;)

店内はカウンター7席、テーブル2席くらい。
あまり広くはないが、1人で全てをこなすにはこれでも多いと思うくらい。
事実、かなり忙しそうで、片付けも早々に料理をされていた。
そういう状況なので、場合によってはかなりまたされる事を覚悟しなければならない。
私も最初の料理が出るまで10分以上、食事が終わるまで1時間以上はかかった。

それはそうと、料理。
ランチは1000円ちょっと、1260円、1680円(いずれも税込み)くらいと3つあるが、
違いは主菜で、パスタ(だったと思う)、「本日の料理」、ロースステーキと変わる。
ロースステーキはさらに400円ちょっとプラスすると和牛に変わるらしい。
これに、前菜とパン2種、コーヒーまたは紅茶と軽いデザートが付く。
私が頼んだのは1260円のコース。

この日の「本日の料理」はスズキの赤ワインソースのポアレかパスタ2種類の
3つのから選択できたが、私はスズキにしておいた。

前菜は鴨肉でかぶを挟んだ物に木イチゴのソースをかけたものと、レタスのサラダと
もう1つ何かのムースだった。素材は悪くない。鴨肉の料理は
鴨肉だけ、かぶだけで食べると味が良くないが、あわせると良くなる。
ムースのは味はあっさりだがバターが効いている。
これに醤油味に近い何かの煮こごりが付いている。

パンは2種、1つは白でかなりもちもちした感覚、
1つはたぶんライ麦パンでふんわりしながらも食べ応えのあるもの。
(玄米かも。)

スズキの赤ワインソースのポアレは、スズキのそれと、いかにかにを混ぜたような味の
固まり(すまん、料理名がわからん)、野菜である。
赤ワインソースはかなり濃厚で、白身であっさりしているスズキに
付けると良い味を出す。ライ麦パンに付けても良かった。

コーヒーおよび紅茶はまあおまけ。
見えちゃったから書くが、コーヒーは作り置きで、紅茶はティーバッグである。
悪いもんじゃないけど、まあおまけの一服と言うことで。

付いてくるデザートはパウンドケーキを薄く切った物に生クリームを添えてある物。
ケーキはそれだけを厚く切るとかなり甘さが強くてくどいと思われるが、
ちょうど良い厚さと生クリームでそれが緩和されていて美味しかった。
コーヒー・紅茶によく合う。

全体的に見て、取り立ててこれ!という特徴もないが、
無難にまとめられている。
これで1260円なら安いだろう。

        お勧め度        85%

店内はたぶん禁煙。どこにも書いてないが、臭い人間の手助けをする道具はないし、
嫌な匂いもなかった。だからこそ長い時間でも待てるのであるが。

おもしろいのがご主人。厨房で「あちちち」とか「え〜と、何がどうして・・・」等と
独り言を言われながら作業されていた。
なんか風貌や行動に良い意味で間の抜けているところがあって、
女性ならかわいいと思うところではないだろうか。
それは、外に出ている立て看板に書いてある今日の一言でもわかる。
「たま妓」とは違った意味で、なんか行ってみようかと思わせる店である。

後日、「Leaf」という雑誌を読んだら、京都・滋賀のランチの店の紹介の、
なんと一番最初にこの店が出ていた。2005年の5月に開店したばかりだとか。
人が多かったのはこの本に出たせいかもしれない。
(ちなみに、シャラモンも同じ号に載っていた。)

そうそう、私はずっと「ビストロ」とはイタリア料理店だと思ってた。
パスタとか扱っている店が多いから。
でも調べてみると「居酒屋」という意味のフランス語だから、本来はフランス料理なわけね。
日本では「肩の凝らないフランス料理屋」という意味で使われている感じ。
世の中、由来のわからん外来語が増えて困った事よ。
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(2006/02/06号)
{お店紹介}

        「ZOO」

        京都市中京区高倉通竹屋町下ル福屋町728-1
        地下鉄丸太町駅北東出口から徒歩5分
        
        075-241-2177

        お昼    11:30〜14:00
        夜      17:00〜23:00 22:30/LO
        定休    木曜日

おばんざい屋さん。

烏丸丸太町から通り沿いに東へ歩き、
ずっと前に紹介のティオ・ペペの筋の二本ほど西よりの筋を下ったところ左手にある。

友人が日曜日の夜に来るというので、3500円くらいまでという予算内で、
店を探しているときに見つけた。

烏丸丸太町近辺の店は府庁近辺の会社員または観光客を相手にしているようで、
日曜日が休みの店がかなり多い。
最初は豆腐屋にしようと思って電話したら日曜休みで、次に目を付けた居酒屋も休み。
で、ちょっと目先を変えて見つけたのがこの店。

