「映画紹介2007
(2007/12/15)
{映画紹介}

        「ミヨリの森」
        
        フジテレビ
        約2時間

最近DVDでも発売になった、フジテレビ作成の長編アニメ。

物語は簡単に書けば「森を壊しダムを造ろうとする悪い大人を、
 森の精霊・物の怪たちと森の主に指名された少女の戦い」。
いや、正味これだけ。
この少女は親の別居で田舎に連れてこられただの、一応人物背景も
描かれているけど、まあ蛇足の範囲。
物語も絵柄ももろ子ども向き。

まあ、それは良いとして、この作品の問題は作画。
とにかく絵の出来が悪い。

最近のアニメはほとんどがPC(とかワークステーション)を使ってのデジタル編集ではあるが、
ここまでデジタル臭いと思わせる作品は少ない。

絵が子ども向けなので幼稚というか単純というかなのは目をつむったとしても、
動きが変。3Dモデリングした物体をそのまま動かしましたというのが解る場面が多すぎる。
特に車とか桜が咲く場面の動きとかで目立つ。

人の動きもおかしい。人の体はそんな風には動かないというか、
間のコマをとばしすぎで急に動くように見えるという感じ。
ボールを投げる動きで一番よくわかる。
奥行きを必要とする場面も、単に絵を重ねただけというのがはっきりしすぎていて全く平面的。
線も単調でみんな同じ太さ。
そもそも全体的に造形が変。遠近法が解ってないのじゃなかろうか。

音も入っているだけという感じで、効果的でない。

物量的描き込み自体は結構すごいものがあるが、
いかんせん絵が単純、造形が変、とてもデジタル臭いといことが相まって余計におかしく見える。
出てくる精霊・物の怪の量は半端じゃないが、どれも子どもの落書き程度の物で、
千と千尋とか鬼太郎とか、そういうのと比べたらだめ。

さらに、声優が全くなってない。
若い俳優とか歌手とかお笑い芸人とかフジテレビのアナウンサーがやっている部分が多いが、
これが下手の棒読みで聞くに堪えない(お笑い芸人はましだったが)。
市原悦子とかベテランもいるのだが、どうもつられておかしくなっている。
素人を使うという意味ではジブリの宮崎作品でもよく行われるが、
ここまでひどいのはない。物語の後半になるとちょっとましになるから慣れてきたんだろうけど、
それならそれで最初からちゃんとした演技指導せんといかん。

その上台詞が現代若゛者風のが結構出てきて不快。
「うざい」とか「びみょう」とか。
全体的に、台詞上での演技も臭い。
下手な上に臭いのでどうにもならん感じ。

最初に黒犬が恐怖で白犬になるって場面があるんだけど、
これがギャグのつもりだとしたらあまりにお粗末。

とにかく、いくら子ども向けだとしてもこの手抜き加減はどうか?と思うような作品である。
物語の主軸自体は決して悪いとは思わないが、とにかくこの変さ・下手さが気になってしょうがない。
監督はジブリで背景がとかをやっていた人らしいけど。

        お勧め度        73%

子ども向けと言うことで、これでもちょっと甘めの評価。
DVD買ってたら怒ってったと思うがTVで見たので。
でも1回見たら十分。
フジテレビって、映画の吹き替えにしてもアニメにしてもだめ。
原作をだめにすることに関しては天下一品でんな。
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(2007/12/22)
{映画紹介}

        「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」

        2時間くらい

今日の午後2時からBSフジ(181ch)でやってた映画。
舞台は1939年(昭和14年)のニューヨークから始まる・・・らしい。
実は、録画予約していたのだが、間違ってBS161としていたため最初の方は見逃した。
途中からTVで生で見たのだ。

「'39年のニューヨーク。突如、巨大ロボット群が出現し人々を襲い始めた。
科学者連続失跡事件を追う新聞記者ポリーは、間一髪のところを
元恋人で空軍のエース・パイロット、ジョーに救われる。2つの事件に
関連性を見いだした彼らは調査を開始。やがて、巨大ロボット群を操って世界滅亡
をたくらむ1人のドイツ人科学者の存在を突き止める。」
という始まり方だったらしい。

天空の城ラピュタに出てくるようなロボットが、1939年だから当然
プロペラの戦闘機を追いかけている場面であった。

この後、主人公の友達(実は発明家)がさらわれたり、
敵を追ってチベット行ったり、と色々展開される。

戦闘機が水中に潜ったり、光線銃とか空中空母が出てきたり、
ロケットの「はこ」(あえてこう書く)が出てきたり、
ロボットだとか実は敵の首領が「あれ」だったりと展開はなかなか面白いが、
はっきり言ってなんかみんなどっかで聞いた・見たような感じで目新しさがない。
「はこ」という設定もそうだし、
造形的にも空中戦艦はラピュタの城に似てるし、ロボットは鉄人28号のブラックオックスに似てる。
他のものもなんか見たことあるような感じ。

話の流れも最後の方は「えっ、そうくる?」ってな感じで意外を通り越してあっけない。
でも、主人公とヒロインの間柄では「写真」というのが1つのキーワードになるんだけど、
その最後のオチはまあまあだったかな。
「動物を助ける」というのはやはり現代の世相を考慮したのか。

途中で飽きるほどではないが、録画失敗しても「まぁいいかな」という感じ。
良くできたB級映画と言うところか。
そんな中にアンジェリーナ・ジョリーが出演しているのがちょっと違和感があったりする。

この映画では当時の雰囲気を出すためか、色合いをセピア調にしてある。
そのため、画質はあまり良くない。
どう考えても当時の技術力では無理な物が山のように出てくるのに
こんなところだけ凝ってもしょうがないのでは?と思う。

音もほとんど2CH。わずかに後ろに回る音があるが、まあそれほど音が良い映画ではない。

        お勧め度        70%

借りて見るなら良いんじゃないかと。
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