「DVD紹介2005」
(2005/01/17号)
{DVD紹介}

        「ゼブラーマン」

        1枚
        115分
        定価    4700円(税別)
        買値    4230円(税、送料別)

以前(2004/2/23号)で紹介した映画のDVDである。
映画が結構おもしろかったので買った。
話に関してはそのとき書いているので改めては書かない。

映像は、映画館で見たときも暗めだと思ったが、
DVDで見ると一層はっきりする。
夜間のシーンだけでなく、昼間のシーンも何か暗いのだ。
うちでは映画毎に画質や輝度の変更などはしていないので、
他の映画と同じ設定で見ているが、そう思う。
だから、細かい部分や暗部が見えにくく、全体にはっきりしない。
暗い部分に弱い映像装置ではノイズが目立つかも。

どういう意図でこうしているのかがよく分からない。
確かに、思いっきり明るく写した方が良い物語ではないが。

音は2CH。5.1CHだと思っていたが違った。

        お勧め度        80%

ちょっと高いかな。
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(2005/01/17号)
{DVD紹介}

        「クレヨンしんちゃん 電撃ブタのヒヅメ大作戦」

        定価    3990円(税込)
        買値    3040円(税・送料別)

        バンダイビジュアル
        1枚
        103分

クレヨンしんちゃんの映画、1998年公開の第6作である。
原 恵一監督。

あのブリブリざえもんがコンピューターウイルス(というか電脳生命体)になって
世界を支配する・・・かもしれないというお話。

この映画の最大の特徴は、今まで脇役だった「ブリブリざえもん」が
主役に近い活躍(?)をしているところだろうか。
ブリブリざえもんはしんちゃん中に出てくるいろんなキャラクターの中でも
突出して個性的、かつ声をあてていた塩沢兼人さんの名演技で
光っていただけに、ファンが多いと思うがその声に応えたと言うところであろうか。

内容も、今時、実写でもここまで良くできたアクション映画はないのではないかと思われるほど
良くできている。
しんちゃん映画だから殺伐とした場面はないし、シリーズの映画の特徴である家族愛、
友情も描かれている。
それと、「敵でも見殺しにはしない」という隠れたテーマも見逃せない。
見所たっぷりだ。

しんちゃん映画の中でも一番バランスはよいかもしれない。
大人・子供双方に受けるという意味でも。
監督の原 恵一さんは、第10作目の「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」までを
担当されたが、どれも皆素晴らしい。
子供向けかどうかは別として。

        お勧め度        93%

音声は2CHであるが、実に迫力があって良くできている。
下手な5.1CHよりずっと良い。うちではアンプの2→5.1ch化機能を
使っているが、非常に良く変換されている。

しんちゃん映画DVDも、旧作は残すところ後1作。
それはTVでもほとんど(全く?)放映されてないから、
今から心待ちにしておこう。

それにしても、ブリブリざえもんをはじめ究極超人Rのあーる君など、多くの、
どちらかというと3枚目、ギャグキャラの声をあてさせれば天下一品だった
塩沢兼人が不慮の事故亡くなられたのは非常に残念である。
この人に匹敵するくらいばっちりにブリブリざえもんに声をあてられる人は、
思いつかない(同じギャグキャラでうまい人の八奈見乗児さん;ヤッターマンの
ボヤッキー等の声の人ともちょっと違うもんなぁ)。
合掌。
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(2005/02/07号)
{DVD紹介}
        
        「あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ-青春授業全集-DVD-BOX」

        ジェネオン エンタテインメント
        定価    12600円(税込)
        買値    10080円(税・送料込み)
        3枚組(25分*13話)

内容を簡単に書けば、「女性教師しか受け入れない中学に、
女装をして入り込んだ熱血体育教師と生徒達の物語」となる。
全13話。

元はWOWWOWの放送らしいが、本放送は見ていない。
最近見ているとあるアニメの中でDVDの宣伝をしていて、
インターネットで調べてみるとそこそこ評価が高いので買ってみた。
「初回限定生産」という言葉に引かれたというのもある。
(実際にはDVD化は2回目らしい。前回は3話分7140円、2話分で5,775円税込みという、
アニメDVDによくあるぼったくり価格だったようだ。それで全話分買うと3万円を
超える。定価でだけど。)

見ての感想だが、思いの外話の筋は良い。
70年代の熱血学園物を題材にしていると書いてあるが、
それを現代風にアレンジしたという感じが確かにする。
中学生頃に経験するいろいろなことが題材になっている。
ネタの選択としては悪くないし、その並べ方も良い。
「早々、昔はこの手の番組は良くあったよなぁ」と思ったりもした。
もっとも、当時のそれほど熱くはないが。
(70年代の青春ものの暑さ、じゃなくて熱さは今見ると恥ずかしいくらい。)
13話に納めている分、中だるみがないのもよい。
全体を通しておもしろいし、最後はなかなか感動的な終わり方である。

この作品における「女装」は、ある時は単なるお笑いの要素であるが、
ある時は両性におけるものの考え方の違いを理解させる、
もしくはその違いを乗り越えさせるための手段として扱われている。
そこに、2人ではなくあえて1人2役させている意味がある。
また途中からは「本物の女性かどうか疑われる」というくだりが出てくる。
そういう意味では、この物語を終わらせるための小道具であるとも言える。
ゆえに、「いくら女装してもあそこまで見分けが付かないくらいになるか?」とか、
「そんなに女性的なものの考え方が出来るか」等という
つっこみはしてはいけない。
(設定状のつっこみどころは他にもたくさんなるけど、基本的にこの物語は
学園ものなので、そこを見落としてはいけない。)

映像は、比較的最近の作品だしデジタルペイントなのかはっきりくっきりだが、
いかんせん作画が汚い部分がある。汚いというより手抜き。
サブキャラクターの中にはほとんどすべて至極いい加減に作画されている
者もいる(顔が崩れている)。
これは仕方ないのかもしれないが、全体が崩れている場合もあるのはいただけない。
特に第2話は後半もう無茶苦茶になる。
主人公クラスもサブキャラクターも全員別人のごとく顔が崩れている。
いくらなんでもこれはないんじゃないかと。
デジタルペイントなら、コピーでも何でもやり用はあると思うのだが。
(セルなら仕方ないかもしれないが。)
これ話以外には、ここまでひどいものはなかった。