この手の店は初めてなので様子が分からない。
値段は安いようだが、安かろう悪かろうでは困る。
私くらいの年になれば量はそれほど要らないから味で勝負になる。
まずは電話で予約。応対が良かったので期待して行った。

それほど広い店内ではないが、店内には仕切る壁がないので広く見える。
一番奥にカウンター6席(以上)、その手前にテーブル席が大(8人くらいか)と小(4〜5人)、
一番手前に座敷2テーブルがある。

「3500円くらいのコースで」と頼んだのが、
「3500円では多いので3000円にしておきました」という量のほどはどうか。

結論から書けば、「大正解」。
3000円でもかなり多く、2500円で十分だと思う。
カウンターでかなり長く飲んでいた2人連れは、なんと1250円くらいだった。

でも安かろう悪かろうではなく、それぞれの料理は和〜中華でおばんざいの範疇ではあるが
ジャガイモの煮っ転がし、糸こんにゃくのたらこ和え、マヨネーズスパゲッティー、
エビとネギの包み揚げ、餃子、マグロの刺身、こんにゃくの甘辛煮などから
最後は梅おにぎりのあんかけとか玉掛け鮭雑炊まで、これでもかという位、
覚えきれないほど多種多様で、しかもそれぞれが味も良い。
しかも全て手作りというのがよく分かる。
それだけではなく、お皿がそれぞれの料理にあった温度になっているとか、
細かい配慮がうれしい。

マスターと奥さんの2人だけで切り盛りされているようである。

酒は結構種類はあるが、とびきりというものではないような気もする。
中にはメニューにない酒もあるようなので、聞いてみると良いだろう。
(逆に書いてあっても切れてる酒もあったけど。)
でも、最初に飲んだビールは凍るか凍らないかのぎりぎりで、
いや、実際少し凍っているようで、これがまたおいしかった。
当然ジョッキも冷えている。

雰囲気が良く、まさに「居」酒屋という感じ。大人数には合わないが、
1人で来ても数人で来てもいいだろう。
おいしいおばんざいをあてに少量の酒を飲むという、落ち着いた酒が飲める店と見た。
事実、先の2人も長く居たが、1人で来る人、夕食代わりに来ているよう人もいた。
どの人もどんちゃん騒ぎをするようではなく、のんびりと友人またはマスターと話をしている様子であった。

        お勧め度        92%

また良い店を見つけてしまった。
予算はあまりないが少人数で行きたいときにはとっておきとなるだろう。
料理がおばんざいなので、胃にも優しい。
フランス料理屋イタリア料理には花はあるが、やはり油が多いので後がちょっとつらい事もある。
この日はちょっと食べすぎであれだったが、ちゃんと量を合わせればいい。

店内は禁煙ではないようだが、私が行った日は誰も煙を吐き出さなかった。
そうあるべき店である。味でも雰囲気でも。

この日はちょうど日本シリーズの第2戦を見ながらになったのだが、
阪神のふがいない事よ(10−0で完封負け)。
それはそれでネタにはなったのだけど。

そうそう、入り口の所に何種類か冊子が置いてあったのだが、
これがこの店のパンフレットではなく、なぜか長野は安曇野のだったり、
近所と思われる歯医者のだったり。う〜ん、訳がわからん。

        ・・・2006/12/05追記・・・

NY支部長夫妻も2回行かれて大満足のご様子。
よかった。
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(2006/02/27号)
{お店紹介}

        「MAO OSTERIA」
        La Cucina Italiana

        京都市上京区河原町丸太町上がる枡屋町368別所ビル1F
        河原町丸太町西上がる
        
        075−212−3655

        お昼    11:30〜14:00(LO)
        夜      17:30〜20:30(LO)
        定休    日曜日、不定休(隔週月曜日みたい)

京都御苑の南西角外すぐにあるイタリア料理店。

新しいと思ったら、開店1年くらい経っているらしい。
店内は大きな出窓から光が入り、薄黄色を基調として梁風に木材を配しておしゃれで
明るく落ち着いた感じである。調理場が一番奥に見え、その中は明るい黄色に塗られている。
席数は6*2人くらいであろうか。

ランチは1000,1500,2300円となっており、
今回は1500円を頼んだ(税込み)。
この場合、前菜、パスタ、パン、デザート、コーヒーまたは紅茶となっている。
2300円はこれに主菜が付くという構成、1000円はおそらくだが前菜なしになるのだと思う。
最初に量を書いておけば、私にはこの1500円でちょうどであった。
(私は小食である。)

