「DVD紹介2003」
(2003/01/06号)
{DVD紹介}

        「それいけ!アンパンマン 虹のピラミッド」
        
        定価    ¥2800(税別)
        買値    ¥2520(税別)
        
        1枚
        60分
        (株)バップ

1997年作品。
劇場用アンパンマンの作品。
以前紹介した「ゆうれい船をやっつけろ」より後の作品。

劇場用アンパンマンは、メロンパンナちゃんとロールパンナが出てくるところから
急におもしろくなったような気がする。
そういう意味で今回の作品も期待していたが、ゆうれい船とは違った意味で
おもしろかった。
アンパンマンの対象は本来小学生以下位であろうに、
大人にも考えさせるところがあるのがすばらしい。

今回の作品では、バイキンマンが呼んだ悪者にバイキンマンも含めてやられてしまい、
それをやっつけるためにとりあえず手を組むと言うところが新しい。
そもそもアンパンマンではバイキンマンも完全に退治するべき「悪」とは
描いてないが、今回はそれを象徴するような話かも。
今までになく最後まではらはらどきどきなので、子どもが焦り出す位であった。
最後はお約束パターンだけど、それを守りながら飽きさせないのが
やなせたかしのうまさである。

アンパンマンは完全無欠のヒーローじゃなくて弱点のいろいろあるヒーローであるが、
それがかえって親しみがあって良いのかもしれない。
3分間しか戦えないより、水に弱いとか、マントが破れたら飛べないと
の方が子どもにも理由がわかる。
これに加えて、個性のあるサブキャラクターが生きているのが良さであろう。
数えてみたら非常に多くのキャラクターがでているのだが、
そのほとんどが無駄になっていない。

アンパンマンは仏教の思想をさりげなく話に織り込んだ作品であることは
よく知られたことであるが、この作品でもそのことが良く現れている。
ロールパンナ自体が善と悪を両方持つ人間の象徴のようだし、
アンパンマンが自分の顔をおなかの空いた人に与えるのは布施の心そのもの。
こういった、心をさらりと見せ、教えられるのがアニメの良さである。

キャラクターが多いだけなら他にもあるけど、ほとんどが無駄だ。
また、子どもに見せて含蓄があるアニメも最近はほとんど無い
(おじゃ魔女ドレミは数少ないその1作)。
少年週刊誌系はほとんどそうだが(鳥山明なんてその最たるもの)、
そんなちんけなものを見せるならアンパンマンを
100回見た方がよほど良い。

        お勧め度        80%
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(2003/01/13号)
{DVD紹介}

        「千と千尋の神隠し」
        
        定価    ¥4700(税別)
        買値    ¥3780(税別)
        
        2枚組(本編は1枚)
        124分
        スタジオジブリ

2001年夏に大ヒットした映画。

以前に映画として紹介しているし、内容についてはいまさら語るまでもないだろうが、
あえてあらすじを書くなら、挨拶もろくにできなく、ただ単になすがままに生きてきた
10歳の少女が、不思議な国に迷い込んで独りになってしまい、
働く経験を通して人として成長し、強くなっていく過程を描いたものと言えるだろうか。
それを、宮崎キャラクターと日本の神話というか御伽噺を加味して
映像化したものがこの映画である。

以下、映画を見ていないとわからないような登場物の固有名詞が
出てくるが、話の都合上、ご了承願いたい。

御伽噺には子供への戒めの意味もあるからね。
いろいろな神様が出てくるところは神話そのものだし、
名前で相手を支配すると言う考えは平安朝では実際にそう考えられていて、
その当時の女性の本名は親と夫以外には知られてはいけなかったとか、
「えんがちょ」とか、そもそも「神隠し」自体がおとぎ話的信仰である。

映画紹介の時にも書いたけど、こういった話は、私の世代では
まだかろうじて聞いているので、あまり違和感がない。
だから、この映画がこれほどヒットするような内容には思えなかった。
が、実際には大大ヒットしたうえに金熊賞だとか言う賞をもらったわけだから、
「宮崎駿」というネームバリューを差し引いたとしても、この映画の
内容が斬新で新しく、しかし受け入れられやすかったということであろうか。

映画館では最初からトイレに行きたくて落ち着いてみられなかったし、
実際途中でトイレに行ってしまったので見ていない場面があったが、
今回はゆっくり見ることが出来た。

ゆっくり見ると(2回目だということもあるが)、設定の細かいところに
注意してみることが出来る。

特にこの映画では個々のキャラクターの設定が絶妙だ。

千尋は最近の若゛者のようにだれてて腐っている感じではなく、
何も知らなかったがゆえの失礼はあったが、根は純粋にがんばるタイプだし、
ハクの存在はボーイフレンドというより、守護神もしくは背後霊的存在
(陰ながら支えてくれる)である。リンはお姉さんタイプか。

坊はわがままの象徴、顔なしは渇仰の象徴である。
これらは仏教的思想の反映とも言える。

わがままな坊は、実は活動する機会に飢えているだけで、
それを与えてやれば自ら行動するようになると言っているようだし、
特に顔なしの自分の欲しいものを欲しいがままに得ようとする行為は、
のどの渇きをいやすのに海水を飲むがごとくであり、飲めば飲むほど
のどがかわくことを表している。
結局はすべてを捨てて欲しかったものの本質を知ることこそ
欲する心をいさめる。
豚になった千尋の両親も、ある意味顔なしに似ている設定だが、
こちらは単に浅ましさの象徴か。

いろいろな神様は人間である千尋に対して概して親切である。
おしらさま(大根の神様)もそうであるし、本来人間に対して
怒りを持ってもおかしくないオクサレさま(河の神)やハクだってそうである。
これは、「神は本来人を見守る存在であって、祟りなどを起こす存在ではない」
と言っているようにも思えた。

釜爺はズバリ昔の年寄りのような存在に見えた。
一見ぶっきらぼうそうで、根は優しい。
湯婆婆は律儀な社長(だから契約にはうるさい)、銭婆婆は優しい(?)おばあさん。

蛙やナメクジ女はよそ者を嫌う、いわば昔の日本の村八的性格を
持った一般大衆という感じ。顔なしが出す砂金に群がるところは
まさに(悪い意味で)「一般大衆」の象徴である。
最初は千尋を疎んでいたが、その純粋ながんばりに
いつしか応援するようになるところも、(良い意味で)日本人的一般大衆である。

そう、この映画は千尋だけに目を向けがちだが、実は他のキャラクター
の意味するとことがしっかりしているからこそおもしろいのである。
単に登場人物が多いとか、それにうわっつらだけの細かい設定があるとか、
そういうものではないのだ。

ちまたのこの映画の紹介では「千尋の成長」を主題にしていると書いているが、
実際にはそれを見守る周りも含めて評価すべきではないか、と考える。
これは、古き良き日本の姿そのものだ。
それを取り戻そうというメッセージに聞こえる。

        おすすめ度      89%

もののけ姫とは180度異なった題材、イメージで作品を作り上げた
宮崎駿。やはりただ者ではない。

そうそう、なにやらこのDVD本編の画像が映画に比べ赤っぽいという話がある。
家で見る限りにおいては、言われてみればそうかなぁという感じ程度。
別に気にはならなかったが、後で店でVHS版を見たら確かに赤い気がした。
モニターの色調整だけの話ではないのか?
一般的に、プロが色調整するモニター(マスターモニター)はSONY製が多い。
うちのTVもSONY製だから大丈夫なのかな?

音声的にはDTS−ESという6.1CHの最新式サラウンドである。
残念ながらうちのステレオでは5.1CHまでなのでその真価はわからない。
後ろのスピーカーから音が聞こえることはほとんど無かった。
(湯屋で千尋がぞうきんがけをする場面ともう一カ所しかわからなかった。)
DTSというのはサラウンドの形式の中でも音の良い方式であるが、
確かに細かい音までよく聞こえる。英語のDTSソフトはいくつかあるが
日本語DTSソフトは初めてだった。
DTSの良さも認識したソフトであった。

ちなみに、1/24に10CHで夜8時から放送される。
まだ見てない人はどうぞ。
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(2003/01/27号)
{DVD紹介}

        「アルプスの少女ハイジ」

        バンダイビジュアル
        定価 ¥3800(税別)*13
        買価 ¥41990(税別、送料込み)今はもっと下がっているらしい(T_T;)
        各4話

今更説明する必要もないほど有名な、かのアルプスの少女ハイジのDVD。

前々からずっと欲しくて、実は前半はLDでも持っていたりするのだが、
LDではどうしても後半が手に入らずあきらめていた。
これを今回DVDで全部揃えてしまった。
(本当は逆で、DVD版があるとわかったからLD版は買うのを辞めた。)
前半は重複するが、まあいずれLD版は売ってしまえばよい。

ハイジは映画も作られたが、声が変わっていて違和感ありすぎ。
もはや、ハイジ=あの声のメンバー以外では受け入れられない体(耳)になっている。
そういう意味でもこのテレビシリーズのDVDを手に入れることは
非常に重要な課題になっていたのである。

いやぁ、久しぶりに見てもやはり良い作品は良い。
宮崎駿、高畑勲が噛んでいるだけのことはある。
(そんなこと言うと他の人がかわいそうだけど。)

実に久しぶりに全編をじっくり見ることが出来たので、
いろいろと細かい部分を見てみよう。
大人になると子供の時とは違った視点で作品を評価出来るはずだ。
(それが嫌な場合もあるが。)

        ・・・

アルプスの少女ハイジは大きく分けて、
        山編1
        フランクフルト編
        山編2
        クララ、アルムへ編
の4つに分かれる(各編の名前は局長)。

今見てみると、山編1は実は少々つまらない。
それというのも、ここは主に登場人物の紹介、舞台の背景説明に終始している
感があるからだ。

ハイジは最初暗かった。でも好奇心は人一倍強かった。
フランクフルトで名乗って(?)いた「アーデルハイド」は母の名前。
ハイジは5歳、ペーターは11歳から始まる。
(フランクフルトに行くときは8歳。)
等という設定説明から始まり、各登場人物がどういう性格なのか、
どういう関係にあるのか、アルムの山と町の位置づけなどを
紹介しているように思える。
特にハイジの誰にでも心やすくできる性格と、おじいさんのハイジには心許すが
他のものはハイジを通してしか一切寄せ付けない性格が
対比されているような気もする。
それと、村の人のおじいさんに対する感情についても押さえておく必要はあろう。

この中に1回特異な回がある。
おじいさんの言うことを聞かずに山へ入っていったハンターが吹雪にあって
遭難するが、おじいさんに助けられて一命を取り留めるという内容である。
おじいいさんは「ハイジが心配するから」と言って助けに行ったが、
一つ間違えれば自分も危ないところだったのだから、
実はおじいさんはただの頑固ではなく
口は悪いがいい人、と言うところを少し見せた回であった。
これが後半のおじいさんの優しさにつながる伏線だと見ている。

山編1では暗い話も多い。
本放送でも人気が出たのは中盤以降(フランクフルト編で
おばあさまが出てきた以降?)らしいが、よくわかる。

逆に言えば、こういうことは今までのアニメでは描かれなかったことであり、
ハイジが、そういう意味でも画期的であったと言える。
(最近のアニメにもこういうのはないな。)
アルプスの少女ハイジのアニメは、原作とは少し違うらしく
かなり暗い話は削除されているらしいが、かといって子供向けとして、
ただ単に明るい、おもしろい話になっているわけではない。
「アニメ」=子供向け=簡単という図式を覆した作品であると言える。
(だからこそ、ここに今の宮崎アニメ=大人向けの原点があると言える。)
大人にも子供にも、いや子供の時に見ても大人になってから見ても
(見ようと思えることがまずすごいが)
それなりの視点で見るところがあるという、希有な作品なのである。

        ・・・

フランクフルト編はクララとの出会いと、クララおよびその周辺の人間の
これまた性格描写が主題となっている。
これもある意味、背景説明の編ではある。

このときのクララは、大人の言うことには逆らえない、
それでいて結構自分の思うとおりにしたいわがままな性格として
描かれている。それが結局はハイジを夢遊病にさせてしまった。
この、子供を夢遊病にする等という設定も、普通のアニメでは
ありえんことかもしれない。

ひたすら山に帰りたいハイジであるが、ロッテンマイヤー女史の
執拗な攻撃(?)にも耐え、クララのために踏ん張ろうとしたり、
森に行ってチョウチョとお花を取ってきたり、おばあさんにお土産にする
白パンを隠していたりと、ひたすら他人のために行動する姿は
けなげである。