音声は2CH。アニメと言えばモノラルも多い中、
比較的よく移動がある部類に入るとは思う。

        お勧め度        90%

さすがに3万円強だと買えないが、この価格なら価値はある。
初回限定生産だから、手に入るかどうかが問題かな。
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(2005/02/14号)
{DVD紹介}

        「良寛さん」

        定価    3990円(税込)
        買値    3040円(税・送料別)

        (株)クロックワークス
        1枚
        70分(本編)

新潟県は出雲崎が生んだ偉大な(本人が聞いたら偉大ではないと言われそうだけど)
禅師「良寛さん」の生涯を描いたアニメのDVD。
2004年か2003に劇場公開されたもの。
簡単に書けば「伝記」。

新潟県推奨はもちろんのこと、文部省、それになぜか東京都が推奨している。
一種の教育アニメには違いないが、かといって押しつけがましい
説教は含まれていない。
ひたすらに良寛さんの生き様を語ることで、その中から何かを
学び取って欲しいとい構成なのが良い。

良寛さんの老年時の声に菅原文太、ナレーションに小林幸子という
豪華なメンバーであるが(他にも私は知らないけど有名人多数)、
いずれも友情出演、と言うことはおそらく無償で出演している。
それだけ、今を持って人望が厚い人であったということか。

        お勧め度        95%

結構泣ける。
これを見て出雲崎などに訪れる人が増えるかな?
私はもちろん現地をよく知っているので懐かしく見ているわけだが。
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(2005/02/14号)
{DVD紹介}

        「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
         プレミアムエディション

        定価    3990円(税込)
        買値    3040円(税・送料別)

        ワーナー・ホーム・ビデオ
        2枚組
        142分(本編)

言わずとしれたハリー・ポッターシリーズの第3弾。
相変わらず長い作品ではあるが、過去3作の中では一番中だるみが少なかったように思う。
過去2作で基本的な設定の説明は終わったから、物語の描写に集中したからだと思う。
物語についてはあえて書かない。

ただ過去2作もそうだが、途中ではどうにもつながりがないような話が
最後に収束して1つにまとまるという展開は、良く言えば意外な展開でおもしろいのだが、
悪く言えばこざかしい技である。
私はこういうのはあまり好きではない。

このDVDの宣伝文句に、
「 ハリーを襲うかつてない危機。ついに明かされる両親の死の真相。」
と書いてあるけど、後者は嘘。全然明らかにされてない。
アズカバンに投獄されていた囚人がどうであるかは明らかになるけど。

そういえば、この作品はどの年齢層を一番のターゲットにしているのであろうか。
小学生低学年までには話が難しい&怖いし、
大人には上記のようにこざかしく思えるような気もする。
大学生あたりかなぁ。
今回の作品は過去2作より対象年齢が上がっている気がする。

        お勧め度        85%

演じている子供たちが成長していく様を見るのもおもしろいかも。
ポッター君は声変わりしてるしね(実は本人は前作からそうらしいのだけど、
吹き替えは今回から)。
ダンブルドア(魔法学校の校長)も替わったけど、違和感なし。
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(2005/03/07号)
{DVD紹介}

        「NIN×NIN 忍者ハットリくん・ザ・ムービー」
         プレミアムエディション

        定価    3990円(税込)
        買値    3192円(税・送料込)

        ジェネオンエンタテイメント(株)
        2枚組
        102分(本編)

以前映画でも紹介した香取慎吾主演の忍者ハットリ君。

内容などはそのとき紹介したので省略。
おもしろい作品だとは思う。

DVDとして一番奇妙に思うのが色合い。
どうも全体的に色を調整してあるようで、色に透明感がない。
画面として特定の映像が繰り返し使われるのは監督の意図として理解できるのだが、
この色合いの変さはどういうことか理解に苦しむ。

音は5.1CHでDTSまで入っているが、それほど効果的ではない。

        お勧め度        72%

まあそんな感じ。
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(2005/04/25号)
{DVD紹介}

        「雲のむこう、約束の場所」

        定価 4935円(税込み)
        買値 (税・送料込)

        (株)コスミック・ウェーブ
        1枚
        91分

以前(2002/9/23)に紹介した「ほしのこえ」を作成した
新海誠さんが監督をした、劇場用アニメである。

その「ほしのこえ」は、紹介時には1万本以上売れたと書いたが、
結局6万5千本以上、16カ国で発売されたそうである。
個人作としてはもちろん破格だし、普通の商用作品としても数は多いのではなかろうか。

新海さんは今回も作画他多くの作業をされているが、今回は多くのスタッフを
使う監督という立場になっている。ゆえに絵柄も新海色を残しながらも
洗練されているし、物語も90分を超える時間があるのでちゃんと終わっている。
(「ほしのこえ」ではちょっと中途半端な終わり方をしている。
悪い終わり方ではないのだが。)
ただし、基本的な制作過程は変わっていないそうである。
その辺りは、同梱の冊子に詳しい。

物語は、2人の男と1人の女の中学生時のとある約束を中心に進む。
細かい話は書かないが、かなりSFしているのでその設定が理解できない人が居るかもしれないが、
それを単に「夢」と置き換えても物語は成り立つ。
簡単に言ってしまえば、夢の世界に落ちてしまった少女、彼女を純粋に助けようとする男、
かつてその男と同じ夢を抱きながら現実の前に翻弄される男の話である。

一部殺伐とした場面もないことはないが、全体的にはきれいな作品である。
物語も映像も。

映像は、元々フルCGで作られているだけあってハッキリくっきりである。
音で特徴的なのは上空を飛ぶ飛行機の音。
5.1CHで音の移動がある作品は珍しくないが、高度のある音の移動というのは
多くない。この作品では上空高くを飛ぶ飛行機の音がそれらしく再現される。
逆に、それ以外での5.1CH的な音の移動などはあまりない。