前菜はキュウリソースの帆立のカルパッチョ、生ハムとレタスのサラダ、もう1品名前を覚えられなかったが、
真っ白な全く塩気のないチーズのようなものであった。

パンは最初から1切れ出てくる。
フランスパンのちょっと太めの。
香りが良かった。

実は小皿にオリーブオイルを入れてこられ「パンにどうぞ」ということだったのだが、
こういうのは初めてだったのでとまどった。
鼻を抜けるときの香りから察するに良いオリーブオイルだとは思ったのだけど、
オリーブオイルって味はそんなにない(と思う)ので、どうなんだろうか。
イタリアではバターの代わりにそうしてるのかな?
(その後解ったが、カマルティーナのパンにもかけてあったので、
向こうではそういう物なのであろう。)

パスタは2種類で、日替わりともう1つ定番がある。
この日の日替わりは、ウニのようなソースのスパゲッティーに
ズッキーニと茄子とブロッコリーを和えたもの。味は少々濃い目だったが、
美味しかった。最近食べたスパゲッティーの中では一番。

デザートはチーズのムースのようなもの(パンナコッタ)と
湿ったアップルパイみたいな形状のもの。
正式な料理名は失念。
(こういうネタを多く書くなら料理名辞典を買っといた方が良いかなぁ。)
パンナコッタの味とぬめっとした食感が良好。
(「ぬめっと」という表現が良くないかも知れないが。)

コーヒーは普通だけど、少なくともインスタントではない。
私がストレートで飲めたのでそれなり。

これで1500円なら安いのではなかろうか。

        お勧め度        88%

まあ、カマルティーナのような特筆すべき特徴がないのではあるが、
そつなくまとめられている感じ。
店内の雰囲気といい女性受けするだろう。
(実際、私が行ったとき、他に2+3人のお客が居たが全員女性だった。)

調理場からシェフの元気の良い返事声が聞えるのが好印象。

禁煙とは書いていなかったが、悪臭を手助けする物はなかったので
そうではないかと。こんなきれいな店、汚してはだめ。
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(2006/03/20号)
{お店紹介}

        「○竹」(まるたけ)

        京都市中京区竹屋町通り堺町西入る和久屋町101
        京都市営地下鉄丸太町駅北西出口から西へ歩いて7分くらい
        
        075−213−1567
        11:00〜20:00(売り切れ次第終了)

        定休    不明
        http://www62.tok2.com/home/marutake/

ラーメン屋さん。
以前から気にはなっていたが、紅葉狩りの日にようやくと行くことが出来た。
土曜日の11時過ぎであったが、もうすでに待ちが出ていた。
とはいえ、5分ほどで入ることが出来たのだが、中にいる間にも
ひっきりなしにお客が来たので、かなりの人気店ではある。

あっさり系の「中華そば」と、こってり系の「背脂」があり、
それぞれ並と大盛り、さらにトッピングの種類で変化するという感じ。
今回頼んだのは「中華そば」の並。700円。
ちなみに特なんとかは1000円で、チャーシューが+1枚、ゆで卵が付く。

だしは醤油系だが魚の出汁らしい。
でも鰹ではない。単純な構成ではなさそうだが、嫌な部分は全くなくおいしい。
胡椒が入っているので、ちょっとぴりっとする。

麺は若干細め。
特筆すべきはチャーシューで、1枚1枚ガスバーナーで炙って仕上げされる。
ほんのり焦げ目を付けるのと、味付けをするのと、余分な脂を落とすのではと思われる。
派手なので一種の演出もあろう。
多くのラーメン屋では分厚いチャーシューでは堅い上に中が冷たいままだったりすることがあるが、
ここのはそういうことはない。厚めではあるがとろけるようである。
ただ、これだけ食べると味はちょっと濃い。ラーメンと合わせてちょうどになっている。

他に細めのもやし、わかめもはいっているが、もやしも水っぽくはないし、
わかめもその味が出汁によく合っている。

卵には焼き印で、のりには印刷で店名が入っている。
卵はともかくのりの印刷は食べて大丈夫なのかなぁ、とちょっと気になった。

量は並で私にはちょうどくらい。もうほんの少し麺が多いとうれしいかな。

ここは禁煙。ラーメンの良い香りを楽しめ。

        お勧め度        92%

いやあ、久しぶりにおいしいラーメン屋に出会った。
ラーメン屋というと「店員が威張りちらしている」と聞くこともあるが、
ここはそんなこともない。

元々は中華料理屋だったが、ラーメン好きが高じてラーメン専門店にしてしまったという。
まあ、そのかいはある味と言える。

京都はラーメン店があっちこっちにあるので、比較してみるのも良いかもしれない。
しかし、いきなり高得点の店を見つけると、他には厳しいかな。
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(2006/04/24号)
{お店紹介}

        「やま清」(やませ)

