{店紹介2005}
(2005/01/10号)
{お店紹介}

        「noël」(ノエル)
        
        京都市中央区烏丸竹屋町東入る(京都地下鉄烏丸線丸太町駅5番出口下車徒歩2分)
        075−213−2665
        日曜定休
        11:00〜20:00
        ノエルのオムライス(一番普通の物)      682円
        シーフードオムライス                    892円
        ガーリックオムライス                    892円


        「おむらはうす」出町柳店
        
        京阪電車または叡山電車 出町柳駅下車徒歩5分
        0120−170602
        http://www.omurahouse.com
        月曜定休(ただし祝日の場合は営業)
        平日    11:00〜15:30/17:00〜22:00
        日・祝  11:00〜22:00
        チキンオムライス        690円(これがこの店の一番基本的なもの)

        (価格は全て税込み)


京都のオムレツ専門店を2件同時紹介。
というのも、1週間の内に2件行く機会があったから。
せっかくなので、オムライスを構成するいくつかの要素を中心に比較してみたい。
以下の比較は基本的にノエルが「ノエルのオムライス」と
おむらはいす「チキンオムライス」である。

*卵
ノエルの卵は普通卵にウズラの卵を混ぜた物らしい。
その心は、ウズラの卵には普通の卵以上にビタミン・ミネラル・DHA等が
豊富に含まれているから。
一方、おむらハウスの方は新鮮高級卵を売りにしている。

状態(?)で比較すると、ノエルの方が半熟さを売りにし、
ご飯の上に広げて置くのに対し、
おむらはうすは中は半熟だがそれは見せずにご飯を巻くようにする。

卵の状態の違いは味にはあまり影響ないと思うが、
卵自体の味、というかその印象では違いがある。
どちらも思いの外卵の味がはっきりしないのではあるが、
食べている途中に卵の味を感じるのがおむらはうすであり、
喉越しに味を感じるのがノエルである。
ノエルの方が後に感じる分、卵自身の味としてははっきりする。


*ご飯
おむらはうすのごはんには押し麦が混ぜてある。
その分食べ応えがある。ご飯そのものの味も追求している感じである。
ご飯への味付けは抑え気味。
でも、混ぜてあるチキンとマッシュルームはあまりおいしくなかった。
一方で、ノエルのご飯はお米だけで味付けを十分してあるが、
それだけを食べるとちょっとぱさぱさしている。
ところが、これが半熟卵やかかっているソースを絡むと
絶妙のハーモニーを奏でる。よく考えてある。
(特にシーフードオムライスでそう思う。)


*ソース
どちらもトマトベースであるが、おむらはうすは手作りでトマトの
甘みを出しながらもスパイスもきいているという感じ。
このソースに自信があると思われ、確かにこれを絡めて食べるとおいしくなる。
(逆に言えば、これを絡めないと全体的にちょっと味が薄い。)
いっぽうノエルは市販のトマトケチャップベースのような気がする。
というか、そういうお味。あまりこれ自体を付ける必要はない。

ガーリックオムライスはドミグラスソース風、シーフードは
ミルクベースソースであるが、これらは付けた方が良い。
というより、特にシーフードはそれを絡めなきゃだめ。
でもでも、使っている牛乳が「無調整明治牛乳」なのはちと残念。
明治の牛乳はあまりおいしくないからね。
(牛乳は雪印がおいしかった。野球で言うなら雪印はストレート、
明治は変化球という感じ。)
一度低温殺菌の瓶牛乳を飲むとよくわかる。
いくら殺菌のためでも牛乳は沸騰させたらだめ。


*その他
量はおむらはうすの方が1.2〜1.5倍ほど多い。
私にとっては両者の昼間くらいがちょうど。

店の雰囲気は、ノエルは専門店らしいが、おむらはうすはなんか一見
場末の大衆食堂のような感じがある。店員さんの感じは両者、なぜか似ているが。
どちらも客は多いのではやっているようである。(ノエルの方が客の多いが)

おむらはうすにはカードがあり10枚集めると680円割引または
チキンオムライスの無料サービスが受けられる。
その他ソフトドリンクサービスなどもある。

ノエルにはお昼のセット(945円)とかディナーセット(1575円)がある。
おむらはうすには変わり種季節限定オムライスがある。

どちらもお持ち帰りが可能である。

        お勧め度        ノエル          81%
                        おむらはうす    80%

両方とも特徴が違っておもしろいが、残念ながら共に「おいしい!」と言う感じではなかった。
ノエルは牛乳ベースのソースを使っている物の得点が少し上
(後日明太子オムライスという物も食べたが、これもミルクベースソースで
そこそこおいしかった)。
逆に「ノエルオムライス」は相対的に下。
決して悪くはないので、素材にもう一歩こだわればいいと思う。
そう、一部の素材にまだ味を突き詰める余地があるのだ。
ノエルは牛乳やご飯の炊き方にそれが言えるし、
おむらはいすは材料の管理方法(ソースに使うお酒が室温で置かれているなど)や
チキンの味にそれが言える。

オムライスと言えば大阪には「北斗星」という老舗があるが(淀屋橋にもある)、
ちょっと別格名感じがする・・・様な気がする。
まあ、北斗星で食べたのもずいぶんと前なので記憶を美化している可能性もあるのだが。
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(2005/03/21号)
{お店紹介}

        「トラットリーア サバニー」

        大阪府池田市井口堂1-10-19
        阪急宝塚線石橋駅から歩いて5分
        072-762-0100
        昼      11:30-14:30
        夜      17:00-21:30
        月曜日休
        http://www.gurumet.net/70336/

イタリア料理店。
行った日は夜のコース「ミラノコース」というものを注文。
一口前菜、前菜2品、パン、パスタ、魚料理、肉料理、デザート、コーヒーで
6000円(インターネットのクーポンで-1500円)。
このほか、コースとしては3820円のサバニーコース、
4500円のサポリコースや1万円を超えるローマコース(内容はシェフお任せ)
というものもあるらしい。

素材は良く、味もよろしい。
量は多からず少なからずちょうど。
本当に美味しい物は少量でも満足する。
私には味の構成や感想を正確に伝える語彙がない。
非常に残念である。まあその当たりはお勧め度で判断していただくということで。

ワインも種類多くある。基本的にはイタリアのワイン。
ラベルを見ていると、英語とイタリア語の並記が多いので、
「赤」がイタリア語で「ポルコ」であるとかがわかり、話のネタにも使える。
(ジブリの映画「紅の豚」の主人公が、ポルコ・ロッソというが、
その「ポルコ」が赤という意味なのだ。)

30席ほどの店なのでそれほど広くない。
私が行った日も全席埋まった。
夜行くなら予約を入れておいた方が良さそう。

コースもいろいろあるし、メニューはかなり多いので、何回か行ってみるとしよう。

        お勧め度        90%

禁煙設定はよくわからないが、少なくとも私が行った日は喫煙者はいなかった。
(途中、入り口まで来たおっさんが異常なほど臭く、店内まで悪臭が漂ってきて
非常に嫌だったのだが結局入ってこなかった。予約でいっぱいだったからかもしれない。)
子供連れの家族も来ていたので、ひょっとすると完全禁煙の店なのかも知れない。
どこにも書いてないが。だとしたら+3%。

店内のBGMの演奏はCDや有線放送ではなく、電子ピアノによる自動演奏。
もちろん本物のピアノの音には負けるが、なかなか良いものだ。
曲数は多くないけど。
後、ちょっと音量が大きかったかな。一番近い席に座っていたから
そう思ったのかも知れないけど。

系列店が近所にもう2軒あり、しかも内1軒は「ガストロノミーア サバニー」と
店名が似ているので注意。
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(2005/05/02号)
{お店紹介}

        「名代とんかつ かつくら」
        京都三条本店

        075−212−3581
        京都市中京区河原町三条西入る(MOVIX京都近く)
        http://www.fukunaga-tf.com/katsukura

        とんかつ膳(80g)            819円
        トンカツ弁当                    735円
        かつくら京野菜巻きかつ膳        1113円

名の通りトンカツ屋である。
通りにある1間(よりもっと狭い)間口から奥まったところに店がある。
気を付けないと見逃してしまいそうな所だが、意外(失礼)にも
昼間にはかなり混み合うので、有名なお店なのかも知れない。

ここでは豚肉、パン粉、揚げ油と揚げ方、トンカツソース、
ドレッシングにこだわっている。
細かいことは行ってパンフレットを読めばわかるので省略するが、
確かにおいしい。

メニューは大きく分けて膳物;トンカツと付け合わせのキャベツ、
おみそ汁(赤だしで茄子の煮物入り)、ご飯のセットと、
弁当系(カツ丼も含む)である。
カツは80gと120gが選べるが、普通なら80gで十分だろう。
私はそれで十分、子供では少し多い目、若い男性なら120gという感じか。

実は私はカツではなく京野菜カツを食べたのだが、
まあ、これはそこそこということろか。まずくはないが、
今ひとつ印象は薄い。で、子供のトンカツをもらったのだが、
柔らかくおいしい肉だった。脂身はあまり無かった。
豚は脂身もおいしいので、もう少し脂が入ってても良いのではと思う。
衣も堅くがりがりという感じではなく、さくさくした感じでよい。
キャベツも質は良かろう。苦さがなかったので。