        お勧め度        80%

個人的に引っかかったのは、喫煙シーンが多いこと。
この男はそうなんだろうなあと思った奴はたいがいそうなのだが、
何かそう言うところは「常道」すぎておもしろくないし、画面が汚らしくなる。
昨今、実世界では喫煙を閉め出す風潮にあるのに、映像作品中からは
なかなかなくならないのは非常にいけないことである。
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(2005/05/30号)
{DVD紹介}

        「スキージャンプペア オフィシャルDVD」

        定価 2940円(税込み)
        買値 2352円(税・送料込)

        avex
        1枚
        41分

        http://www.jump-pair.com

一部で話題になっていたらしい、新競技「スキージャンプペア」の映像を納めたDVD。

もちろんこんな競技は実際には存在しないが、CGで創りだされた。
もともとは作者が専門学校の卒業作品として作ったものを
ホームページで公開したら話題になり、DVDとなったらしい。
つい先日のNHK「トップランナー」という番組に作者が出ていたので見ている人もいるかも。

私はかなり以前からこれについて知っていたが、DVDを買うには至らなかった。
が、そのトップランナーを見て買う気になったのだ。

背景は実写も含まれていると思われ非常に実物に近いが
(特に白馬八方ジャンプ台は実際に行ったことがあるだけによく分かる)、
人の動きには若干のぎこちなさがある。
でもこの作品はそういった些細なことあげつらうのではなく、
のりで見るべき物である。
端的に言えば「一発物」。

実際に見ての感想だが、正直もう一歩という感がある。
「ありえねぇ〜」ということではなく、どうもテンポが悪いというか悪のりしすぎというか。
映像もそうだし実況放送も。トップランナーの中で行われたライブ中継は
よかったんだけどなぁ。

ということで、爆笑出来なかった。
アイディアもいいし作品も悪くないので残念。

        お勧め度        71%
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(2005/06/13号)
{DVD紹介}

        「クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡」

        定価 3990円(税込み)
        買値 3192円(税・送料込)

        バンダイビジュアル
        1枚
        103分

クレヨンしんちゃん映画第5作目。あの大人帝国や戦国大合戦を作った
原恵一さんの、しんちゃん映画初監督作品。

物語を簡単に書けば、「魔神が復活するという伝説の玉を巡っての争い」
となるが、その玉をひまわりが飲み込んだことで野原一家がそれに
巻き込まれてしまう。

ひまわりが初めて出てくる作品である。
ということで、アクション映画としての話の筋があると同時に、
妹が生まれたことで少しすねているしんちゃんが妹を守ろうと思っていく
心の変遷も描かれている。
しんちゃんシリーズは、一部を除きこの家族愛が中心にあるので
安心して見られるのであるが、特にひまわりが出てきて以降、
その傾向がより鮮明になったと言える。

この作品は、クレヨンしんちゃんの他の作品と比べていくつかの点で
特異的である。

・しんちゃん映画シリーズはだいたい90分台なのだけど、
 これは100分を超えており、その分長い。
 (実はもう1本100分台があるのだけど。)

・登場人物が多い。特にしんのすけ家族と敵と味方以外の登場人物がいる。
警察官がしんちゃん側として出てくるが、設定上は第3者である。
しんちゃん映画では通常こういった設定の登場人物はいない。

要するに、登場人物ややりたいことが多すぎて物語がなかなかまとめられなかった
という感じ。
新しいことに挑戦したかったのであろうが、成功したとは言えない。

登場人物が多すぎてそれぞれを動かすので精一杯でしんちゃんの台詞まで少ない。
このことは監督さんも解っていたようで、次回作以降は確実に改善されている。
そういう意味では、これから続く原監督作品の秀作と言うことで。

        お勧め度        80%

これで、しんちゃん映画は旧作品系が全部出たことになる。
あとは去年の劇場公開作品のみ。もちろん今年のもまだだけど。

そうそう、こんなページ発見。とりあえず記録。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~crashin/index.htm
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(2005/07/04号)
{DVD紹介}

        「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」

        定価 3990円(税込み)
        買値 3591円(税・送料込)

        バンダイビジュアル
        1枚
        92分

クレヨンしんちゃん映画第11作目。戦国大合戦の次の作品で、
監督は原恵一さんから水島努さんに変わっている。
実はこの監督さん、TVシリーズはもちろん監督しているが、
「わくわく温泉」と同時上映の「クレしんぱらだいす」も監督している。
ゆえに、映画でも初作品ではない。

実はこの作品、「ブタのヒヅメ」と同時にDVD化されていたのだが、
そのときは買わなかった。
以前TVで一度放映されたことがあって、録画ミスで前後が切れてしまったのであるが、
それで見た内容が余り好きになれなかったからである。
少なくとも、「戦国大合戦」「大人帝国」と見比べてしまうと、その落差に驚愕した。

それでも今回買ったのは、ある意味「お約束」だからである。
発売時期に買わなかったしんちゃんDVDとしては「嵐を呼ぶジャングル」もあったが、
あれも買ってじっくり見ればそれなりに見られた。
今回もそれを期待してでもあった。
それともう1つ、実は次回のしんちゃんDVD発売が1作品しかない
(従来は2作品同時)と知ったからでもある。
まだ1もう1作DVD化できるはずだが、戦略上か先延ばしされた。
そう言うこともあって、もう1作品見たくなったというわけである。

買ってみた感想は、「思っていたよりかはおもしろかった」である。

この作品、いきなり始まる。ほとんど序章的な部分がない。
だから、前が切れていると物語の始まり方や意味が全く分からない。
TVで見たときつまらないと思った原因の1つがこれで解消された。

で、その後前半はおバカ連発、中盤は友情と根性、最後はまた軽いおバカであろうか。
子供でも分かるおバカと「ありえねぇ〜!」と叫んでしまうおバカが混ざっている。
ターゲットは間違いなく子供である。

