LD紹介1998
(1998/01/09号)
    「バットマン&ロビン」

    ワーナーブラザーズ

日本での公開名はたぶん「バットマン ミスターフリーズの逆襲」だったような
気もするが、本当の名前はこうである。バットマンシリーズの第4作である
(のはず)。

私は結構バットマンが好きなので、第1作はアメリカ直輸入ビデオで(だから字幕も
吹き替えもないのでよく解らん;友人に買ってきてもらった)、第3作はLDで
持っていたりする。で、第4作も買ってしまったわけである。(第2作はテレビで
ノーカット放映された時のものをS−VHSで録ってある。)
このシリーズは、昔のテレビシリーズのバットマンとは違い、結構暗いイメージで
作られている。それは主人公=バットマンになる人の生い立ちに由来するものだが、
ヒーローの苦悩まで描くようで描写が良いし、暗いながらもお茶目だったりするので
いい。日本にはこういうタイプのヒーローはいない。あえて言うなら妖怪人間ベムや
タイガーマスクだろうか。

で、今回の作品だが、今回から第3作までに何等かの形でかかわってきた
ティム・バートンがかかわっていない。主人公バットマン役も変わった(これは第3作
も第1、2作までと変わったけど。)そのせいだろうか、イメージが少し変わって
いる。アクション性というか娯楽感を高めた作品になっている。
場面の暗さはそのままに、アクションを増やし、新しい登場人物や乗り物、
町の構成などで派手にしている。
今までは登場人物の人物像というか、なぜそうなったかを描く部分が
多かったのが、少なくなっているし、またそれが暗くなくなっている。
しかし若干は残っている。この場合の暗さとは、バットマンではなく、
アーノルド・シュワルツネッガー演じる敵役であるミスターフリーズのそれである。

ターミネーター2ではアーノルド・シュワルツネッガーは「もう有名なので
悪役に出来ない」として良い役になったが、このバットマンでは悪役である。
はたして良いのか?と思ったが、そこはそこ、ちゃんとなっていた。
話しのネタをばららすといけないのでくわしくは書かないが、悪役でありながら、
悲しい側面を持たすことで、単なる悪役ではなくしている。このあたりの演出は
うまい。もちろん、シュワちゃんの 肉体派の演技も光っているぞ。

この映画の1つの欠点は、画面があまりに動きすぎること。
どはでなアクションだけに、画面の移動が多いのだが、多すぎて目が疲れる。
動くというか揺れるのだ。カメラワークのミスとも思えるほど。
ちょっと酔ってしまった。
もののけ姫でもそうだったが、最近の映画は動きが激しいものが多いので、
動態視力が弱い人には酷である。

なんにせよ、見ている時間を忘れさせるおもしろい作品である。

お勧め度
    80%
    結構奥が深い娯楽作品に仕上がっている。

あっ、1つ下らんネタを思い付いたぞ。

    「Windows&Office
        MSフリーズの常襲」
        (ミスじゃないぞ)

意味は解るよね?
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(1998/06/09号)
    「コンタクト」

    ワーナー・ブラザース配給
    パイオニアLDC(株)販売
    2枚組  150分
    ¥4700

以前に紹介した映画「コンタクト」のレーザーディスクが発売された。

あの時も「いいからぜひ見るように」と太鼓版をおしたが、
見直してもやはり良い。

そもそも、私は原作者のカール・セーガン博士の信奉者(^^;)だし、
コスモスも大好きだったので、この映画が公開されると聞いてからは、
心待ちにしていた。だって、一番始めの映画化の話が有ったのは
コスモスの直後くらいだから、まだ1980年代のはず。

宇宙人ものというと安っぽいSFものが多い中で、コンタクトはまったく異色の
ものである。

コンタクトは、「宇宙人」というものを通して実は、地球人というか人間の
存在意義を問いただす、また科学と宗教の関係を表現しようとした
(原作ではその当たりに多くのページがさかれている)
希有な映画と言える。
後者に関しては、カール・セーガン博士はコスモスの中でも少し述べられていたが、
コンタクトではそれがいっそう明確になってる。

なんにしても、私にとっては「タイタニック」よりもこちらに
オスカーを上げたかった、97年最高の1本だと言い切ってしまおう。
あんまり映画は見てないけど(^_^;)。
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(1998/07/23号)
    「もののけ姫」
    制作/スタジオ・ジブリ
    販売/徳間ジャパンコミュニケーションズ
    151分
    ¥7800

やたらと変なCMで話題(?)のこの映画のビデオ&LDである。
その内容に付いては、以前に紹介したことだし有名なので、ここで改めて書くことも
あるまい。

今までのスタジオ・ジブリの作品と違い、値段も押さえられているので
お買い得である(今までは全てLD¥9800であったが、今回は¥7800)。

本編が終わった後に予告編が収録されているのであるが、あんなにたくさんの
種類があったとは、という感じ。でもはっきり入って不要。
あんなもの入れるのなら、メイキングでも入れて欲しかった。
アニメではそういうものはないか?

英語版の予告もあったが、この作品の時代背景や自然環境、基本思想などが
はたして外人に理解出来るかどうか。ディズニーの作品って、時代背景などを
知らなくても楽しめるものが多いけど、「もののけ姫」は知らないと解らん部分も
あるように思える。単なる娯楽ものとは違うからなぁ。一度海外で見た人の感想を
聞いてみたい。

    ・・・

で、先日の呑み会で一部で話題になった、

    「なぜ山犬に育てられたのに、もののけ姫は無駄毛の処理をしているのか?」

である。

気を付けて見ると、確かに「ない」。
でももっと良く見ると、もののけ姫(サン)だけでなくアシタカにも、
他の登場人物にも皆無い。

ということから考えるに、
    1、当時は毛を剃る習慣があった
    2、当時の人間は毛が薄かった
    3、まだ生える年ではない
    4、無意識の内に視野から外している(心理効果)
    5、高速で画面が移動しているので見えない(動態視力の限界)
であろう。
ぶっちゃけた話、あったらあったで見にくくなるとは思うけどね、映画が(^_^;)。
一応、そういうところの設定も議論されるのだろうか。
それとも暗黙の了解?