        京都市中京区新町丸太町下ル大炊町201−3
        京都市営地下鉄丸太町駅北東出口から歩いて5分くらい
        
        075−213−5888

        17:00〜23:00
        定休    第2・3土日休

豆腐を中心とした料理屋。
京都にいながら行くのはずっとフランスやイタリア系が多かったので、和風で探してみた。
「ZOO」の紹介時に休みだったと書いた豆腐屋がここ。
そのとき行けなかったので再チャレンジである。

店長のお父さんは叙勲を受けるほどの豆腐職人らしい。
店にも誇らしげにその記事が貼ってあった。
果たしてその味はいかに。

店はこぢんまりとしていて、カウンター5席ほどと座敷が3テーブル(各4人程度)。
一見すればただの居酒屋にも見える。

今回は4000円のコースを頼んだ。内容は以下の通り(うろ覚え)。

        突き出し(いくらと茸と湯葉?)
        刺身3品
        豆腐2品(くみ上げ豆腐とほとんど固めていない豆腐)
        生麩のあんかけ
        胡麻豆腐?
        松茸と鱧などの湯豆腐
        雑炊

豆腐の味はさすが。特にほとんど固まっていない方の豆腐がすごく、
元々豆の甘さが存分に出ているが、これにわさびを混ぜてもかえって甘みが増す。
スイカに塩を掛けると甘さが増す(と感じる)のと同じ理屈かもしれない。

刺身も生麩もおいしく、別に頼んだ天ぷらでも素材にこだわっているのは十分感じられたが、
如何せん量が少ない。正確には、料理の種類はそこそこあるが、
1品1品が少なめでしかも豆腐が中心だから食べるに時間がかからない上に
おなかに少なく感じるのだ。
普通に食べたら2時間は絶対にかからない。

松茸と鱧の湯豆腐もあったが、松茸は香りが少なかったので国産ではないのかもしれない。
それより何より、その後の雑炊をその残り汁で作るのではなく別に(それを下げてから)作ったというのが
何とももったいない。その雑炊もお茶碗1杯強くらいで少ない。

看板には「お魚たち・TOHFU」「酒、肴、音」とあるんだけど、「音」って何?
かかっていた音楽は何か店に不似合いな洋楽だったし、
天ぷらにしてもその音は聞こえなかったし、何だろう。
「おと」じゃないのか?

        お勧め度        80%

豆腐の味自体はいいが、やはり量が少ないのが難点。
事実、ちょっと足りない気がしたのでこの後シャラモンへ行ったくらい。
(デザートとカクテルを頼んだ。)

ついでに書けば、頼んだ日本酒が余りおいしくなかった。
純米で甘めの酒だったが、銘柄は忘れた。
冷やが欲しかったのだが余り冷えてなかったし。
これは私の味覚と合わなかっただけとも言えるが。

禁煙ではない。豆腐のように繊細な味、臭い連中に解るはずもないので
食べさせるだけ無駄だと思うのだが。
常連らしい人が来ていたが、おっさんもおばはんも臭かった。

そうそう、女店員さんの1人が美人、というかかわいい感じ。
誰かに似ているような気がするんだけど思い出せない。
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(2006/05/15号)
{お店紹介}

        「政 寿司」

        京都市上京区新町今出川南入ル
        075−451−1374
      11:00〜20:30
        水曜休(祭日営業)

お寿司屋さん。

実は今出川通りをはさんで向かいにチェーン寿司の「茶月」があるが、
そこのは向こうが透けるようなネタ(しかも冷凍)とまずい酢飯で
食べて後で口直しが必須の、満足感のない寿司である。
それでいてそれほど安くもない。
茶月だけでなくいわゆるチェーン店の寿司でまともなのに出会ったことがないが、
ここのは本物。

ネタはもちろん本物を使っているし、酢飯も絶妙の酢加減。
トロが甘い。とにかく寿司としてのバランスがすばらしい。
それでいて盛り合わせ(京風盛り)が1200円、鉄火巻き(3本)が1100円
(共に税込み)と安く、量も比較的多い。
うれしい。

「ばらん」(はらん)=あの緑色のギザギザの仕切のことであるが、
あれをちゃんと竹(じゃないかも)の葉を切って作っている。
今やほとんどはプラスチック製の出来合いの物であるが、
それをちゃんと手作りしているのである。
プラスチック製のは単なるしきりだが、本物には「防臭作用」「防食中毒作用」があるらしい。
(ますのすしの竹の葉やかきのは寿司の下記の葉には殺菌作用があるが、
それとはちょっと違うらしい。)

