「映画紹介2004」
(2004/02/23号)
{映画紹介}

        「ゼブラーマン」

        東映
        120分(位)
        主演 哀川翔

私は俳優の名前とか、何に出ているかとかほとんど知らない。
そうではあるが、最近TVを付けるとあちこちに「哀川翔」という人が出ており、
しかもなにやら映画を作ったと言っていた。

で、その作品がちょいと私の「おもしろいと思う」琴線に触れたので、
突発的に行ってしまったのがこの映画である。
2/14に、よりにもよってあの「ロード・オブ・ザ・リング」の第3作目と同じ日からの
公開である。

映画館に行くと、夜最終(とは言っても7時)であるにもかかわらずえらい人数の人が。
んが、案の定ほとんどは「ロード・オブ・ザ・リング」であり、
一部が「ラスト・サムライ」(これには結構歳をとった人が多かった)で、
極一部が「ゼブラーマン」という構成であった。
最初は、パンフレットも売り切れていて
「おいおい、そんなにヒットしているのか!?」と思ったが、
それは勘違いだったので、ちょっと安心(?)
(パンフレットも、実はほとんど仕入れてなかったんじゃないのか?と
思っていたりもする。)
ということで、今回はパンフレットを入手出来てないので
細かい設定は解らないままの紹介である。

        ・・・

いつもはあらすじは書かないが、
今回ばかりはあらすじを書かないと以後の話が全く理解出来ない気がするので
書いてみる。

哀川翔演じる主人公 市川新一はさえない教師。
妻は不倫、娘は援助交際、息子はいじめられているが助けてやれないという
ていたらくである。
そんな彼は昔TVでやっていた、そして7話で打ちきりになった
超マイナーヒーローもの「ゼブラーマン」にあこがれていた。
そして、自分でコスチュームを作り、夜な夜な着込んでは
一人楽しんでいる、一言で言えば暗いおっさんであった。

そこへ足の不自由な少年浅野晋平が越してきた。
(母親役は鈴木京香)
彼も又ゼブラーマンが好きであり、ホームページで仕入れた知識を
市川に教える。
市川はそんな彼のことを「浅野さん」と呼ぶのであった。

そんな彼の住む町、横浜市八千代区では最近異常な事件が頻発していた。
その事件の裏には宇宙人が関係している、そうにらんだ防衛庁は
2人のエージェントをこの町に送り込んだ。

ある日、市川は自分の作ったコスチュームを浅野さんに見せたくて、
意を決して夜の町を彼の家へと向かうのであったが、
その途中で女性の悲鳴を聞き、そこへ向かってみると・・・

        ・・・

ってな感じで物語が始まる。
最初は暗いおっさんのコスプレはなしかと思いきや、
最後はなんと宇宙人と対決するという、一応ちゃんとしたヒーローものになる。
「信じれば夢は叶う」というのが1つのコンセプトらしい。

ヒーローものではあるが、無敵の力を持っているわけではない。
コスチュームも(一部を除き)自分で作って、いつも鞄に入れて持ち歩き、
そして自分で着る。
かっこよくはないけど、一生懸命なヒーローという感じが良い。

そういえば、昔TVでやっていた「グレーテスト・アメリカン・ヒーロー」の主人公に
似ている感じがする。あれも先生だったか。
とは言っても、それを覚えている人も今となっては非常に少ないだろうが。

さらに、ゼブラ(ズィーブラだ、なんて言うな!)=Zebraなので、
額に「Z」マークがあって、最後の技もZなんだけど、
そこは名作「怪傑ズバット」に似ている等とも思った。
生身の人間と言うところも同じだし。
わたしゃ、こういうB級(失礼?)ヒーローものに弱いのかも。

その他の舞台設定も、近未来的設定ではなく(2010年が舞台だけど)
非常にありふれた日常の風景の中に置かれているのも、
この映画におけるヒーローの意味を浮き上がらせていると言える。