ただ、夢遊病になる前でも、ハイジには周りから見れば突拍子もない行動をしたりして
夢想癖があるのだが、メゾン一刻の五代君に勝るとも劣らぬぼけ(?)ぶりに、
大丈夫か?と本当に心配になってしまう。

ゼーゼマン家の人たちは、特に嫌みな金持ちという描写ではないが、
結構金に物は言わせている。
クララを連れて森に行ったときとかでも、たまたま通りかかった
船に乗り込んだり、他人の庭に入り込んで山羊の乳をもらったり。
クララがアルムの山に来たときでもそのお金の使い方は豪快だと言えよう。
しかし嫌みのない使い方である=成金根性ではない。
まあ、ハイジをすんなり山に返してくれたからよしとしよう。

この編ではセバスチャンが良い味を出していると思う。
クララ、アルムへ編でも出てくれば良かったのに。

        ・・・

山編2はハイジが帰ってきてくれたことから始まる
おじいさんの心境の変化が主題である。

山編1では絶対に学校なんぞやらんと言っていたのに
ここではあっさり学校へ行かせ、あまつさえそのために
山を下りて村の中に家も借りたのである。

この心境の変化が、実は最後のクララ、アルムへ編で重要になってくる。、
他人を受け入れることが出来るようになることである。

村の人のおじいさんやハイジに対する心境の変化も見ておくべきところである。

後は特になし(おいおい)。

        ・・・

で、ここまでの説明や伏線をすべて持って最後のクララ、アルムの山へ編が始まる。
言うまでもなく、ここがアルプスの少女ハイジの神髄である。
(原作ではこのあたりは後から追加されたところらしいが。)

ここではクララが立つという肉体的変化はもちろんであるが、
その精神的自立も見るべき点である。
また、それを日になり陰になり支えるハイジやペーター、おじいさんの姿が
あるからこそ最終回が一層感慨深いものになっている。

おじいさんはお医者様に「ありがとう」というし、
ゼーゼマン家の人と気安くしゃべる。
はじめの頃と比べれば随分と心変わりをしたものである。

クララも、最初ロッテンマイヤーさんの言いなりだったが、
やがて自分の意志を主張するようになる。
それでも甘えた部分があって、途中で立つ練習にくじけそうになるが、
おじいさんの励ましによって立ち直る。
おじいさんの変貌ぶりというか、これこそおじいさんの真の優しさというものが
見られる。

そして感動の最終回。
クララは立って、おばあさまとゼーゼマンさんの所へ歩いて行く場面は何回見ても
涙もんである。

クララは冬山を過ごすのはまだ無理なのでフランクフルトに帰るが、
フランクフルトでロッテンマイヤーさんが、階段の登り練習でへたっているクララに
「そんなことではアルムの山に行けませんよ」という下り。
ここでロッテンマイヤーさんは嫌なおばさんではなくて、
実はクララのことを心から心配していた人であったと言うことが
はっきりするのである。
(山で雨が降ったときに自分の姿を顧みずにクララを探しに行った回でも
そうではないかと思わせたが)
結局、登場人物の中で一番嫌な性格だったのはチネッテか、デーテか。

        ・・・

ほとんどの場面は覚えていたつもりであったが、やはり一部は初めて見るような
気もする。
特に前半。やはり私が見たのもフランクフルト編以降だったのかもしれない。

「アルプスの少女ハイジ」は、おそらくはこれからも自分にとってNo.1アニメで
あり続けるだろう。それをようやくと揃えられたのはうれしい。
(これに比べれば、今のアニメのいかに中身がなさ過ぎることか。
原作が現在の週刊漫画本ではたかがしれるというものだが。)

こんな物語を、しかも1年通じて作れたこの時代の日本、そしてスポンサーは
もう戻らないのであろうか。古き良き日本のアニメに万歳。

        おすすめ度      98%

−2%はやはり価格か。
ハイジは絶対に売れるから、もっと量産効果で安く、
1枚2000円くらいだと良かったのに。
最近はだいぶ割り引かれて売られていることもあるようだが、
まだ2000円にはほど遠い。

後細かい話を少々。
このDVDではチャプターの付け方が絶妙だったりする。
オープニング、本編、次回予告、エンディングに付いているので、
すぐに次回の本編までとばせる。
本編だけを続けて早く見たいときにこれは便利である。

音はモノラル。これは時代が時代だけにしょうがない。
他にも少々画面が汚いとか、揺れることがあるとか(特に第1話がひどい。
LDもそうだけど)があるが、これらも古い作品ゆえ仕方なかろう。
第2話からは比較的画像も安定し安心して見ることが出来る。

今インターネットで「ハイジ」で検索するといろいろと引っかかる。
今でもこれだけのサイトが出来るのがこの番組の良さの証でもある。
そのうちいくつかおもしろそうなサイトを紹介して終わりとしよう。

        未だこういうサイトが作られることがすごい。
        http://www.heidi.ne.jp/

        新作も作られる!?
        http://heidi-clara.com/index.html
        しかし原作(?)を超えられるか

        ここでは登場人物の紹介などもあり、知識としてはおもしろい。
        http://heidi-clara.com/index.html
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(2003/02/24号)
{DVD紹介}

        「スパイダーマン」(特別編)
        
        定価    ¥3980(税別)
        買値    ¥3380(税別)

        2枚組
        121分
        ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント

日本では東映のヒーローとして有名(?)なスパイダーマン。
テレビでも巨大ロボットも扱うヒーロー物として放映されていた。
私が高校2年生の頃ではなかったろうか。
その本家、アメリカ版の映画である。

先に東映版の話をしておくと、これはアメリカ版とは話し的には全く関係ない。
あくまで姿と特性(壁を登れるなど)をまねただけの作品である。
じゃあ、パクリかというとそうではない。
その当時、東映と原作の著作権を持つ会社の間で
何年間かだけ、そのキャラクターを借りられる契約を行い、
その結果日本のスパイダーマンが出来たのである。

私はその日本のスパイダーマンが好きだったので、
この映画も気になっていたが、劇場には行かずDVD発売まで待ったのであった。

本家のストーリーは、ごく普通どころかさえない高校生が
遺伝子操作を受けた雲に噛まれて超人になり、
最初はそれを楽しんでいたが、ある事件から正義のために行動することを
決意した、という話で始まる。

いわゆるアメリカンコミック物なので、スーパーマンに似ている部分が
多々ある(本当は逆)。

ヒーローだから超人的というのは当然似ているとして、新聞社と関わるとか、
おじいさんとおばあさんに育てられるとか、変身シーンなどにはかなり意識したと
思える部分もある。

でも大きく違うのは、いくら正義を行っても誰かが傷つくことがある、
と言うことを全面に出していることであろうか。
または、自分が正しいと思って行動していてもそれを「正義」と理解しない人がいる
ということか。映画の中では特に新聞社が煽り立てていたが。

別の言い方をすると、スパイダーマンではヒーローの苦悩を前面に押し出している
のがスーパーマンとの一番の違いである。
たとえば、同じ新聞社に勤めていても片や優秀社員片や契約社員、
新聞での扱いも片やヒーロー片やヒーロー?悪人!であったり。

「大いなる力には大いなる責任が伴う」とも言っているが、
簡単に言えば、「ウルトラマンは怪獣を倒す過程でビルを壊すが、
そのビルに住んでいる人は大丈夫なのか」と言う命題である。
まあ、この映画の場合はちょっと違うかもしれないが、
そんな感じ。

その心の葛藤というか、ある種の正義の矛盾が描かれていて、
それが次の作品への伏線にもなっている。
(もうすでに第2作の作成が決まっている。)
かといって、それはあんまりどろどろしたものではないのですんなり理解出来るし
拒否感が出ない。それが、この映画を単なるアクション物にとどめず、
広く人気を得ている元だと思う。

アクションはスタントというよりほとんどCGの世界。
今まで映画化出来なかったのは、その派手なアクションのためだとか聞いたが、
CGがここまで使えるようになったおかげで、この作品も映像化が可能になった
と言うことである。最近こういう話を良く聞く。
STARWARS新3部作もそうだし、ロード・オブ・ザ・リングもそうだった。
CGが映画の表現力を飛躍的に高めた証拠でもあるのだろう。

        お勧め度        88%

久々に見ていておもしろい作品であった。これなら劇場に行っても損はない。

そうそう、1つ欠点。
字幕や音声の選択のメニューがあるが、これが非常にわかりにくい。
そもそもメニューに入るまでに時間がかかりすぎるのも欠点だが、
どれを選択しているかを示すカーソルがあまりに小さすぎて見えないのだ。
最初バグかと思ってしまった。
絶対に問い合わせが多数来ていると思うな。
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(本誌未公開新ネタ)
{DVD紹介}

        「それいけ!アンパンマン 空とぶ絵本とガラスの靴」
        
        定価    ¥2800(税別)
        買値    ¥2520(税別)
        
        1枚
        60分
        (株)バップ

1996年公開の作品。先の紹介の「ゆうれい船」と「ピラミッド」の
間の作品。

この作品では、高知県にアンパンマン・ミュージアムなるものが出来た記念で、
初めてやなせたかしさんが総指揮・総監督をしたということである。

この話では、西洋おとぎ話では一番有名であろう「シンデレラ」と
アンパンマンを融合?した話になっている。
シンデレラの世界でガラスの靴がなくなって・・・という話である。

バイキンマンは今回も悪役ではあるが、悪側の主体ではない。
このあたり、今までとは少々見せ方が異なる気はする。
(オープニングも少々違う気がしたが。)

ただ、今回の映画には2点ほど気になることがあった。
1つはヒロイン役のはずの女の子の声を当てている人があまりに下手なこと。
もう1つは、なぜシンデレラの世界が変になったのかの
説明が最後までないことである(今回のおかしさの原因は
バイキンマンではないのだ)。

アンパンマンでは、定常キャラクターはすべてベテランさんがやっていて
安心して聞いていられるのだが、今回だけのキャラクターというのは
ゲスト=声優素人があてていることがある。「ゆうれい船」では
定常キャラしかいなくて、後日紹介の「つみき城」は皆口裕子さん=
柔の声の人だったが、「ピラミッド」ではアナウンサー2人が当てていた。
でも、アナウンサーならしゃべることは本業なのであまり違和感はなかったが
(それでも1人はちょっと・・・であった)、今回だけはだめ。
どういう人かはわからないけど、ちょっと浮きすぎ。
もっと他の人いなかったのだろうか。

物語の原因がわからないというのも、やなせたかしさんにしては
強引すぎる設定に思えた。
本当はもっと設定があったのに、60分という制約の中では
無理だったのだろうか。少々残念である。

        お勧め度        75%
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(本誌未公開新ネタ)
{DVD紹介}

        「バットマン&ロビン」
        
        定価    ¥1500(税別)
        買値    ¥1500(税別)

        1枚
        125分
        ワーナー・ホーム・ビデオ

映画バットマンシリーズの第4作。
作品としての評価は以前1998年にLDで行っているので詳細は省略。
LD持っているのにまた買った理由は、本当はDVDレコーダーを買ったら
LDからDVDへ落とそうと思ったんだけど、その手間とメディア代を考えたら
買った方が安いと思ったから、ここ価格なら。

バットマンは結局映画ではここまで4作が作られたが、
この作品が一番アクション性が高い。
そのため、これまでの作品とはかなり感じが異なる。
敵役にシュワちゃんを持ってきているから、そういう風にしたのかもしれない。
バットマンの世界=暗いイメージが嫌いな人でもこれだけは
いけるかもしれない。

シュワちゃんの演じている敵は、他のバットマンの悪人と違って
ある目的のために悪事をはたらくと言うところが違う。
それは病気の妻を直すための研究資金を得るため。
妻への一途な愛などが描かれているが、もはやシュワちゃんは有名スターなので、
完全な悪役はさせられないと言うことか。
ターミネーター2でもたしかそうだったか。

        お勧め度        70%

内容はおもしろいんだけど、問題は吹き替え。
声が合ってない。バットマンが竹中直人って、どういうこと?
シュワちゃんもあってないし、いくら1500円とは、もう少しちゃんとして
欲しい。

それと、この作品は片面1層で記録されている。
この長さで片面1層なんて初めてだ。
ひょっとしてこれも価格を下げるため?

