「追加オーディオ実験」(本誌未公開ネタ)
オーディオ実験の追加である。

前回の連載の後も、いろいろとやっていたのである。
この内容は、実は一度書いたものをさらにその後の実験で修正したものであるが、
残念ながら、このネタを書き始めてから発表まで
だいぶ時間がかかってしまったので、最新の研究結果ではない部分もある。
(だいぶ修正したが。)
最新については、また気を改めて書くこととする。

なお、各種専門用語が出てきている。
むちゃくちゃ難しい言葉はないと思うが、わからない場合は個別に質問されたし。

・ジルコンサンド

    5キロ¥1500
    25キロ¥5000

    コイズミ無線(東京)の通販
    03−3253−0461
    +税¥75+送料¥1260+代引¥300(送料+代引の方が高い!)
    (現在はここでは売っていない可能性が高い)

とあるホームページで以下の様な物を作って実験した結果があり、
これがかなり良く、しかも安いようなので早速試すことにした。

「ジルコンサンド」とは、きめが細かく密度がかなり高い砂である。
調べてみると、どうやら石英らしい。
この砂自体はそのホームページによると南アフリカのものらしいが、
産地として有名なのは別の場所らしい。
東急ハンズでも同名の物は売られているが、同じ成分かどうかは解らない。

これを、5センチの正方形に切ったガムテープ(2枚)で挟む。
これをスピーカーを含む各装置の下に置くのである。
前の実験シリーズでは防振シートを置いたが、その代わりである。
(5センチ幅布ガムテープ¥500)

その結果であるが、これはまたかなり効果的である。
音がすっきりする。
特に高音における伸びが改善される。
悪く言えば、高音が出すぎる。
特にDIATONEスピーカーとCDプレイヤーでの効果があったように思える。

ただし、他のインシュレーターとの2重使いは駄目である。
以前紹介したDELI RoyalMenuetに付けたスパイクインシュレータの
下に置いたら音が伸びなくなり駄目になった。
はっきり言って、スパイクだけの方が良い音である。
スピーカーを台にじか置きにするよりかは良いが、スパイクに勝てるものではない
ということだ。

CDアンプの下に元から付いているインシュレーターの下に置くのはいいが、
それ単体でかなりの効果を持っているものとは組み合わせない方が良いのだろう。

これ、かなり良いのではあるが、致命的な欠陥がある。
それは、砂が洩れてくることである。
ガムテープをどんなに慎重にくっ付けてもしわが出来、そこに隙間が出来る。
このわずかな隙間から砂が洩れるのだ。
この砂が細かい粒であるが故である。

この欠点のため現在うちではこれを使っていない。
牛乳瓶のプラスチックの蓋に砂を入れ、これをガムテープで蓋をし、
この上に黒檀の木を正方形に切ったものを置き(黒檀に付いては後述)、
さらに下にはMysticWhiteという吸音シートをひいている(これも後述)。
これの音は、悪くはないが、特に良くもないような気がしている。

じゃあ、いっそのことスピーカーをジルコンサンドの上に置いたらどうだろうか。
直接置くわけにはいかないので、ビニール袋に目一杯詰めて置いてみた。

結果は×。
音が詰まってしまう。
どうやら、スピーカーの底面の響きを完全に抑えてしまうとかえって音が
駄目になるようだ。少しだけ振動させるのが良いのだろう。

ということで、現在はキルト布で1辺センチの袋を作ってそこに
砂を入れている。これが一番良いように思う。

そうそう、買う量であるが、小さな物をスピーカーや装置用に
作るだけなら5キロで十分だと思うが、ケーブルも作ったり
装置の上に重しとして載せる袋を作ったりするととたんに足りなくなるので
25キロ必要だろう。うちでは5+25キロ、ほぼ使い切った。
こぼれた分もかなりあるが。


・ジルコンサンド重し
先の紹介のジルコンサンドを袋に詰めて各オーディオ装置の上に置く。
1つの重さは1キロ位だろうか。
これを、特に振動を出す装置、CDやDVDの上に置く。
1台につき2袋置く場合も多い。