この映画のホームページが↓ここ
        http://zebraman.jp/
にあるが、実はここからたどれる、TV版ゼブラーマンの資料が
ほとんど全て映画内にも出てくる。
ゼブラーマンマニア(居るのか?)にはたまらないであろう。
ここにこの映画の設定の妙があって、
TVの脚本、内容などをそのままうまくこの映画の中に取り込んで、
ある意味延長線上の作品にしているのである。
当時の書かれた脚本や番組の意味をうまく取り込んでいると言える。
主題歌を唄っているのが水木一郎なのもポイントが高い。
(これはTV版のそれそのものである。)

笑いどころも結構ある。
が、結構マニア向けのツボなので解らない人にはさっぱりかもしれない。
怪人がアップになると無表情なのに鼻水が出ていたり、
お風呂に「ケロヨン」じゃなくて「カロヤン」じゃなくて、
この筋では有名な名称があったり(すまん、忘れた)。
(後日補足;「ケロリン」中外製薬。)

物語は決して複雑じゃなく、はっきり言って陳腐とも言えるが、
こういう作品は深く考えるより楽しめばよい。
子供が見ても結構おもしろいかも知れない。

        ・・・

先に挙げたホームページであるが、ここには
本当にこれでヒットを狙ってるんだとしたらちょっと勘違いしてるんじゃないか?
思われる表記が見受けられる。

INTRODUCTIONに「日本一忙しい」という言葉がたくさん出てくる。
忙しい俳優、監督、脚本家なのだそうだが、
それだけ人気のある人が集まったという意味に使ったんだろうけど、
これ、裏を返せば「時間がないから適当に作った」ということにほかならないのでは
ないか。
実際、映画も2時間という時間に納めるために仕方ないのかも知れないが、
どうも細かいところの描写が抜けているような気がして、
全体的なつながりがしっくり来ない気がする。
なぜ主人公が超人的技を使えるようになるのかもわからない。

「ヒーロー」「家族」「夢見る力」とあるが、「家族」だけは
どうにも納得いかん。主人公の家族の描写は決して十分とは言えない。
(現状を語る映像は十分だけど、それをどうしようと言うところが。)

「映画オリジナルヒーロー」というのもどうか。
そもそもTVそれがあるのだから。
忘れられたヒーローを現代によみがえられたという風に言えばいいものを。
実際、そう言う意味では良くできた作品なんだけど。

        おすすめ度      87%

いろいろとツッコミどころが多いとか、やっぱりB級な香りはぷんぷんするけど、
それでもおもしろいのはおもしろい。
ある種のばかばかしさもあるけど、この映画に限って言えばそれば良い方向。
(同じ「ばかばかしい」でも少林サッカーでは悪い意味。)
このおもしろさにはまれれば2時間はあっという間。
(映画館でも途中で帰った人が居たけど、はまれなかったらとことんだめだと思う。)

少なくともマトリックス レボリューションズやターミネーター3よりずっとまし。
できれば、家でもう一度見て細かいところで笑いたいところ。
(映画館ではぐっとこらえてた。)
DVDが出たら買ってしまうであろう。

それにしても、鈴木京香さんって、けっこう「ボイン」(死語?)なんですな。
いやぁ、夢の中だけじゃなくて活躍してくれるとうれしかったのだが(*^_^*)。

そういえば、映画館でアニメ以外の日本映画って久しぶりに見たなぁ。
前回は「陽はまた昇る」だったけど、あれはただ券をもらったから、
自分でお金払ってみたのは・・・あれっ、初めてかも。

上映している映画館が少ない上に、期間限定公開らしいので、
この紹介で気になった人は早めにどうぞ。

        ・・・2004/03/22追記・・・

通販でパンフレット入手。700円のものに500円強の送料が付くから
ほとんど倍額。そこまでしてみるべき物かと言われれば?。
公式ホームページを読めばそれでいいかも。
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(2004/08/02号)
{映画紹介}

