「STARWARS EPSODE I」(1999/07/19号)
{映画紹介}

        「STARWARS EPSODE I
                 PHANTOM MENACE」

        監督 ジョージ・ルーカス
        2時間13分
        (見たのは梅田 ナビオシネ5 前売りで¥1600)

とうとうと言うか、いよいよと言うか、あのSTARWARSの
続編が帰ってきた。

STARWARSに関してはもはや何の説明もいるまい。
今のSF映画であれの影響を受けていないものはないと言われるほどで、
伝説的な映画でもある。私も、第1作を見た時、小学校6年だったかの時のこと、
梅田OS劇場の前でならんで待った時のことは忘れない。
あれからもう22年も経ったのか。早いものだ。
実際、映画が始まってあの文字が手前から奥へ流れていくのを見た時には
少しぐっと来るものがあった。「長い間見たいと思っていたものにやっと会えた」。

さて、このEPSODE1、映画に関係無いような雑誌でも大々的に取り
上げられているくらいだが、はたしてその内容はどうか。

時代設定的に言えば続編と言うより、あの3部作(エピソード4〜6)の前の話になる。
デモを見た時にも書いたが、ルーク・スカイウォーカーの父である
アナキン・スカイウォーカー、即ち、後のダース・ベーダーの話となる。

まだまだ封切りされて日も浅く、これから見る人も多いだろうから詳しく
書けないのだが、少しだけ書いてみよう。

今回の作品ではアナキンはまだ9才の少年である。
従って、例え話の中心に彼がいたとしてもまだそれほど目立つわけではない。
もっとも、各場面で活躍はしていて、それが飛び抜けた功績であるからこそ
ジェダイとして訓練されていくわけではあるが。

今回の話はどちらかと言うとこれから作られるであろうEPSODE2/3の
背景を説明する、という感じが強い。もちろん、この作品がつまらないものかというと
そういうことはない。ちゃんとめりはりがある。

        ・・・

全体としては第1作(エピソード4)に似ている。詳しくは書かないが、本当にそう思う。
起承転結、全てが似ているのである。第1作と見比べてみると良く解るだろう。
これは、第1作を知る人にはなつかしく思わせるためであろうし、
知らない人にも、第1作のような話は解り易くて良いという配慮かも知れない。
過去3作を知っていた方が良いかどうかであるが、知っていたらより面白いだろうが、
別に知らなくてもいいとは思う。

違いと言えば、クリーチャー(平たく言えば人間の形でない宇宙人)の数が非常に多い
という点であろうか。

このあたりは最近のコンピューターグラフィックス(CG)の技術の粋を集めた
ものだ。タイタニックでもさりげなく、かつ大胆に使われていたが、
この作品では思いっきり使われている。元々宇宙ものにはCGは向くと思うが、
登場人物(というかクリーチャー)の一部が、しかもそれが話の最初から最後まで
出てくるものであっても、全てCGで作られているものがあるというのだから、
すごい。簡単に言えば、アニメと実写を合成してあるようなものだが、
アニメのようにまる解りではなく、本当にそういうものがいるように見える=リアル
なのである。

        ・・・

さて、ここで若干の苦言を呈しておこう。
このEPSODE1は、STARWARSシリーズはこれで始めて見たと
言う人には良いのだろうが、過去3作を、特にそれを公開時に見ている人間にとっては、
やはり少しう〜んとうならざるを得ない部分がある。
それは、「小手作の技術に頼ってないか?」と言うことである。

STARWARS第1作は本当に面白かった。
それは、話の背景が実に単純(悪の帝国対正義の解放軍)であり、
お姫様がいて、ヒーローがいて、師匠がいて、チャンバラがあって、
空中戦があってで、それまでの面白い映画の面白いところを寄せ集めたと
監督自ら言うだけあって、面白かった。
しかも、それらを飽きさせること無く繋げていた。
人を飽きさせる場面がなかったのだ。時間的にも絶妙であった。

第1作では映像的にも確かにすごいと思ったが、それでもそれを見せると
いうことではなく、あくまで登場人物が動く背景にすぎなかった。

ところが特別編以降、どうもジョージ・ルーカスはメインの話以外に
力をそそぎすぎという気がする。どれだけ多くのクリーチャーが出てくるか、
その数に賭けているような気がするのである。
そういう細かい物までに神経を注いでいると言えば良く聞こえるが、
そのためにいらない場面が追加されて映画に冗長性が出て、
見ている途中に一種の「飽き」が発生させてしまうのだ。
せかっくののめり込みに水を挿す。
非常にもったいない。

そうそう、このEPSODE1の背景の話もちょっと難しい。
ある意味いかにも今風ではあるが、子供には理解出来まい。
帝国対解放軍と言うような図式はとれなかったにしても、
もう少し簡単に出来なかったものか。
まぁ、実際の映画を見る上ではそういった背景は余り必要無いかも知れないが。

        ・・・

そのような問題はあるにせよ、この映画は面白いことには違い無い。
第1作ほどの衝撃はないにせよ、最近の若い人には新鮮に、
昔を知る人にはなつかしく見えるだろう。この作品が、今の人に取って果たして
伝説的映画にまでなるかどうかはわからないが。

        お勧め度        95%

まあ、見ていて損はない。
話のネタになるのは間違い無いので、営業関係の人は見なければならないかも(^_^)。
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