「映画紹介2002」
(2002/05/27号)
{映画紹介}

        「クレヨンしんちゃん
          嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」

確か去年封切られた映画。4/12にテレビで放映されたので見た人もいるかと
思う(というより、これはそれを見て書いている)。

「クレヨンしんちゃん」については知らない人は少ないと思うので
省略するが、要するにその映画版である。
もうすでに何作も作られているがこの作品はたぶん9作目。
この映画シリーズは、テレビのそれに比べても強烈なお下劣ギャグ
(とはいっても言うほどではないとは思うが)の連続で、
まあ暇つぶしに見るには良いが、特にこれらか何かを感じることがある、
というものではなかった。個人的には好きなのではあるが。

しかしこの作品は、これまでのものとはかなり違い、
かなり考えさせられる作品であった。

あらすじは、1970年代を中心として、20世紀の文化に世界を戻そうとする
集団(Yesterday Once More)としんちゃん家族との
戦いである。

1970年代ということで、のっけからいきなり万博(もちろん千里万博だ)の
忠実な再現映像がある。このあたりから懐かしさがこみ上げてくるのであるが、
その後も非常に懐かしい風景が次々と出てくる。

物語から言えば、結局は20世紀には戻らず21世紀の文化として進むのであるが、
実を言うと「それで良いのか」という感じがしたのである。
今回については、(一応)敵役の集団の方に心理的には同情するわけである。

私自身その時代を生きてきた、というよりその時代を子供として
過ごした世代であるから、よくわかるのだ。
あのころに比べ、今がいかに無味乾燥な時代であるかが。
物を大切にしない、人を大切にしない、安物・偽物の跋扈する今。
スピードを要求し、人の本来持つリズムを破壊する。
1970年代には、公害などの問題もあったとはいえ、
多くの面で人間的であったといえる。

この映画で描かれる、敵側が作ろうとする世界がまさにそれであり、
それの方が良いのではと思わずにはいられない。
結末的には敵側が負けるのではあるが、
この映画では大人たちを子供帰り、というか1970年当時の姿に返すという設定で
あったが、単に今の姿のまま社会と人情をその当時に戻していたら
結果は変わっていたろうにと思う。

このあたりが、この映画が今までの作品と違うところである。
敵役が何かを支配したり破壊したりと言うことがなく、
ただ人を一番良かった時代に戻したいと思うだけということ。
(だからあえて「悪役」と書かずに「敵役」と書いた。)
おそらく私と同じ世代の人間なら、少し複雑な気持ちで見たのではないか
と思うのである。

        おすすめ度      90%

まさかこんな映画で(失礼?)考えさせられるとは思わんかったね。

そういえばこの映画、ほとんど純国産であるのもすごい。
ごく一部で中国の会社が作った場面があるようだが、
他はほとんど日本のようだ。その「千と千尋の神隠し」ですら
韓国で作成された場面が多いのだから、それを考えるとすごいことなのだ。
今のアニメは中国・韓国に労働者的に依存していることが多いからね。
別にそれが悪いわけではないけど。
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(2002/08/26号)
{映画紹介}

        「STARWARS EPSODE2
                ATTACK OF CLONES」

        監督    ジョージ・ルーカス
        配給    20世紀FOX
        時間    2時間22分

STARWARSの新3部作、EPISODE1〜3の真ん中の作品。

EPISODE1が「通商連合の・・・・」という、なんか訳のわからん理由で始まったが、
実はその裏にダークサイドフォースを操る「シス」の姿が見え隠れするという作品であった。
でも一番思ったのは「久々のSTARWARSで懐かしい!」であったが、
今回は旧3部作(EPISODE4〜6)に
つながる伏線が非常にたくさん張られた作品となっている。

物語的には基本的にはアナキン・スカイウォーカー(のちのダースベイダー)の
葛藤とこれからの作品のための舞台の説明が主になっていると言える。

アナキンの才能があるが故、若いが故の悩みや挫折が描かれている。
また、感情に素直というか押さえられない性格も描かれている。
これに共感する人も多いのではなかろうか。
そういう意味では普通の20歳の若者の姿である。

それらがやがて、うぬぼれや感情におぼれる(身を任せる)結果となり、
悪、ダース・ベーダーへとつながるというのがよくわかる。
(ひょっとすると本人は悪とは思っていないのかもしれないが)。