        「マッハ!!!!!!!!」

        http://www.mach-movie.jp/
        2時間

タイ発のアクション映画である。
子供と一緒に見に行ったポケモンの映画(前)に予告が出ていて、
結構つぼにはまったので、後日見に行ったのである。

最近のアクション映画と言えば、スパイダーマンやマトリックスに代表されるように
もう全体がCGであったり、ワイヤーアクションであったり、
カメラ早回しによるスローアクションであったりする。
それはそれですごいのであるが、やはりどこか嘘くさい。
でも、この映画は違う。
正真正銘の肉弾アクションなのである。

CGもワイヤーアクションも、さらに主人公はスタントマンも使わずに撮影されている。
さすがに一部に人形などは使われているが、
主な部分は本当に肉弾戦なので、非常に迫力がある。
(終わりのスタッフロールの間撮影場面が流れるが、怪我もかなりしたようだ。)

先にはっきり言っておこう。この映画は話的には超B級である。
物語はあってないに等しい。
「村の守り神である仏像の首を盗まれたので、命がけでそれを取り戻しに行く」
の1行で済むのである。
後少々周りの人間関係が付くが、この際それはどうでも良い(おぉ!)。
しかし、アクション映画に複雑な物語などいらないのだ。
(ジャッキーチェンの後半の映画がおもしろくない理由はズバリこれの裏返し。)
B級でアクションというと少林サッカーを思い出す人もいるかもしれないが、
あれはあり得ないづくしの単なる「バカ映画」だったが、これはそうではない。
そのことだけははっきり言っておかねばなるまいし、同じ括りで見てはいけない。。

ただし、タイの人の仏教(小乗仏教)の信仰することの熱心さや、
仏像に対する思い入れなど、その文化については若干知っておいた方が
主人公や村の人の行動は理解しやすいだろう。
特に主人公の一途さのわけが。

この手のアクション映画と言えば、はやりブルース・リーを思い出すが、
確かにそれに似ている。
主人公が笑わないという所も。
が、ブルース・リーの映画よりアクションは数段すごい。

アクションがすごいとなるとジャッキー・チェンの初期もあげられるが、
ジャッキー・チェンの映画にはちょっとおちゃらけた部分があったが、
この映画にはそういう部分があまりない。
実に硬派なのだ。
でも硬派でありながら殺伐としてない。どこか全体に笑えるのだ。
さらに、ジャッキー・チェンはハリウッドに渡ってからはもう
アクション映画俳優とは呼べないような状態なので、
この作品は今、本当に注目すべきアクション映画であると言える。

主人公を演じるトニー・ジャーは、前述2人にあこがれて映画の世界に入ったらしいが、
もうすでに超えていると言えるだろう。

彼の技はムエタイである。正確には現在の競技ムエタイではなく、もっと
格闘の技がすごい古式ムエタイ。
ムエタイと言えば、私と同じかもう少し上の年代の人なら「キックの鬼」を思い出すかも知れない。
「キック、キック、キックの鬼だ〜」という主題歌のアニメが
昭和40年代にあったのである。
実際にはキックボクシングはムエタイに由来しながらも、
かなり儀礼などがはしょられているらしい。
私ももはや内容は覚えてないが、その歌の出だしだけは妙に覚えている。
ムエタイやキックボクシングという名前は知っていても、
実際のその内容はほとんど知らなかった。
が、ここまで激しい格闘技であったとは。
カンフーなんぞより、余程すごいと思う。

技の連続性、切り返し、受け身全てがすごい。
隙のなさも特筆すべきだろう。そしてその強さも。
技の種類もすごい。
普通のパンチやキックは当たり前、エルボースマッシュ、
回し蹴り、真空跳び膝蹴り(真空は嘘)、脳天から竹割りに
とどめはファイヤーキック(これは本当!)まである。
特撮物では「そんなの現実には無理じゃん」と思うような技を
実際に見せられると「人間鍛えればここまで出来るんだ」と思うことしきり。

これを見てしまうと、マトリックスのカンフーなんぞかったるく
甘ちゃんに思えてくる。極端に言えば子供だまし。
カンフーだけでなく、カーアクションもマトリックス2に比べずっと「肉弾」的である。
やっぱり食べ物も映画も「自然」が一番である。