トンカツソースは、自分でごまをすって混ぜてかけるタイプだが、
意外にも薄味である。その分肉の味を楽めると言うもので悪くないが、
普通のトンカツ屋のやたら濃いソースになれていると物足りないであろう。
キャベツには醸造酢を使わず柚子で作った、柚子ドレッシングをかけるが、
ちょっときついかもしれない。醸造酢がない分むせるような感じはないが。

ちなみに、キャベツとご飯はおかわり自由。
何回も勧められたんだけど、子供の分も食べると結構な量で、
食べきるのに困ったと書いておこう。

        お勧め度        86%

なかなかにおいしい。値段も適当だろう。むしろ安いかも。

んがしかし、そうして満足している気分をぶちこわす
しかし、その満ち足りた気分を台無しにする悪臭禿がいたりするので
いたくご立腹である。

本来、肉体的特徴を持って相手を馬鹿にするのは人間として許されることではないが、
自ら望んでそうなっている連中に対してはその限りではない。
悪臭はなって禿になっている奴らは望んでそうなっているのだから
思いっきり罵倒してやればよい。てかてかに光った禿。
しかもこういう禿に限って、食事の後にだらだら居続けて悪臭を
まき散らすのだから、全く社会の迷惑である。
食事どころは、100%禁煙(もしくは完全分煙)にするべきである。
そして、その禁を破った奴は死刑である。

京都を中心に大阪、関東方面にも店があるので捜してみると良いだろう。
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(2005/05/23号)
{お店紹介}

        「リンデン・バーム」

        河原町今出川バス停より歩いて3分
        京都市上京区寺町今出川下がる
        075−213−3979

        昼      11:30〜14:30
        夜      17:30〜22:00

        毎月曜、第2火曜休み

ヨーロッパ料理の店。
道路からちょっと奥まったところにあるのでわかりにくいかも。

リンデン・バーム=(西洋)菩提樹だからタイ方面の料理だと思っていたら
ヨーロッパ料理だった。1997年創業らしい。
ちなみにこの言葉はドイツ語。

ランチはパスタのとお気軽がそれぞれ1300円、
もう1つ上の3000円コースもあった。
今回はお気軽コース、+300円でデザートが付くのでそれにした。

        サラダ
        スープ
        主菜(魚または肉)
        ライス(またはパン)
        コーヒーまたは紅茶

お昼だからかも知れないが、デザート以外は料理の説明をしてくれなかった。
だから詳細は不明だが、だいたい以下のような内容。

サラダ;ドレッシングがかかってないようでかかってる。ちょっと塩辛い。
スープ;ジャガイモと玉ねぎを主にしたミルク仕立てのもの。香りも含め良好。
主菜 ;魚(サワラ?)がちょっと生臭かったか。それを押さえるために赤みそを使っていたが、
        それの方がきつかった。ソースをうまく絡めると良い味になる。
        ただし、ちょっと塩辛め。
ライス;量が少ない。また少々堅い。
        (堅かったのは残り少ない状態だったからかも知れない。
        私の後数食でなくなったようだったので。)

デザート
        キウイのシャーベットとケーキのイチゴ添え、キンカンの甘煮(の様なもの)
        これはなかなか美味しかった。これが300円なら安いだろう。
        シャーベットは、キウイということだったが、他の、味に覚えがあるんだけど思い出せない
        果物の味に思えた。悪いという意味ではなくて、単にそう思っただけ。

コーヒーは美味しかった。
料理は、全体に量は少ない。

店の雰囲気は悪くない。
店の真ん中に大テーブル、脇に小テーブル(4人掛け)がいくつかある。
奥には庭じゃないけど、ちょっとした庭風の部分がある。
各テーブルには生花が飾ってあり、特に大テーブルには
大きな桜の枝、しかも満開の物がいけられていた。
華美ではないが美しい調度である。
女性向けと言えるだろう。

惜しいことに、禁煙ではない。私がいたときに臭いおっさんが入ってきてえらく迷惑だった。
こういう奴って、食直前・食直後に悪臭を放つ。
と言うことは、結局食事を味わうのではなく、単におなかをふくらませているだけ。
そういう奴はこんな店に来ずに場末のラーメン屋にでも行け。

それと、やたらうるさい女の4人連れがいたという事も書いておこう。
女性というものは、その多くが「3人寄ればかしいましい」ものではある。
偏見でも差別でもなく事実である。
別に「しゃべるな」という気はないが、もう少し声量を下げてくれとは思う。
そうでなくても前日が午前様であまり調子が良くないときに、その声量と
キンキン声でまくし立てられると頭に響く。

        お勧め度        76%

悪くはないんだけど、味・量・値段を総合するとこれ以上はあげられない。
禁煙もしくは分煙でないことも減点対象。
私の基準は「サン・スーシー」と「ア・ラ・シャラモン」にある。
それらと比べればどうしても落差が目立つ。
逆に言えば、その2店の味とコストパフォーマンスは絶大だ。
第3の定番店を見つけたいのだが、なかなか難しい。
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(2005/06/06号)
{お店紹介}

        「Bazaar Café」(バザール・カフェ)

        烏丸今出川交差点から一筋北を西入るの南側
        地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩3分
        075−411−2379

        11:30−20:00
        毎週 木、金、土のみ開店

これはちょっと変わったお店。
とある宣教師さんの家の館やと庭の一部を開放してカフェ形式の
食堂(?)にしている。
入り口からして普通の家に近く、看板があったから解ったが
なければ見過ごしてしまいそうになる。

木が敷かれた小道を通って奥へ行くと小広い庭があって、
まずはテラス席、その奥に店内がある。
入るときは靴を脱いでスリッパに履き替え。
この店の入り口にちょっと坂があってペンキが塗られているのだが、
これがちょっと滑るので、特に滑りやすい靴下やストッキング系を穿いている人は
要注意。

設立目的が、いろいろな事情により一般的就労が出来ない人への労働の場とする
ことや、各種ボランティア等活動間の交流の場を目指すと言うことで、
料理人は外国人、店員はボランティア中心となっている。
だから、開店日も限定されているのだ。
店の雰囲気もどこか教室を思わせる。特に椅子や机が。
出てきた料理やそれを入れるトレイを見るとなんか学校の給食を思い出した。
こういう雰囲気がだめな人はだめ。

メニューはさほど多くない。
空いているのが木金土で、基本的には日替わりである。
基本的には木がフィリピンもしくはタンザニア、金が韓国または中華、
土がタイまたは日本料理らしい。
昼にはランチが2〜3種類ほどあり、650円くらいまで、
これに+150円で飲み物が付けられる。

私が行った日は土曜日だったのでタイ料理で、カレーセット(1プレートメニュー)を頼んだ。
ココナツミルクカレーとサラダとスープ、あとバナナのフライ、
これにジャスミンティーを追加した。

ココナツミルクカレーは一見白くて辛くなさそうだが、食べたらびっくりするほどの
辛さである。茄子と豚肉が入っているのも日本のカレーを
食べていると珍しいか。中に竹のような物が入っているのだが、
これがめいっぱい辛い。これは香辛料のようで食べるものではなさそう。
この系統のカレーとしては先に紹介の万里小路にもあるが、
こちらの方が味は上。

サラダは見た目人参の千切りのようだが、人参そのものは甘いが
全体には辛いという変わった味。

スープは大根と他何か入っているもの。辛いカレーを食べた後に飲むと
味が良くわからなかった。

バナナのフライはそのままだが、甘さスッキリ、食感はとろりで
おもしろい。

ジャスミンティー。味は良かったんだけど、問題は器。
陶器で取っ手がない、日本で言うなら白陶磁の萩焼をぶ厚めにしたような感じ
のコップだったのだが、これに非常に熱いジャスミンティーが入っていたので、
熱くて持てなかった。私のように猫手(熱い物が持てない)の人にはつらい。
結局下のお皿ごと持って飲んだ。取っ手付きのコップにしてくれ。

味はとても美味しい。嫌な部分が全くない。
外国人シェフと書いてあるが、要するにその国出身の人が
作っているのだろう、だから地元の味に近いのだと思う。
日本の安い店の料理と違って化学調味料でごまかさそうと言うこざかしさがない。
量は多くないが、味が良いので満足感がある。

        お勧め度        93%

また何度か行って食べ比べようと思う。

店内はおそらく禁煙で、テラスが喫煙可能の様子。
要らないけど。
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(2005/06/20号)
{お店紹介}

        「万里小路」(まりこうじ)

        京都府京都市上京区釜座丸太町上ル夷川町388エバービル2F
        地下鉄烏丸線丸太町駅から徒歩5分(京都府庁近く)

        075−256−0990
        11:30-14:30,17:30-23:00
        不定休

        昼バイキング 1050円(税込み)
        夜バイキング 2100円(税込み)

タイやベトナム料理を中心とした店。
いわゆるエスニック料理というのか。
何度も行っているのだが、なぜか紹介していなかった。
夜は行ったことがないので昼のバイキングで紹介。