と言うことは、映像および音声の圧縮率が上げられていると言うことであろう。
バットマンは暗い画面が多いので彩りは少ないので圧縮率が高くできるの
かもしれないし、ぱっと見にあらは見えなかったが、大丈夫だろうか。
ちょっとノイズは多いような気がしたが。

あと気になったのは、音声がとぎれることが何度かあったこと。
エラーなのかオーサリングミスなのかはわからないが、
少し気を付けていればわかる。
安かろう悪かろうでは困るのだが。
<戻る>
(2003/03/10号)
{DVD紹介}

        「アリーテ姫」

        1枚
        98分
        定価    ¥6000(税別)
        買値    ¥わすれた(一割引くらいだったかな)

何か一部で評判がよかったので買ってみたDVD。

あらすじを言えば、元々は自分の人生に疑問を持ち始めていたお姫様が
魔法使いによって「従順」な性格に変えられたが、ある出来事が元で元に戻り
魔法使いに復讐する話
・・・じゃなくて、その魔法使いに使われていた村人を救おうとしたら
魔法使いにも天罰が下った
・・・というのもちょっと違うけど、だいたいそんな話かな?

魔法使いが(ほとんど)滅びた世界が舞台で、
いわゆる「魔法」はないけど、生きている人には何かが出来るのだから、
それを魔法と思って良いのではないか、
市中の人にはみんな何かを作る力がある(用に見える)のだから、
私(お姫様)にもきっと何かが出来る、と思ってやってみるという話。

それはいいとして、お姫様の前向きな性格は良いんだけど、
映画としてはかなり「たるい」。見ていて途中で眠くなること必至。
音楽もあって無きに等しく全体的に静かで、話的にも盛り上がらないので。
(ついでに書けば、キャラクターの絵的にも萌え上がれない。)

大元は「Princess Arete」という外国のお話だそうである。
お姫様という、ある意味何の苦労もない生活をしている(出来る)人が、
世の中の人を見て、自分が実は何も出来ないことに気づき、
でも何かやりたい、やれることがあるはずだと思い行動していこうとする
のがこの映画の始まりである。

起承転結で言うなら、この「起」は割合良く、「転」もそこそこいいんだけど、
「承」がやたらと長くてかったるいのがこの映画の最大の欠点。
「結」もいまいち。
(「転」は、魔法使いにかけられた魔法が解けたお姫様が、
今自分に出来ることをしようとする所。)

基本的なコンセプトはよいが、でも映画としてはだめ。
東京中心だが、全国の小規模映画館で上映していてそこそこの集客があるようだが、
商業的には成功しないだろう。

精神学的に考えても、この映画だけから何かのメッセージを
受けるのは難しい。よく考える必要があるからだ。
ゆえに、あえて小さな子供に見せるべき映画でもない(たぶん理解できない)。

映画が原作に対してどれだけ忠実かはわからないけど、
忠実に作ることが全てではないことはジブリの映画を見ていればよくわかる。
(他人の作品でも、その基本コンセプトは受け継ぎながら大きく変化させ、
うまく料理しているのがジブリのうまさである。)
同じコンセプトでももっとおもしろくすることは可能なはずだ。

この作品の監督:片渕須直さんは宮崎駿の愛弟子とか書いてあったけど、
一体何を学んできたんだか。

        おすすめ度      50%

もっと低くても良いが、「悪い」と言うことでもないので。
眠るのには良いかな。
買ったのは失敗。レンタル向け。
<戻る>
(本誌未公開新ネタ)
{DVD紹介}

        「バットマンフォーエバー」
        
        1枚
        122分
        ワーナー・ホーム・ビデオ

映画バットマンシリーズの第3作。
これも1996年にLDで紹介している。
買った理由も「&ロビン」と同じ。

前にも書いたけど、私はアメリカンヒーローものの中ではバットマンが一番好き。
心の闇を抱えながら、悪と戦う姿がいい。
敵役も、それぞれに個性と闇というかそうなったいきさつがある。
背景もほとんどが夜の町で黒、暗いイメージで統一されている。
これらがバットマンの設定の妙だと思う。
ヒーローでありながら暗いというのが、暗い私に合っているのかもしれない。

そういえば、バットマンの相棒ロビンが出てくるのは実はこの作品なので、
この作品こそ「バットマン&ロビン」だと思うんだけど、なぜ違うのだろうか?
(で、第4作が「バットマン&ロビン&バットガール」だと。)
ひょっとして、この作品で終わるつもりだったのでフォーエバーにしたのかな?
自分の正体をばらしたりで、何となくそういう風な作りにはなっている。
第4作は監督も違うからなぁ。

第5作目も作って欲しいけど無理かな。
どうもアメリカンヒーロー物は複数一緒に作られることはないようだから。
(スーパーマン、バットマンときて、今はスパイダーマンが映画化されたから。)

        お勧め度        79%

吹き替えは、バットマンが竹中直人なのがちょいと違和感がある他は大丈夫。

これも先に紹介の「&ロビン」と同じく片面1層。
この作品内では音声のとぎれはなかった。
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(2003/03/17号)
{DVD紹介}

        「ロード・オブ・ザ・リング」(コレクターズ エディション)
        
        定価    ¥4700(税別)
        買値    ¥3980(税別)
        
        2枚組(本編は1枚)
        178分
        日本ヘラルド

すべてのロールプレイングゲーム(RPG)の原点とも言われる
J・R・R・トールキン原作の指輪物語を映画化したものである。
その名前を知らなくても、RPGでおなじみの魔法使い、エルフやドワーフなどの
名前は知っているだろう。それらを創ったがこの作品である。

その映画化は無理だといわれていたらしいが、21世紀の技術が
それを可能にした。
それはSTARWARSの新3部作とある意味同じであり、
コンピューターグラフィックス(CG)が、発展したおかげであるといえよう。
たしかに映像的にSTARWARSに似ている場面がいくつか(たくさん)ある。
(視点を大きく変えたり、非常にたくさんの動作物が出てきたり。)

そして、この作品は全3本の映画として作成されることがすでに決まっている。
というより、一気に3本分撮影して、こまめに公開する、とも聞いた気がする。
この作品名「ロード・オブ・ザ・リング」は「指輪物語」のことで
(単語の語彙で言えば「指輪の主人」というべきか)、
実際にはこの1作目の題は「THE FELLOWSHIP OF THR RING」である
(2作目が「THE TWO TOWERS」3作目が「THE RETURN OF THE KING」と決まっている。
これは原作どおり)。単語的にいえば「指輪の友情」とでもなるか。
その名のとおり、とある指輪のために起こった旅の中で芽生える
友情を描いた物語であるといえよう。

この手の原作がある作品では、往々にして原作至上主義者からの
非難の声が上がるらしいが、私は原作は知らないので、
映画としてのこの作品を評価する。

何せ原作がRPGの原点だけに、内容的にもそのままだと言っても良い。
「魔王が作った指輪が残っていて、それが復活しつつあって指輪も活性化しつつあるので、
これを葬ろうとする一行の冒険物語。
そこにいくつかの種族が集まり、途中で出会いと別れがあり、
アイテムを手に入れていき、戦いも何度かあって強くなる。
途中迷宮もあるし、ボスキャラも出てくる。」
とまあ、どこぞで聞いたような話である。

何度も言うようだが本当は逆で、この本が原点だから他の話やゲームが
これのまねとなる。ただし、現実に映像もしくは動くものとして目の前に現れたのは
「まね」の方だから、今この作品を見ても目新しさが感じられないのが
正直なところである。原作の世界を余すところ無く映像化するには
今まで待たなくてはならなかったとは言うが、おしいことである。
加えて言うならば、最近のゲームの方が戦闘時の演出は派手だから、
そういう意味でも見劣りするかも。

この作品の評価を下げるもう1つの要因はひたすら長いことにある。
おおよそ3時間もある。
ハリーポッターでもそうだったが、最初の1作目はどうしても舞台の説明が
入るため長くなるのは仕方ないのかもしれない。
(かといって、舞台説明だけで1本作るのも無駄だからねぇ。)
ハリーポッターではそれが冗長というか無駄に思えたが、
こちらでは必要なんだろうけど、やっぱり疲れる。
途中で飽きるほど冗長な部分はないけど、やはり2時間を超えるとつらくなってくる。

1作目は、ちょっと中途半端な終わり方のような気はする。
中途半端というか、ちょっとネタばれで言うとパーティー(旅の仲間)が
分かれるのだけど、その必然性が感じられない。
原作通りらしいので、これは原作にけちを付けていることになるかも知れないが、
そう思うのは仕方ない。

        お勧め度        73%

RPGを正しく映像化すればこのようになるという標本的映画となるか。
最終評価は2/3作目を見てからとした方が良いかも知れない。

それにしても、悪役で出てくる「クリストファー・リー」という人。
STARWARS EPISODE2でも悪役で出てくるけど、
はまってまんなぁ、知的な悪役が。
敵味方それぞれに魅力がないと、映画に緊張感が出ないのだけど、
そいういう意味では良いと思いまっせ(この点でもSTARWARSに似てる)。
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(2003/03/24号)
{DVD紹介}

        「サクラ大戦 活動写真 初回限定版」
        
        2枚(でも1枚はCD−ROM)
        85分
        キングレコード
        定価 9800円(税別)
        買値 8820円(税別)

「本当は通常版を買うつもりであったが、予約を間違って初回限定になっていた。
キャンセルしようかと思ったが、通常版も7800円もするので
そのままにしておいた」という曰く付きで買った作品である。

作品の舞台は、何度か紹介しているゲーム「サクラ大戦」である。
時期的には、サクラ大戦3で大神隊長が巴里に行っている間
(ただし、巴里での事件は終わった後)の帝都、と言うことになっている。

ゲームを知っている私にとっては、どのような映画になったかが楽しみで
あったが、果たしてどうか。

結論をはっきり言ってしまえば「だめ」というか「なんじゃこりゃ!?」。

登場人物の絵柄が、ゲームでの人と異なるのか少々(というかだいぶ)異なる
というのは些細なこと。最大の問題は、話の進み方が早すぎることか。
何か急に状態が変化する割にそのつなぎがわかりにくい。
その割に無用(と思われる)話があったり、終わり方が「何」であったりする。

特に終わり方のいきなりさはあまりと言えばあまりな感じ。
劇中劇の幕で映画も終わってしまうのだが、
その後に語るべき事がもっとあるだろう!と言うところで切られてしまう。

この作品では新しい(臨時)隊員が来るのであるが、
その彼女が花組の戦いを見てどういう思いを持って帰っていくのか、
そのあたりのところが全く描写されていない。
映画製作者側としてはそれを劇中劇で語らせたつもりなんだろうけど、
ちょっと無理がある。

結局敵が何であったかもわからない。
サクラ大戦シリーズでは敵の設定も細かいことが特徴であり良さなのだが、
この映画に関してはそれがはっきりしない。
これでは下手な怪獣映画と同じ。

そう、全体的にみんな時間不足な感じ。
85分という時間に無理に納めるために切りまくったのではないだろうか。
せめてあと20分あればもう少しましになったのではないか?