じゃあ、アナキンやオビ・ワンがかっこよく描かれているかというと、
最後の敵にはあっさり負けたりするので、この点では旧三部作の
帝国の逆襲(EMPIRE STRIKES BACK)に似てるかな。
(EPISODE1は第1作目に似ていたし、わざと合わせているのかもしれない。)
今回の作品は、おそらく一番ジェダイの騎士たちが(大勢)活躍した時代の話なので
大殺陣回しがある。ここで生き残るジェダイの騎士はそれぞれかっこよいが、
一番かっこよかったのはヨーダ。すごいアクション見せてくれる。
さすがは一番の長老、だてじゃない(^_^)。
(ヨーダは大殺陣回しじゃなくて最後の個人戦にて。)

伏線・・・すでに時代的に後の作品が公開されているのだから、「伏線」と言って
良いものか・・・については、それはもういろいろなところに出ているので
気を付けてみるとおもしろい。
EPISODE2自体が伏線と言ってしまえばそれまでだが、
クローン戦争という名前は最初の作品(NEW HOPE)でレイア姫が映像の中で語っているし、
スカイウォーカーの育ての親(の若かりし頃)も出てるし、
ボバ・フェット(帝国の逆襲でハン・ソロを連れて行った賞金稼ぎ)も少年時代として出てるし、
アナキンの服装や立ち回りはダース・ベーダーのそれと似ている。
そういえば、ちらっとデススターの設計図も出てたっけ。
これ以上書くとネタばれしすぎるからやめとくけど、まあ本当にいろいろ出ている。

映像的には「これでもか」と言わんばかりのすごい映像になっている。
キャラクターの数もすごいとか、カメラワークもあらゆる視点から
写している感じである。また登場人物がいろいろな場所に別れて行動、
また同じ人物もいろんな場所に移動するため、場面もしょっちゅう切り替わる。
そのため、見ていて少々疲れる上に、今誰がどこにいるのかをしっかり押さえていないと
話がわからなくなりかねない。

ジョージルーカスという人の映画は、本当に細かいところまで設定されていて驚くが、
少々技に走りすぎている嫌いがある。
特に今のようにコンピューターで思い通りの映像が作れるようになると
その思いつきを全て映像化したくてたまらない、という感じすらする。
STARWARSのような、一種神話のような物語を描くにはこれくらいの
演出はいるのかもしれないが、ちょっとね。
そういう意味では、技術が彼の想像力に追いついていないがために
映像作りに制約があった旧三部作の方が適度で良いような気がしている。

子供が見ても笑う画面もあるけど、全体的には大人向け・・・いやいや、
やっぱりSTARWARS好きのための映画か。
普通の人が初めて見ても、決して見て損する映画ではないんだけど。
早く6部そろったSTARWARSを見てみたいかな。

私が見に行ったのは、お盆休みあけの初日(8/19)、
その映画館の夜の最終で、かつ台風の影響か風が強い日であった。
それでも繁華街の中の映画館だから並んでいるか、もしくは早めに行かないと
席も良いところが取れないのではと思っていたが、さにあらず。
がらがらでどこでも座りたい放題であった。
もっともこの映画館、どこに座っても首が痛いような角度だったのがいけないが。

日や時間が悪いだけなのか、もうすでに見る人は見てしまってこんなもんなのか。
ちょっと意外であった。
三部作、特にNEW HOPEでは映画館の外で長く並んだのにね。

        おすすめ度      86%

そういえば、字幕。
今回の作品では日本語吹き替え版も同時上映されているが、
吹き替えはDVDで見ればいいやと思って今回は英語の方を見た。
と言うことは字幕なのだが、この映画では字幕が右上固定ではなく
しゃべっている人物の下あたりに、その都度場所を変えて出るようになっていた。
(と言うことは、同じ場面中でも表示される場所が変わるということ。)

それ自体は別にいいんだけど、困ったことに画面が白くて字が見えない場所
でも白文字のまま表示されてたりするので字幕が見えないことが何度かあった。
字幕入れた作品をちゃんと見ているのだろうか。
困ったもんである。

英語で聞けって言われそうだけど、少しは努力したんだけどまだ(?)だめ。
少しはわかる部分もあって、「あぁ、字幕はだいぶはしょってるな」と思ったんだけど。
そろそろ「映画のための英語勉強」しなくてはいかんかね。
それにしても、「毛頭語!!!!!」
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