そう言う意味では、前作まで担当の原恵一さんの作品が大人向けであったのと
非常に対照的で、第1〜4作目まで担当の本郷みつるさんの作品に近いが、
そのすべてを通して一番おバカ度は高いと言える。
ある意味、TVシリーズに近いとも言えるが、TVシリーズにはシュールさも多いので、
それ以上である。

ということで、子供への受けはよいのだが、大人が見るとちょっと「あれ」である。

この作品に対する評価は、それを受け入れるかどうかにかかっていると言えよう。
個人的には、原作品が大好きなだけに、少々きつい採点となる。

        お勧め度        77%

原監督作品は、(嵐を呼ぶジャングルを除き)少し構えて見ないといけないような感じがあるが、
この作品はお気軽に見るにはちょうど良いか。
これもまたしんちゃんの世界の1つとして許容できればだけど。

あと、しんちゃんシリーズの映画では最初の方の作品を除き、
オープニングでクレイ粘土アニメがあるのだが、
今回のはどうにも手抜きにしか見えない。
造形も悪いし動きも悪い。物語性もない。
後から適当に作って入れたような感じすらする。
これが映画始まっていきなり出てくるのだが、こんなことでいきなり評価を下げられても
つまらないと思うのだが。

・・・そう言えば今気がついたけど、最近紹介したDVDは多くが定価3990円だ。
1枚ものも2枚組も。
この辺りが定価として一番数が多く、メーカーとしても付けやすいというところなのか。
もう一声分下がってくれると良いのだけど。
(やはり理想は1本2980円。1万円で3本ね。実売価格では近いけど。)
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(2005/09/12号)
{DVD紹介}

        「スイング・ガールズ」

        1枚
        105分
        定価    3990円(税込み)
        買値    3590円(税・送料込み)
        東宝

女子高校生&1人男子高校生がジャズバンドを組んで演奏する話。
簡単に粗筋を書けばそれだけだけど、その過程を楽しむ映画。

監督は男子高校生がシンクロナイズド・睡眠ぐ〜・・・じゃなくて、
シンクロナイズド・スイミングをする内容でヒットした「ウォーター・ボーイズ」
の矢口史晴監督。

ということで、この作品も基本的流れは全く同じ。
実は出来ないコーチ役として竹中直人が出てくるところまでも。
熱血でない青春物と言えるだろうか。
「ウォーター・ボーイズ」が好きならこの映画もはまれるであろう。

物語の進みにはちょっと強引な部分もあるけど
(特にいったん離れていった女生徒が再び集まってくる所など)、
まあ、細かいことには目をつぶろう。
ただ、「最近の女子高生」の姿を見るのが少々苦痛ではある。

ジャズが好きかどうかは余り関係なく見ることが出来る。
要は音楽に乗れるかどうか。もう少し曲があって欲しかったかなと思うくらい。
映画の中での演奏は全部本人たちがやっているというのがすごい。
(ウォーター・ボーイズもそうだったらしいけど。)
ファンの人はそれを見るだけでも良いのかも。

画質は余り良くない。
わざと色目を変えているような感じすらある。
忍者ハットリ君でもそうだったが、なぜだろう?
音質はDTSにするとなかなかのもの。
音楽ものだけに、できるだけ良い音質で聞いた方が良い。

音と言えば、登場人物のしゃべる言葉は山形弁。
これを東京弁でやったら嫌みだし、関西弁でやるときつくなりすぎる。
山形弁には独特の柔らかさがある。
先に「苦痛」と書いた女子高生を見てられるのは
この言葉のおかげ。

        お勧め度        93%

いや、正直良かった。
私はフジテレビ系が嫌いなので、そこが絡んでいるこの映画も
少し敬遠していて(フジテレビが絡んでいる映画は
ぱっと見いいが実な内容がない駄作も多いから)、
だからDVDを買うのも発売されてからだいぶ経ってからになったが、
これは買う価値があろう。

登場人物の中に「本仮屋ユイカ」という娘がいるのだが、
珍しい名前だしどっかで聞いたことがあると思っていたら、
NHKの朝の連続ドラマ「ファイト」の主演の娘だった。
そちらは見てないが、結構好きなタイプかも知れない(*^_^*)。
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(2005/10/03号)
{DVD紹介}

        「マッハ!!!!!!!!」
         プレミアムエディション

        定価    3990円(税込)
        買値    3040円(税・送料別)

        2枚組
        103分(本編)
        (株)クロックワークス

以前映画の紹介で絶賛しておいた「マッハ!!!!!!!!」のDVD。

映像は相変わらずきれいとは言えないが音声はおごっていて、
タイ語はDTS-ES/DolbyDigital6.1CH、日本語でもDD5.1CHである。
5.1CHの効果は想像以上にある(6.1CHは未聴)。
いや、最初タイの映画だから大したこと無いんじゃない(←ギャグじゃないぞ)
と失礼なことを考えていたが、そんなことはなかった。
反省。

映画館ではタイ語で見たが、この映画はアクションが主体だから
あまりせりふが分からなくてもなんとかなった。
今回初めて日本語で聞いたが、やはり日本語でせりふを聞くと細かい設定が分かる。
ただ、吹き替えはあまり合っていないような気はする。
一度日本語で聞いて、筋が分かったら後はタイ語で見るのがいいかもしれない。

        お勧め度        89%

改めて見てもやっぱり体が熱くなる。
気合いを入れたいときにはこれが一番。
後で疲れるけどね。
<戻る>
(2005/10/03号)
{DVD紹介}

        「バグズ・ライフ」

        1枚
        97分
        定価    1890円(税込み)
        買値    1700円(税・送料込み)
        ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント

2000/07/10号でLDで紹介した同名作品のDVD版。
LDは4700円であった。当時はそれが「高い」と書いているが、
DVDでは、旧作品と言うこともあるが2000円を切っている。