これでこの価格はあまりに高すぎる。
そもそもこの映画、公開時は冬の映画4本立ての1本だったらしい。
さもあらん。
そういう出来だな。

        お勧め度        60%

一方で、映像と音声的にはかなり凝ってはいる。
映像の動きも悪くはない。
3Dの映像も良い(3Dモデリングされた映像が2D画像を合わさって動く)。
5.1CHで音は非常に良く動く。
また、背景や時間設定などの設定はゲームときっちり合っている。
ゲームでは省略されたと思われる背景的設定も見られるのは良い。
ゲームの映像をもっときれいにしたと思えば、その面ではうまくいっている。
非常に長くて高価なゲームのムービーと思えばできは悪いとは言えない。
でも、単独で見せる映画としては合格点はあげられない。

通常版と初回限定版の違いは、ジャケットが豪華なのと、タイピングソフト等が入った
CD−ROMが付いていること。
このタイピングソフトについてもちょっとだけ書いておけば「所詮おまけ」。
出来悪すぎ、昔よくあったランダムキータイプ物。
ランダムな文字を打つのとちゃんとした言葉を打つのとではキータイプの速度は
全然違うから、ランダムは全く無意味。そのほか画面的にもちゃちでだめ。
「評価するに能わず」というところ。

ジャケットはきれいだけど、絵的にはあまり好きではない。
(先にも書いたとおり、ゲームの絵を描いている人と違うと思われるから。
OVAシリーズの絵の人だな。)

それにしても、アニメのDVDってなんでこんなに高いんじゃろう。
マニアを食い物にするのもいい加減にせい!
(こんな価格でも買うマニアも悪いが。)
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(2003/04/21号)
{DVD紹介}

        「それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ」
        
        定価    ¥2800(税別)
        買値    ¥2520(税別)
        
        1枚
        60分
        (株)バップ

1992年公開作品。

今まで紹介した4作の中では一番古いけど(まだメロンパンナちゃんも出ていない)、
話的には一番おもしろいと思う。

いつものごとくアンパンマンとバイキンマンの戦いだけど、
その中にしきたりに縛られた2つの民族(?)の融和があったり
(当然のごとく、それぞれに王子とお姫様がいる)、、
ルパン3世のような侵入場面があったり、巨大ロボが出てきたり、
ギャグもあったり、ミュージカル風の所もあったりで、
他の子ども・大人向け向け作品(おとぎ話を含む)の良いところを取って
作られている。

そういうことで、全編非常におもしろく見てられる。
もちろん大人が見ても十分である。

音的にも、今回もいつもと同じくモノラルではあるが、
曲が多く、またその音質が良くのでモノラルであることを感じさせない。
声優さんも、ゲストも含めてベテランさんなので安心して聞いていられる。

        お勧め度        90%

アンパンマンの映画は確かこの他にもあるはずだから、
是非それらもDVD化して欲しいところ。
(全部DVD化されるらしい。)

http://www.vap.co.jp/anpan/dvd.html#tsumiki

実はアンパンマンDVDシリーズを3本買うとアンパンマンの秘密DVDが
もれなくもらえることが判明。締め切り日消印でぎりぎり間に合ったので、
もらえた。

内容は、アンパンマンの各種設定を紹介した12分ほどの内容。
(パン工場、バイキン城、町の設定がわかる。)
でも、これを見たらかえって他のなぞが知りたくなってしまう気もする。
アンパンマンの住んでいる場所(ジャムおじさんと一緒)はわかったけど、
他の連中はどこに住んでるんだ〜!とか。

まあ、それほど期待しちゃだめ、と言うこと。
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(2003/04/28号)
{DVD紹介}

        「E.T. THE 20THANNIVERSARY」
        
        2枚
        120分
        ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン(株)

かつて大ヒットしたスティーブン・スピルバーグ監督の作品。
早い物で、公開から20年経っていたらしい。
このほど特別編集版が公開され、さらにDVDも発売された。

と言うことで、20年ぶりに見たわけだが、やはり泣けてしまった。
良い作品は時を経ても良い。そういえば、映画館で見た時には
ETのポスターを買ったはずだが、どこに行ったろうか。

特別編集版と言うことであるが、オリジナルとどこが違うのかは
ほとんどわからなかった。1つだけ気が付いたのは最初の方で
ETがお風呂で遊ぶ場面である。これがおそらく最後の方の
川で倒れているETの場面とつながるので追加されたのであろう。

音声的には最初の公開当時は単なる2CHステレオだけだったはずが、
5.1CH(以上)になっている。
全編に置いてそれほど効果的とは言えないが、一部では良い感じである。

        おすすめ度      85%

スピルバーグはこの後凡人になった気がする。
インディージョーンズシリーズは良かったけど、あれはジョージルーカスの力だと思っている。
今でも「スピルバーグ監督・監修」という言葉を出して良い映画だという
イメージで売り込もうとしているけど、もはや私にとっては逆イメージ。
AIなんてその最たるもの。残念。

DVDは初回限定生産らしいので、欲しい人は早めに購入した方が良かろう。
・・・等と書いてたら、初回劇場公開版も含めた3枚組なんてものも
発売されてしまった。結局ずっと売るわけね。別に良いんだけど。
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(2003/05/12号)
{DVD紹介}

        「少林サッカー デラックス版」
        
        2枚
        109分
        クロックワークス
        定価 3800円
        買値 3420円

最初は買うつもりはなかったのだが、インターネットで評判を調べてみると
やたらと「おもしろい」という評価だったので買ってみた。

で、見た感想は正直「言うほどか?」と言う感じ。
おもしろくないことはない。
おもしろくしようと言う心意気は感じる。
でも、腹を抱えて笑うことはなかった。

その理由を考えてみるに、ちょっと乗り切れない場面(乗っている気分をそぐというか)が
多かったり、説明不足のように思えるところがあるからだと思う。

最初の導入部でみんながサッカーするようになるまでの経緯があまりに貧弱。
喫煙シーンが多すぎ。女性が化粧で(一応?)きれいになったシーンでの各種発言。
さらに、肝心のサッカーの試合の場面も妙に簡単すぎるのもいけない。
演出というか効果は派手なんだけど、それだけのような感じ。
必殺技も良いけど、もっと肉弾戦をしないとおもしろくない。

まあ、お笑い系の映画にそこまで求めたらいけないのかも知れないけど、
全体的には良い線行っていると思うのでもったいない。

これはサッカー映画かと聞かれれば、「それは違う」と答えておこう。
もはやサッカーではない。
なんかジャンプなんかが好きそうな必殺技オンパレードの漫画みたい。
少林寺という名前はあるが、まじめな少林寺とも思ってはいけない。
昔あった「少林寺」の映画のような本当の少林寺の技の美しさもない。
組み合わせはおもしろいんだけど、もう少しまじめにして欲しかった。

ああそうか、「ばかばかしい」という言葉が一番合ってるのかな。
ほんとうにばかばかしい。
でもそれで首尾一貫しているのだから、これはこれで良いのかも。
はまれれば最高、はまれなければだめというところで、
好き嫌いがはっきりするかも。

        お勧め度        72%

もう1つの難点は、ケースがだめだめなこと。
紙表示+プラスチック(DVD保持部)のケースで、困ったことに閉じきらない。
だから開いてしまうのだ。説明書は入って無いけどはがきと補足説明の紙があって、
これが入れられない。経費削減かもしれないけど、これはないんじゃない?
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(2003/05/12号)
{DVD紹介}

        「クレヨンしんちゃん
          嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」

        1枚
        90分
        定価    ¥3800(税別)
        バンダイビジュアル

以前にもTV番組として紹介したが、そのDVDが発売された。
実はVTRに撮っていたものがあまりに状態が悪かったので
DVDで発売されると聞いて買ったのである。

内容の説明はその時にもしたが、はっきり言って泣ける。
いや、本当に懐かしいから。
万博会場なんてうちの実家から自転車でも行ける場所だもんなぁ。
(小さかったので、はっきりとは覚えてないけど、全パビリオンの
スタンプを集めたノートはあったはず。)

クレヨンしんちゃんって、TVも元々子供向けではなくて大人向けだと思うけど、
映画シリーズも、一部を除きそうだと思う。
特に家族の絆を描いているという点では、すべての映画で一貫している。
中でもこの作品は設定が絶妙なだけに泣けるのである。

いやはっきり言って、私ならそのまま敵の中にいると思うよ、全く。
子供もちゃんと同化させてね。

今の世の中、無味乾燥に思えるもの。表面上はきれいだけど裏はぼろぼろ。
見た目きれいだけど、その実ダイエットしすぎで体はぼろぼろ、
性格最悪の女みたいな時代(差別発言かなぁ)。
いろいろな問題もあったけど、事人間の情に関して言えば
昭和の時代、それも50年代までは良かった。
アメリカだけに都合が良い国際化というお題目にだまされて、
身近な人の生活を見失った国民の悲しい末路。

だから、こういう過去に戻す計画があるなら、私は積極的に参加してしまうであろう。
ただ単なる回顧主義ではなく、発展的取り戻しとして。

DVDは音声も5.1CHで綺麗である。
(実はまだ5.1CHでは聞いてないんだけど、音の綺麗さは
TVのスピーカーでもわかった。)

        おすすめ度      100%

内容的にも価格的も文句の付け所無し。
日本のアニメは軒並みDVDが高いが、この価格で発売したことは
称賛に値する(これに比べれば、先に紹介のサクラ大戦なんて劣悪)。

テレビCMの受け売りじゃないけど、すべこべ言わず買って泣け。
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(2003/05/12号)
{DVD紹介}

        「ターミネーター2」
        
        1枚
        137分
        定価 2980円(税別;期間限定発売版)
        ワーナーパイオニア

数少ない私が好きな映画の1つがこれ。
今までLDでも何度か買おうかと思いながら、ビデオ=テレビ放映があったので
買っていなかった。

それがホームページの雑記にも書いたとおり、
HDD&DVDビデオレコーダーを買って、VHSテープからDVDへの
吸い上げの時にターミネーター2をどうするか迷って、結局買ってしまった。
2980円なので、まあぎりぎり買った方が安いと思う線か。

実は、ターミネーター2のDVDは2種類出ている。
1つは日本語吹き替えがあり公開当時のオリジナル版で、
もう1つは日本語がなく(英語のみ)、後に作られた特別編集版。

また、2つは音声の記録方式も違う。
前者が英語はドルビーデジタル5.1CH+日本語は2CHで、
後者はドルビーサラウンドEXとDTS−ES+解説音声である。
要するに、音だけで言えば後者の方がよいわけだ。
でも、やはり吹き替え版が欲しいので前者を買った。

先に音の話。音はドルビーデジタル5.1CHでも十分きれい。
ただしちょっと低音が弱いので、爆発シーンが多い割にそれらが軽くなっているのは
残念。
この映画では結構音が左右に動き、音による移動感が大きい。
このあたりは2カ国語放送=モノラルのTVでは絶対にわからない。
また、TV放送時には聞こえなかった細かい音もあることに気が付く。
こうなると買ったかいがあると言うもの。
ちゃんとしたセットで聞くべし。

1994年作品なのね。もうそんな経っていたとは。
ちなみにターミネーター(1)が1984年のようだから10年後の作品。
最初にこれが出た時にはそのCGが結構話題になった。
CG試験というがあったりするのだが、その問題にも出てたくらい。
(私が受けた時に出てた。)
今となっては当たり前程度なんだけど。

たいてい2ものは駄作が多いけど(最初から連作が想定されているSTARWARS
等は除く)、これはまれに見る良作。
内容については今更紹介するまでもないほど有名だが、やはり良い。
ラストシーンは泣かせてくれる。

        おすすめ度      85%

なんかこれの続編(T3)が作られているそうだけど、果たしてこれを超えることが
できるか。見目の派手さだけじゃだめだぞ。
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(本誌未公開新ネタ)
{DVD紹介}

        「それいけ!アンパンマン キラキラ星の涙」
        
        1枚
        75分
        (株)バップ

恒例?のアンパンマン映画シリーズ。
ひょっとすると、アンパンマン映画の最初ではないかと思わせる作品(1989年作品)。
なぜかというと、登場人物紹介にかなりの時間が割かれているから。

これを見れば、誰が誰(というかどういう性格)で、
そのテーマ曲がどうであるかがよくわかる。
今までいくつかアンパンマンシリーズを紹介したが、
本来はこれを最初に見るべきであろう。

内容的には、宝物を追っての冒険談+悪者退治。
見つけては違う、見つけては違うと言うことが繰り返される。
でもちょっとくどい気もする。
それもそのはず、今まで紹介の映画がおよそ60分なのに対し、
これは75分もあるから15分分長いことになる。
もう少しエピソードを削っても良かったのではと思う。

        おすすめ度      79%

アンパンマンは一応子供向け漫画だけど、大人が見てもそこそこ見られるのが
良いところ。
(これはドラえもんにも共通する。クレヨンしんちゃんは元々大人向けだけど。)
根っからのお子様向けの東映漫画祭りとは一線を隔しているのがすばらしい。

これを買って全部で5本。
実は5本買うとアンパンマントートバックがもれなくもらえる。
ということで早速応募した。
こっちの方がメイン・・・ってなことはないです。

http://www.vap.co.jp/anpan/dvd.html#kirakira
<戻る>
(本誌未公開新ネタ)
{DVD紹介}

        「クレヨンしんちゃん
          アクション仮面VSハイグレ魔王」

        1枚
        93分
        定価    ¥3800(税別)
        買値    ¥3??0(税別)
        バンダイビジュアル

クレヨンしんちゃんの劇場版第1作目。

やはり第1作目という事で、まだ慣れていない感じ。
先に紹介の「オトナ帝国の逆襲」が完全に大人向けであったのに対し、
子供向け。
また、家族愛もそれほど描かれていない。
この後のクレヨンしんちゃんで何度か描かれるオカマが敵という構図は
この作品から始まっている。

問題になるのは、アクション仮面の設定。
この作品ではパラレルワールドから来た改造人間(?)という設定だが、
映画第8作目の「嵐を呼ぶジャングル」では普通の、ちょっと格闘技が出来る
人間という設定になってしまっている。
設定的にはこの作品の方が良いのだが、何とかならんかったんかと思う。