置くべき場所は、振動を起こす部分の上が中心である。
プレイヤー系ではトレイの中心(正確にはスピンドル=
CD等を回す軸の中心)の上である。
アンプではトランスが振動源である。

効果は不明だが、悪くはなっていない。

なお、通風口を塞ぐように置いてはいけない。
過剰な温度上昇は装置の破壊や不安定動作をもたらす場合もある。


・レーザー設定
スピーカーの距離を正確に合わせると音像定位が良くなることは前回書いた。
その後、この設定にレーザーポインターを使うとさらに精度良く出来る
という情報を得た。

距離を計るには前回書いた水糸を使う方法そのままだが、
角度を合わせるためにレーザーポインターを使うことにする。

「レーザーポインター」というのは、プレゼンテーションの時に
光で指し示す時に使うあれだ。1本¥1370位である。
(ただし、現在は法律が変わってレーザー装置を持つ機器は
取り扱いが厳しくなっていて、今まで置いていたような店でも
おけなくなっている。従って、捜すのは難しいかもしれない。)

まずは前回と同じ方法で距離を合わせる。

いうまでもないが、最初に聞く場所を決める必要がある。
うちの場合は、部屋が狭いので聞く場所にいすを固定的に置くことが出来ない。
また、左右スピーカーの真ん中にテレビがあるので、
テレビの真正面=テレビの真ん中から垂直方向の線分上で
椅子を置き、そこが狂わないように目印を付けておく。

この聞く場所の少し前に起点を置き、そこにカメラの三脚を立て
左右のスピーカーまで糸を延ばす。この糸で出来る円周上に
スピーカーを置けば聞く位置からの距離は同じになる。


今まではここで終わりだったが、今度は、この聞く位置から見た時のスピーカー
角度を調整する。スピーカーは、聞く位置を頂点としたに等辺三角形に
置いた時にその存在が消え、音がぐっと広がると言うが、
今まではスピーカーの前面の向く角度までは合わせられなかった。

まず、スピーカー前面に鏡を張る。
実際にテープで張ると言うより、折り畳みの鏡(いわゆる化粧コンパクト
のような物。使っているのはコンタクトレンズ用品に付いていた鏡)を
立てかける感じ。

三脚の上にレーザーポインターを置き、
高さと向きを合わせ、レーザーポインターの光が鏡に当たるようにする。
この時、三脚自体は動かしてはいけない。上の雲台(カメラを付ける台座)だけを
調整する。

レーザー光線が鏡に当たると反射して戻ってくるが、
理想的には、これがレーザーポインターの光の出口にぴったり戻ってくるのが良い。
このようにスピーカーの面を左右に振る。
反射光がどこに行っているか解らない時は、手のひらを振ってみると良いし、
もっと良いのは三脚の後ろに衝立を置くとわかりやすい。
1人で調整するとなかなか面倒だが、2人でやれば簡単だろう。

注意;レーザーポインターの光の穴を覗いたり、
反射してくる光をのぞき込んだりしたら駄目。
目に悪い影響が出るらしい。

この調整は、距離も角度も非常に微妙で、左右の誤差も数ミリ以内にする
必要があるそうだ。だから、角度を合わせては距離を見直、を
数回繰り返してやっと完成する。
それをやっていると、あるところで急に音が広がり大きくはっきり
聞こえるようになる。そこがポイントである。

で、その効果であるが「ばっちり」である。
スピーカーは消えてしまう。真ん中に音が定位する。
さらに、細かい音もはっきりしてくる。同じボリューム位置でも
音量が1ランク上がる。
安い割りには効果はあるといえよう。

ちなみに、これを行う一式をセットにした物が日本橋の逸品館という店で
商品として売られているが、三脚付きで¥18800位らしい。
お金はありもっとちゃんと調整したい人にはいいだろう。
(実は、この詳しい設置方法も逸品館のホームページにある。
リンクに入れてあるので見て欲しい。)


・10円ハーモニクス
スピーカーの前の面と言うのは、実は結構振動している。
指で触ってもわかりにくいが、音が出ているスピーカーの前面に10円玉を
押し当ててみると良く解る。
この振動を抑えると言うか吸収・発散するとすると良いらしい。