そういえば、ZARDじゃなくてWANDS(B'zだったけ?ややこしいぞ、
最近のグループ名は!)のメンバーもCMで見る限り無い。
(何処を見てるんだ、何処を!)
今は男性もそういう時代なのだろうか。
無駄毛処理をしている若者は結構いるようだし、近い将来にはきっと、
男性がパンストをはき、ペディキュア等をする時代も来るのであろう。

経済効果から考えれば、ある商品が女性だけをターゲットにするより、男性も
ターゲットになれば単純に倍の市場が出来るわけだから、使う側・見る(?)側の
精神的拒否反応を克服出来れば、口先の「市場解放」「規制緩和」よりも
大きな効果があると思うけどね。あっ、これって一種の「規制緩和」かな?

等と、変な方向に話が発展したけれど、これにて終了。

    お勧め度・・・省略(おぉ!)。
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(1998/12/23号)
    「タイタニック」

    20世紀FOX配給
    ジェームズ・キャメロン監督
    パイオニアLDC発売
    2枚組 196分
    ¥7800

誰もが名前位は知っているだろう、98年アカデミー賞で11部門で授賞したという
映画である。私は映画館では見ていなかったが、LD発売ということで、買ってみた。

この映画の特徴と言えば、女性の方にはレオナルド・ディカプリオであろうし、
CG(コンピューター・グラフィック)する人にとってはコンピューター臭くない
見事なCGであろう。

で、まずはCGから見てみよう。
この映画では、多くの場面でCGが使われている。
普通では実写するかスタントマンを使って撮影するようなところまでCGで
作っているらしい。

今までのCGといえば、例えばそれを最初に使ったトロン、キャメロン監督では
アビス、ターミネーター2ではいかにもコンピューター臭く、またそれを
誇張するかのように使っていたが、この映画ではどこがCGだかわからないように
さりげなくかつ大胆に使ってある。疑って見ればCGとわかる部分はあるが、
おそらくほとんどの人はそうだと気が付かないだろう。私とて、そう言われなければ
わからないと思う。CGがまた一歩実写に近づいたことを示す、そういう意味では
映画におけるCGの在り方を考え直させる作品と言える。ちなみにCGの部分は、
2人が船の穂先で手を広げている場面、船の外側が映っている全ての画面、船が
海上を進む場面、カメラが甲板から煙突をすり抜けて行く場面などがそうである。
あれがCGと思えるか?

さて、この映画では色々な賞を取りながら、ディカプリオは主演男優賞を
とれなかった。でも「それは当然のことである」と言い切ってしまおう。
「演技が臭い」ということはないし、一生懸命の男を演じているのは良い。
が、どこか薄っぺらく感じる。この程度でアカデミー賞をとられても困る。
一番良かったのは、最後まで演奏を止めなかった楽団員ではないだろうか。

タイタニックの事故は、それと共に沈んだといわれる財宝のことと合わせて
世界的に有名であるが、日本でも似た事故はある。青函連絡船洞爺丸の事件である。
こちらは台風での沈没だったが、この中でも良く似た事情はあったようである。
(それに関する本を昔読んだのであるが、残念ながら作者、題名を忘れてしまった。
良い本だったのだが。)

初期の判断ミス、諸般の事情、事故のあった後の避難誘導の問題、
それがことごとく間違えばこのような大惨事になる。これらの事件は
それを教えてくれる。
タイタニックや洞爺丸は命にかかわることであったが、身の回りにも
些細なことではあっても初期判断ミスが後に大きくのしかかってくる
ということはある。気を付けなければならないところである。

タイタニックを手放しに絶賛する人もいるが、私の意見は実にきつめで、
悪く言えば「この程度でアカデミー賞・・・」である。
CGのあたりは授賞に値するがその他の面では、スターウォーズのような面白いSF
ものでもないし、そんなに人間の内面を描いたものでもない。パニックにおける人間の
本質を描いてはいるが、それも今1つのような気がする。かといえ訴えたい主題がある
とも思えない。今までのタイタニックの記録に最新の研究成果を加え、それを見事な
CGで表して、そこに若干の恋愛物語を加えたような感じといえるだろう。
まとまりは悪くないが、余りに色々と入れすぎたのでは、という気がする。
不要と思う画面も多い。

しかし、面白いとされる映画のつぼは押さえてある。だからヒットしたのは
当たり前ではある。3時間を越えるのにもかかわらず、あっと言う間のような
気がする。
さすがはジェームズ・キャメロン監督である。

    お勧め度    80%

CGが見たい、男前が好き、3時間の余裕がある人はどうぞ。

追伸1;
最後の方の場面で非常に画面が点滅するところがあって、光に敏感な人でなくても
ちょっと嫌になる。最近はピカチュウ現象があっただけに、見る時には十分に
ご注意を。

追伸2;
196分と長いと言うことで、私の持っているLDで初めて2枚/4面をフルに使った
ものとなった。長いからであろう、一切のおまけ(予告編)が入ってない。
こんなの初めてだ。別に良いけど。
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