せっかくなので粗筋を。
「バッタに恐怖政治されていたアリが自立する物語」

ということで、登場物は全て虫。アリとバッタは上記の通りの関係で、
これに虫サーカス一座が絡んでくる。
それと秘密兵器は「鳥」。

短いので展開も良いテンポだし、でもはらはらどきどきもあって、
物語はさほど難しくないので子供から大人までにも十分楽しめる。

映像は全CGなので、非常にきれい。
ただ、色がきらびやかなので目にいたいと思う人もいるかも。

音声は、日本語吹き替えは2CHでLDと全く同じだが、
英語にすると5.1CHに出来る。こちらは未聴。

        お勧め度        90%

私は基本的にディズニー映画は嫌いなのだが、これは例外とも言える。
そういえばトイ・ストーリーも良かった。
共に人間が出ていないからかも。
配給はディズニーだけど作ったのはPixarというのもあろう。
ディズニー、アメリカ映画の描く人間は動きがおかしいから
見るに堪えないのだ。こんにゃくまたはナメクジみたい。
まあ、毛唐なんぞナメクジから進化したとしか思えない節はあるけど。
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(2005/10/10号)
{DVD紹介}

        「カードキャプターさくら DVD-BOX1〜3」

        定価    各      34650円(税込み)
        買値    1       27373円(税・送料込み)
                2/3     27254円(税・送料込み)

        (1)5+2枚組
        (2)5枚組
        (3)5+1枚組
        ジェネオン エンタテイメント(株)

カードキャプターさくらと言えばCLAMP原作、NHKで放映されていたアニメである。
全70話。
キャラクターがかわいく、物語も良く、特に暗さや嫌みが全くなかったので
知っている人の間では絶大な人気を博していた。

初回放映時にもDVD化されたが、今回画像をきれいにして、
音声も5.1CH化してのリマスタリング版として復活した。

BOXは3巻に分けて発売され、1は1〜23話、
2は24〜46話、3は47〜70話が収録されている。
BOX1は本編5枚と特典が2枚、BOX2は本編5枚と特典として解説本+イラストブック、
BOX3は本編5枚と特典が1枚に解説本+イラストブックという構成である。

物語についてはあえて書かないが、今見てもはやり秀逸である。
暗い部分が一切ない(悩みがないという意味ではない)話なので「非現実的」という人もいるが、
現実がぎすぎすどろどろしている昨今、こういう理想的話があっても良いと思う。
ということで、主に映像面と音声面、および「その他」を中心に評価する。
以下の文章内で、本編を見ていないと解らない単語が出てくるが、
いちいち説明してられないのでご了承願いたい。

映像は、もともときれいな映像の作品だったのでびっくりするほどの画質アップではないが、
ベールが1枚はがされた感じで、線も色もハッキリしている。
ただ、一部の画面でセル(アニメの原画が描き込まれている透明のシート)の
擦り傷などが残っている。ハッキリ解るのは、BOX1では第12話;タイムのカードで
さくらが時計塔に近づいている場面とか、17話で洞窟内にいる場面、
BOX2では元が比較的良質だと思われる場面で時々見受けられる。
その他、画面の端っこの方に時々擦り傷が見えることがある。
基本的には良くできているだけに、余計に残念である。

音声は、元々ステレオ2CHだったのを今回5.1CH化してある。
しかし、音声の移動感としての5.1CH化は必ずしも効果的ではない。
同じリマスタリングした作品として「エヴァンゲリオン」を持っているが、
こちらも音声を2CH→5.1CHしてあるが、これはもう「絶対5.1CHで聞け!」と言うほど優れた変更であった。
でもこのCCさくらのは残念ながらそこまでではない。
一番良く解るのはカードを発動する場面で魔法陣が出てくるところであろうか。
全体的にはBOX1より2の方が効果的に聞こえる。
マスタリングが改良されたか、たまたま音の移動を伴う画面が多かったか。

移動感としての5.1CH化は効果的でない言えるが、音声をハッキリさせるという意味では成功している。
今まではほとんど聞こえなかったような隠れた音声が良く聞こえる。
第1話のケロちゃんのいびきなど、特にTV版では全く聞こえなかった低音は細かい音が
非常に良く聞こえる。背景音、風の音、蝉の声、雰囲気を表す音などに大きな違いがある。
この他カード封印時の音とかも全くと言っていいほど違って聞こえる。
これらによって音の雰囲気は大きく変っている。
まあ、そういう意味合いとして「5.1CH化」を捉えるべきであろう。

BOX1の特典ディスクは、オープニングとエンディング音楽のノンテロップ版と総集編という構成。
総集編はNHK BS2または教育での放送時に作られたもの。1〜23話以外の場面もいきなり出てくるので、
まだ一度も本編を通してみてない人は見ない方が良いだろう。
こちらは高画質化も5.1CH化もなされていないようだが、映像はそこそこきれいだし音声も悪くはない。
これと本編を比較するとどこがどう変ったかが解るではあろう。
BOX3の特典ディスクは短編3本で、全部で15分なので1本平均5分というところ。
なかなか面白い。今回新規に作られたのか過去にどこかで放送または収録されたものなのかは不明。

BOX2の解説本は、原画集+クロウカード前半編(1〜35話)各話の解説という感じ。
119頁もあり、なかなか良くできている。
BOX3の解説本は残りの36〜70話解説+複数名の関係者の談話。こちらも同じく119頁。
イラストブックは各種雑誌などに載った絵を集めたもの。
13センチ位四方の厚紙で各15頁もある。なかなかきれい。

3巻全部買えばフィギアがもらえる。すでに応募したが、来るのは年明けらしい。
(2005/03/14追記;なんでも作り直すそうで、4月以降に遅れるらしい。)
(2006/05/09追記;4月中に到着。なかなか良い作りではある。でも最初のBOX発売からすでに1年。
遅いねぇ。)
でも、そんなもんいらんから映画2作を入れて欲しい。
私はすでに持ってはいるが、個別に買えばそれぞれ1万円もするし、
高画質化されればうれしい。
3巻を定価で買えば10万もするのだから、これくらい入れても罰は当たらない。