そう言った類の商品も多数売られているが、¥1800(8個)位の安い物から
2個位で数千円の高い物もある。
もちろん私には高い物は買えないので、10円玉を両面テープで張り合わせて
作ることにした。

用意するのは
    厚み(1ミリほど)のある両面テープ
    10円玉 2枚1セットで必要分
    ジルコン・サンド
である。
1枚の片面に両面テープで池を作る。細く切った両面テープを
四角に配置して中央に窪みを作るのだ。で、この時両面テープの片方は
まだ剥がさない。

ここにジルコン・サンドを隙間なく入れる。
少し多めに入れ、擦り切れば良い(この時のために両面テープを剥がさないでおく)。
その後テープを剥がしてもう1枚の10円で挟む。
間に砂が入っているので、しっかりした感じで出来上がるはずだ。

これを数枚作り、ズピーカー前面に張ってみた。
最初は3枚。
最初は効果が解らなかったが、しばらく音を出し続けていると
なんとなく音が落ち着いてきた。
うまく言い表せないが、無用な反響がなくなった分音が綺麗になったと言う感じか。

結構良い感じなので、結局1スピーカー当たり6枚張った(両方で12枚)。
かかった費用は、両面テープとジルコン・サンドを覗けば240円である。

1つ欠点を上げるとすると、見た目が悪くなることである。
スピーカーのサランネットを取り付ければ見えなく出来るが、
実はこのサランネットも外した方が良いらしいと聞いたので、
うちでは今は外している。
まあ、音楽聞き時にスピーカーを見ているわけではないので構わないが、
他の人が見ると変かも知れない。

そうそう、因みに1円でも似たような物を作ってみたが、
こちらの場合は高音が―寸聞こえやすくなった気がする。
が、いかんせん1円は小さいので作るのが面倒。
で、今は10円である。

・・・とここまで書いてさらにその後のこと。
どうも一部の曲を鳴らした時に音に濁りが出るので
この10円ハーモニクスははずしてしまった。

本当にこれで振動が抑えられるのか、別の振動を起こす物=PCのハードディスクに
張り付けて試してみたが、全く効果なしのようであった。
(その後の実験で、HDDや金魚ポンプのような大きな振動には、オーディオ用の
振動材は全く効かないことがわかった。そういう振動には別のアプローチが必要
である。因みに、金魚ポンプには布の紐で吊り下げるが一番効く。)

以前「良くなった」と思ったのは気の性だったのか。
この手の実験の効果の多くは「気の性」の部分が多いから、
その日は良く感じても翌日には駄目とかあるからね。
本当に、いつ聞いても良く鳴り続けているのは少ない。


・減電圧
とあるホームページで、「電源電圧を下げると音が良くなる」と言うのを聞いた。
家庭用電源は100Vであるが、これを80V付近まで下げるのである。
ではどうやって下げるか。

業務(?)用にはスライダック(商品名かな?)という物がある。
日本語で言えば、(無段階)可変電圧式トランスである
(トランスは日本語じゃ無いけど)。
今回使ったのは電圧を0〜150Vの範囲で調整出来るものである。
いきなりそういう物を買うのは気が引けるので、
一応役得言うか、そういう会社にいるので借りて帰って実験したのであった。

まずはアンプのみ下げてみる。80V。
スピーカーで聞くと変わったような気もしたが(特にギター曲でそのような気がする)
スピーカーは同じ条件で聞いているつもりでも良く変わるから、
ヘッドフォンで聞く。

でヘッドフォンで聞くと?
電圧を下げると変化はあるように思うが、大したことはない。
気のせいと言われてもしかたない程度である。
今度はCDも一緒に下げてみる。
同じく効果はなし。
それ以上に「CDのトレイが開かなくなる」という問題があるので駄目。
(モーターの駆動力が落ちるのであろう。)

