「映画・番組紹介2001」
(2001/10/15〜10/19号)
{映画紹介}

    「千と千尋の神隠し」
    
    監督    宮崎駿

大ヒット上映中らしいこの映画、京都では毎月第一火曜日が
1000円で鑑賞出来ると知って、会社を早引けして見に行ったのである。

平日、最終(18:45〜21時過ぎまで)、1000円と言うことで
学生が多かった。で、ポテトチップスを食べる音がサラウンドしてたとか、
隣に座った兄ちゃんがちょっとタメ口(というよりタメ態度)だったのが
嫌だったとかあるけど、それは映画とは関係無い話。

まだ上映期間中の映画なのであえて内容は詳しく書かないけど、
「少女「千尋」が迷い込んだ世界は神々やもののけが住む世界。
そこで千尋は生きていくために湯屋(お風呂屋)で働く。
そこにいる物達との触れ合いを通じて、無気力だった少女が
人(?)との触れ合いを知り、誰かのために動くことの意味を知る。」
といった感じの話。

コンセプトは、宮崎駿監督がパンフレットに書いているのだが、
「昔は子供に対して妖怪話しなどを使って戒めをしたが、
最近は昔のそういう話が通用しない。そういう話を現代に作りだそうとした。」
ということだそうで、映画もその通りに作られている。
神やもののけがたくさん出てき、雰囲気的には
「となりのトトロ」に似ている。
と言うか非常に良く似た場面もある。

舞台は全く日本であり、確かにどこかで聞いたような昔話が
随所に反映されているような気がする。
私の世代であればまだそういう話を聞いたことがあるだろうから、映画の中に
「あっ、この話聞いたことがある」と言う部分もあるだろう。

そういう意味で、私には、全く気を張らずに見ることが出来た。
何か、見たのか見てないのか解らないような感じすらする。
自然に理解出来、なつかしさを感じた。

それがあまりに自然すぎて、逆にこの映画が何故これほど大ヒットするのか
理解出来なかったりする。
こういう話や感覚を知らない若い世代には新鮮さが受け、
上の世代にはなつかしさがゆえに受けるのかも知れない。

今回の映画からフルデジタル彩色らしく、それらしい場面も多いが
(画面の置くから手前へ移動する場面での遠近感の表現なんてまさにその象徴)、
原画は手書きと言うことで、またその手書き風を良く出しているので
デジタル臭さはあまり無く疲れない。
場面的にも笑わせる所、ほろりとさせる所がちゃんとあり、
その辺りはさすがに宮崎駿である。

    お勧め度    90%

ちょいと引いてあるのは、途中の盛り上がりと言う点で少々弱いところ。
極端な盛り上がりがないので気楽なのだが、ここぞ!と言う場面も
無いので、それでちょっと減点。

そう言えば、宮崎駿の映画を「過去の名声に頼った物」と言う人があるが、
そういう人は、キャラクターものとか刺激的なものを求めているのだろう。
(登場人物に特徴がある・ない、という意味ではない。)
それとも恋愛物や戦争物などわかり安く単純な話しか理解出来ないので
深い意味あいを持った映画が理解出来ないか。

そういう人にはこの映画はつまらないはずだ。
この映画に特筆すべきキャラクターもいなければ、刺激的場面もない。
こめられた意味あいも深い。
それでもヒットする意味は何か、単に監督名だけではそうはならないはずだ。
その意味を考えて欲しいところだ。
(私に言わせれば、そういう見方こそがつまらないが。)

この映画、というか最近の宮崎映画の真骨頂は表面に出てきにくい部分にある。
今の映画の中で、キャラクターやアクションではなく話でここまで見させる
映画がどれだけあるだろうか。
少なくとも日本の他のアニメ映画にはないだろう。
ディズニーも単なる子供向けキャラクター映画なので、
ぱっと見おもしろいが良く考えたらつまらない。
(別にキャラクター物が悪いとは言わないが、そのキャラクターでなければ
駄目と言うのも考えものである。)
それを実感するにも見て欲しい。