とにかくアクションがすごいので、手に汗握ること必至。
見ている間は体中に力が入るし、
見終わってからも妙に緊張している。動きが妙にムエタイしたりして。
「燃焼系映画」とは言い得て妙。涼しいはずの映画館の中で汗をかいてた。

映画館によっては日本語吹き替え版もやっている。
私もそちらを見たかったが、残念ながら時間が合わず見られなかった。
しかし、アクション中心なのでせりふが少なく、
タイ語オリジナル+字幕でも物語は不足無く解る。
だから、安心して字幕版を見ればよい。

音は一応ドルビーサラウンドEXと書いてあったが、ほとんど2CHと思う。
でも迫力はある。
映像も綺麗じゃない。一番よく似ているのは少林サッカーの画像か。
でも、それらもこのアクションの前では許されるのである。

        お勧め度        90%

とにかく、本物のアクション映画を楽しみたい人は必見。

あと、終わり方が少々中途半端なのは気になるか。
アクション部分はちゃんと終わるのだけど、
最後に村の風景が映って、仏像の首が戻ったというその事実だけがわかったところで
唐突に終わってしまう。
「えぇ!?これで終わり?あの人達はどうなった?」
と言う感じ。こういうところもB級と思えばまあ許せるか。

とにかく、何にも考えずに見て「おもしろい!」「熱い!!」と思える1本である。
公式ページには予告編のムービーがあるが、それを見るだけで「見てみたい」と
思えるだろう(ちょっとフラッシュ画像がうざったいページだけど)。
なにせB級なので、長くは公開されないかもしれないので見てみたい人は早めに。
(逆に大ヒットして長期上映になる・・・かな?)

        ・・・

そういえば、私も以前に比べれば映画にもよく行くようになった。
以前は数年に一度映画館へ行けばよい方だったが、最近は年に数本は見に行ってる。
(映画好きの人に言わせればちゃんちゃらおかしい回数なんだろうけど、
私にとっては驚異的とも言える。)
DVDで映画を見るようになってから、家でだけでなく映画館でも見るようになったと言うこと。
やっぱり、見たい映画は大画面で早く、と思うからね。
そういう人、少しはいるんじゃないかな。
家のホームシアターセットをちまちまといじるのも良いけど、
たまには映画館に行っても良いんじゃない?等と思うのであった。
(映画だけじゃなく、音楽も同じだけどね。)

それにしても。
隣に座っていた兄ちゃんが上映中に携帯電話をちらちら見やがって非常に不快だった。
携帯電話って液晶部分が光るが、暗い館内中ではそれがやたら目立つのだ。
てめえ、何のために映画館に来てる?映画見るためじゃないのか?
何で上映の真っ最中にそんなもん見る?その光が他人の迷惑になるって何で理解できん?
映画館では携帯電話は電源を切っておけ。
全く、携帯電話中毒の馬鹿者には困る。
ホームシアターの良さは、こういう馬鹿と会うことがないこともあるかな。
(外を走る車やバイクのうるささに腹を立てることはあるけどね。)

        ・・・速報・・・

マッハのDVDが2004/11/25発売決定!!!!!!!
本編ディスクと特典ディスクの2枚組みで、価格は3,990円。
速攻で予約だ!!!!!!!
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(2004/09/06号)
{映画紹介}

        「サンダーバード」

        1時間35分
        http://www.thunderbirds-movie.jp/index2.html

あの「サンダーバード」がとうとう実写になって帰ってきた。

子供の頃見たサンダーバードは、「これが本当に人形劇だろうか!?」
と思わせるほどの迫力があったが、去年の4月からから今年の7月まで
NHK教育でやっていた再放送(全32話)を今見てもやはりすごいかった。
歴史に残る名作と言えるだろう。
(当時イマイのプラモデルの2号が欲しかったっけ。買ってもらったけど
壊しちゃったんだっけ?)