音が良くなる他にノイズが減るとも聞いたが、これも確認出来なかった。
ノイズ量も減ってない。

何で効果がないのか。
逆に、なぜ電圧を下げると効果があると言われるのか。
ここでトランスの原理を考えてみる。

トランスは電力を一定にしながら電圧を変化させる。
電力は電流*電圧なので、電圧が下がればその分電流が増える。
アンプを始めとするオーディオ装置は全て電子機器である。
電子機器は電子で動くから、使える電子の数が多い方がより良く動く。
多くの場合電流の量≒電子の流れの量なので、トランスで電圧を下げ電流を
多く流せるようにすれば、良い音になると思われるわけである。

もっとも、定常状態ではそれほど変わらないだろうが、
音という物は急な立ち上がり(音量の急激な変化)等もあり、
そういう時には突発的に多くの電子が必要となるので、
こういう時の音には変化が出よう。

ではなぜうちでは効果がなかったのか。
それは「TVスッキリー」のおかげではないかと想像される。
「TVスッキリー」は電子の数を増やす装置なので、
電圧効果による電流増加も余り効果として効かないのであろう。
すでに変化に耐えられるだけの電子があるから、
それ以上の大きな変化がない限り差が出ないわけである。
ヘッドフォンや、うちで効く程度の音量では効果が出ないのである。

もう1つ、原理的に減電圧が無効な機器がある。
それはスイッチング電源を積んでいる機器である。
100Vから12Vや5Vの電源を作るのに、トランスを使っている
装置では上記のような効果があるが、スイッチング電源では
2次側=出力側の電源は、1次側=入力側の電源変動の影響を受けない。
そういう物なので、このタイプの電源を使った装置では
効果は出ない。むしろ電圧を落とすと1次側に必要な電流が
増えるのでノイズが出るだろう。むしろ、電圧を上げた方が
電流が減って良いと思われる。
スイッチングかトランスかの区別は、中を見れば一発だが、
見えない場合は、装置が小型・薄型の場合はまずスイッチングと思って間違いない。

結局、減電圧は止めることになったが、
実際にやる時にはスライダックは特殊なので、
海外旅行用の120V→100V変換トランスを使えば、
100V→83V位になって良いと思われる(500Wでも5000円以下)。

ここで気を付けなければないのは、必ずトランス式にすること。
電圧変換装置の中にはトランス式でなく電子式のがあるが、
これは使えない。120→100V変換装置を100Vで使っても
80Vに下がらない可能性がある。

また、耐電力にも注意。
100Vで300Wとすると、3Aの電流が流れる
(300W=100V*3A)。
80Vでは300W=80V*xAでx=300/80=3.75A流れる。
トランスを買う場合、この電流が流れても良いような物が必要なので、
この電流が100Vで流れることを考えて、100*3.75=375Wの
耐電力の物を使う必要がある。
また、耐電力は1.2倍以上は必要なので、375*1.2=450Wは
必要となる。
これを十分取っていかないと最悪発火することがある。

一応オーディオ用に専用のトランスがあるようだが、
3万円位する。口数とかが解らないので高いかどうかは判断し兼ねるが、
気安く実験は出来ないのは間違い無い。


・SETTEN No.1

    熱研「SETTEN No.1」
    5cc ¥4200(定価)
    通販で¥4000以下の店もあり(T_T)

この「SETTEN No.1」とは何か。
これは、電気伝導性を改善する液体である。
詳しくは長くなるので省略するが、導電体であるカーボンを
混ぜた液体で、これを接点間に塗ることで接点間が埋まり、
電気伝導が良くなるらしい。
さらに、解かしている液体が接点の酸化なども防ぐので、
効果が持続(歌い文句によると半永久)するらしい。

(現在の)オーディオ機器は全て電子機器であり、全ては電子の流れによって動く。
だから、この電子の流れ次第で音や絵が変わる。
使える電子の量をいかに多くするか、またその電子をいかに効率良く運ぶかが
鍵となる。

以前紹介の「TVスッキリー」は同様の前者、電子量を増やす物であった。
この「SETTEN No.1」は後者で、各装置を結ぶケーブルの
コネクタ部分における電気抵抗を極力下げる物である。
(正確に言えば、抵抗を下げるのではなく、コネクタ部分における微小レベルでの
接触面積を増やして電子の流れを良くする。)

