「水の話」(1996年01月29日号)
飲料や料理には浄水器を通した水を使った方が味が良くなる。

大阪ではそもそも淀川の水が「何」だし、
高層ビルではいったん屋上のタンクに水を汲んでそこから
配給するため、タンクの洗浄が不十分だとやはり汚い。
また、建築後年月がかなり経っているところでは、
水道管そのものの中が汚れている。

今の浄水器の多くは汚れだけでなく、残留塩素なども取り除き、
さらにミネラル成分を出すものもある。
そうした水がおいしいというのは、浄水器を付けているということによる
「気の性」ではなく、明らかに違う。
炊いた後のご飯の変色が遅いとかあるし、
特に日本茶では大きな差が出る。

1月も使ったフィルターをながめていると、かなり変色していることに気がつく。
また、水の出が悪くなってくるので、フィルターがかなり汚れなどを吸着
していることがわかる。
浄水器がなければそれだけの汚れを飲むことになり、
そう考えると少し恐い。

しかし、浄水器というものも過信は禁物で、とある研究によると、
浄水器のフィルターの中に残った汚れには細菌が繁殖する、らしい。
まあ、確かに汚く湿気のあるところだからそれはもっともだと思う。
元の水道水に塩素が入っているから殺菌される、というのは間違いなのだ。
(水道水に残っている塩素は「残留塩素」であって、水道局で殺菌の時に
使った塩素の一部がとけ込んだものに過ぎない。そのため、その殺菌作用は
ほとんどない。)
ということは、汚れたフィルターを使い続けるのはかえってよくない、
ということになる。
浄水器を使う以上、フィルターをけちってはいけないということだ。

実は浄水器でもう1つやってはいけないことがある。
やってはいけないというか、余り意味のないことだが、
それは「お風呂の水に使う」ということだ。

まあ、一般の台所用浄水器では水の出が悪いので、
それをそのままお風呂に使う人は少ないだろうが、
がんばって入れてもあまり効果はないらしい。
肌に良い、と思っていた人、残念でした。

実は、肌にいいのは浄水ではなく「軟水」なのだそうだ。
水が軟らかいと書いて軟水。
反対語が硬い水の硬水であるが、勿論水に硬さがあるわけではなく、
そこに含まれる何かのイオンの量による。(なんだっけ?)
硬水の方がイオン量が多いのだが、いろんな意味で硬水は人間には良くない。
飲んだらおなかを壊すし、選択しても石鹸が泡立たない。
アメリカやヨーロッパで生水を飲むな!というのはこれである。
向こうの水は硬水なのだ。(一部の例外地域はあるけど。)
世界的にみて、軟水地域より硬水地域の方が多い(らしい。)

日本の水はもともと軟水なのでそのまま飲んでもいいのだが、
そのイオン濃度を肌にいいように微妙に調節する「浄水器」があるのだ。
そして、その効果は抜群という事だ。
確かに肌がすべすべになるという事であった。

もちろん世の中には軟水化する浄水器(?)もある。
が、お風呂という大量の水を扱うもののためか結構高い。
また、フィルターも普通の浄水器が1月もつのに対して
2週間で交換するらしい。
まあ、そこまで追求したい人はどうぞ、である。

浄水器のほかに電子水やらパイウォーターなどもあるが、
それぞれに効果に関しては?。
電子水(アルカリイオン水)というのは余り効果がない、というか
場合によっては有害らしいけど。

何にしても、水は人間にとってとても重要だから、
よく考えた方がいいようですな。
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