サラダ、唐揚げ、焼きめし、カレー、ココナッツミルクなどがある。
種類はそれほど多くない。
基本的には辛い料理がほとんどなので子供連れでは行きにくいかも。

メニューは基本的には同じだが、間を開けて行くと微妙に変化はしている。
カレーが4種類あり、味の違いが楽しめておもしろい。
一番赤く見えるカレーが実はあまり辛くなく、
むしろ白っぽいカレーが一番辛いとか。

エスニック料理は、毎日食べようとは思わないけどたまに食べるとおいしいと思う。
特に風邪の時には体がかーっと熱くなって良さそう。

味は、エスニックなので微妙なところは分からないが、
まずいと思うことはない。
でも少なくとも、昼のバイキングは味を求めるより量を求める、ではある。

        お勧め度        83%

昔は禁煙席の設定がなかったが、今は一応ある。
が、狭い店内の1席だけ禁煙席設定されても全くの無意味。
せめて昼の時間帯だけでも全席禁煙にして欲しい。
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(2005/07/11号)
{お店紹介}

        「虎屋菓寮」京都店

        京都市上京区一条通烏丸西入る
        京都市営地下鉄烏丸駅南西出口から烏丸通り沿いに南に歩いて2分
        075−441−3113

        3月〜11月       10:00〜17:30
        12〜2月         10:00〜17:00
        年末年始を除き年中無休

以前(2000/7/24)「若葉蔭」というお菓子を紹介したことがある
虎屋という和菓子屋直営の喫茶店。
虎屋一条店の1筋南の道を西に入って50mの位置にある。
今回は、あまりに暑いのでかき氷などを食べに入った。

頼んだのは「宇治氷」。
かき氷で1000円位というのは、縁日などで売れているかき氷からすると
破格に高いように思うかも知れない。
しかし、一度その味を知ればそれが適正な価格であることが実感できる。

まず氷が違う。水がいいのはもちろん、非常に舌触りがよい。
さらっととける感覚が心地よい。食べ物には味だけでなく食感も
大切だと言うことを再認識させてくれる。非常に上質な綿雪のような感じ。
さらに、かかっている蜜もすごい。抹茶は当然本物で、
三温糖と混ぜられてかなり甘いにもかかわらずそれがさらっと流れて
甘ったるいという感じは全くない。
ここまで食べて良かったと思うかき氷にはそうそう出会えないであろう。
これを食べたらもう、縁日のかき氷は食べられない。

このときは他にもごま餡の白玉や水ようかんと抹茶のセットなどを頼んだが、
皆美味しかった。
さすがは和菓子屋の店である。甘さの本質が解っている。

この菓寮は庭も良い。夏は緑が多く見るからに涼しげである。
入り口付近にはつくばいもあり、そこから流れてくる風が心地よい。

そうそう、これも特筆すべきであろう。
ここは禁煙・禁携帯電話である。
そう、ここまで心地よい店で、それを汚すことは万死に値する。
それを禁止していることは店の良心であり、
来るべき人間を選ぶことでもある。
それは悪いことではない。店にそぐわない人間は来てはいけない。
それは性別や人種、年齢によるのではない。
行動に依るのだ。

        お勧め度        92%

価値ある出費とはこういうことを言うのだという見本のようなかき氷であった。

近くまでこられた際は是非どうぞ。
ここが一応本店だと思うが、京都は他に四条に、あと関東方面に
数軒あるようだ(菓寮もあるかどうかは不明)。

そういえば、この季節は若葉蔭他季節限定お菓子もあるので
(今年はなぜか菓寮のメニューには入ってないのだが)、
そちらの店にも行くといいだろう。
<戻る>
(2005/07/25号)
{お店紹介}

        「ギオットーネ・サダ」

        大阪府豊中市中桜塚3−8−27ベルローゼ桜塚1階
        阪急宝塚線岡町駅下車10分

        06−6850−1196
        昼:11:30〜15:00(オーダーは14:30まで)
        夜:17:30〜23:00(オーダーは22:00まで)
        水曜定休
        http://r.gnavi.co.jp/k545600/

阪急岡町駅から商店街を抜けて国道を渡ってちょっとの所にあるイタリア料理屋。

コースも3800円くらいと5800円のがあったのだが、
今回はあえて単品で勝負。

と、その前にまず意外と重要な点を1つ。
この手の店ではおしぼりが出てくることがほとんどだが、
それがちゃんと蒸したタオルなのか、袋入り薬品付き不織布なのかで
実は店の印象が異なる。
私はあまり気にしてない方だが、実は後者を嫌がる人もいる。
手が荒れるとか、匂いが付くなどの理由もあるし、
手で食べる料理がある場合は薬品の付いた手で食べるのはいやという人もいよう。
それ以上に客に対する気配りが前者の方が大きいと感じられるからだ。
ちなみに、私お勧めのサン・スーシーやア・ラ・シャラモンを始め、
四季彩やこの店、前回紹介の串たなかもタオルである。
手間から考えれば後者なんだろうけど、こんなことで評価を下げられる
のももったいないと思う。

それはさておき肝心の料理はどうか。
いろいろ食べたので名称他細かくは覚えてないが、

・食前酒などは、単に1種類の酒を出すのではなく混ぜている
 ここはバーも併設しているのでお酒は結構種類もあるし凝ってもいる。
 口当たりが良いのでついつい飲んでしまうが、アルコール度は高いので酔ってしまう。
・ガーリックトースト
 ニンニクの固まりが乗っているのは始めてかも。
・生ハムと白アスパラのサラダ
 アスパラが美味しかった。
・鯛とトマトのカルパッチョ
 ア・ラ・シャラモンで出てくる前菜に似てる。でもあちらはフランス田舎料理の店。
・ピザ・・・いわゆる宅配ピザがいかにまずいかがよくわかる。
 うちでも年に1回くらい頼むが、その都度後悔するのである。
 ただ、たまにはまずいものを食べておかないと日頃食べているものの味のレベルが
 解らなくなるので、そういう意味でのみ価値がある。
・ホタルイカのパスタはイカの味が濃厚で美味しかった
 ちょっとスープ・スパのような感じ。
・かにみそとかに身のカルボナーラはその味が非常に濃厚で美味しかった
 ただし、あまりに濃厚なので好き嫌いはあると思う。
・活かきとポロネギのチーズ焼は、牡蠣が2つなのでこれだけは3人以上で行くと
 分けるのに困る(^_^)。味は「牡蠣は変にいじらないほうが良いのかも」と書いておこう。
・チーズ盛り合わせも美味しかったがもう少し量が欲しかったか。
・子羊と茄子の重ね焼きは、羊の癖が全くなくとても美味しかった
・デザート(ドルチェ)はケーキ単品もいけるが、少量ずつ3種取り合わせも出来て味を知るには良い
 私にはこういう方がありがたい。でも出来ればザッハ・トルテも入れて欲しかった。
・カフェラテも美味。

などなど。後2〜3品頼んだかもしれないが覚えてない。
(私が飲んだビールはギネスの黒。甘くないコーラの味と書いたら怒られるだろうか。)
パスタは手打ち、その他素材もこだわっているらしいが、確かに全部美味しい。
定番および日替わりメニューはかなり多くの数があるので、
何度も行って違うものを食べるのも良かろう。

単品メニューは1品1200円から2900円まで位でそれだけ見ると高く見えるが、
量は2〜3人でちょうど位あるので、それくらいの人数で割れば
全体としてはさほど高くはならない。
(逆に言えば、1人で行く場所ではないと言うこと。まあ、普通のこの手の店の夜は
たいていこのくらいのようだけど、私はコース以外は滅多に頼まないので。)

このときも、結構な品目頼んでさらにお酒類も3種ほど頼んで、
最後にデザートとカフェラテを頼んで1人7600円ほどであった。
酒を2000円くらい飲んでいるはずなので料理は5600円くらい。
ということはコースの5800円より安い。
まあ、イタリア料理は私の知るかぎり、平均的にフランス料理より
ちょっと割高ではある。

        お勧め度        90%

ランチもあるらしいが、場所が場所だけに私が行くことはあるまい。
レポートを待つ次第である。

これも書いておかねばなるまいが、「何人かいる女店員さんがみんな美人」である。
私は特に眼鏡の人が好みであった(*^_^*)。

そうそう、毎度のあれも書いておこう。
ここも禁煙ではない。たまたまかちゃんと配慮してくれていたのかは不明だが、
私が行った日は壁の奥側は禁煙、手前側は喫煙席という風になっていた。
もし配慮してくれているのだとすれば大いにありがたい。

ではあるが、この壁は上側が開いているので、その日も最初は良かったのだが、
途中からものすごく臭いやつが壁の向こう側に座ったため、
それ以降せっかくの美味しい味がかなり阻害された。煙が直接来ずとも、
あれだけ臭いと大迷惑である。臭い連中は味がわからない(ちゃんと実験結果がある)のだから、
こういう美味しい店も場末の大衆食堂の差は解るまい。
だから「来るな」と言いたい。
他の客に対しても、店に対しても迷惑かつきわめて失礼である。
美味しい店は禁煙。これは基本的マナーである。
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(2005/06/27号)
{お店紹介}

        「北極星」
        大阪心斎橋本店

        地下鉄御堂筋線難波駅25番(一番北の出口)から歩いて5分程度
        06-6211-7829
        大阪市中央区西心斎橋2−7−27
        11:30〜21:30
        無休