持ち帰りの場合、外側こそさすがにプラスチックだが、
中敷きはちゃんと木をかんなで削ったような敷物がしてあるし、
バランは上記の通り。
紅しょうがも自家製であろう、市販製のようなきつさがない。
ここに職人のこだわりを見た。

        お勧め度        90%

いつも持ち帰りしてるので店内での食事はしたことはないが、禁煙ではない。
寿司も香りが大切だと思うのだが。
カウンター数席とテーブル2つくらいの狭い店内、
たまにめいっぱい臭い客がいて待っているのもいやになる。

なんかいつも客があまりいないのだが、まずい茶月に人がいて
こちらにいないというのは、なんか現代人の味覚のまずさ、
金銭感覚の麻痺さを象徴しているようで嘆かわしい。

世界に名の知れ渡った寿司なのに「ニッポンノスシハマズイデ〜ス!」
等と言われないよう、ちゃんとした味を創る店を大切にしたいものである。
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(2006/05/29号)
{お店紹介}

        「司津屋」(しづや)

        京都市上京区寺町今出川上ル1-81
        寺町今出川上がる
        075−255−2819
      11:00〜16:00
        17:00〜20:00
        火曜休

出町商店街の西端、以前紹介のパティスリ・セラヴィの北隣にあるそば屋さん。

店構えは外から見ると普通だが、中は・・・普通。
飾り気はないが、全体的に落ち着いていて、細かいところにセンスを感じる。
店員さんも大衆食堂やアルバイトのような感じはなく、
どういったらいいのか、ちゃんと「この店の店員」という感じがあって良い。
座席は2人掛けが7席+5〜6人がけできる丸テーブルが1つ位。

それはそうと、そばの味はどうか。
今回は鴨南蛮(750円)の温かいのを頼んだ。

出てきてまず最初に感心したのが香り。
出汁の香りが非常に良く香っている。
いろいろとそば屋も行ったが、ここまで香りが立っているのは初めてかも知れない。
出汁はかつおベース。

ここのそばは細め。
そばの味はそこそこ出ていると思う。
さすがに皿そば程には味は前に出てこないが、かけそば系でこれだけあれば十分なのかも知れない。
(私は皿そばの方が好みである。)
どちらかというと白っぽいが、真っ白ではない。

量は結構多め。一見したときは少ないかと思ったが、
深めの椀の中に結構入っている。
食べても食べても出てくるので「どれだけ入ってるんだ?」と思ったくらい。
普通、なかなかそば屋で満腹にはならないが、ここは十分だった。

鴨肉については省略。
美味しいんだと思うが、比較対象がないので何とも言えない。
フランス料理に出てくるような鴨肉とは当然違うが、
ブロイラーのような嫌な柔らかさや逆に妙に堅い部分などはなく、
しっかりと肉の味がしている。

        お勧め度        83%

まあ、そうは言っても普通のそば屋には違いないのでまずはこの点数で。

隣の人が食べてた鍋焼きそば(もしくはうどん)がなかなか具が多く
量もあって美味しそうだった。950円であれなら安いのではなかろうか。
後で調べたら、実はここは天ぷらそばがうまいという話もあったので、
次回(以降)はそれらにチャレンジ。
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(2006/06/12号)
{お店紹介}

        「GRILL DEMI」

        京都市中京区夷川室町東入る巴町80
        烏丸夷川西入る徒歩1分
        075−211−7661
      11:30〜15:00
        17:00〜22:00
        定休日 月曜日 (月が祝日の場合翌日) 
        http://r.gnavi.co.jp/k625900/

ハンバーグをメインにした洋食屋さん。
店内はカウンターが5席ほどと、2人掛けのテーブルが6つほどある。
実はここ、ずっと前(2002/02/18号)で紹介した
「ビストロ・レギューム」の跡地に出来た店である。

レギュームの後に「お米が美味しい店」というのが出来たはずだけど、
それがこの店なのか、それともまた変わってこれになったのかは不明。

一見普通の喫茶店というか洋食屋。
昼は日替わりランチを含め多くのメニューがあるが、どれも中心は手作りハンバーグ。

頼んだのは「ハンバーグとおそうざいのセット」800円。
手作りハンバーグ、目玉焼き乗せ。
キャベツ、プチトマト1個に切り干し大根という、ちょっと変わったセットである。
あと、ご飯(おつけもの付き)とお吸い物(というか、焼き肉の時に飲む
あのスープのような感じのもの)付き。

ハンバーグとそのソースにはこだわりがあるらしい。
店のメニューにはうんちくが書いてあったが、失念してしまった。

さすがに売りだけあってハンバーグはおいしい。
柔らかさも味も申し分ない。
切ったときに流れ出てくる肉汁と脂がまがい物でないことを証明している。
今まで食べたハンバーグの中でNo.1であると言おう。