        おすすめ度      60%

やはりオトナ帝国の後に見てしまうと落差が激しい。
おもしろいのはおもしろいんだけど、それだけ。
<戻る>
(2003/06/16号)
{DVD紹介}

        「SUPERMAN」(ディレクターズカット)
        
        1枚
        151分
        定価 1500円(税別)

今となっては古典に入るかも知れないヒーロー物。
と、今更書くまでもないであろうが、その映画の
公開時の映像に未公開シーンを入れた特別版。

実はTVで放送された日本語吹き替えが好きなんだけど、このDVDは英語のみ。
(名前はわからないんだけど、ナイトライダーでもマイケルの声の吹き替えを
している人の声が渋くて良い。)
映画館で見た時以来に英語で聞いたが、何か違和感がある。
いかに日本語版があっているかであろう。

本当に久しぶりに見たけど、やっぱりおもしろい。
というよりなつかしい。
アメリカンヒーローものの原点という感じ。
お間抜けな敵と完璧なようでそうでない、人間味を持ったヒーローの組み合わせが
よろしい。
スパイダーマンよりこっちの方が好き。

ディレクターズカットでは、いくつかの画面が追加されている。
合計8分分あるが、かなり短い部分もあるのでよく見ないとわからない
場面もあるだろう。

それぞれの画面がカットされた理由は、おそらく全体の時間を縮める
ためであろう。確かに、あってもなくても良いような画面ではある。
ただ、付け加えられた場面によって、スーパーマンの人間としての苦悩が
より鮮明になった。そう言う意味では今回のDVD化に併せて復活させた
監督の意図はわかる。

151分と長いが、実は始まりと終わりのスタッフロールが凝っていてかなり長いので
本編としては140分程度ではないだろうか。
それでもほとんど飽きることなく見ていられる。

英語だけではあるが、難しい単語は少ないので私程度でも半分くらいは
聞いててわかる。大統領専用機のことを「Air Force One」と言っていたり、
その他、なるほどそういう言い回しをするのかと勉強にもなる。

ところで、ここで1つ気になったのが「正義」という字幕が出たところ。
英語ではこれを「American Justice」と言っていた。
おいおい、なんでそれが「正義」なんだよ、とツッコミを入れそうになった。
所詮スーパーマンもアメリカのヒーローだと幻滅してしまった瞬間であった。
まあ、国ごとに正義の概念は違うだろうから、スーパーマンが
(一応)育った国のアメリカの正義で行動するのはやむを得ないかも知れないけど、
それじゃあ相手が悪いと思ったら戦争しても良いと言うことだから、
危ない正義である。

音声的にはDVD化に会わせて5.1CH化されている。
かなり効果的である。
特に一番最初のスタッフロールが音の動きがよくわかる
(これは見ないとわかりにくいんだけど)。
映像的にはきれいにされているようではあるが、やはり古くさい部分はある。
飛行部分なんていかにも合成という感じがある。
まあ、それはそれで良し。

        おすすめ度      86%

なんと言っても安いからね。
<戻る>
(2003/06/16号)
{DVD紹介}

        「SUPERMAN2冒険編」
        
        1枚
        127分
        定価 1500円(税別)

スーパーマンの2作目。
スーパーマンの恋愛が主題である。

愛するがゆえに人間として生きることを決めたスーパーマンと、
ちょうどそのとき飛来する強敵。
さあ、どうするクラーク・ケント!ってな話である。

1作目がスーパーマンの生い立ちなどの説明があるために
少々長めであったが、2作目は普通の長さである。
にもかかわらずこっとの方が長く感じるのはスーパーマンのヒーロー的
活躍より人間面の描写が長いためか。

特撮は、今見るとちゃちな部分(いかにも絵を合成しましたという部分)も
見られるけど、そこはご愛敬と言うところか。
古き良き特撮を見る感じ。

また、敵との戦いがあるにもかかわらずおどろおどろしくないことや
殺伐としていなくて、良い意味でどこか抜けたような感じがあるのが
Iの時もそうだったが、スーパーマンシリーズの良いところか。
だから子供にも見せられる。
他のアメリカンヒーローものと違って、敵の個性が弱いところが
欠点とも言えるけど。

Iは音声面で5.1CH化、カットされた場面の復活などなされていたが、
こちらはそういうサービスは一切無し。
音声も2CHのみで、Iに比べかなり悪く感じる。
そうそう、これも英語のみ。

        おすすめ度      79%

シリーズもんだから、やはり両方続けてみたいところ。
買うべきかと言われると?だけど。
でもIIIは出るかな。
これはシリーズの中では駄作と言われてしまっているからなぁ。
<戻る>
(2003/06/16号)
{DVD紹介}

        「SUPERMAN3 電子の要塞」

        1枚
        125分
        定価    ¥2500(税別)
        買値    1割引

スーパーマン映画3部作の最後。
過去2作とは全くと言っていいほど作りが違う。
かっこ2作では強大な悪/敵との戦いという話であったが、
この作品ではこざかしい悪人との戦いと言う感じである。
小ネタの集まり+最後にちょっとした敵、と言ったところか。
その小ネタの切れも悪いので、何となくギャグ映画みたい。
ちょっと恋愛的なところもあるけどそれも中途半端。

善悪のスーパーマンという下りはこの映画の1つのポイントなのかもしれないが、
それにしても、だから結局何?と言う感じである。
全体的にこの映画の中でのスーパーマンは弱い。
最後の敵もコンピューターなのだが、殻相手にスーパーマンが一人で
遊んでいるようで迫力がない。

作りを見ても過去2作に比べるとどうにもお粗末である。
特撮がちゃち(スーパーマンのワイヤーが見えてしまった)だし、
何となく特撮も汚いし、いかにも予算が少ないのが見え見え。
(古い映画の特撮だからということではなく、時代を考えてもちょっと汚すぎる。)
予算が少なくても良い映画は出来ると思うけど、これはもうだめ。

小ネタの連続で盛り上がりに欠け、特撮が汚くて見目にも疲れてしまう。
これで2時間あるのだから、途中から飽きてくる。
もっと時間を短くし、話を1つに絞った方が良かったのに。

        お勧め度        50%

まあ3部作だから、一応見ておかなければ、と言う感じか。
3作目は駄作と言われたが、そのとおりか。

2chではあるが、意外にも音は良い。

英語+日本語字幕のみであるが、この字幕も細かいせりふには入ってないので
ある程度は英語で聞けた方がよい。入っている字幕も結構意訳が多いし。
簡単なせりふが多いので、中学英語くらいわかれば大丈夫だと思う。
(私もその程度だけど何とかわかったから。)

そういえば、今NHK総合、毎週木曜日の19:25から
ヤングスーパーマンというのをやってる。スーパーマンの若かりし頃
(メトロポリスに出るまで)の話、という設定である。
まだスーパーマンとして覚醒する前だから、映画のような活躍はないけど、
若いクラークケントの思い悩む姿の描写という意味ではそこそこかも。
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(2003/07/13号)
{DVD紹介}

        「X−MEN」

        105分

ミュータント(超能力者?)の主人公が、それとして人間と共存する側
にて、人間と戦う組織と戦う話。
ちょっとわかりにくいかな?

ミュータントがそれなりの数生まれるようになった世界において(近未来)、
ミュータントを迫害というか差別しようとする法律の制定が叫ばれる中、
そうであっても人間との共存は可能と考えるグループと、
ミュータントが人間を支配する、もしくはその存在を知らしめるために
人間をミュータントに変えて理解させようとする組織との戦いである。

一応アクション物だが、それほどアクションバリバリでもないし、
最初は、超能力を使った戦いの話かと思ったがそうではなく、
もっと人間的な話である。
主人公側の行き方、敵の行き方双方に理解が出来るのではなかろうか。
特殊能力を持ったミュータントといえども人間としての弱さを持っている
それを描いている。

主人公は回復が非常に早いというミュータントとしての能力を持っているが
ゆえに体を改造された、一種の改造人間である。
しかし、過去の記憶をなくしており、自分の過去を捜す旅をしている。
こう書くと、何となくダークエンジェルに似ているという気がするかもしれないが、
主人公の設定的には似ているかもしれない。

今回の話では、その主人公と相手の生命力を奪ってしまうがゆえに思いやることも
ままならない女性との思いやりが描かれている。

        お勧め度        79%

105分なのでテンポは良い。気楽に見られるだろう。
続編も近日DVD発売予定のようである。
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(2003/07/13号)
{DVD紹介}

        「摩天楼はバラ色に」

        1枚
        110分
        定価    ¥2500(税別)
        買値    ¥2250(税別)

マイケル・J・フォックス主演のいわゆるサクセスストーリーのコメディー。

非常におおざっぱにあらすじを書けば、
田舎から出てきた青年が、いろんな会社を受けながらだめで、
最後に遠い親戚の大会社で、メイルボーイとしてなんとか入社できた。
そこで重役になりすまし、いろいろあって、良いところまで行くが、
結局ばれてクビ・・・になったが、最後に大どんでん返しという話である。
その中にいろいろな形の男女の絡みがある。

この映画、淀川長治さん曰く「ピンク」であったが、実際には直接的に
「何」しているシーンは1つもない。
でも、間接的シーンはかなりある。音だけ聞こえてくるとか、やった後とか。
TV放映時にはカットされていた場面にもそういうところがかなりあり、
またDVDではそういうところの細かい音までが聞えるので、
一層想像をかき立てる(想像でかき、立てるではない^_^;;)。
こりゃ立派なピンク映画だ。

それはともかく、話には難解な部分やブラックな部分はなく、
フォックス演じる青年の努力によって受け入れられていくので、
素直におもしろい。
この手の映画は素直に楽しむに限る。

ただいかんせん、字幕しかないのでそれを追うのに疲れる部分はある。
(字幕の種類は多いのだけど。多国語で入っているという事ね。)
字幕もちょっと少ない気もするので(簡単な英語部分は省かれている)、
ほんの少しだけ英語力がいるかも。
コメディーものは話に集中したいので何とかして欲しかったところ。

        おすすめ度      70%

バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズとは違った彼のおもしろさが
見られる。最近は病気のために画面上には出てこないのが残念。

古い割には画質も音質も悪くはない。

レンタルで見るにちょうど良いような感じかな。
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(2003/07/28号)
{DVD紹介}

        「M:I-2」

        124分

「おはよう〜君。さて今日の指令だが・・・」で有名な
スパイ大作戦(Mission Impossible)の映画2作目である。

1作目のお題は裏切りとかけられた汚名返上話であったが、
今回は素直に対悪役なのでわかりやすい。
敵が味方に扮したりとの逆とかはあるので、どっちがどっちだっけ?
というのはある。本物対偽物という感じかな。

アクションはかなりすごい。
アクションものではあるが殺伐とした場面は少なく、
見ていて目を背ける場面はない。良質である。

まあ、この手の映画はいろいろと論ずるより見て楽しむべきもの。
「摩天楼はバラ色に」でもそう書いたけど、あれとは違う意味で、
頭空っぽにして見るべき。こちらは日本語版もあるので言葉の壁もない。

        おすすめ度      75%

音はあんまり動かない。日本語は2CHで英語は5.1CH。

「おはよう局長君。今日の指令だが、おたくらをもっとおもしろくしてくれたまえ。
 なお、例によって、君もしくは君の読者が敵にとらえられたりやられても
 当方は一切関知しない。なお、このシステムは5秒後にハングアップする。」

敵って誰だ!?5秒後にハングアップって、Windowsか!!
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(2003/08/04号)
{DVD紹介}

        「新世紀エヴァンゲリオン DVD−BOX」
        
        定価    39800円(税別)
        売価    31840円(税別)
        
        10+1枚組
        892分+250分
        キングレコード

ちょっと前(本放送は1995〜1996年である)に社会現象を起こしたアニメ
「エヴァンゲリオン」のDVD−BOXである。
オタクラでも1998年1月6日号で一部を見た感想を書いたことがある。

実はDVDは以前にも出ているのだが、こちらも「アニメDVDの世界では
一大論争を起こした」大問題物であったらしい。
あまりにも画質が悪すぎたのだ。それは「果たして不良品なのか」ということで、
その筋では大議論(というより買った側からすれば「不良」売った側からすれば
「そんなもの」)になったのであった。