ちなみに当時の声優は以下の通り。
ジェフ・トレーシー(父)                小沢重雄
スコット・トレーシー(長男・1号)      中田浩二
ジョン・トレーシー(次男・5号)        桜井英一
バージル・トレーシー(三男・2号)      宗近晴見
ゴードン・トレーシー(四男・4号)      和田一壮
アラン・トレーシー(五男・3号)        剣持伴紀
ブレインズ(エンジニア)                大泉 滉
ペネロープ(ロンドン支部エージェント)  黒柳徹子
パーカー                                今橋 恒
ミンミン                                里見 京子 
フッド(悪の帝王)                      西田昭市

それを最新のCG等を使って忠実に再現したのがこの映画「サンダーバード」
・・・ではない。

いや、国際救助隊の出てくるサンダーバードの話には違いないが、
あのTVシリーズの感じをそのまま想像するとちょっと拍子抜けするだろう。

はっきり書けば、かなりお子様向け娯楽映画になっている。
スパイキッズという映画に似ているという人もいたが、確かにそう思う。

あらすじは非常に簡単なので書いてしまうとネタバレになりすぎる気がするが、
書かないと後の話を続けられないので書いてしまう。

「国際救助隊に恨みを持つおっさんがサンダーバード(あのスーパーメカの事ね)
を乗っ取って悪事を働き彼らに汚名を着せようとしたのを、
一番末っ子ががんばって阻止する」

まさにこれだけで非常に簡単。
高校生で国際救助隊のメンバーに入れてもらえない末っ子のアランが
父親のジェフを含む他メンバーも窮地を救うため他の2人の子供と一緒に
活躍する話。

ということで、国際救助隊としてのサンダーバードの活躍は最初のほんの少しだけしかない。
あとはアランの物語であり、そのあたりがスパイキッズに似ているというゆえんである。
この辺りを物足りないと思う人は多いだろう。

特にサンダーバードを昔からよく知るコアファンには受け入れがたいものがあるかもしれない。
救助の場面があまりない上に、それらもあまりに軽すぎる。
TVのような「どうやって救出するんだろう」とか「本当に大丈夫なのだろうか」と思わせる
迫力や重厚感がない。サンダーバードでは過去に2回映画化されているが、
それらはTVと同じような救出を中心にした物語であった。
(そのうち「サンダーバード6号」についてはつい先日NHKで放映されている。)
それらと比較してはいけない、するような話ではないと言うことである。

でも、サンダーバード風味付けをされたスパイキッズと思えば
別に悪くはない。
お手軽なアクションに笑いもあって、楽しい作品になっている。
(この「笑い」もTV版にはあまりなかった要素なので、受け入れがたい人もいるだろう。)
90分という短い時間に収めるためにかなりテンポよく話が進むので、
見ていて退屈になることもない。
お子様向けに成り下がったのは少々残念だが、これはこれでありだろう。

設定としては、TVシリーズのそれを厳密には踏襲しておらず
一部変更されている。父親であるジェフが自ら出動しているという違いもあるが、
一番大きいのは映画では四男ゴードン3号に乗っているということだろうか。

実はこの映画はTVシリーズの始まる前という設定であり、
だから末っ子のアランはまだ隊員でない。そのアランを3号に乗せておくわけにはいかない
のでこういう設定になっているのである。

年代の設定も異なる。国際救助隊設立がTVは2065年(ただし、一番最初は
2026年だった)だが、映画は設立2010年、舞台は2020年となっている。
これは、今の技術から見ればそれくらいで可能ではないかという希望であろう。
が、後6年ではたしてサンダーバードと同等のメカが創れるかどうかは
未知数だが。

また映画には「ティンティン」という女の子が出てくるが、
これはTV版の「ミンミン」のことだと思われる。
だが、ミンミンは中国人だったがティンティンはそうではない(インド人風)のは
TV版の作られたイギリスと映画のアメリカの違いだろうか。
(アランとの関係は同じになりそう。)

特に最新CGで再現されたサンダーバードの各メカや、トレーシーアイランドの
造詣は必見である。作ったスタッフはかなり勉強したのだと思う。
1号から4号、ジェットモグラまでちゃんと出てくる。
子供のころに見た3号(ロケット)や2号の発射シーンは良く出来ていたが、
映画でもそのあたりはかなり力を入れて再現してある。
着地シーンや外から見える操縦席等に注目して欲しい。