画質・音質に関しては、一部の問題を除き総じて合格なのだが、
問題はパッケージ。

・箱がやたらとでかい(必要サイズの3倍くらい大きく、置き場所に困る)
・パッケージおよびDVDにはさくらの絵が描かれているが、これがあまり「似てない」
Amazonの評価でもこれらに文句を付けている人がいる。

箱の大きさは、値段相応の箱の大きさにしたつもりなのかもしれないが、ハッキリ言って邪魔。
きれいな箱ではあるが、うちのDVD棚の1段の1/3より多くを占領してしまう。
この大きさは3巻分を入れる大きさかと言えば(BOXの初回版が全巻分の大きさの箱付きと
いうことはよくある)、そうでもない。
縦の幅が大きすぎてきっちり収まらない。
結局うちでは中身だけ取り出して箱は別に置いている。

本編においてもCCさくらの絵は若干の変化があるが(実作画を担当している会社別に特徴がある)、
今回のパッケージの絵はそのどれにも似ていない物が多い。
CCさくらは絵柄にも人気があるので、これはちょっと問題だろう。
私でもだいぶ気になったくらいだから、思い入れの深い人には許せないかもしれない。
BOX1に比べるとBOX2は少しましになった気がするが、それでも5枚目なんかひどい。
BOX3も同じ人の作画(4枚目)がよろしくない。

枚数が多いので、別に全部CLAMP本人たちに描いてもらえとは言わないが、
もう少し似ている絵を集めて欲しかった。チェックする奴はいなかったのか?
(実は、TV版の絵はオリジナルのCLAMP版とは異なる。
私はTV版の方が丸っこくって好き。)
おそらく、最初に一気に描いてもらってそれを3巻に分けたので途中で
差し替えとは出来なかったのだろうけど、永久に残る物だけに何とかして欲しかった。

総じてパッケージには問題が多すぎる。設計者には猛省を促したい。

SOFMAPでの予約購入特典はイラスト入りクリアファイル2部。
2巻買うと6つもらえることになる。こちらのイラストは比較的良質のものが多い。
どこで使うかと聞かれると困るのだが。

        お勧め度        作品内容        95%
                        パッケージ      50%

以前あった単品DVDを買いそろえるよりかは安い価格らしいが、
それでも3巻で10万円以上とは非常に高く感じる。
(合計15枚組のDVDを他で探すと、必ずしもぼったくり価格ではないようなのだが、
一般的に考えると。)
あまつさえ、元はNHKの作品だ。受信料使って作っているのだから、
少なくとも受信料をちゃんと払っている人に対しては安く還元する義務があると思う。

それにしても、話の内容が良いだけに、パッケージ部分の不出来が残念。

実はBOX3は当初7/22発売が8/10まで延期された。
うちは8/10から新潟へ帰るため、10日には受け取れない。
さらに、こういう物は発売日厳守と言うことが発売元から通達されているらしく、
運送会社も絶対にその日にならないと配達できないという。
結局、夜中0時過ぎ(正確には0時半ぐらい)に配達してもらうという荒技をしたのであった。
ここで、無理を聞いてくれた配達員さんにはお礼を言いたい。
それに比べ、そもそも発売日を勝手に延期したくせに受け取りは1日の差も許さない
「厳守」と言うメーカーの態度はあまりに身勝手だとは思う。
この点は、いやパッケージも含めるとこの点「も」、猛省を促したい。
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(2005/11/14号)
{DVD紹介}

        「Mr.インクレディブル」

        2枚組
        115分
        定価    2940円(税込み)
        買値    2264円(税・送料込み)
        ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント

スーパーヒーローだった主人公が、とある件で訴えられて
ヒーローとしての活動を禁止され、以後普通の人間として暮らしているが、
いろいろあって再びヒーローに戻るってな話。

なんかこう書くとおもしろくなさそうだし、実際最初の方は
「訴えられて」というあたりがアメリカ的でいやなんだけど、
その後はなかなかおもしろい。

いわゆる普通のヒーローものとは全く違う。
ヒーローとしての「普通」の活躍は最初のほんの少ししか描かれていない。
ほとんどは普通の人間と生きなければならないヒーローの苦難と、
ヒーローといえども普通に家族を愛する人間だという面が描かれている。
主人公もそうだし、その家族も。

映画は全てCG。以前紹介したバグズ・ライフも作ったPixarの作品。
配給はディズニーだけど、ちゃんと出来ていると思ったらやっぱりだったということ。
ここの作る作品はいつも良くできている。
私はまだバグズ・ライフしかみてないけど(ファインディング・ニモはプレゼントで
もらえるので後日見る予定)、はずれはない。
(一方のディズニーはねぇ・・・)

日本語で声をあてているのは、主人公は三浦友和、奥さんは黒木瞳である。
さいしょ「え〜!?」と思ったが、意外に違和感はなかった。
奥さんが黒木瞳というのは、たぶん「絵姿」が似ているからではないかと思う。

似ていると言えば、この作品の中のあちこちに「どっかで見たことがあるような・・・」
という造形や場面がある。特に敵の姿なんてドラゴン・ボールのベジータていう奴そっくり。
解る人はにんまりするのではなかろうか。
たぶん日本のアニメを始め、いろんな映画をパロっている部分があるのだろう。
それが嫌みでないのがよい。

そういえば、この映画の紹介に「元スーパーヒーローが次々行方不明になるという
事件があり・・・」と言うのがあるのだけど、実はそういう画面はほとんど「ない」。
ある1人のスーパーヒーローについては「新聞で行方不明と出てる」という場面が
あるのだが、他のヒーローに関しては全くない。
インクレディブルがとある依頼を受けてとある島に行って、とあることがあって、
そこである物を見て、その後知った事実である。
ハリーポッター・アズカバンといいこの映画と言い、最近紹介文が
間違っているのが目に付く。おそらくはその紹介文を書いた奴が頭の中で物語
(の前後つながりを)を勝手に書き換えてしまったために発生しているのだと思う。
紹介文を書く人間の質も問題だが、それを許すメーカーにも問題があると思う。