今回のDVD−BOXはその過去の経緯も踏まえ、徹底した高画質化と
音声のアップグレードを行ってあるらしい。

私は、本放送は最終回前2回しか見られていない。その後の再放送でも
後半数回分しか見られなかった。ということで、気にはなっていたが、
「DVD−BOXを買うか?まして4万円もする物を?」という感じであった。
それを今回買ってしまったのは、やはりそれだけ気になるものであった
ということである。まあ、いざとなれば売ればいい、というのもあったのだが。
で、さんざん捜して一番安いところで買ったわけである。
(今はこの価格では買えないはず。予約特別価格。)

        ・・・

内容を語る前に、まず画質と音質について述べておこう。

画質は問題ないと言える。
デジタル処理を使ったかなり徹底した高画質化を図ったと書いてあったが、
それは嘘ではない。まだ一部(けっこうある)に細かい画面の揺れがあったり、
ある回ではオリジナルのネガが紛失しているために放送された映像から
修復した物があるが、これも少々の解像度の問題と画面が白飛び気味なのが
気になったが、たぶん聞いていなければ気が付かない程度だろう。
また、単に修復しただけでなく、監督自ら監修して元々意図していた
色や映像に変更されているらしい。
この作品では特に赤と黒が特徴的に使われている。
もう1つ明と暗も対比的である。
今回はそのあたりもよりはっきりするように修正されているようである。
そういう意味では、このDVDが
最終的に監督らが意図したエヴァンゲリオンであると言える。

音質であるが、今回のDVD化に際してオリジナルの2chステレオから
5.1CHサラウンドに変更されている。
これも単に機械的処理によってサラウンドにしたのではなく、
新録音も含めて手作業で音の振り分けをしているとのこと。
事実、このサラウンド効果は抜群で、これまで聞いた5.1chの中で
1番であると言えよう。
その音のうまさは、自分がその場面の中心にいるように配置されている
と言うことにある。自分を中心に音が聞え、移動するのだ。
5.1CHを生かしたせりふで驚いたのがスパイダーマンであったが、
あれより数段すごい。

ということで、映像と音声だけで言えば十分価値ある作品だと言える。
さて、内容はどうか。

        ・・・

まず最初に知っておかなければならないのは、エヴァンゲリオンという作品が
非常に哲学的であるということである。

エヴァンゲリオンという名前、中で使われている敵「使徒」の名前、
その他いろいろな登場物の名前がキリスト教や哲学、生物学から
取られている。このあたりもこの作品に重厚さを与えているが、
それ以上に登場人物の性格に関する描画が非常に繊細でかつ
その心の葛藤に関する描画がとても奥深いことが
その理由である。

簡単に言えば、「自己の存在定義」を語ろうとした作品だと言える。
作品中に「人類補完計画」というものが出てくるが、
その補完計画を否定する過程の中にその「存在定義」を語らせている。
(実は本放送では補完計画についてはほとんど実態が明らかになってない。)

これが他のアニメとこれが決定的に違うところであり、
多くの若者に支持されたゆえんであろう。
が、私がこれを見ると、理解できると同時に「このような作品が
支持される世の中の方が間違っている」と思うところである。

この作品は本放送26話+映画2本であるが、映画の内最初の作品は
本放送の総集編的位置づけなので、26話+映画1本、
そしてその映画1本も実は本放送最終2話の別バージョンとも言えるので、
24話+2パターンのエンディング2話と分けられる。
(劇場版3作品と書かれているが、実際には2本と思った方がよい。
その劇場版の第1作目は見る必要なし。)

21〜24話に関しては2つのバージョンで収録されているが、
ビデオフォーマットバージョンと呼ばれる方がよい。
ゆえに全体の見方としては、1〜20話、21〜24話ビデオフォーマット、
END OF EVANGERION、25、26話が妥当といえる。
これが一番話としてわかりやすいからだ。

まず最初の24話であるが、これも大きく導入編、ロボットアニメ編、核心編に
分けられると思う。

導入編は、エヴァンゲリオンの世界の設定、主人公の性格付けなどがなされる。
ここでもこの作品は特異な展開である。
ロボットアニメで、いきなり主人公がぼこぼこにやられ、見た目上負ける作品なんて
過去にあっただろうか(後で実は勝っていた、という落ちなのではあるが)。
更にその主人公の性格の暗いこと。この暗さは後でますます磨きがかかるのだが、
こんな暗い人間が主人公の作品があったろうか。
全く、いきなり意表をつかれる。

そんな導入であったのではあるが。ロボットアニメ編では意外にも主人公側が活躍し、
仲間が増え、軒並み敵を倒していくのである。ギャグまである。
ここを見ると、「なんだ、最初はあれだったけど、まっとうな正義ロボット物に
なるんじゃないか」と安堵する。
ところが、これも最後の核心編に入るとまた徐々に最初の命題に戻るのである。

ロボットアニメ編は、ある意味この作品の中では付け足し的な感じもするが、
しかしこれがなければこの作品は重すぎて最後まで見続けられなかったであろう。
だめな人は導入編でだめだと思うが、それを何とか克服してこのロボットアニメ編まで
来ることが出来れば、後は徐々に核心へと至るので何とかなるのではなかろうか。
実際、最初さえ克服したら後は一気に見ることが出来る(1枚目を見るのに
2日かかったが、後の8枚見るのは2日で済んだ)。

核心編から最終回にかけては、エヴァンゲリオンの世界観と主人公の
心の葛藤を通じて「自己の存在意義」が語られる。

最終2話は2バージョンと書いたが、本放送の方が概念的集結を描いており、
映画の方が実描写的終結である。

映画は実描写的と書いたが、要するにこの作品における終末へ至る
描写があるのである。簡単に書けば登場人物、メインの人だけでなく
本当に全てほぼ全員を殺しながら進められる。

映画も最終的には本放送と同じ所に帰着するのだが、そこに至る映像がグロイ
のとあまりにも哲学的すぎて、私には少々受け入れがたいものであった。
知っている人はわかると思うのだが、昔「イデオン」というこれもロボットアニメ
があったのだが、この終わり方に似ている。いや、主題そのものも似ているかも
しれない。

本放送に出てくる映像のごく一部が映画の中にも出てくるので、
本放送時にすでに映画で作られた映像も考えられていたのだとは思うが、
たぶんそれはTV放送として、子供が見る時間帯の物としてはふさわしくない、
という配慮もあったのかもしれない。

これに比べ本放送の方は映像的にはまだ見てられる。
ただし、映画以上に哲学的であるので、それまでの回にて、この作品の語りたい
真の内容をとらえていなければ理解できないと思う。
この終わり方は本放送時も賛否両論喧々諤々であったらしいが、
さもあらんである。

実のところを言うと、本放送も映画も最後の最後の持って行き方、
主人公が考え方を変える(というか自己の存在定義を認識し、自己を肯定する)過程は
少々強引な気もする。映画に至っては、一番最後の場面の意義が理解できない。
(存在意義を見つけた2人が、新しいアダムとイブになるということだろうか。)
なぜ主人公の考え方がそちらへ向くのか、それがわからない。
でも、最終的に監督が語りたい結論がそこにある以上、それは致し方ないことなの
かもしれない。

ちょっと曖昧に書きすぎたのでもっとわかりやすく書く。
この作品に出てくる登場人物は、ほとんどが自分の存在意義を捜している、
心の中の空白感を埋めるために苦しんでいる。
それをいろいろなエピソードで徐々に暴いていっている。
その過程に間接的エロやグロイ表現がある。
で最後、その苦しみがそこから発生するのか、自己の存在意義を
どうやって認めたらいいのかという哲学的命題を突き付けて、
それに対する監督なりの回答を時間をかけて表現しているのである。

特に存在意義では、誰かに認められたい自分、そのために行動する自分に対する
問いかけが行われている。
認められるために行動することは悪いことなのか。
かまってもらいたい、ほめてもらいたいから行動するのはなぜなのか。
苦しみから逃げてはいけないのか。

この苦しみに共感できる人が多かったからこそ、エヴァンゲリオンが
社会現象になるほどヒットしたのであろう。
エヴァンゲリオンは単にロボットアニメとしてみても、細かい設定など秀逸であるが、
この哲学的主題がなければここまでヒットはしなかったであろう。
ゆえに、かつてアニメでヒットした宇宙戦艦ヤマトやガンダムとは意味が異なるのだ。

しかしである。この主人公の少年の性格の屈折仕方、
それは現代の若゛者の病理と思われるが、それはもう殴りたくなるほどひねていて、
いらいらする。ここが最初に「こんな作品が支持される世の中が間違っている」
というゆえんである。

映画では途中で実写の部分があり、おそらくエヴァンゲリオンの映画の試写会で
撮影されたのだろうと思われる部分もあるのだが、その中に映っている奴が
実に馬鹿であきれ果てた。狙って映しこんだのか、たまたまなのか。
普通の映画なら間違いなくカットである。

まあ誰しも一度は経験する葛藤ではある。
そして、おそらく一生完全な回答は得られない問題ではあろう。
とはいえ、それがここまで支持をされるのは、その葛藤から解脱する、
自分なりの回答を自分で得ることが出来ない人間が多すぎるということである。

こういう少年を作り出してしまう世の中や家庭であってはならないのだ。
昨今増えているという引きこもり症候群なんて、まさにこれの象徴と言える。
問題はそうなった個人だけにあるのではない。
それになる人間を作り出す社会こそが病的状態なのである。

人類補完計画とはすなわち、人の心が寂しいのはそこに空虚な部分があるからであり、
その空虚な部分は自分でない他人が埋めるべき部分であり、
それを埋めるために他人と自分の境界をなくすと言うものであった。
自他の区別がなくなれば他人が見ている自分をおそれることがなくなるし、
他人から認められるため、と言うこともなくなる。
全てが自分だからである。

主人公の少年は結局、自分を認めるためには他人の存在が必要なのだ
と言うことに気づき補完を受け入れずまた自分へ戻るという
選択をする(その選択をしたという結果は映画版の方ではっきりする)。

エヴァンゲリオンが示すこの1つの回答を、作品を見るだけで理解できるであろうか。
頭で理解できてもその真意をつかめるだろうか。

エヴァのヒットが、単に主人公の性格に対する同調だけだとするとそれは恐ろしい。
こんな同調が多いと、それこそ世も末である。

        ・・・

人類補完計画に関する補足。

登場人物の中でエヴァンゲリオンという物(ロボットというより人造人間)に
乗るのは3人いる。それぞれには違った性格というか他人との関わり方を設定して
ある。
初号機に乗るシンジは他人を拒み1人で居ようとするが、一方で他人からほめられる
ことに自分の存在価値を見いだそうとする。2号機に乗るアスカは他人との関わりは
一応積極的だが、その中で一番(優位)であることに自分の存在価値を認めている。
0号機に乗るレイは(ある1人の)人との絆を得るために乗っている。
他の登場人物にも細かい性格設定があるが、こと補完計画に絡めて考えると
この3人の性格付けが非常に対照的でおもしろい。

最後にシンジとアスカが残るが、それもそれぞれ違った意味で他人を認めることによる
事なのであろう。シンジは多様な見方を肯定することによって自分の違いを肯定し、
アスカは劇中でATフィールドと呼ばれる、自分と他人を区別する心の壁を自在に
操れるようになることで他人との距離を図れるようになる。
他人の認識の仕方も又、人によって違うということだ。

最近の若゛者の自他の区別の出来ない様は、まさに人類補完計画そのものかもしれない。

携帯電話の普及、いや、それへの依存症が多いこともまた自他の区別をなくす、
常にそばに誰かがいてくれないと寂しいという幼稚な心の象徴であり、
人類補完計画の目指すところと同じである。

エヴァンゲリオンは、結局他人をを認めた上で無いと自分の存在は定義できないと
しているから、そう言う意味では現代の補完された若゛者は自己を持たない存在と
いえる。自己を持たない存在を尊重できるか?
私はそういう連中を尊重できないが、そういう連中も自己を尊重できないから
安易にその命を奪おうとする。それが昨今の事件の多さの根本原因である。
人類補完計画は実行されてはいけないのだ。

        ・・・

細かい話。

この作品の監督さんは庵野という人である。
この人、古くは「風の谷のナウシカ」の巨神兵の作画を担当したことで
その筋では有名なのであるが、この後「トップをねらえ」と
「不思議の海のナディア」の監督をしている。

このエヴァンゲリオンにもその影響が色濃く出ている、というか
音楽、効果音、せりふ、背景画など、設定が似ている。
声優陣も同じ人が多い。
そう、一種の庵野色を色濃く出している。
同じせりふもあると言うことは、いろいろな作品を通して、同じ事を
伝えようとしているのかもしれない。