先に紹介した2軒のオムライス屋のネタの最後にちらっと書いた「北斗星」という店
は実はここの間違い。淀屋橋にも支店があるが、今回は日本橋へ行くついでに本店に行った。

オムライスは実はここの発明。
と言うことは「元祖」である。

店のたたずまいは、一見オムライス屋とは思えない歴史のある日本屋。
中も真ん中に庭がある畳部屋。
いつも混んでいるらしいが、私たちが行ったときは
運が良いことに並ばずすぐ入ることが出来たが、
出るときにはもう数人並んでいた。

歴史のある店ではあるが、値段はきわめて庶民的。
私はキノコオムライス、友人はチキンオムライスを頼んだが、
共に682円(税込み)。
量、味からすればこれはとても良心的。
卵の焼き加減、味付け共に先に紹介した2軒とは異なる。
卵は薄焼きにして半熟のような部分なし、御飯はぱさつかずべとつかずちょうど。
ソースは特製であろう。辛すぎず甘すぎずよく合っている。
付け合わせに紅ショウガが付くのが特徴か。
これも自前と思われる。京都でもちゃんとした仕出し屋は自家製の
紅ショウガを出す。紅ショウガが自家製かどうでないかだけでもその店の
程度は分かる。紅ショウガ作りはそんなに難しいことではないが、
それを惜しむか惜しまないかである。

もっと高い豪華なメニューもある。
冬限定(10〜3月)のカキオムライス1312円とか
伊勢エビのオムライスにいたっては5040円もする。
まあ、一度は食べてみたい物ではある。

        お勧め度        90%

しかしである。臭い人間がいると味も香りも台無しになる。
味の分からん連中(経験値ではなく舌味覚組織破壊されているので、
塩加減すらまともに判断できないのだ)には食わすな、もったいない。
せめて昼の混雑時は禁煙にして欲しい。
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(2005/08/01号)
{お店紹介}

        欧風厨房
        「まんじぇびゃん(Manger bien)」

        京都市上京区河原町通荒神口西南角
        075−231−5770
        ランチ :11:00〜14:30
        ディナー:18:00〜22:30
        火曜日休み

御所の東、梨木神社さんから河原町通りに歩いて突き当たったところの南角にある店。
これもGWのお昼に、こちらは自転車でそこいらを走り回って見つけた店。
店名は、フランス語「おいしいごちそう」という意味だとか。

店は16席、テーブル2卓4席*2+カウンター8席である。
ということで広くはないが、こぢんまりとし、窓が多いので明るい。
店員さんの雰囲気も良い。

お昼は900円から1600円(税込み)でいろいろ組み合わせを換えられる。
私は1500円のコースで注文。これで、前菜1品+ミニスープ+メイン;
このときはビースフテーキマスタードソースがけ+ポテトサラダ+ブロッコリー、
コーヒーで、さらに+100円でデザートだったので、ガトーショコラを注文した。

最初の1品は小ヤリイカの墨煮のようなもので、イカの墨にトマトとたぶん
唐辛子を混ぜてあるソースを掛けてあった。
トマトとイカの墨の組み合わせがなかなか美味しい。
スープはジャガイモとベーコンのスープ。素材の味が良く出ている。
ステーキは、ミディアムくらいで焼き具合は良かったが、いかんせん
ちょっと薄いので焼き上がりが堅く、またマスタードソースがききすぎて
肉の味がわからなかった。まずいわけではないのだが、ちょっと残念。

デザートも良好。ただし、+100円なので量は少ない。
特筆すべきはコーヒー。この私がストレートで飲めたのだから、かなり美味しいと見た。
ミルクは低温殺菌牛乳であったが(低温殺菌牛乳は油分が浮くなど、独特の特徴があるので
解る人には解る)、むしろこれを入れない方が良いくらいだった。
特別な豆と言うより、その場で豆から入れるようで、その鮮度のたまものかも知れない。

そうそう、ブロッコリーが美味しかったし、ご飯も甘かった。
牛乳は前述の通りで、全体的に素材には気を配っている様子。
水を飲んだとき丸く感じたので特別な水か尋ねてみたが、
「浄水器を通しただけです」との返事。ちょっと残念だったけど
(自分の感がはずれたという意味で)、
世の中浄水器すら通さない店もあるのだから、これはこれで良し。

これも書いておかねばなるまい。
料理の出てくるタイミング。作るのはもちろん注文を受けてからだが、
お客の食べる調子をちゃんと見て、調理を開始し、
また終わったら下げに来て、ちょっとしてから次のをもってくる。
この手の店なら当たり前のように思うかも知れないが、
案外料理の間が開いたりすることが多い。
何せ調理場がカウンターの真ん前だから、作り置きをすればばれる。
そういう手抜きがないところがうれしい。

        お勧め度        90%

久々にあたりの店を見つけた。この値段でこれなら十分満足。

禁煙とは書いてないが、私が行った時は臭い奴はいなかったので
料理を満喫できた。やはりこうでなくては。

ワイン類もグラス350円からと手軽な値段である。
また、夜は3000円/4000円のコースがあるようなので、また今度行ってみようと思う。
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(2005/08/22号)
{お店紹介}

        「なか房」

        京都市営地下鉄鞍馬口から西へ歩いて5分
        075-441-1518
        11:30〜00:00
        火曜日休
        http://www.leafkyoto.net/g/nakafusa/

ラーメン屋さんである。
GW、昼をどこかに食べに行こうと思いLeaf(http://www.leafkyoto.net/gourmet/)という
ホームページで検索して見つけた店。

食べたのは房房定食(¥750)。
ラーメン、唐揚げ1本+ほんの少しのキャベツ、ご飯のセット。

ラーメンは、天一そっくり。
スープは豚骨ベースで「あっさり」「こってり」から選べるし、
ニンニクは「入れる」「入れない」から選べる。
違うのは麺を「細」「ふと」から選べる所くらいか。
味もそっくりで、、ほんの少しこちらの方が上品な感じか。
ニンニクの粒状感がなく、舌触りはなめらか。

唐揚げは一応その場で揚げてくれるが、身は少なかった。
特筆すべき物ではない。
キャベツはないよりましって程度。質も良くない。
ご飯も普通のラーメン屋に求められる範疇。

        お勧め度        63%

いや、思いっきり悪くはないんだけどあえてお勧めもしない。
ここの店の特徴が見いだせないから。天一を知っていれば、余計にそう思うはず。
値段も天一の方が安いし。
残念。

ニンニクたっぷりなので、決して人と会う前には食べないこと。
まあ、これは天一も同じ事で。
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(2005/09/26号)
{お店紹介}

        「ラ・カマルティーナ」
        La Camartina

        京都市営地下鉄 地下鉄丸太町駅北西出口徒歩3分 眼鏡屋の横
        京都市上京区椹木町通衣棚西入今薬屋町332サンシティ御所西1階
        075−256−0161

        昼      11:30〜14:30(ラストオーダー)
        夜      18:00〜21:30(ラストオーダー)
        月曜定休

元々自作系パソコンショップがあった場所に出来たイタリア料理店。
しばらくぶりにその場所に行ったらPC店が無くこの店が出来ていたので
ちょっと驚いた。
最近出来たのかと思いきや、去年(2004年末)には開店していたという。
(詳しい開店日時は聞きそびれたので不明。)

店内は大きく分けて窓側と奥があり、その間に段差があって奥の方が高くなっている。
照明は窓側はダウンライト、壁側は壁を照らす方式の間接照射で落ち着いている。
華美でなくとても良い雰囲気の店である。
こういうのは女性受けが良いであろう。

この店においてまず特筆すべきは、「全席禁煙」であること。
店内は真新しい匂いがするのみで、煙の染みついたような臭い匂いもべとつきもないのが非常に良い。
ゆえに香りを含めて料理を味わえるし、安心して長居も出来るというものである。
いかんせん厨房がちょっと奥なのでそこの香りまでは漂ってこないのは残念だが
(シャラモンは厨房が真横なので料理中の香りが漂ってきて楽しい)、
少なくと出てきたも料理の香りをじゃまされないのは非常に良い。
というより、臭さで気持ちを悪くされない事がないその安心感が一番である。

こうなると実際「長居する」客が多いのだと思うが、どうなのだろうか。
現在は夜は5250円(税込み)1本コースであるが、以前は3800円くらいのも
あったらしい。ひょっとすると、どうせ長居されるのなら
その時間でゆっくり多くの食事を食べて欲しいという考慮であろうか。
それとも、長くいるのなら場所代としてちょっと上乗せであろうか。
どちらであるかは食べてみれば解る。

なお、実際にはこれに席題とミネラルウォーター代として+500円(税込み)かかる。
(その分水はお代わりし放題。たぶん。)

で、そのメニュー。
メニューは少なくとも月では変るようである。
私が行った日は以下の通り。ちゃんとメニューが印刷されている(Dolci以外)。
(用語はイタリア語ね。)