共に電子の流れを多く・良くするので音も絵も良くなるのである。

最初「SETTEN No.1」の説明を読んだ時に理屈にかなっていると思い
買ってみたわけだが、実際に使ってみるとまさに予想通りの結果であった。

で、その効果であるが、これがまた抜群である。

    「ものすごい」

激変である。
ちゃんと効果は持続しているので気の性ではない。

音が実にはっきりしてくる。
それは高音から低音まで一様である。
今まで隠れていた音も聞き取れるようになる。
奥行きも出てくる。
小さい音がはっきりしてくるので、小音量でも音が良く聞こえるようになる。

ただし、問題も起こることがある。
今までより正確に音が出る分、かえってその音同士が重なって
音が歪んで聞こえることがある。
音を意図的にたくさん作れる電子音楽系で多く発生するようである。
アンプ側もしくはスピーカー側が処理し切れていない可能性もある。

音声、映像ケーブル、アンテナ部分に対する塗布も効果ある。
映像も細かい部分で解像度が上がる気がするし、発色も良くなる。

電源コンセント部分でも効果はあると思われる(塗った)。

塗り方であるが、瓶に付属の刷毛ではうまく塗れない。
そこで、以下のようにする。
 1、プラグ側(雄)はちょこっとだけ付ける。
   説明書にあるように、胡麻粒大位(もっと少なくても良いと思う)
 2、ジャック側(雌)は、ちょっと付けた後に綿棒で全体に伸ばす。

電源の場合は、ジャック側=コンセント側には塗れないので、
プラグ側に2の要領で行う。
綿棒で拭くと拭き取られてしまうのではないかという懸念もあるだろうが、
大丈夫である。確かに綿棒にも付いては黒くなるが、それは余剰分である。
それだけ薄くても大丈夫だということ。

5ccは少なく感じるかも知れないが、少なくとも私の家の装置のかなり多い
(ほぼ)全部の接点に塗ってもまだまだ余りある。

久々にはっきり効果が解るものであった。


・レゾナンスチップ

    RCC  「レゾナンスチップ」
    8個入  ¥1800(通販;税、送料込み)

この「レゾナンスチップ」とは何か。
これは、振動を抑える物体である。

詳しくは長くなるので省略するが、直径8mm程のアルミ板に両面テープのような
ものを付けただけのもの、これを振動する部分に張り付けると
振動を抑えるらしい。

オーディオ機器は多くの物がモーターなどの可動部分を持つ。
スピーカーも当然振動する。しかし、本来振動して良い部分以外に
振動が伝わると音を悪い方向に変化させることが多い。
だから、この不要振動をいかに少なくするかが
鍵となる。

(以上、前回と同じ始まり方。)

説明書やホームページで紹介されていたポイントに張り付けてみた。
で、効果の程だがこれが「?」

その筋の評判ではかなり効果的で良いとのことであったが、
自分の家でやってみる限り、そんなに劇的な変化はない。
良く聞けば―寸違うかな?と言う程度である。
それも、好みの変化かと言われればそうではないような感じである。
(製品には「音が良くなる」とは書いてない。「音が変化する」とある。)

効果がないのでしばらく外していたのだが、後日振動点に関する
論文を呼んだので、その理論にしたがった場所に張り直すことにした。
その場所とは、スピーカーもしくは置き台を叩いて、音が一番響く場所である。

スピーカーの筐体を叩くとコツコツという音がするが、
その音が硬く高い音がするところと、柔らかく低い音がする場所がある。
2ウエイスピーカーなら2つのスピーカーの間とか、
側面のど真ん中に後者の場所がある。
このポイントに張るのである。

で、その結果であるが、これはかなりはっきり音が変わった。
それまであった音の濁りが無くなった感じである。
いい加減に張るのでなく、ちゃんとつぼを狙って張らなければ
効果がないということか。レゾナンスチップの説明書はかなりというか、
ほとんど役に立たない位にいい加減なので、この方法を取るべし。