ソースはデミグラス、照り焼き、トマトの3種類から選べる。
今回はデミグラスを選択。
ちょっと苦みがあるのは赤ワインかも知れない。
ハンバーグによく合っている。

切り干し大根とハンバーグが合うかどうかは微妙なところだが、
相反しているという感じはない。この切り干し大根も自家製の気がする。
なかなか良い。

キャベツも嫌な苦みなどはないというか甘い。
プチトマトも甘いものだった。なかなか良い野菜を使っていると見た。
御飯は普通。ちょっとつやがないかな。
悪くはないが。

これを書いて発表するまでにまた行く機会があった。
頼んだのは前回と同じ「ハンバーグとおそうざいのセット」だが、
そうざいはキュウリと鶏のささみ(違うかも)の酢の物。
これも良かったけど、やっぱり合わんなぁとは思った。

この日はどうしてもおいしいハンバーグが食べたい気分だったので行ったのだが、
どうも出来が悪かった。肉汁が全然出てこないし舌触りも悪い。
日によって出来にばらつきがあると思う。
その日に作られたものか作り溜めたものか、そういう違いかもしれない。
ひょっとしたらシェフが変わった?

ソースはトマトで頼んでみた。
トマトにタマネギを混ぜてある。ほんのり酸味があってさっぱりした感じになる。
これはこれでおいしい。

持ち帰りのメニューもある。
ハンバーグ弁当1000円、同DX(デラックス)1500円、オムライス800円等々。
家族で行くにはちょっと狭いし雰囲気的にも難しいので、
持ち帰りが出来るのはありがたい。
量はハンバーグ弁当で普通の弁当屋の1.5倍くらいか。
これはハンバーグが大きいから。ご飯や他のおかずは普通くらい。
弁当で持ち帰ると少々冷えた状態で食べることになるが、
冷えてもこのハンバーグは美味しかった。
ということは、それだけ質が良いと言うこと。
これを食べたらそこら辺にある、何がファミリーか解らない
ファミーリーレストランのハンバーグなんぞ食べられなくなること必至。

        お勧め度        86%

初回と弁当の評価ではもう少し上だったんだけど、店2回目の感想から少し落とした。
日による違いがなければ文句なしなのだが。

夜はバーにもなる様子。パーティーも可とか。
昼のメニューからしてどういう感じになるのかは想像しづらいが。

禁煙ではない。さらに、誰かが悪臭放つと猛烈にこもる(店中に広がる)
ようできわめて不快。残念。

おしぼりは紙タオル。
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(2006/07/24号)
{お店紹介}

        「ひら川」

        阪急宝塚線池田駅下車徒歩2分
        075−751−2159
      11:00〜24:00
        年内無休
        http://www.syobentango.com/hirakawa.htm

阪急池田駅前にある一応「麺料理」の店。
麺とは書いてあるが、麺に自身のある居酒屋と思った方が良い。

年末には毎年高校の同級生が集まって忘年会を開くのだが、
ほとんど阪急宝塚線石橋駅前で開催されていた。
しかし、さすがに20年も続けているといい加減石橋では行く店がなくなる。
ということで、2005年はちょっと河岸を変えて池田のこの店にしてみた。
「地元企業御用達」であったという事実もある。

URLからも解るとおり、「正弁丹吾グループ」という地元のチェーン店である。
過去の経験から言えば、チェーン店には余りおいしい店はない。
「がんこ」はかなり良くなったが、いわゆる安物居酒屋の類はほぼ全滅(評価に値しない)である。
ということであまり期待してなかったが、なかなかどうして美味しかった。

白みそ仕立ての鍋中心のコース料理であったが、味も量も申し分ない。
肉が少ないので、肉好きの人には物足りないかもしれないが、
私くらいの年になれば、肉はよほど軟らかく仕上げられてないと後でもたれるので
魚か鳥の方が良い。
また、さすがにうどんは腰があっておいしく、別に頼んだそば(年越しだから)もよかった。

店長さんも店員さんもいい人で良かった。
効くところによるとアルバイトはおらず、全員正社員なのだそうだ。
その分自分の仕事に責任を持っているという感じがあり、
話や対応・心配りにも自ずとそれが現れる。
途中オーナーさんも現れて話を聞けたが、オーナーらしい気迫と店への自信を感じた。
それは決して威張っているようなことではない。
こういった人の良さもこの店の価値と捉えるべきだろう。

18時前に入ったが、気がついたら22時過ぎ。
それだけ味も雰囲気もよい店だったと言うことである。

        お勧め度        91%

だが、やはりいつものことだが、悪臭人間がせっかくの味も雰囲気も台無しにする。
このときも1テーブル向こうの軍団が異常に臭くて辟易した。
暖房の空気の流れの関係からか、離れているはずなのに煙というか悪臭が
異様に流れてきたのだ。