        〜Stuzzichini〜(おつまみ・前菜)
        白インゲン豆のアイスクリーム、生ハム、サワークリーム、キャビア添え
        
        〜Antipasti〜(前菜)
        ウニとじゅんさい、わさびの冷製カッペリーニ
        
        〜Secondi Antipasti〜(第2前菜)
        アスパラづくしの一皿、サルサカルボナーラ、夏トリュフ風味

        〜Primi Piatti〜(パスタ/リゾット)
        軽いジェノバペーストで和えた空豆のパッパルデッレ。ペコリーノチーズ風味
        (愛知産のアサリと京地鶏、ルーコラのキタッラ)

        〜Secondi Primi Piatti〜(第2パスタ/リゾット)
        アオリイカとカラスミ、あさつきのリゾット

        〜Granita〜(?)
        メロンのグラニテ

        〜Scondi Piatti〜(主菜)
        近江黒鶏もも肉
        (岩手白金豚肩ロース)
        (熊本産赤牛サーロイン)
        (淡路産天然真鯛)
        (活け鱧)

        〜Dolci〜(デザート)
        アメリカンチェリーとサワークリームチーズのパフェ
        カフェラテ
        (カプチーノ/紅茶ほか)

まず「白インゲン豆のアイスクリーム、生ハム、サワークリーム、キャビア添え」であるが、
いきなりアイスクリームとは驚いたが、甘いアイスではなくその冷感を楽しむもの
の様であった。サワークリームチーズはこの後もいくつかの料理で使われていたので、
お得意の素材なのだろう。そうそう、スプーンはちゃんと冷やしてあった。
心遣いがうれしい。

「ウニとじゅんさい、わさびの冷製カッペリーニ」は、簡単に書けば
じゅんさいの入ったウニソースのスパゲッティーである。わさびものせてあるので
混ぜて食べる。スパゲッティーにじゅんさいとはおもしろい組み合わせであるが、
全く衝突することなく合っていたのはおもしろかった。
わさびも含め、まさに和洋折衷と言うところか。
ウニの味が濃厚で美味しく、残った汁を飲み干したかったのだが、
なにぶんお皿が麦藁帽子のよう=真ん中がへこみ、つばの部分が全方向に広いので
飲みにくく、またパンはこの次の料理の前から出てきたのですわせて食べることも
出来なかった。ついでに書けばスプーンもなかったのですくって飲むことも出来ず。
ちょっと残念。

パンはここから先に出てきたが、自家製で2種類、くるみパンとフォカッチャであった。
両方ともちょっともちもちしているとても柔らかいパンで、
いわゆるガーリックトーストでもないし、フランスパンでもない。
こういうパンは初めてであった。
香ばしさではなく、生地の味を楽しむタイプ。特にくるみパンのほのかな甘さが
絶妙であった(家に1つ持って帰ったら子供が特に喜んだ)。
柔らかいのでスープなどをすわせるのも楽。

パンはお代わり自由だが、だからといって調子こいて私たちのように3回も
お代わりすると(1回1人各1個=2個)それだけで結構な量になるので注意。
シャラモンのパンは細身のフランスパンで結構すかすかなのだが、
ここのパンは身がしっかり詰まっているので、一層食べ応えがある。
ただ、皿に残ったソースを吸わせて食べるには、シャラモンのようなパン
の方が合っているとは思う(シャラモンのパンは、近所ではそこそこ有名な
レ・フレール・ムトウという所のパンである)。

「アスパラづくしの一皿、サルサカルボナーラ、夏トリュフ風味」は
白、緑の両アスパラにカルボナーラソースがかかったもの。
アスパラの苦みが舌先を変える。

次のPrimi Piattiは2種類から選べ、私は
「軽いジェノバペーストで和えた空豆のパッパルデッレ。ペコリーノチーズ風味」を頼んだ。
簡単に書けば、ゆでた空豆自体と、空豆で作ったソースを掛けたチーズの薄切りときしめんのような
パスタ。美味しいけど、フォークではちょっと食べにくいのでお箸が欲しかった。
空豆って意外とおなかがふくれるので、ペース配分上は要注意だ。
友人は「愛知産のアサリと京地鶏、ルーコラのキタッラ」を頼んだが、アサリの濃厚な汁が
とても美味しかったそうだ。
なお、これと後の主菜は料理が始まる前に選択しておく必要がある。
そのため、前菜を食べた感じによって決めると言うことが出来ないのが残念ではある。
(仕方ないとは思うけど。)

「アオリイカとカラスミ、あさつきのリゾット」は黄色く色を付けたご飯に
イカのぶつ切りをまぜ、カラスミを細かく削ったものをふりかけ、あさつきのみじん切りを
かけたもの。ここで特筆すべきはイカ。イカは素材の鮮度も当然ながら、
熱を加えすぎると堅くなるので温度調節が難しいが、このイカはとても柔らかかった。
良い仕事である(私はイカにはうるさい)。
そうそう鷹の爪が入っているので全体にぴりっと辛い。
(で、私はその鷹の爪を食べてしまい、涙が出るほど辛い思いをした。)

「メロンのグラニテ」とは、簡単に言えばメロン味のかき氷。
とは言っても、夏にかき氷に食べるような人工メロンシロップがけではない。
本当のメロンの味。主菜の前に舌を変える。
先ほどの辛さを洗い流すという感じか。

今回、主菜には「近江黒鶏もも肉」を選んだが、全部で5種類から選べた。
友人は「岩手白金豚肩ロース」を頼んだ。
どれも捨てがたく、特に京都なら鱧でもよかったのだが、
今回は、あまり重くなく(これで「牛」をはずした)、それでいて軽すぎず
(これで「鱧」をはずした)、白金豚はシャラモンでよく食べるので外し、
ということで鯛か鳥で、鳥の方がわずかに食べ応えがありそうだったのでこれにした。
なぜ最初に「重くなく、軽からず」という選択をしたのかといえば、
ここしばらく胃や腸の調子が悪く、この日の翌々日に腸の検査があったからである。
重いと胃に負担がかかるし、下手すりゃしばらく良い物は食べられないから
軽すぎるのも、思いを残しそうでいやだったのである。
この名前だけからするとそれだけを焼いた物のようにも見えるが、
実際には九条ネギを焼いた物に、ポートワインと空豆を濾して混ぜて作ったソースを掛け、
また上からいくつかの野菜を乗せてあった。
正直、初めて九条ネギがおいしいと思った。

ここでおなかがだいぶふくれていたので、しばらく休憩。
チーズ3種の盛り合わせをもらった。
青カビチーズと、塩辛いチーズと、ペコリーノチーズ。
美味しかったんだけど、私はこの時点でもうだいぶおなかがふくれていたので、
そういう状態での青カビチーズの癖はちょっとつらかった。

Dolci(ドルチェ)は「アメリカンチェリーとサワークリームチーズのパフェ」
アイスのサワークリームチーズ添えの上にアメリカンチェリーを乗せたパフェ。
チェリーの酸っぱさが良かった(かなり酸っぱい)。
もう少し量が欲しいくらい。

最後は飲み物。いくつか選べたが、私はカフェラテを飲んだ。
私がストレートでも飲めるかと思った位の味=おいしい苦み。

さすがに5000円のコースだけあって量は十分。
1品1品の量はさほどでもないが、これだけの種類を食べれば十分となる。
私はそれほど多くは食べる方ではないのでちょっと、いやだいぶ多い。
パンを3回もお代わりしたので、それだけでも多かったのだが、
それ抜きでもかなりの量にはなるだろう。
(夜なかなか寝られないほどおなかいっぱいであった。でもそれは
私の胃腸の調子が悪かった性もあるのだが。)

この日はこれに白ワイン2種類(グラス、945円と735円税込み)、
チーズ盛り合わせ(630円税込み)も頼んでいる。
この白ワインもすっきりしていて飲みやすく、また悪酔いしなかった。
味は945円の方が好みであったが、名前は忘れてしまった。
これで1人7400円くらい。

味も申し分ない。それぞれが十分吟味されている。
味付けは素材の持ち味を十分生かし、余計な付け足しはしていないとみた。
あからさまに味付けを感じるのは主菜くらいだろうか。
全体の流れでも、同じ傾向の味が続かないように考慮してある。
が、あえて苦言を呈するなら油、(たぶん)バターと空豆の組み合わせは
舌先にべっとりとした感覚を与えるので、それをさらっと流す様な物の
組み合わせがあったら良かったかも知れない。

この味、この量であればこの価格は納得できるし、
これだけの量を味わい、話をしながら食べればそれなりの時間になる。
こちらの食べる速度に合わせて出してはくれるが、ちょっと忙しい位かも知れない。
私たちも、開店すぐから入って、結局閉店時までいた。
(この日は私たちだけの貸し切り状態だった。)
ゆえに決して「上乗せ価格」ではないと言える。

そうそう、店員さんの応対も良かったとちゃんと書いておこう。
最後に送り出してくれたのがシェフだと思うが、かなり若い人に見えた。

        お勧め度        92%

いや、良い店を見つけた。
まあ、値段が値段だけにお気軽にとは言えないが、
たまには奮発していくのも良いであろう。
何せ禁煙である。何の苦痛もなく美味しい料理をじっくり味わえる。
なお、最低2時間は必要と思われるので、急ぎの人には向かない。

今回食べられなかった主菜、特に鱧が気になる。
また、コースの内容は少なくとも月単位では変わるようである。
実は予約時に先月のコース内容ももらったのだが、基本構成は同じながらも
素材が変わっていた。
折々に行く楽しみがある。