この点に張れば、小音量でも違いは解る。

ちなみに、別にレゾナンスチップでなくても、金属片に
柔らかい物を付けて張り付けると、同じ効果が得られるようである。
うちではネジのワッシャー(丸いわっか)を2枚張り合わせ、
それに少し硬いスポンジのような物を付けて作っている。
また、ボタン電池の小さい物もよさそうである。
これでも効果はある。


・レゾナンスチップ(その2)

その後、このレゾナンスチップをオーディオ以外の場所に張っても効果があると
聞いた。それはどこかと尋ねたら、それは「ブレーカーの下」である。

家庭用配電板にはブレーカーがあるが、その中でも大本のブレーカーの下に
このチップを張る。
こんなとこ張って、何の効果があるねん、と普通はそう思う。
もちろん私も半信半疑であった。

が、意外な効果があった。
部屋の電気が明るくなったのである。これには正直驚いた。
テレビも心なしか明るくなった気がする。

音はどうかと言えば、やっぱりこれはわからない。
まあ、悪くはなってない。
張る前後でどうなるかなんて、じっくり聞き比べたりするのも疲れてきたので、
最近はよほど悪くならない限り、そのままにしておくからなぁ。

・・・現在はブレーカーのメインスイッチの下1つだけにしている。
で、各部屋のスイッチにはつりなどで使う板鉛を長さ3センチ*幅1センチ
似きって、スイッチレバーの両側に両面テープで留めている。
ブレーカースイッチの振動防止を意図している。
効果は不明であるが、かなり効果があるという人もいる。


・CDスタビライザー
前回も書いたが、その時は余り効果がなかった。
というよりも、CDが読み取れなくなるので止めたと書いた。

で、その後、ゴム板の直径をCDと同じ大きさから8センチCDの
大きさぐらいに小さくしてみた。
そうしたらうまく読んでくれるようになった。

音的には微妙な変化だが、心持ち音の立ち上がりが早くなった気がする。

はっきり違いがあるのは、CDを入れると最初CDが少し回って
曲数とか表示されるが、それが出てくるまでの時間がかなり早くなった。
CD板の振動が抑えられているから読み込みやすいのかも知れない。
ということは、きっと演奏時にも良い効果が出ているだろう。

ただし、この方法はCDプレイヤーがデンオンのDCD1610の
時までである。CH7700では連装なのでインシュレーターが置けない。
と言うことで今は使っていない。


・CD緑縁塗り

これもとあるホームページで紹介されていた方法。

CDのレーベル面を見ると、一番外周に3ミリほどの透明+銀色の部分がある。
ここをサインペンで緑に塗るのである。

使うペンは三菱鉛筆のUniポスカ みどり(角芯/太字)¥250である。
CDの空きケースにCDをはめ、CDケースのCD枠にペン先を沿わせて
塗ると綺麗に出来る。
うまく行けば、CDの信号面から見て、最外周が緑に見えるようになる。

で、効果の程であるが、そのホームページでは絶賛しているし、
良くなったと言っている人も多いが、私の耳には解らない。
(「変化がないと言う奴が信じられない」とまで書かれた。失礼な所である。)

少なくとも悪くはなっていない。
そういわれれば良くなった気もせんではないが、気の性だと言われれば
それまでの範囲であり、激変とはいえない。
大した手間でもないので一応塗るようにしているが。

しかし、これでなぜ音が良くなると言うのか。
科学的根拠は得られていない。
緑のペンを使うのは、緑が赤の補色で、赤色=CD読み取りのレーザーの
色を吸収してしまうためだという。
ほら、本に赤いペンでマークを付け、その上に緑色の下敷きを重ねると
その部分が見えなくなるあれだ。
これでCDを読み取るレーザー光線の乱反射が抑えられるなどと言う奴もいるが、
レーザー光線はもともと乱反射しにくいし、CDの読み取りの精度は非常に精密で、
光が散乱するようなことは少ないはずだ。
まして、CDの最外周を緑にしたところで、効果が出るはずがない。