もっともこの人、女の子向けアニメも監督してたりするので、
結構幅広い人ではある。

もう1つ。
この作品ではオープニング、パートA(途中のコマーシャルまでの部分)初め、
パートB(コマーシャル後)初め、次回予告前にチャプターが入っているが、
オープニングの曲の初めが実は微妙に切れている。
最初の1語が飛んでしまうのだ。
本当は「残酷な天使のように・・・」なのにこれが最初の"Z"が飛んでしまうので
「あんこくな天使のように・・・」になってしまう。
ほんの1/30秒くらいのずれだと思うが、
人間は映像の不連続性には鈍感でも音のそれには非常に敏感である、
という証明になるかもしれない。

        ・・・

この作品は大人向けの作品である。
映像的音声的表現にそういう部分が多いというのもあるが、
その主題がこれまで述べたとおりであることが最大の理由である。
そう言う意味で、私のこの紹介もかなりわかりにくいかもしれない。
理解してもらうには見てもらうしかない。

私の世代がこれを見ると、きっと私と同じ2つの思いが去来するであろう。
果たしてそれを認められるかどうか。
それによってこの作品に対する評価が大きく変わると思う。

        お勧め度        80%

命題としては良いんだけど、映像的表現としては好きではない。
こういう(ほとんど)全員殺してしまう終演方法ははっきり言って嫌い。
(だからイデオンも嫌い。)
「他人の存在を認める」という結論を出しながらも、映画の最後で他人の存在を
否定しようとする主人公の描き方も不明。
とにかく映画の最後はいろんな意味で不明だらけ。絶対すっきりしない。

値段も決して安いとは言えない。
39800円で11枚組。1枚約3600円という計算になる。
(10枚は本編+映画、1枚はいわゆる特典ディスク。)
1枚平均100分だから、やはり高い。
日本のアニメ物は軒並み高いし、今回の作業の良さを思えば妥当ともいえんことはないが、
やはり1枚3000円を切って欲しい(買値は切ってるけどね)。

だからこれ以上にはならない。正確に書けば、100−20%と言う感じ
であろうか。

まあ、なんにしても1回は見る価値があるので、機会があれば是非どうぞ。
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(2003/08/25号)
{DVD紹介}

        「シュチュワート・リトル2」

        77分

CGと実写を組み合わせた(でも監督曰く「アニメ」)、ほのぼの系映画である。

ネズミのシュチュワートが人間のリトル家の一員として暮らし、
そこにふとしたきっかけで来た小鳥と心通わせる話である。

この作品には原作があるらしい。
また2作目という事で、基本設定についての説明が全くない。
なぜ鼠が家族なのか、しゃべるのかなど。
このあたりを知るために1作目を見てみようとは思う。

まあ、設定がわからなくてもこの作品は楽しめる。
内容的にはシュチュワートの冒険と鳥(とだけ書くとなんか味気ないけど)
との淡い恋の物語である。
ここに家族愛が重なって、ほほえましい。
子供にも安心して見せられる。

英語の声はマイケル・J・フォックスである。最近は声優としてがんばっている
らしい。日本語版は英語版の感じをかなり良く出しているとは思う。
が、せりふが英語とちょっと違う場面もあるので、時間があれば両方で
聞き比べるといいかも。
私はレンタル、しかも新作は借りられる期間が短いので出来なかったが。
(一部だけはメイキングで聞ける。)

メイキングは数種類入っているが、同じ場面が何度もあるので実質は減る。
でも、結構おもしろい。
これを見ていると、CGと思っていた部分も多くが実写であったりして、
うまく使い分けがされている。どうりで迫力ある映像だと思った。
安易にCGに頼ってないのが好感。

またCG部もかなり丁寧に作られているので、いわゆるCGらしい感じは
少ない。鼠の毛と鳥の羽の動きなんかは注目である。
最近はCG多用の映画も多いけど、ここまで丁寧に作られたのは少ないんじゃ
ないかな。

3作目は作られるかな?
ちょっと手間がかかりすぎているようなのが気になるところだけど。

        おすすめ度      90%

音は、飛行機で飛ぶ部分がおもしろい。
頭の周りをぐるぐる回ってる。
映像もきれい。

<戻る>
(2003/08/25号)
{DVD紹介}

        「シュチュワート・リトル」

        79分

「シュチュワート・リトル2」の前作である。

これを見れば、シュチュワート・リトル2では謎だった、なぜシュチュワートが
リトル家に来たのかの謎は解ける。なぜネズミがしゃべるのかは相変わらず
不明だけど、まあ、それについては不問にするべきなのだろう。
(そんなこといちいち気にしてたら映画なんぞ見てられない。)

いずれにしても、やっぱりこの1作目を見ておいた方がよい。
全体的な設定がわかるし、リトル家の家族構成や性格もわかるし、
なにより、シュチュワートがリトル家の一員になる過程がよくわかるからである。
これらがわかっていると、2作目の理解が格段に良くなる。

このシリーズの良さは、家族愛を大切にしていることである。
人間の子供を主人公にしても良いのだろうけど、
ネズミにすることで猫との関係をも描けたり、一層「受け入れがたい物を受け入れる」
と言うことに関する描写が出来るから。

映像の迫力とか、CGの完成度などはやはり2の方が格段に上だけど、
内容的にはどちらも甲乙付けがたい。

        お勧め度        90%

映像特典は2の方が格段によくできている。
というか1のは見にくい。細切れ過ぎてDVDプレイヤーのキーを押す回数が
やたら多いからだ。結局途中で見るのをやめてしまった。
<戻る>
(2003/09/22号)
{DVD紹介}

        「STARWARS EPSODE II」
        
        定価    ¥3800
        買値    1割引
        
        2枚組(本編は1枚)
        20世紀FOX

言わずと知れたアナキン・スカイウォーカー主人公のSTARWARS
シリーズ第2作である。

映画の紹介でも書いたけど、今回は特にアナキンの優秀さとそれ故の
うぬぼれ(過信)さらに恋愛など、特に感情面の揺れ動きとその大きさを
描いた作品といえるだろう。この感情の揺れの大きさがのちに
暗黒面に引き込まれる元となる。

さらに、暗黒側の暗躍が広がりつつあることも描かれており、
3作目で描かれるであろう、ダースべーダーと銀河皇帝の誕生への
布石が見え隠れしている。

EPISODE1が「久しぶりのSTARWARS」という感じだったのが、
EPISODE2と、おそらくはEPISODE3が後の4〜6に直接つながる
話となるので、是非見ておくべきである。

映像的にはもはやこれ以上何を入れる?というくらいに細かく、数多く
入っているが、個人的には少々もたれ気味。見ていて疲れる。
(特別編でなく最初の)4〜6くらいのシンプルさがなつかしい。
きれいはきれいなんだけど。

音は意外にも動きが少ない。
EPISODE1の方がよほどはっきり動く。

        おすすめ度      80%

シリーズ物としての評価。これ単体ならもっと低い。
<戻る>
(2003/09/22号)
{DVD紹介}

        「チャーリーズ・エンジェル」

        93分+スタッフロール

昔TVで放映されていた同名番組の映画版である。
そういう意味では、先に紹介のミッション・インポシブル2と
同じである。ひょっとすると、オリジナルの放映時期も近かったかもしれない。
当時見ていたような気もするが。

女性3人組と、ちょっと間の抜けた上司(?)と、謎の長官が登場人物である。
長官がチャーリーで、その部下3人がエンジェルというわけである。
こちらはスパイというより探偵事務所で、やはりいろんな装置や技術、アクションで
難題をクリアしていく。このあたりもMI2と似ているか。
ある程度物語はお約束であるが、まあそれは仕方ない。
でも全体的にチープに見えるのはなぜだろうか。

今回の話は、最初の依頼主が実は敵で、その敵が謎の長官チャーリーを
ねらうという具合。あら、珍しくはっきり書いちゃった。
でも。単純すぎてこれ以上隠して書けない。
この映画は、そういう筋を知っていても見たらいいと思う。
ある意味水戸黄門と同じで、お約束を知りつつ見るべきものだと思うから。

        お勧め度        73%

本来色っぽくなるべき場面もあまりそう感じないのは
登場人物の性格の性?

殺伐としたシーンはないし、
短くて話のテンポも速いのでお気軽に見られるかな。
あっでも、(敵の)喫煙画面多すぎ。
汚らしいったらありゃしない。
<戻る>
(2003/09/22号)
{DVD紹介}

        「ハムナプトラ 黄金のピラミッド」

        121分+スタッフロール

インディージョーンズのような冒険もの。
(これ以外に書きようがない。)
でもだいぶちゃち。

前作のある2作目で、またこの作品中では登場人物の説明がないので、
その関係がわかりにくい。
まあ、わからなくても見られないことはないが。
(先日その1作目がTVで放映されたので見たが、やはりそれを見ると2作目の
設定がよくわかった。)

結構いろいろな課題を与えて盛り上げようとしているが、
全体的にいまいちなのはなぜか?
オリジナリティーがあまりないからであろうか。
まったくB級映画である(悪い意味ではない)。

画像的にはCGが多用されているが、
これまた結構CGらしいCGである。

        お勧め度        70%

このDVDは音が非常に小さい。
通常より数段上げないと聞えない。
音が小さな映画はたいていダイナミックレンジが狭いので
音の迫力がないが、この映画もまさにそう。
このあたりも「いまいち」な理由になるかもしれない。
<戻る>
(2003/09/22号)
{DVD紹介}

        「MASK OF ZORO」

        1枚
        137分
        定価    ¥2500(税別)
        買値    ¥2250(税別)

以前にLDでも紹介した作品である。
LDも持っていたが、LD廃止のためDVDで買い直した。

スペインに支配されていたカルフォルニアで、民衆を救うために戦った
英雄ゾロと、その彼に鍛えられたいわば2代目ゾロの活躍の話である。
しかし単なるヒーローものではなく、生き別れの親子、兄弟の敵(かたき)、
恋いろいろな話が折り重なっているのでおもしろい。
ゾロ自体は実在の人物のようだが、この映画の話は架空のものである。

一応アクションものに入ろうか。
ごく一部にグロイ場面もあるが、そこさえ除けば誰でも見られる。

        お勧め度        87%

LDも映像は綺麗だったのでDVDが特別綺麗だとは思わない。
音はやはりLPCMのLDの方が上。
特に低音の響きが弱い。
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(2003/11/17号)
{DVD紹介}

        「猫の恩返し/ギブリーズ episode2」
        
        定価    4700円(税別)
        売価    4230円(税別)

        スタジオジブリ
        2枚組
        75+25分

スタジオジブリの去年夏(だったと思う)の劇場公開作。

「猫の恩返し バロンのくれた物語」(柊あおい)については原作本も読んだが、
はっきり言って、今回に関しては原作の方が上。

悪いのは、物語にメリハリがなくなってしまいお子様向けになってしまったことと、
声が合ってないこと。

物語のメリハリで言えば、原作でのいろいろな小ネタがほとんど削除されており、
なんか非常に平坦になった感じがする。
それ故に単にかったるいだけでおもしろみのない物になっている。

ジブリの作品ではベテラン声優を使わないことが多いが、
それでも合ってないと思うことは少ない。
これは、監督が厳しい指導をしているからだと聞く。
しかし今回だけはだめ。浮きすぎ。キャラクターがしゃべってない。

今回は、ジブリが映像化を失敗した作品と言えるだろう。
初めてではないか?
同じ原作者の「耳をすませば」がすばらしい映像化されていただけに残念。

ギブリーズについて。内容は特に評価無し。
初恋の話は結構切なくて良い。ふと自分の小学・中学の頃を思い出して
しまった。初恋か・・・。いったいどれだったかな。

他は取り立てて言うほどでもない。
映像テクニックの面から見ると3Dと2Dの融合という意味でおもしろいかも。
この作品が駄作というと言うことではないが、これをお金を取って
見せるものかといえば、難しいところ。

        お勧め度        68%

完全に子供向け(子供にはうける)。
残念だが、合わせ技でも1本は上げられない。

次のジブリのDVDは私の好きな「海が聞える」である。
こちらに期待しよう。
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(2003/11/17号)
{DVD紹介}

        「タイタニック」

        1枚
        191分
        定価    ¥2500(税別)
        買値    ¥2250(税別)
        20世紀FOX

見るためと言うより、LDをDVD化するにも3枚必要なので600*3=1800
円必要なので、それくらいなら買った方が安い(しかも日本語版付き)
と言うことで買っただけ。
LDでは2枚組4面を使い切っていたが、DVDでは1枚で済むのだから、
DVDはすごいもんである。