が、やはり量は多い。
3800円くらいでもう少し量が少ないコースも欲しい。
そう思う女性も多いのではなかろうか。

この日は私たちだけだったが、前に予約に行ったとき〜土曜日のランチの時間は
女性客ばかりで満席だった。だから決してはやっていないわけではなさそうだが、
夜は値段の関係かな。ランチは1700円くらいと2800円くらい(うろ覚え)
のコースがあって、断然お得だからね。

        ・・・

後日、ランチに行くことができた。
頼んだのは1575円(税込み)のコース。

        前菜
        パン(上記と同じ、お代わりできる)
        パスタ(2種から選択)
        デザート
        ドリンク

という内容。前菜はカボチャのバニラクリーム煮他小品6品(8品だったかも)で、
どれもおいしい。

パスタは、私の頼んだのはトマトとクリーム系のチーズを載せたもの。
ソースの辛み具合が絶妙。

デザートは豆乳のシャーベットとパイナップルのパイ。
アップルパイは良くあるが、パイナップルのは初めて。
酸味がきつすぎず良好。

ドリンクはアイスティーを頼んだが、これがまた変な苦みが全くなくて
ストレートで飲むことができた。下手に砂糖を入れると味が崩れる。
ストレートでここまでおいしい紅茶にはなかなか出会えない。
色がちょっと焦げ茶色に近かったので、
ちょっと違う種類なのかもしれない。

ひょっとするともう1品あったかもしれないが、
ネタにする気なくのんびり食べてたので失念。

量は多くないが、おいしいものは少量でも満足できるのでこれで十分。
この日はちょっと胃の調子が悪かったのでこちらにしたが、
今度は2800円のコースにも挑戦してみよう。
(主菜が+1品、デザートが1品増える様子。)

        ・・・2006/03/01追記・・・

2800円のコースは
        前菜
        パン(上記と同じ、お代わりできる)
        パスタ(2種から選択)
        主菜
        デザート
        ドリンク
という感じで、主菜が1品増える他は1575円のコースと変わりない。
ただし、量や内容は変わっている。
私の胃袋でちょっと多いくらい。

味は言わずもがなでおいしいのだが、ここの隠れた逸品はパンだと思う。
パンに限って言えば、シャラモンよりこちらの方が好みである。
種類が違うのでどちらがおいしいというわけではないが。

        ・・・2006/03/07追記・・・

初めて昼のお任せコース(3675円;税込み)を頼んだ。
前菜とパスタが2種になるが、他は2800円と同じ構成。
でも当然、内容は異なる。
2品増えることになるが、量は2800円とさほど変わらないような感じ。
味の良さは今更ながらであるがさすが。

これで昼のメニューは全て制覇したことになるが、
一番お得なのは2800円かもしれない。
いや、量が少な目で良いなら1575円も十分。
どのコースを選んでも十分満足できるのが良いところ。
この辺りはシャラモンと同じ傾向。

京都まで来てくれれば、オタ会をここでしても良いのだけど。
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(2005/10/17号)
{お店紹介}

        「串たなか」

        京都市上京区寺町通り今出川下がる西側
        京都市バス河原町今出川下車徒歩5分

        075−222−0054
        昼:11:30〜13:30
        夜:17:30〜22:00
        水曜定休

京都御苑の東北そばにある串揚げ屋。
前から気になっていたが、ようやく昼に入ることが出来た。

店は奥に細長く、手前にカウンター(11席位)、奥に掘り座席(11席)がある。

店の名前からも解るとおり、基本的には串揚げ屋である。
が、昼間はこの手の店のご多分に漏れずランチがある。
今回食べたのは「黒豚ローストンカツ」¥780である。

一番忙しい時間はいざ知らず、13時過ぎに入ると人も少なく、
注文してから揚げてくれる。だから、ちょっと時間はかかる。

そのトンカツは、非常に柔らかく甘みがあって美味しい。
厚みは1センチ近くあるのに堅さが全くない。
こんな柔らかいトンカツははじめてだ。
なおかつ、その揚げ具合が絶妙で、中心までちゃんと良い温度でありながら、
揚げすぎの感じがない。

何も付けずそのまま食べても十分な甘みがあるが、
ソースとマヨネーズが付いており、どちらかというとマヨネーズの方が合う。
肉の味が微妙で、ソースのピリ辛さよりマヨネーズ程度の辛さ程度のほうが良いのだ。
ソース2:マヨネーズ8位を混ぜて、それを少しだけ付ける程度で食べるのが
一番だと思った。

このトンカツ、実は脂身が少ない。
美味しい豚肉は脂身も美味しいので、その点ちょっと残念だったが、
身にこの味があるのだから、その要望は贅沢かも知れない。

後はご飯(お変わり自由)、キャベツ、トマト、キュウリ、
赤だし、香の物(3種)である。香の物は自家製かも知れない。
不自然な味はなかった。
赤だしは極普通。ご飯は悪くはないがもう少し甘みがあった方が美味しくなる。
ちょっと惜しい。
とにかくトンカツのおいしさが圧倒的なので、他が少々物足りなく感じてしまうが、
決して悪いものではない。

量は私でちょうどかちょっと多いくらい。

        お勧め度        85%

もう少し上げても良いけど、いくら良くてもさすがにトンカツだけの味ではこれが精一杯。
ついでにいえば、ア・ラ・シャラモンで使われている白金豚の方が、脂身のうまさも
あわさって上だとは思う。

+100円でグラスビールも飲めるようなので、昼だがちょっといっぱい欲しい人には良いかも。
お昼は時間が短いので要注意。

ランチには、この他「黒豚天ぷら」(たぶん780円);豚の天ぷらとははじめて聞いたが
カツとは違うのであろう、と、串揚げ15本のコース(2500円)もある。

夜は「一方通行」というメニューで、串1本100〜250円で客が止めるまで
お客の食べる速度に合わせて揚げてくれるコースやら、決まった本数の
コースがある。
こちらもその内行ってみようと思う。これ以上の点を上げるかどうかはそのときにでも。

・・・それにしても、もういい加減書くのもいやなのだが、
相変わらず臭いやつがいる。せっかくの美味しい食べ物も臭いやつがいると
おいしさ半減以下である。しかも禿。自分で望んで禿になっている奴には容赦しない。
残念ながら、この店も禁煙ではない。
健康増進法で、食事の店は全店禁煙もしくは完全分煙にすべきだ。
店・客双方に罰則付きで。
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(2005/10/24号)
{お店紹介}

        「パティスリ セラヴィ」
        Patisserie C'est La Vie

        河原町今出川西上るの出町商店街の西の端
        京都市上京区寺町今出川上る立本寺前83
        075−222−1566

出町商店街の端に最近出来たケーキ屋さん。
その割には「1998年創業」と書いてあるので
ひょっとして新装開店したのかなと思いきや、
どうも元々は北山にあったお店が移転してきたらしい。

ケーキの構成や値段帯はずっと以前に紹介した「菓楽里」とよく似ているが、
菓楽里が和風に近いものや「ここだけ」という独自性がかなりあるのに対し、
こちらはもっと普通。

ケーキの他にマドレーヌのような物やチョコレート、
シュークリームもある。種類は多い。
菓楽里のケーキはお酒が効いており、そういう意味で大人向き
(子供はいやがる)のであるが、こちらは感じるほどには入っていないようである。

        「こだわりのシュークリーム」
        5個525円(税込み)

卵・小麦粉・バター・牛乳・塩・砂糖・バニラ

ということで、そのシュークリームであるが、
これが結構美味しい。
化粧箱込みでこの値段だから、かなりお買い得ではなかろうか。
ただし、本当にできたての味がする賞味期限は、冷蔵庫に入れていても
やはり当日以内。それ以降になると特にクリームの味が落ち、
シューが湿気て柔らかくなりすぎる。

私が今まで食べたシュークリームの中で一番美味しいと思っているのは
広島駅から歩いて10分ほどの所にあるお店「ミニヨン」
(光町支店;広島市東区光町1−6−16 Tel.082-263-8282)のそれ
1個100円であるが、これはあっさり系である。
あっさりというのは舌触りも含めての表現で、ここのクリームは他の物には
ない独特の触感がある。
ここいらに行く機会がある人は是非食べて欲しい。これは本当においしいから。

セラヴィのはミニヨンよりかは味は濃く、かつクリームは普通(ペースト状という意味)。
最近はビヤード・パパ(新大阪他)やメイプルリーフ(福井、金沢、富山など)のように
専門店で味のしっかりしたものも出てきているが、
これらよりかはあっさりしている。だいたいそういう感じ。
1個50円という価格から考えれば良い出来ではなかろうか。

菓楽里のよりあっさりしていると思う。
(2つ同時に食べてないので、記憶によるのだが。)
どちらが好みかは微妙なところ。
全く同じ傾向の店だと困るのだが、違う傾向なので、
日によって選ぶのも良かろう。
こちらの店の方がちょっと遠いのが難点だけど。

ここで買うと、商品を店の入り口まで持って行ってくれる。
要するに出口で物を渡されるのである。
結構すごいサービスだと思うけど、やられる側は小恥ずかしい。
そこまでしなくて良いんじゃないかな、という気もせんではない。