それにしても、最後20分位のところでどうしてもトイレに行きたくなって
中座してしまったのが残念。DVDが出たら買って確認だ。
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(2001/05/07号)
「水戸黄門」を見た。
もちろんテレビ時代劇である。

今回から由美かおるを除く全員が入れ替わったというので、
どのようになったかを確かめる意味もこめてである。
(由美かおるも一応役柄は違う。似た役だけど。)

一見しての感想。
    「素人の学芸会?」

ひどい言い方かも知れないが、事実そのようにしか見えないのだからしかたない。

全員が入れ替わったのだから、最初のうち違和感があるのはしかたないかも知れない。
しかし、いくら何でもあの配役はないのではなかろうか。
(個人的には、八つぁんがいないのが一番駄目。)

水戸黄門が石坂浩二なのはいいとして、
特に助さん・角さんは一体誰?ひょっとして新人?
あまりに貫禄がなさすぎてだめだめ(若すぎると言うのもある)。
いや貫禄がないだけならまだしも、決めゼリフの
「この紋所が目に入らぬか!」が全くの棒読みで台無し。
あれじゃぁ入りませんて、紋所どころか、その声が耳に。

前の水戸黄門役の人(名前失念)が年齢的に大変なので入れ替わる、
というのは許せるとして、何も一度に全員入れ換える必要は
無かったのではなかろうか。
少しづつ入れ換えていけば違和感も少なく、また今までのシリーズとの
つながりも旧来の俳優さんを通じて新人さんにも伝わったのではと思うのだが。

ストーリー的には幕府の陰謀との対決という、今までにない展開でおもしろそうに
しているという感じもあるが、見ていてつらいものがあるので、
おそらくもう見ることもなかろう。

同じ思いの人が多く、視聴率が大幅に下がるのでは、
と危惧するのだが、いかがだろうか。

    毎週月曜日 20:00〜
    4CH

・・・再編集時注

最近またこのメンバーで新シリーズが始まっているが、
だいぶ良くなってきている。
もう数シリーズやれば昔のように見られるだろうか。
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(2001/12/07号)
{番組紹介}

    「おじゃる丸」

私の朝は、NHK教育は7:46からの「おじゃる丸」から始まる。

知っている人も多いとは思うが、このアニメは実に秀逸である。
1回10分未満の短い話であり、基本的には子供向けアニメなのではあるが、
大人が見ても楽しめる。

最近の民放アニメのようにジャンプ系の下品さと話の薄っぺらさ(誰でも先が解る)
はないし、絵柄はかわいいし、それに何と行っても話のシュールさが良い。

主人公のおじゃる丸の言動も面白いが、お付きの電ボ(電気ホタル?)、
その他諸々の登場人物との絡みがまた素晴らしい。
そしてたった10分の間で1話を完結させている、その切れの良さ。
この短さと完成度ゆえに、朝っぱらからでも見るに耐えるのである。

おじゃる丸は歌も良い。
オープニングは北島三郎の歌で、おじゃる丸専用(?)の歌ではないと思うが
(題名は「詠人;うたびと」。)
ぴったりはまっていて違和感はないし、何と言ってもうまい人の歌は聞いてられる。
また、エンディングの電ボの歌が最高なのだ。

歌詞的には何を言っているのか解らないようなものなのだが、
おどりがあって、その踊りを踊るのが私の朝の日課になってしまったのだ。
わずか2分ほどの歌であり、一見アロハ風で簡単そうな振り付けではあるが、
実は手の向き、足の上げ方などが結構細かくて、再現するには体力を要する。
これを踊ると体温も上がって丁度良くなるわけだ。

ということで、早出だったり出張だったりでこれを見ない朝は
なんとなく調子に乗らないのである。

みなさんのお勧めの番組があったら教えて頂きたいところである。
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