せっかくの美味しい料理もこれでは台無し。
店全体を禁煙にはしにくいのだろうが、4階もある店なので、階別に何とかして欲しい。
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(2006/09/18号)
{お店紹介}

        「御所 雲月」

        京都市上京区寺町今出川下がる
        075−212−3053
        不定休

御所の一番東北野出口を出てすぐの所にある京料理屋さん。
以前から店があるのは知ってたけどなかなか入る機会がなかったが、
今回初めてお昼に入れた。

頼んだのは「穴子のおろし天丼と上賀茂野菜のけんちん汁」というもので1200円。

店に入って靴を脱いで奥の座敷へ。
奥には掘りごたつのようになったテーブルが衝立で仕切られて5つ6つほどある。
一番奥には縁側があり、その先に庭が見える。
つくばいや白砂があり、松や南天の植わっている庭でなかなか綺麗ではあるが、
正直ちょっとバランスは悪い。

待っていると、まずは桜湯でもてなしてくれる。
季節的にはちょっと早い気もするが、さすがは京料理屋という感じである。

おろし天丼とは、穴子の天ぷらを御飯の上に乗せ、これに大根おろしを乗せ、
この上からたっぷりのつゆを掛けてあるもの。天丼とは書いてあるが、
どんぶりではなく大きめのお茶碗に入っているし、汁気が多いので
むしろお茶漬けに近い。

穴子の天丼と言えば以前紹介の京四季彩のそれのお勧め度をかなり高めに書いたが、
そこのはいわゆる正統派の天丼で、大きくからっとした穴子が売りだが、
ここのはそれとは全く異なるが、でもこれはこれでおいしい。
上品であり、京料理として作った天丼という感じでおいしい。

けんちん汁は、大根、里芋(のような芋)と粟をすき混んだ湯葉が入ったもので、
これもおいしい。特にこの湯葉が絶品。

これに漬け物三種が付いてくるがもちろん自家製で、塩加減なども申し分ない。

食後にはこの店の名物らしいわらび餅が出てくる。
これがまた絶品。私が今まで食べたわらび餅とは大きく異なる。
今は本当のワラビから作ったわらび餅は貴重品らしい。
と言うことは「わらび餅」と称しても殆どはまがい物なのだが、そんな中でも
以前本ワラビから作った本物を食べたこともあるが、正直なところまがい物との味の差は殆ど解らなかった。
でもここのは違う。味の違いというより、食感の違いというべきだろうか。
ぬめっとしているというか張り付くような感覚があるが、かといってべとつくわけでなく
するっとはがれる、そういった食感が楽しめる。
かかっているきなこや黒蜜も甘さがちょうど合っている。
(おみやげとしても売っている。)

量は一見少なそうであるが、おなかの満足度が高いので十分。
これで1200円なら安いと言えるだろう。

そうそう、食べている間にほうじ茶も出してくれたが、
これももちろんちゃんと茶葉を焙じたものだし、まずは湯飲みを温めてから
入れてくれるという気の配りよう。
最初の桜湯と言い、料理の内容と言い、本当に良い。
(桜湯は季節物なので、出ない季節もある。念のため。)

        お勧め度        95%

昼にはもう1品1200円の料理があり、また他に3000円/5000円の料理もある。
夜には5000円/7000円の料理から、冬にはマツバガニ、ふぐの鍋、
また丹波牛のしゃぶしゃぶなどもあるらしい。

聞いたところによると5000円でも11品ほどあり、量としては十分とか。
7000円では量は同じだが、1品1品の大きさを小さくして数を増やしたり、
質を上げたりするそうだ。今度是非一度夜にも来てみたい。
出来るだけ予約した方が良いとのこと。
京料理といえば、夜なら10000円を超えるところが多い中で、この価格は
非常に良心的だと言えよう。

そうそう、定休日は決まってないそうだが、予約のない平日に休むことがあるそうだ。
(土日に休むことは殆どないとか。)
また、観光シーズン等には予約だけでいっぱいで入れないこともある。
そういう意味でも予約は必須といえる。
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(2006/11/06号)
{お店紹介}

        「bimota」

        京都市上京区真如堂前町98−3
        寺町今出川南西角
        075−211−0514

カウンターのみ6席ほどの小さな店。
なかなかこぎれいで、調理器具関係を見るとちょっと凝った料理も出来そうだが、
昼に行った感じだけからすると定食屋。
シェフ一人で切り盛りされているようであった。