        お勧め度        93%

いやぁ、これは予想以上におもしろかった。
ただ、時間から見ても解るとおり子供向けとは言えないので
子供と一緒に見るのはつらいかも。

普通特典ディスクはあまり見る気にならないが、この作品のはそちらも
見る気にさせる内容である。

この値段でこの内容なら文句の付けようはなかろう。
ただ、このDVD、再生するといきなり他の作品の宣伝が出てきて
いっこうに本編が始まらない。最初特典ディスクの方を入れてしまったのか?
と思ったほど。一番最初に「本編を始めるにはメニューを表示させて・・・」
という表示が実は出ていることに2回目に気が付いたが、
最初は「なぜ?」と思った。そういう人は多いのではなかろうか。
そういえばハリーポッターも最初に宣伝があったけど、
まだそのままにしておけば先に進んだだけまし。こちらはいったんメニューを出して
選択しなければ本編が始まらない。非常にうっとおしい。
いくら価格を下げるためだとはいえ、いい加減こう言うのは止めて欲しい。
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(2005/12/05号)
{DVD紹介}

        「ファインディング・ニモ」

        2枚組
        100分
        定価    1800円(税込み)
        買値    0円(税・送料込み);プレゼントだから
        ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント

先に紹介の「バグズ・ライフ」「Mr.インクレディブル」のDVD
を買うともう1枚プレゼントされるということで、もらったのがこれ。
作ったのも同じPixar。

物語は、簡単に書けば魚のクマノミの子供=ニモが人間に連れて行かれて、
それを探す親の物語。ニモが探す物語ではなくて、ニモを探す物語である。

そのクマノミの親、とある事件があって以来、一種の過保護になっていて
子供を自由にさせない。それに反抗してニモが人間の船に近づいたら
捕まえられてしまい・・・ということで物語が始まる。

親の活躍という感じじゃないし、子供のために急にすごい力を発揮する、ということでもない。
偶然同行する事になった魚と一緒に、いろいろな出来事に遭いながら、
命からがらだけど切り抜けていくという感じで、
そのあたりはヒーローものみたいではなく、ちまたにありそうな
親の愛の力で良かった。

出てくるキャラクターもそんなに嫌みがないのが多いのも良さかも。
鮫も一見怖そうでも根は悪くないとか。
一番悪いのは人間。

        お勧め度        87%

先にMr.インクレディブルを見たので相対的に下がっているけど、
これはこれで良い作品だと思う。
でも全体的にコンセプトが曖昧だし、盛り上がりも少ないので
ちょっと見ていて飽きる(眠たくなる)部分があるのでこの点。

そういえば、親の声を当てているのはとんねるずの木梨。
ばっちりじゃないけど思いの外悪くもなかった、と書いておこう。
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(2005/12/05号)
{DVD紹介}

        「STARWARS EPISODE3 シスの復讐」

        DVD2枚組
        140分(本編)
        定価    3,990円(税込み)
        買値    3,112円(税・送料込み)

かのSTARWARS全6部作の最終作。
映画については2005/07/18、23号に紹介しているが、
とにかく「すごい」の一言に尽きる映画であった。

映画館ではDLPの高精細画像で見たわけだが、家庭用DVDで果たしてそれがどこまで
再現できるかが注目点である。

一見した感じ、確かに細かい情報は映画館のそれに及ばないが、特に大きな欠落もない。
家庭用DVDでも十分な画質と言える。
今回は暗い場面が多いので、全体的に明るめにした方が良いかもしれない。

音声はDolbyDigitalEXの6.1CHで、
特に環境音で効果的である。これも映画館での迫力にはおよばないが、
それなりに再現できる。爆発シーンは多いが重低音は意外に控えめで、
嫌な音ではない(重低音だけ響く映画は嫌い)。

物語については映画の時にも書いたのであえて書かないが、
DVDには日本語吹き替えがあるので非常によくわかった。

設定の上で旧3部作につながる部分がたくさんあると書いたが、
実は台詞の上でもそういう部分があることに気が付いた。
一番最初の議長を助けるところの戦闘機のシーンで「後ろに付かれた、振り切れない」
というのは第4作「新たなる希望」の最後のデススター突入シーンでルークが
言う台詞と同じ。もっとも、今回は打ち落とされるのであるが、
そういう細かいつながりというか、知っている人がにやっとするような
場面があるので何度も見直して細かく見ると面白いであろう。

        お勧め度        93%

とりあえずこれだけを見たが、今度は全6部作を一気見してみたい。
全部で実に14時間近くになる。冬休み中に朝から晩までかけてやってみようかな。
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(2005/12/19号)
{DVD紹介}

        「ファイナルファンタジー アドベント・チルドレン」

        初回限定版
        1枚
        100分
        定価    4800円(税込み)
        買値    3840円(税・送料込み)
        スクエア・エニックス

スーパーファミコン時代からある、有名なゲームでの「ファイナル・ファンタジー」
の第7作目(1997年)の後日談をDVDのみの映画化した物。
DVDのみなので、一般劇場公開はされていない。

ファイナル・ファンタジーと言えば2002/06/03号で映画
「FINAL FANTASY」を紹介している。
こちらは正真正銘の映画で劇場公開されているが、
当たらずじまいでスクエアは大赤字を計上、今後映画を作らないと言った作品であった。

その映画は題名こそ同じであるが、内容はゲームと(おそらく)全く関係ない話であった。
今回は同名ゲーム6の後日談である。
そのためか、DVD中にはゲーム中の重要な台詞の場面をまとめた映像が納められている。

最初に書いておけば、この作品はそのゲームの設定を知らないと話がつかみにくい。
ゲームをやった人以外は、せめてこの映像を見ておくか、
ちまたにあふれている紹介記事中に書いてある序章を読んだ方が良い。
ただ、序章の話では登場人物間の関係がさっぱり解らないので、
やはりこのゲーム映像も見ておく必要はあろう。

登場人物は結構たくさんいるが、ほとんどはゲームに出ていたキャラクターを
CGで再現しただけのゲスト出演的で重要なのは4〜5人である。
それだけ押させていけば何とかなる。