        お勧め度        88%

ちなみに広島のミニオンは96%としておく。
記憶の中で美化されている可能性はおおいにあるが。

それにしても、出町商店街に来る人は結構お年を召した人が多いので、
しかも、そこから細いが道路挟んで端にあるから、
ちょっと客の入りとしては心配なところ。
さすがに平日はがらがらだったりする(で、店員さんが外に出ていると)。
この間久しぶりに言ったら何か店員さん(というかアルバイト)の数も減っているような気が。
新町通に面している菓楽里より立地条件が悪いのでがんばって欲しいところ。

出町商店街という場所が悪いというわけではない。
近くにある、豆餅で有名な出町ふたばはいつ行っても人が並んでいる。
が、あちらはここでしか買えないという価値があるが、
ケーキ屋は他にもあるので、その中で選んでもらえるかどうかが鍵。
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(2005/10/31号)
{お店紹介}

        手作り居酒屋
        「かっぽうぎ」
        新阪急八番街店

        大阪市北区梅田1−12−39新阪急ビル地下2階
        06−6344−4321
        11:30〜14:00
        17:00〜23:00
        日・祝休

所用で家族で梅田に行ったとき、たまたま入った店。
和系の居酒屋らしいが、入ったのは昼なのでいわゆる「ランチ」について。

お昼は650円で、主菜1品、小鉢2品を選べ
これにおみそ汁、ご飯(お代わり自由)が付く。
先払い制、もし足りなければ別途料金で追加も可能。
主菜は鯖のみそ煮、塩焼き、サンマ、コロッケなどがあり、
小鉢はたことキュウリの酢の物、小芋の煮っ転がし他である
要するに、家庭のお総菜という感じ。

手作りと書いてあるだけに、実際手作り(風)の感じ。
量産できるような品はないし、味付けもなんか昔懐かしい感じである。
居酒屋というと、どうも揚げ物中心であったり作り置き出来合いのランチが多いが、
そういうのは胃がもたれたりすることもある。
ここのはそういうことがなかった。
量は多くはないが、美味しい物は少量でも胃が落ち着いて満足する。
子供も大満足であった。

素材はそれなりに良いものだと思う。
ただ、各テーブルに置かれている醤油やソースは普通以下であったが。

家庭風というのは店員さんにも現れていて、
全員それなりのお年の女性である。
良い意味で、こういう店にはこういう人達が似合う。
各人の胸には出身地のプレートも貼ってある。
ひょっとすると、それぞれの方の出身地の料理を出しているのかも知れない。
「お袋の味」という雰囲気を、味からも店の作り、店員さんからも
作りだしているわけである。

そういう雰囲気に引かれてか、来てるお客も何となく
「あぁ、解るなぁ」という人達が多かった。
この表現で解るかどうかはあれだが、落ち着いた人が多いと言うこと。
中年以上男性が多いし、女性も若くても落ち着いた優しそうな人が多い。
店の分行くが客を呼び込むという感じ。

店の中は、向かい合わせの長テーブルに丸椅子が置かれているところ、
テーブル、それに堀座テーブルがいくつかで、大きくない店ではあるが
それなりに入るとは思う。

        お勧め度        90%

店には禁煙という表示はなかったが、煙吐き出して喜ぶような
馬鹿は居なかった。テーブルにも灰皿はない。
実はどこかに書いてあったか、
やはり客もそれなりにわきまえた人が来るかである。
ここだけじゃないけど、良い店には臭い奴は行ってはいけない。
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(2005/11/07号)
{お店紹介}

        カフェ&京菜美膳
        「たま妓」(たまき)

        京都市中京区両替町二条下ル金吹町472−1
        075−213−4177
        地下鉄烏丸線御池駅から徒歩7分くらい
        (烏丸御池から一筋西の筋を北へ)

        お昼    11:30〜14:00
        夜      17:00〜22:00(ラストオーダー21:00)
        カフェ  11:30〜16:00(ラストオーダー15:30)
        定休    水曜日

町屋、おそらくは旧商家を改造して作られたと思われるお店。
そのため、玄関は広く、中もかなり奥に広く、中に数カ所ある庭もかなり美しい。
入るとまずはそれに目を奪われるだろう。

それはそうと、ここは店入り口すぐ右手に入ると喫茶店で、
奥に進むと食事場となる。
店内は、少なくとも座敷は禁煙。

お昼は基本的にランチメニュー。
私が行ったのは日曜日の昼だったが、この日は松花堂弁当とパスタランチ
というものだけだったので、松花堂弁当、+100円でご飯を
赤米(古代米)を中心とした雑穀米に出来るというのでそれにした。

内容は毎月変わるらしいが、細かく数えるとかなりの種類がある。
この日はざっと数えて15種類ほど。覚えているだけを書けば、
        柿となんかの野菜の白和え
        大徳寺生麩のうま煮
        ムカゴのしんじょう
        玉ねぎの甘酢漬け
        甘栗
        天ぷら3種;秋鮭、ズッキーニ、かぼちゃ
        さつまいもを擂ったものを豚肉で巻いたカレー風味のもの
        イカ団子と茸複数種のとろみがけ
        漬物(キュウリとかぶ)
        大根の白みそおみそ汁
        雑穀米
という風な感じ。一応内容を書いたものが置いてあったのだが、
持って帰れないので、うろ覚え。

ぱっと見の量は少ないが、種類が多いので、食後の満腹感はある。

味であるが、「松花堂弁当とパスタランチ」というメニュー内容からも解るとおり、
ここは町屋を改造した純和風の店ながら、メニューは純和風ではない。
和洋折衷という感じであるが、それぞれがバラバラという感じはない。

素材にもこだわっていると言うことで、確かに味に良い。
が、ちょっと味付けが濃い。
正確には、ちょっと塩味が効きすぎという感がある。
天ぷらにもご飯にも塩が振ってあったがこれがちょっとききすぎてたし、
他も全体的に塩がきつい。
私は特に薄味指向なのでそう思うのかも知れない。
(そういう意味ではラ・カマルティーナのような素材の持ち味を最大限に活かした味付けが好み)。
秋鮭はちょっと味がなかったか。
あられのようなものがまぶしてあって、その食感は楽しかったが。

        お勧め度        88%

店はかなり繁盛していた。特に女性客が多かったが、わからなくはない。
おしゃれというより落ち着いた日本美人の雰囲気である。

店の人によると、観光シーズンはかなり混み合うし、
披露宴パーティーや会社関係の呑み会で貸し切りになることも多いらしい。
広さと雰囲気を考えれば解る。
確実に行くには予約した方が良いそうだ。

そうそう、これは書いておかねばなるまい。
店の人の接客。非常に心地よい接客である。
店に入る前、出るときの心遣いと笑顔がすばらしかった。
これで味も引き立つと言うものである。
広くて人数が多いからか個々人が通信機を持っているのが、
ある意味印象的であったが、普通そういう混雑する店はあまり愛想が良くなかったり、
マニュアル通りの愛想&接客だったりするが、ここにはそういう感じがない。
これもお客を集める秘訣であろう。

夜は会席で5250円から、旬彩料理で8400円からとなっている。
決して安くはないが、その内また来たいと思わせる店である。
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(2005/11/28号)
{お店紹介}

        「串まんま」

        京都市営地下鉄丸太町駅歩いて5分
        京都市中京区室町通り丸太町下る馬場町4番地
        075−222−8850
        16:30−23:00(ラストオーダー)
        http://www.kushimanma.com/
        火曜日休み

2005年2月に出来たばかりの、居酒屋。
幕末から明治中期の画家、望月玉泉の屋敷跡に出来たらしい。
前から気にはなっていたが、祇園祭にかこつけて
初めて行くことが出来た。

ここで1つ注意は、あくまで「屋敷跡」であって、
元々あった屋敷や庭をそのまま使っているわけではない(はず)。
建物は平屋の新築で、庭も手入れされている。
でも、外観も内装も近代的和風で落ち着いているし、
そして庭も、たぶん置き石や灯籠は元々あった物を流用してるようで
こぎれいである。ただ残念ながら、外からは見えにくく、
店内からもよく見える席は限られている。

席は、靴を脱いで上がる座敷風の所と椅子席があり、
椅子席の方が庭に近い。
座席風ではあるが、掘ってあるので足は楽。

基本的には炭火串焼きとご飯を売りにしているらしい。
メニューにはコースは載ってないが、予約向けに3500円、
5000円のコースが存在する。
今回は3500円コースを選択。

店はえらく繁盛しており、私たちが行ったときにも待ちがいたが、
予約を入れていたおかげですんなり入ることが出来た。
基本的には予約して行くべきだと思う。
ただ、席に着いてからも最初の一品が出てくるまでにだいぶかかったのであるが。

予約を入れていると、今日のメニューを印刷した物をくれる。
和紙に、名前を入れて。パソコンによる印刷ではあっても、
妙にうれしいものである。それに、このようにネタにするときには
メニュー表があると非常に楽だし(^_^;)。
以下がその内容。