もっとも、私とてCD上での光の反射され方を細かく調べたわけではないので
「絶対にない」とは言えないが、
残念ながら、まだ信仰的処置であると言はざるを得ない。

後日談。
この緑塗り、実はPC用CDドライブでCDをかけた時には大きな効果があった。
かなり音が違う。
ということは、
    1、安物のCDプレイヤー程効果が解りやすい
    2、ドライブの構造によって効果が出たり出なかったりする
と思われる。
いずれにしても、効果がある場合もあるので、やってみても損はないだろう。


・黒檀インシュレーター

装置には、振動を吸収するためにインシュレーターという足が下に付いている。
が、標準で付いている物は、余り性能が良くないとも聞く。
だから、市販の物に交換する人もいるそうだし、
以前書いた通りジルコンサンドのような別の物をかましたりすることもある。
が、もっと安く出来ないのだろうか。

そう思っていたら、「黒檀」という木を使うと良いと聞いた。
黒檀は名前の通り黒い檀であるが、非常に目がつまっていて堅い。
それが振動を抑えるとは思わないが、少なくとも箱を叩くようなボンボンいう
不要な響きはないし、台としては変形しづらいので良いらしい。

2*2*30cm位で¥450程度。これを2cmの長さに切ると15個出来る。
1つの装置の下に3個使うから5セット分。
長さは正確でなくても良い。2*2の面を使えば良いからだ。
ただし、黒檀の棒の断面が正方形の物を選ぶこと。
中にはゆがんだ物があるので注意が必要だ。

この上に先のジルコンサンドインシュレーターを置き、その上に装置を置く。
装置の下、前面部左右2箇所、背面部真ん中1箇所(もしくはこの逆)が
基本であるが、底板を叩いてコツコツいう場所に置くのが一番良いらしい。
一応縁起物(?)なので、全ての装置の下に置くことにした。
全部で27個!

これをスピーカーの下に置いた時はまったくの駄目である。
音が篭って響かなくなる。
ジルコンサンドインシュレーターを外せばまだましかも知れない。

堅いので鋸で切るのもかなり時間がかかるが、¥450で15個、
1個30円程度なので、試す価値はあろう。

LDで特に効き目があったような気がする。


・新型スピーカー台
 スピーカーをRoyalMenuetIIに換えたのは書いたが、
これは前のスピーカーであるJBLの上に置いていた。
が、場所を取るので新しい置き台を捜していた。
何とか安く出来る素材はないかと考え、一度木材で作っても見たが、
どうにも不安定で駄目だった。
市販の物も捜したが、値段が高いのはもちろん、うちで必要な高さ1m
という物はなかった(市販品はたいがい60cm)。

で、どうしようか考えていた或る日、日曜大工ショップに行ったら
とある木製ハンガーが目に止まった。¥2470。
「これの上の部分を切って、底に横板を付ければうまく行く!」

丁度横板に良さそうなラック用の棚板(¥670位)もあったので、
これを2セット買って家で工作した。
なかなか切り口が水平にならなかったり(+金ヤスリ¥800)、
横板が固定出来なかったり(木工用アロンアルファ¥240)で苦労したが
何とか出来た。
(途中でスピーカーを2回も落としてしまいスピーカーに傷が付いた。T_T
音にはとりあえず影響無いようだが。不安定性解消のため、下に以前使ってた
30*30cmの石の板をぶら下げるような形にもしてある。)

結果であるが、音がかなり良くなった。これはかなりはっきり解る。
スピーカーの上に別のスピーカーを置くというのは、
下になるスピーカーが動かなくなるよう線の処理さえしておけば良いと
聞いていたが、やはり振動物があるのは良くなかったようだ。
また、スピーカーは大きな磁石であるため、
そんな物がアンプの近くにあったのも良くなかったのかも知れない。

まだ不安定なのが気になるが、とりあえず様子見である。
(一度台が外れてスピーカーが落ちてしまった!
傷がいったのはもちろんだが、なんとなく落としてから時々音が割れるように
なったような気がするのだが。(T_T))

・・・この台は現在はもう使っていない。現在はボイド管という紙のパイプを
使った自作台に変更している。これについてはまた期を改めて。


・Mystic White

熱研「Mystic White」
    ¥8800(定価)
    ¥6600(買値)