ただし、ペネロープの乗る車(ペネロープ号)だけはだいぶイメージが違う。
あっいや、ペネロープ自身もかなりイメージが違うかな。
少なくとも黒柳徹子が声を充てられるような感じじゃない。
運転手のパーカーはいい線行ってるけど。

TVではトレーシー一家は、落ち着きがあって(私が思っている)イギリス的な感じしたが、
映画版ではかなりアメリカンである。
(舞台にアメリカは出てこないけど。)
それもちょっと違和感。

このほか、細かい部分でTVとの違いはあるが、それらも含め
TVを知っている人はあら捜しをするよりも「あぁ、こんなものもあった」
とよく間まあここまで再現したものだと感心したほうが懸命である。

とりあえずこの第1作目によってTVシリーズの始まりの時点までの設定が
完了するような感じなので、予定されているらしい2作目以降に本来の
「国際救助隊」としての「サンダーバード」の活躍を期待したい。

        お勧め度        80%

ただし、コアなファンは見ないほうが良いかも。

コアなファンには怒られるであろうと主いくつかの変更がなされている主因は、
実は日本では有名なサンダーバードもアメリカではほとんど知られていない
ということにあるらしい。監督も元々は知らなかったのをDVDを見てファンになった
というくらいだから、あえて今までを知らない人にもわかりやすいように
変更されてしまったのだ。私はそれほど悪い変更だとは思わないが。

それよりも、今までのシリーズを知らないアメリカ人がこれを見て、
「サンダーバードってこんなもんなんだ」と思う方が、今後の興行を考えると
問題があると思うのだけど。この程度の映画で2作目以降を作ろうと思うかどうか。
やはり最初は手堅くTVシリーズに近い迫力ある救出劇にするべきだったと思うのだけど。

音は5.1CH(以上)である。
今回、客が少なかったということもあって、映画館のど真ん中、
スクリーンのど真ん中(左右の真ん中、高さ的にも真ん中)に座ることが出来たので
音響効果が非常に良くわかった。
音がかなり前後左右に動いている。ただし、あまり音に細かい細工はないようである。
でも、うちのホームシアターと比べて格段にすばらしいという感じはしなかった。
見た映画館の装置に問題があるのか、うちのがそこそこ追い込めている証拠なのか。

1つ気になったのは、科学者ブレインズとその息子(これは映画オリジナルキャスト)が
「どもる」という設定になっていること。
いったいどういう意図をもってそうしているのか理解できなかった。
そういう病気を持っている人にはいやな感情を持たせるのではないだろうか。

そうそう、音といえばもう1つ。
実はこの映画、せりふが聞き取りにくい。
字幕はこの筋では有名な戸田奈津子さんだが、かなり意訳もあるので
出来るだけ英語で聞き取ろうとがんばってみたが、私の語彙云々の前にせりふがはっきり聞こえない
部分がかなり多い。
これに先のどもりの件もあって、余計に聞き取りづらかった。
結局途中からはほとんど聞き取りをあきらめて字幕読みに専念した。

前売り券を買ったのにちまた(インターネット)での評価を読むと
あまり高くなかったので心配していたが、思いのほか楽しめたので良かったのだが、
この点だけはどうにもいやであった、と書いておこう。

        ・・・それにしても・・・

どうも私が映画に行くと変な連中に付きまとわれる。
今回は、横に「ぺちゃくちゃしゃべってやたらうるさい女ども」、
後ろは「椅子を蹴ってくる兄ちゃん」で、えらく集中力をそがれた。

「どちらも若゛者だったが、どうして最近若゛者はこうも自分勝手なのだろうか」
・・・と思っていたら、帰りの電車の中にいたどう見ても70は過ぎたおっさんも
また非常に自分勝手な行動をする(自分が席に座るためには並んでいる列など無視する)
ので、「これが今の日本の現状か」と思うと悲しいものがあった。
老人も若゛者ももはや落ちるところまで落ちている。
日本の明日は非常に暗い。
そういう危機から救ってくれる「国際救助隊」がどこかにいないものだろうか。
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(2004/09/20号)
{映画紹介}