日替わり(650円)を注文。
煮込みハンバーグ、コロッケ、サラダ、御飯、おみそ汁のセット。

煮込みハンバーグはトマトベースのソースで煮込んであり
買ってきた物やら作り置きの物ではないようでそこそこおいしいが、
如何せんDEMIのハンバーグを食べた後では
軽いというか抜けて感じられる。

コロッケはジャガイモの味がちゃんとしてこれもそこそこの物。
これにかかっていたソースも市販の物ではないと思う。

サラダはキャベツだけでなく何種類かの野菜が千切り状態になっている。
野菜そのものの味も悪くないし、ドレッシングもきつくなく良好。

おみそ汁は合わせでタマネギが入っていた。
これも市販品ではないと思う。

御飯は余り甘みがなくべちゃっとした感じ。
これだけが残念であった。

いわゆるフランス/イタリア料理までは行かないまでも、
定食を丁寧に作るという姿勢は好感が持てる。
値段を考えれば十分以上ではなかろうか。
少なくとも2005年に紹介した洋食屋「手塚」より上。

        お勧め度        83%

バイク関係の品があったので、シェフが好きなのかもしれない。
私は全く知らないが、バイク関係の名前らしい。

残念ながら、店内は禁煙ではないようである。
私の行ったときは1人だけだったので臭くはなかったが。
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(2006/12/04号)
{お店紹介}

        「イル・パッチョコーネ」

        京都市上京区河原町荒神口上ル宮垣町80
        075−256−7223
        ランチ  11:30〜15:00
        ディナー 18:00〜22:30
        定休 月曜日

河原町荒神口の交差点を上がったところにあるイタリア料理店。
新規店舗を探す中で見つけた。
2005年夏に開店したらしい。

店はカウンター5席に2人掛けのテーブルが5つあるが結構狭い。
歩くのに苦労するくらい。

ランチは1200/1300/1500/2100円のコース(値段は一部あやふや)の他、
単品で頼むことも出来る。私が頼んだのは2100円のMenuC。

このコースは、
        突き出し
        パスタ
        メイン料理
        ドルチェ(デザート)
        ドリンク
と、これにパンが付く。

突き出しは、ピクルスのようなものと、ニンニクと何かの肉をラードで練ったようなものを
クラッカーで食べるものであった。前菜ではなく、こういうのは珍しい。
味はまあまあ。

パンは自家製ホカッチャと玄米パン。
ホカッチャは少しかりかり感があり、練り込まれている何かのハーブの効果で
ちょっとカレーのような風味がある。
一方の玄米パンはふかふかで柔らかい。

パスタはいろいろ選べるが、トマトとモッツェレラチーズのスパゲッティーを選んだ。
なかなかの物であるが、普通と言えば普通。取り立てて特徴がないと言うべきか。

メインは桜鯛とホタルイカのアクアパッツァというものにした。
行ったのは4月1日、折しもホタルイカのシーズンだからである。
アクアパッツァとはイタリア風煮物というところか。
3枚に降ろした桜鯛を軽く焼いて、これと煮たホタルイカ、アサリ、
軽く焼いたシシトウ、赤唐辛子ともう1つ野菜を添えてある。
シシトウ、赤唐辛子ともピリ辛さは殆どなくおいしい。
が、しかし。

ここまででここの店の味の特徴が解った。
「塩辛い」。
パスタにしてもアクアパッツァにしても塩辛いのだ。
特に後者の塩辛さはちょっと私には耐えられないくらい。
せっかくの素材の味が塩辛さのため隠れてしまう。
素材はそこそこだと思うが、その味が分からなくてはどうにもならん。
もったいない。

私は通常食事中には、舌先を換えるとき以外は水を飲まないようにしているのだが、
ここだけはだめだった。あまりの辛さに水飲みまくり。
もちろん残った汁も飲みきれなかった。

ドルチェは木の実のパイとバニラアイスを選択。
パイは木の実のかりかり感はよいが、生地がもう少しふんわりするか、
逆に堅いというか「クリスプ」な感じであれば良かったと思う。
アイスは普通。

ドリンクはコーヒー。ちゃんと豆からひくのでおいしい。
ストレートでも飲める。

量は値段の割には少ないと感じるかもしれない。
少なくとも、カマルティーナの1575円、シャラモンの1600円よりかは少ない。

        お勧め度        80%

対応も悪くないし、総じて良い店だとは思うが、
如何せん塩辛さがなぁ。今まで行ったイタリア料理店の中で一番辛い。
私の舌の基準は、素材の味を十分生かすカマルティーナにあるので余計にそう思う。
塩辛さが好きな人には良いかもしれないが。

そうそう、禁煙とは書いてないが、私がいたときは悪臭放つバカはいなかった。
日本も早く全ての食事の場所が禁煙になることを切に願う。
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