映像は、フル3DCGであるが、これでもかと言うぐらいに描きこまれているので、
実写と見間違うような出来である。
ただ、動きや表情に不自然さや硬さが出る部分があるため、よく見ると実写でないことが解る。
人物はやたらリアルなのに花が全然リアルでないところも妙に浮いてしまって悲しい。
この点は、同じフル3DCGのMr.インクレディブルが背景関係がやたらと
リアルなのに人物がうまくデフォルメされているのとは対照的である。

内容は、結論を書いてしまえば、ゲームの延長に過ぎず、
映画と言うよりムービーだけのゲームという感じが否めない。
話は、精神的に傷ついた主人公が「許される」までの過程である。
(主人公が傷ついたのは原作となるゲーム中なので、この作品中では詳細は解らない。)
それに戦闘シーンを加えただけ。
悪く言えば物語はあってないようなもので、陳腐。
本当は細かい設定もいろいろあるようだが、結局の所ゲームと同じで
「ボスを倒して終わり」である。

その分アクションシーンはすごい。
かなりの動体視力がないとついて行けないと思う。
というか、ちょっと無茶しすぎの映像が連続する。
一見すごくても、ここまで来るとちょっと行き過ぎで見切れない。
目が疲れるだけ。
STARWARS3がすごい映像だがちゃんと目で追い切れたのとはだいぶ違う。
制作者のおごりにも思える。

題名にある「アドベント」はADVENTで、キリスト教聖書にあるキリストの降臨
という意味の他、出現や到来という意味があるらしい。
この映画では、敵がある物の「子供」として登場しているのでその意味だろうし、
最後に「許される」ということから、宗教的意味を含ませたかったので
この単語を使ったのであろう。

そういえば1つ解ったことがある。
これを見ると先の映画版で語られていた内容が、実はゲームと全く関係ないわけではない
と言うことが解った。この作品中では「ライフストリーム」という単語が出てくるが、
それが映画の中でも名称は違えど同じような要素として出ているからだ。
それがファイナル・ファンタジーシリーズの1つの物語の基本潮流なのかもしれない。

        お勧め度        80%

ちょっと高すぎる気もするが、まあ1つの3DCGの到達点として見ておく意義はあろう。
ゲームを知っている人ならもっと高くてもいいのかもしれないが、
これだけを独立した作品として見た場合はこれ以上はあげられない。

音響は5.1chではあるがさほど効果的ではない。

スクエア・エニックスはもう少し映像も音声も、技術論ではなく
物語としての見せ方・聞かせ方を学んだ方が良い、等と偉そうに書いておく。
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(2005/12/26号)
{DVD紹介}

        「ハウルの動く城 ツインパック」

        DVD3枚+CD1枚
        119分(本編)
        定価    8925円(税込み)
        買値    6930(税・送料込み)
        スタジオジブリ

去年の末から公開されて大ヒットした、宮崎駿監督作品の「ハウルの動く城」と、
「ショート・ショート」というDVDのセット物。

ハウルの動く城は、このツインパックだけでなく本編+特典ディスクだけの
ものや豪華版も存在し、ショート・ショートも単独発売されている。

先に「ショート・ショート」を紹介しておくと、これはジブリが手がけた小さな作品を集めた
ものである。全部で40数分のもので、よく流れていた作品では、
例えば読売放送の緑色の豚みたいなものが出てくるもの、金曜ロードショー(だったと思う)の
前に出てくる映写機を回すおじさん、ハウスのカレーのCM等がある。
でも私が一番見たかったのは「OnYourMarks」という、チャゲ&アスカの曲のイメージビデオ。
7分近くの作品だが、ジブリらしさが全面に出ている作品となっている。
その他YAMAHAと共同制作(?)のミュージックビデオ的な物もあって、
他のは「ふ〜ん、ジブリはこんなのもやってたの」という感じ。

中に「どれどれの歌」というのがあって、これは読売新聞のイメージキャラクター
「どれどれ」(新聞読んでる毛虫)のイメージ曲のようである。
付属のCDはそのシングル盤。まあ、これについては特筆すべき物ではない。

で、今度は本編の話。
映画については2005/1/1に見に行ったという話を以前書いた。
「家族の話」「女性向けだが細かいところがわからん」という感想であった。
DVDを見てもその感想は変らないが、ゆっくり見られる分、もう少し
話は理解できた。

相変わらずなんで戦争しているのかは解らなかったが、
ハウルの一家が形成されていく過程を中心に見ていけばわかりやすい。
最初は契約・師弟・逃げ出してきた・助けてもらったというだけで、
ただ同じ場所にいるだけの同居だったのが、やがて一緒にいたい存在、
守るべき存在になっていくという部分は、現在のように、血の分けた親子であっても
理解できず、あまつさえ安易な理由で殺してしまう様な腐りきった世の中への
警鐘のようにも思える。

それまで契約により仕方なく戦ってきたハウルが、ソフィーに止められても
「やっと守るものができた」と戦いに行く場面が象徴的。
「家族」は血によって勝手に成されるものではなく、心の絆によって自ら成すものである。

        お勧め度        85%  本編
                        50%  ショート・ショート
                        70%  ツインパックとして

ショート・ショートはジブリファンの人には面白いかもしれないけど、
これを単独の作品として売って良いものかどうか。
映像特典程度で良いんじゃないのかなぁ。
一度は見たかったんだけど、二度三度と見ることはないと思う。
ということで、ツインパックの評価は余り上げられない。
本編のみので良いかと。

そうそう、音声は6.1CHのDolbyDigitalEX。
かなり効果的に音声が使われている。

ショート・ショートはほとんどが2CHで、一部のみ5.1CH対応。
ただ、連続再生では5.1CH再生されない。メニューで選択して
再生する必要がある。これがまた非常に面倒で、本数が多いだけに
メニューの繰りが多く、さらに5.1CH分だけの連続再生もないので
1本1本選んで再生しなければならない。
このあたりの作りの悪さも、所詮おまけ程度の感じがする。
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