        「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE (2004)」

        東宝系
        http://www.nin-nin.com/

忍者ハットリ君といえば藤子不二雄原作で、
古くは杉良太郎で実写、その後はアニメにも何度かなっているが、
今回は香取慎吾主演の実写としてよみがえった。

7月に家族でポケットモンスターの映画を見に行ったとき、
この予告編がやっていて、おもしろそうだったので今度も家族で見に行ったのである。

設定は、登場人物こそハットリ君(服部カンゾウ)を始め、
獅子丸(ハットリ君の飼い犬;忍者犬)、ケムマキ、主人となるケンイチ等同様だが、
物語は完全映画オリジナル。

話の筋はあまり複雑ではない。簡単に書けば、
ハットリ君は忍者の最後の修行として江戸(東京)で主人に仕えることになる、
主人以外には姿を「見られない」(←ここ重要)ことという掟を守る、
主人はクラスのみんなと通じ合えない子(いじめられっ子)、
その子が自信を持っていく、やがて世間を騒がす事件発生、
それに巻き込まれるケンイチ、救出の中で真に重要なことを見い出していく、
という様な流れ。
これだけ読めばわかる人にはだいたいの筋はわかってしまうだろう。

事実、最初少し見ただけで全体の流れは予測できるし、
だいたいその通りに進む。
それでも飽きたりしない。

笑いのつぼも押さえてあるし、
いくつかの話が最初は並行して進み、最後に集中していく流れは
なかなか良くできている。中だるみもない。
なあ、ありがちと言えばありがちな話ではあるが、
この手の映画は楽しめてそこそこ感動できればいいのだ。

でも1つ注意しておくと、この映画は子供にはちょいと難しい。
ハットリ君の原作が子供向けだからと思って、子供を連れて見に行ったりすると
子供が飽きるので注意。
原作を知っている、大人が楽しめる映画だと書いておこう。
その弊害については後述。

映像には今らしくCGも多用されているらしいが、あまりはっきりはわからないだろう。
天井登りのシーンがあるが、これは古典的に部屋を回しているのだそうな。
確かに昔ドリフトかでやっていたそれに動きがにていると思ったら、
やっぱりそうだった。

音声は5.1CH。手裏剣が飛ぶところの音でわかるだろう。
(ただ、見に行った映画館は音響が、実は映像そのものもなんだけど、
あまり良くないのであれだったが。)

        お勧め度        85%

お気軽映画としては良い。
ただ、原作や演じている俳優に過度の思い入れがある人はやめた方が良い。
これはハットリ君の設定を借りた別物語り考えた方が良い。
香取慎吾は似合ってると思うけど。
(ケンイチのお母さん役はアンパンマン・・・じゃなくて、その声を演じている
戸田恵子さん。アンパンマンも出てきていたらおもしろかった?)

あっそうそう、これは「アクション忍者映画」ではないからね。
その点はお間違えなく(誰も間違わないか?)

DVDが出たら買うかな?ちょっと微妙なところ。
(先に紹介のサンダーバードは買わない。)

        ・・・毎度のことだけど・・・

私が映画に行くと、毎度毎度困った奴らがいる。
今度の困った奴は「ガキ」。
映画の途中で走り回るは、外に出るは=明かりが入るはで、
本当に落ち着きがない奴らが1人や2人ではなく、多数いた。

先に書いたとおり、この映画を「子供向け」と思って子供と一緒に来ると
子供にはちょっと内容が難しくて飽きる。
それでこんな状況になる。

だが、本当の問題はそういったガキをほったらかしにしている親の方だ。
ガキだけで来てるわけはないから。
小学生高学年くらいだとなかなか押さえられないかもしれないけど、
少なくとも「外にずっと出とけ」とか言え。
出入りさせんな。
本当に最近の親もしつけに関しては出来損ないが多くて困る。
(うちは食べ物でごまかして何とかじっとさせてた。
泣かせると迷惑だから、そこは緩急が必要。)
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