・さんざしのお酒
さんざしとは漢字で書くと「山査子」で、バラ科の落葉低木。
春に梅に似た白い花を付け、秋に黄色の果実を結ぶらしい。
果実は薬用で、ポリフェノールが豊富とか。
香りもほのかでちょっと甘めで美味しい食前酒だった。
おちょこより小さいグラスに1杯。

・手作り冷や奴
陶器の壺状の容器に入った冷や奴。
柔らかく、大豆の甘みがよく出ている。
鰹節、生姜、ネギ+醤油が薬味として付いているのでお好みに合わせてと言うところ。
少しづつかけて食べると美味しい。

・和牛のたたき
どんなものであるかは名前を見れば解るが、これはおいしい。
非常に良い肉だと思われる。
特に何を付けなくても十分肉の味がある。
脂身のない肉なので、本に肉のうまみで勝負である。
付け合わせのネギも辛くなく美味しい。

・串焼き三種
今回は、豚バラ、つくね、胸肉だったと思う。
それぞれ1人6きれくらい、ちょっと長めの串に刺さっている。
どれも皆良い味である。素材も良いが、
炭火のおかげで中までほんのり暖かくその味を活性化している。
そうそう、レモンが添えてあるが、これをかけても
嫌な酸っぱさがなかった。これも良いものと思われる。

・地養鶏の唐揚げ
見た目は普通の唐揚げであるが、非常に柔らかく噛むと肉汁が飛び出てくる。
素材の味もさることながら味付けが、妙に昔懐かしい
唐揚げの味であった。

・本日のサラダ
豚の冷しゃぶ風サラダであった。これも素材が良い。

・出汁巻き玉子
見た目は普通だが、味は抜群。
玉子の良さとそれにあった味付け、さらに柔らかすぎず堅すぎずの
焼き具合が絶妙であった。私は今までこの近所の「やまの」という
料亭のだし巻き玉子が一番だと思っていたが、ここのはそれを
上回る。

・銀シャリと茶漬けセット
小さな釜で炊かれたご飯と、それをお茶漬けにするための
お茶、昆布、山葵、おかき、きざみ海苔のセット。
お茶漬けにしても良いし、そのまま食べても良し、それはお客次第というのが良い。
ここの店の売りに「銀シャリ」とあるだけに、さすがにお米は
光り輝いてつぶが立っている。粘りも甘みもある。
そして特筆すべきはお茶漬けセット。昆布も良いものであったが、
お茶がすばらしい。いや、ただ単に良いお茶と言うことではない。
お茶漬けにあったお茶だと言うこと。
お茶は粉茶で色は濃いがでも苦みはなく、これにほんのり塩味が付けてある。
このためご飯にとてもよく合う。余ったお茶におかきを浮かべて呑むと
美味しかった。
折しも最近発売になった「美味しんぼ91巻」にお茶漬けの話があったが、
そこではお茶こそ同じだが、「ご飯は炊きたてでなく冷めてもいず、
ほんのり暖かい程度がよい」とあるが、そこに関してはちょいと違うと
いうことになる。ただ、それでも美味しい物は美味しいのである。

・東浜の明太子
・炙り焼海苔
ここで少しご飯が余っていたので単品で2品を頼んだ。
明太子はかなり大きなたらこである。味は確かに辛いがそれがとんがっておらず、
そのまま食べても美味しい。
炙り焼き海苔は、軽く炙った海苔であるが、ちゃんと海苔の味がしている。
変な言い方だが、これがちゃんとした海苔の味。
磯の匂いがあまりしないのがちょっと残念。

・氷菓子
最後はデザート。小倉抹茶アイス生クリーム添えか柚子シャーベットから
選択できる。私は後者を頼んだが、柚子の果汁の入ったシャーベットに
柚子ジャムがかけてある。甘さがくどくなく良い。

ついでに飲んだ酒についても少々書いておこう。
ここには日本酒、焼酎の他何種類かのお酒があるが、私の呑んだのは以下の物。
・古都 純米吟醸
二条あたりにある吉田酒造と言うところの物らしい。
香りが立ちすぎることもなく、口当たりも辛すぎずちょうど。
正直、料理に合う酒として初めて本当にぴったりだと思った。

・西陣 純米大吟醸
これも同酒造の物。
今度は大吟醸を頼む。やはり大吟醸は香りが立ちすぎるのがいけない。
これだけを呑むなら良いが、料理には合わせにくい。

・梅酒
自家製じゃないだろうか。甘くてさわやか。
梅酒と言えばサン・スーシーでもいつも頼むが、
それのより一回りあっさりした感じ。
どっちが良いというのではなく、どちらも良い。
ロックが良いと思う。

・姫紫
薄く紫色の付いたお酒。お酒というよりジュースに近い。
ほんのり甘。アルコールを徐々に抜くときに良いかも。
ソーダ割りとロックがあるが、ロックの方がお勧め。

という内容であった。
全体として言えるのは、素材の良さを十分に引き出す調理がなされていること。
ちまたの居酒屋にありがちな(酒を勧めさせるための)異常に辛い味付けもなく、
その味の良さが楽しめる。
さらに、お茶漬けのお茶と言い、おろそかにされがちな
付け合わせの類にも手抜きがないのが好感。
お酒も基本的に料理に合っている。炭火の使い方も絶妙で、
焼きすぎず(焦げてない)素材の味が一番良くなる焼き具合を見計らってある。
「炭火」とあっても、その扱いが雑だと焦げが多かったり炭臭いだけで
だめなのだ。
店で扱っているもの、その全てにちゃんとが目が届いており
整えられているのがよくわかる。これは、特に居酒屋ではなかなかないことだ。
量は決して多くはないが、この味があれば量は要らない。

美味しいものを食べていれば話も弾むと言うものである。
6時過ぎに入って、結局10時過ぎまで居てしまった。

これだけの物を飲み食いして1人7500円なら安いと言えよう。
(ホームページには10%割引チケットがある。今回もそれを使ったので−1500円。)

        お勧め度        95%

久しぶりに和系の良い店を見つけた。
繁盛するのがよくわかる。女性(連れ)の客も多かったが、
落ち着いた店内、きれいな庭、そして何よりもこの味があればさもあらんである。

残念ながら禁煙ではない。分煙でもなさそう。
これさえ何とかなればもう+3%位しても良いのだが。

良い店の見分け方の1つとして、トイレがどうであるかというのがある。
ここのトイレ、かなりきれいである。
そこには「高級あぶらとり紙」やなぜか綿棒まで備え付けてある。
私は脂性なので少々使わせていただいた。
トイレまでちゃんと気を配られていると言うことである。
こういう気配りができる店は、味にもそれなりの気配りができるという証拠である。

そうだ、おしぼりはちゃんとタオル。
それも最初と最後の方でもくれる。
良いサービスである。

あと、店員さんもなかなかにさわやかな対応であった。
最初こそなかなか来なかったのでちょっとむっとしたが、
まあそれは一番忙しい時間には行ったからと思おう。後は良かったから。
女性店員さんはアルバイトらしかったが、なんと私の大学の後輩であった。
とはいえ、年回りは倍以上違うのだが。
若い人にありがちな嫌みというか軽さがなくよかった。
人事にまでちゃんと目が行き届いていると感じた。

ということで、今度誰かが来たらまた行こう。

        ・・・

ということで、3ヶ月後に会社の仕事の打ち上げで来店。

今度も3500円のコースで内容は、
        小鉢(鶏か湯葉を甘辛く煮たもの)
        中華前菜盛り(棒々鶏と鶏の薫製の薄切り)
        串焼き三種(つくね、もも、ねぎ身)
        炭火焼き野菜(しいたけともう1つ忘れた)
        鶏の唐揚げごま風味
        山科茄子と黒胡麻豆腐の湯葉あんかけ
        松茸と鶏の釜飯
        氷菓子(柚子のシャーベット)
という構成で、これに
        だし巻き
        焼き枝豆
        おつけもの5種盛り合わせ
を追加した。

今回も味は良かったが、だし巻きは前回の方が美味しく感じたのはなぜ?
(前回の方が柔らかかったのかも。)
焼き枝豆は丹波の黒豆だと思うが、美味しいのだが、少々塩辛かったか。
酒のあてと考えても。

これに結構お酒を飲んで、やはり一人7500円で腹一杯。
前回は1割引券があったのが今回はない+他のメンバーがみんな年下だったので
ちょいと負担したので私の負担金は多かったのだけど、
まあ、そこは楽しいひとときを過ごせたので良しということで。
(残業代が付いていれば全額出しても良かったのだが。会社も残業代=慰労費として考えて欲しい。)
結局19時半から23時半までいてしまった。
お勧め度は不変。

店員さんが増えた感じ。でも男性が増えて女性が減ったか。
上記女性のうちで大学生の人の方がいなかった。
店員さんといえば、帰り際店の外まで送ってくれたり
出るときに火打ち石を打ってくれたりと心遣いがすばらしかった。
遅い時間で客も少なかったからかも知れないが、
いずれにしてもまた行こうという気にさせる。

味は良かったのに最悪だったのは、隣に座った4人組が
ひたすら煙を吐き続ける(&程度の低いネタで盛り上がっている)連中だったこと。
その上この連中は結構長く居座っていたので
せっかくの料理の味も香りも台無し。
やはりこの店は禁煙にしなければならない。
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