ストーリーは改めて言うまでもなかろう。
それほどいい話とは思わないのだが。

それはいいとして、問題は画質・音質があまり良くないこと。
画質はそもそもレターボックスサイズ(縦が狭い)ので見にくい上に、
DVD1枚に195分納めるためにかなり圧縮率を上げているのか
妙に悪く感じる。精細感がない。

また、音響的にも薄っぺら。例外は船が沈む場面での船体のきしむ音。
これは非常に臨場感がある。でもほかはだめ。
(例の穂先のでの両手広げシーンでは風が回るらしいのだが、
うちでは聞こえなかった。)

        お勧め度        67%

映像的に音声的にもLDの方が上かも知れない。
LDみたいに入れ替えせんで済むのがせめてもの救いか。
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(2003/11/17号)
{DVD紹介}

        「ハリー・ポッター 秘密の部屋」

        2枚
        161分
        定価    ¥2980(税別)
        買値    1.5割引

世間様では大ヒットであったが、個人的にはいまいちでったハリー・ポッターの
第2作目である。

第1作目はどうしても世界の説明が多く、副題の「賢者の石」の部分の
描写が少なくいまいちであったが、この2作目は舞台の説明の部分が
ほとんどないので、最初から最後まで秘密の部屋の話である。

名前からもわかるとおり、魔法学校にあると言われる秘密の部屋に関わる謎の
話であるが、最後は結構意外な結びつきであろう。
途中いろいろと伏線かな?と思わせながらどんでん返しが何度もあって
結構おもしろい。

また、主な登場人物が前作と同じなのを初め、前作で紹介された設定もちゃんと
使われていて、シリーズ物としてのおもしろさもちゃんと心得てある。

が、その反面無駄とも思える場面や訳の若欄設定があったりして、
結果前作より長い160分強(スタッフロールを飛ばしても150分)という
長丁場でちょっと疲れる。少なくとも子供向けではない。

        お勧め度        83%

前作よりは高め。
でもこれ以上上げられないのは、いろいろな伏線はあるし話の起伏もあるけど、
ほとんどのネタがどこかで見たことがあるようなものだから。
最初から最後が解るようなことはないけど、それはある意味謎があまりにも
意外な(ある意味無関係な)展開をするからであって、小ネタに関してみれば
斬新さが無い。それは良く言えばこの世界の取っつきやすさになるのだけど、
悪く言えばマンネリになる(ロード・オブ・ザ・リングも同様)。
従来あるパターンを踏襲するものが悪いとは言わないが、
気を付けないと単なる「マンネリ」となるので注意が必要である。

今回は第3作目の伏線と思える設定もかなりかいま見られる。
次は盛り上がるのではないかと思われる。
(原作は読んでない。)

ただ、次回の映画は一部の登場人物が変わってしまうので(これは確定)、
その穴埋めというか、イメージを壊さないで引き継げるかが課題となろう。
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(2003/12/08号)
{DVD紹介}

        「モンキーキング(西遊記)」(ノーカット完全版)

        1:27+1:16位+スタッフロール

タイトルからもわかるとおり、西遊記である。

私にとって、西遊記といえば「夏目雅子;三蔵、堺正章;孫悟空、西田敏行;猪八戒、
岸辺シロー;沙悟浄」のそれがイメージに強いが、あれとはかなり異なる。
アメリカ人が西遊記を映画化するとこんな感じになるのか。
日本人の知っているそれではなく、彼らが読んだ西遊記という感じであろうか。

西遊記の本来持つ意味、仏教的教えについては全くと言っていいほど入ってない。
そのキャラクターを使って独自に作ったアクション&恋愛物というところ。

まず、三蔵法師が出てこない。観音菩薩のイメージがだいぶ違う。
アメリカ人の学者が出てくる。
このアメリカ人を救世主的に扱っているのは気に入らないが、
完全無欠の勇者的ではないのがまだ許せるか。

このアメリカ人がこともあろうに観音様と色恋沙汰をする。
仏教を冒涜してないか?

そのほか話中で孔子を悪者にしたり、毛沢東の写真を燃やすなどしているので、
中国では公開できないであろう。

特にアメリカ的だと思うのは、途中で裁判の画面まで出てくること。
ちょっと、おいおいという感じ。

まあ最後まで結構盛りだくさんなので、全体としては面白くないことはない。

時間を2つ書いているのは、DVDは1枚なんだけど、途中で1回終わりがあるところ。
もともとはテレビ映画だったのかもしれないが、2回で完結するようになっている。
おかげで、見てたときにいきなり非常に中途半端なところでスタッフロールが
流れるので、「何やそれ!」と思わず突っ込みいれてしまったほどである。
その後に続きが出てきたので全後編であることがわかったが、見た人はびっくり
するであろう。

画質はあまりよくない。特に文字周りに盛大にMPEG2独特のノイズが出る。
音も2CHステレオのみ。

        お勧め度        75%

おすすめ度はちょっと高め。なんやかんやとけちツケながらも
それなりに見られるから。
まあ、話のねたにはなるかな、というところ。
大はずれというほどではない。
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(2003/11/24号)
{DVD紹介}

        「メリーに首ったけ」

        113分+スタッフロール

1人の女性に複数の男がほれて、いろんな駆け引き(というかすったもんだ)の後
一応ハッピーエンド(と言って良いかな?)で終わる話。
まあ、一言で言えばラブコメディーもの。

これ以上何を書けばいいのか困るような内容である。
ばかばかしいといえばそれまでかもしれない。
そう言う意味では「少林サッカー」に通じるものがある。

直接的にHしている場面はないが、エッチというかスケベな表現は随所にある。
ただ、結構癖があるのでこういうのを受け付ける人とそうでない人は
はっきりするかもしれない。個人的にはあまり好みではない。

        お勧め度        60%

まあ、借りて損したと思うほどではないにしろ、
腹を抱えて笑うような面白さもない。
作り全体がB〜C級だということ。

音は一応5.1CHだけど、ほとんど2CHのようなもの。
ごくごく一部に後ろからの音があるのみ。

また、片面2層だが、この切り替えがなんと、場面の途中じゃなくてせりふの途中に
あるので音が途切れてしまう。
(特にうちのAVアンプSR4200は面切り替え時などデジタル信号が途切れると
音が一瞬消えるので、この切り替え直後のせりふが聞こえない。
たいしたせりふではないが。

技術的な作りはお粗末といえる。
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(2003/12/15号)
{DVD紹介}

        「クイーン&ウォリアー」

        1:49+スタッフロール

ロールプレイングゲームをそのまま映画にした+主人公が現代に
転生して・・・本当はちょっと違うんだけど、大体そんな話。
(これ以上は書きようがない。)

レンタルで見たのだが、なぜ選んだかというと「RPG」的と言うことで
「ロード・オブ・ザ・リング」的かな?と思ったのと、それ以上にこれが
「スペイン映画」であるということであった。ただそれにつられて見た
と言っても過言ではない。

ゲームを映画にしたと書いたが、だからといってこれが子供向けと言うことではない。
むしろ、結構グロイもしくはエロイ画面が多く、またその他にも
教育上よろしくない画面が多いので子供向けではない。
それともスペインではこれくらいOK?

で、最後はいきなり「えっ、本当にこれで終わり!?」というところで終わる。
先に紹介の「西遊記」は結局後編があったが、こちらにはない。
本当にそこで終わる。
「なんやそれ!!」である。
見ている側には大不満であろう。

        おすすめ度      8%

久しぶりにとんでもないものを見た感じ。
100円レンタル中に借りたから許せるけど、いつも(300円)だったら
怒ってる。まして映画館で見てたらと思うとぞっとする。

音声はスペイン語(5.1CH)、英語(2CH)、日本語(2CH)がある。
スペイン語で聞いたらいっていることはほとんどわからないけど、
一部わかる言葉がある。そういうのを探すのはおもしろいかも。

そうそう、字幕で1つ注意がある。その選択に「スペイン語用字幕」「英語用字幕」とか
「日本語吹き替え字幕」というのがあるがこれがくせ者で、前2者は
「スペイン語版のせりふを日本語字幕にする」「英語版のせりふ(以下同文)」という
意味で、最後のは実際には「字幕無し」である。
5.1CHで聞きたかったのでスペイン語を選んでいたのだが、どうしても日本語字幕が
出ないで困っていて、試しにやったら上記のようだったわけだ。

いろんな意味で困ったソフトであった。
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(2003/12/15号)
{DVD紹介}

        「ピンポン」

        110+スタッフロール分

卓球を通じた青春映画・・・と書いたらたぶんはずれ。
卓球が強いと自分でも思っていた少年と、彼にあこがれ、才能はあるのに周りに
気を遣って勝ちを譲っていた少年の立場が入れ替わったあとの
心の葛藤と復活を描いた映画。
卓球を通じた友情と心の通じ合いの世界とも言える。

その手の紹介冊子ではおもしろいという評価だったので借りてみた。
これには原作があるらしいが、私はそれを読んでないので、
この映画だけの感想である(演じている俳優への思い入れも全くない)。

青春映画としては、重過ぎもせず軽過ぎもせずテンポも悪くないが、
全体的にいまいちに感じる。

各キャラクターには個性があるが、話としてはいまいち盛り上がりに欠けることが
原因である。原作通りなのかもしれないが、気を配っていた少年の性格描写が
はっきりしないためだと思う。

それと、もうこの手の青春お悩み物には飽きているのかもしれない。
青春ものの王道から一歩も出てないから(恋愛が全くないのはすごいけど)。
「だからどうしたの?」という感じ。

レンタルDVDではメイキングなどは入ってないが、
情報によるとピン球は多くが(全部?)CGらしい。
そのほかにもCGとわかるシーンもあるが、割り方よくできている。
音は効果的によくできている。特にピン球のとぶ音や観衆の声が
前から後ろへ、周りからよく聞える。

        お勧め度        70%

暇つぶしに見る程度か。
技術的には面白いところもあるのだが。

最大の欠点は、やたらと喫煙シーンが多いこと。見目に非常に悪いし汚らしい。
卓球場のおばはんは年食っているからまだいいとして、主人公達は設定上高校生だ。
この映画は絶対に学校お墨付きにはならんと言うことである。
それはともかく、青春→挫折→ぐれる→喫煙という、ある意味黄金パターンは
いい加減卒業して欲しい。あまりにも安直というか馬鹿の1つ覚え。

内容も先が読めて安直、映像化もありがちパターンで安直。
だからこれ以上のおすすめ度は無理。
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(2003/12/22号)
{DVD紹介}

        「ターミネーター3」

        ジェネオンエンターテイメント(株)
        2枚組
        110分

        定価    3980円(だと思う)
        売価    3180円(税別・送料込み)

あのターミネーターの続編。確か公開はマトリックス・リローディッドの
すぐ後ぐらいだったと思う。

物語は前作より10年後(位)。
前作同様シュワちゃんが守る側のターミネーターである。

前作までの設定をうまく使って話はつないであるし、
逆にスカイネットやら審判の日やらの設定にうまく結びつけている。

アクションも非常にすごい。
話の初めの方から結構飛ばしてやってくる。
もちろん特撮も多いが、マトリックスのような「CGでござい」
というようなあからさまなものではなく、肉弾的アクション(わかる?)である。

・・・が、である。
いきなり結論を書いてしまえば、「作らなかった方が良かった」と言える。

確かにアクションはすごい。
でも少々グロイし、無意味にも思える。
マトリックス・レボリューションズと同様の「無意味な派手さ」ばかりが目に付くのだ。
そのくせ物語は陳腐と来ている。
これもマトリックス同様「多くの人はこういう終わり方は望んでいるまい?」
という終わり方である。

この作品は前作までと違いジェームズ・キャメロン監督ではない。
そういう意味でも、名前だけを借りた別物ととらえるべきであろう。
主演したシュワちゃんは、これで映画が嫌になって州知事になってのではないか?
等と勘ぐってしまう1作。

        お勧め度        51%

はっきり言えば駄作。
ついでに言えば日本語吹き替えもだめ。
あぁ1つだけすごかったのは音響効果か。5.1CHをフルに使った
音響効果はすばらしい。

ターミネーター2で感動しただけに余計に落差が激しく感じる。
どうも最近のハリウッドはこういう、金はかかっているが内容のない
お手軽ものが増えているような気がしてならない。
そろそろ「そういうものは飽きられる」という事に気が付かないと
いけないのだが。
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