吸音シートである。真っ白な化繊のシートなのだが、振動を熱に変換することで
吸音するらしい。
評判はやたら良い。例の逸品館の試聴室でもスピーカーの下などに
使われていたので買うことにした。

張った(置いた)場所は、
    スピーカー下
    壁に近いスピーカーの後ろの壁
    テレビの両側側面
    全ての黒檀インシュレーターの下
である。どこも音が直接当たるとか、振動しやすい場所である。

音の変化は?。
実は、CDプレイヤーの買い換えと同時だったので、
どちらの効果で音が良くなったかが解らないというのもある。
少なくとも悪くはなってない。
私の聞く音量が小さいので効果が出にくいのかも知れない。

スピーカーのスパイクの上下どちらに置いたら良いかであるが、
これは間違いなく下。上に置いたら音が篭る。
下に置くと、スパイクのみの時より良くなる。
どうも、スピーカーとインシュレーターの間には柔らかい物は挟んでは
いけないようだ。

そうそうこのシート、やたらと堅いというか切りにくい。
普通の文房具ばさみでは切れないかも。
カッターでも新しい歯を使っても余り切れない。
少し大き目の鋏でシートを二つおりにしてはさむように切ると何とか切れる。
今回は細かく切ったので、指が痛くなってしまった。
何でも、あらかじめ細かく切った物もあるらしい(そちらの方が安い。
きっと量も少ないんだろうけど)ので、試しにはそちらの方が良いかも知れない。


・ZERO STAT
    MILTY(イギリス製)
    ¥8000(定価)
    ¥6980(買値)

静電気を中和して除去するという装置。
静電気が装置やCD/LDの再生に悪影響を与えていると言うが、
それを改善するのである。
装置はともかく、CD/LDそうそうレコードも静電気でほこりが付くのは
良く目にする。特にレコードでは静電気があるとパチパチ音が出てしまうから、
それを除去出来ると良いだろう。

この手の物ではスプレーではいろいろある。
スカート用のエレガード何かもよさそうだが、
いかんせん、何かの液体が付いてしまい、その成分が残るのが気になるし、
香料も含まれていると思うので匂いが付くのも嫌である。
オーディオ用では匂いはないかも知れないが、前者は同じ。

で、このZEROSTATなのだが、これはピストル型の物で、
引き金を引くだけであり、液体も何もない。電気も要らない。
来んなもんで本当に静電気が取れるのか?

やってみても、あんまり取れてないような気が。
ほこりが取れないよ・・・これは勘違いで、静電気がなくなっても誇りは
摩擦で付いているので、吹き飛ばす必要はある。
(冬場のスカートにでも試してみれば効果が解るのか?)
ケーブルやスピーカーにも効果があるらしいが、
こちらも効果の程は解らない。

逸品館でも置いていたので買ってみたが、
ちょっと早まった買い物だったかも知れない。


・スピーカーバイアンプ、A/B端子両方使用
これは単純なことであるが、うちのアンプにはスピーカー端子がA/Bの
2つある。
また、スピーカーは高音用と低音用が別々の端子になっている。
今までは2組みのスピーカーを使っていたので、
(RoyalMenuetIIとDIATONE。CLT-1はRoyalMenuetIIに並列つなぎなので別。)
低音用と高音用のスピーカーの線を1つの端子に2本入れる形で
接続していたが、これをスピーカーを1組みに減らし、
Aから高音用、Bから低音用とするのである。
こうすることで、線を束ねなくて良いので線1本当たりのスピーカー端子との
接触面積が増えて良いはずなのだが。

効果は、やはり小音量では?である。
きっと大音量では良くなっているのだろうと思いたいけど・・・。

・・・現在は、アンプそのものを買えてしまったのでバイアンプ駆動は出来ない。


・バイワイヤ VS シングルワイヤ

うちのスピーカーは高音用と低音用のスピーカーが分かれている、
いわゆる2ウェイスピーカーなのであるが、
それぞれのスピーカーを独立で駆動出来るように成っている。

高音低音それぞれをアンプから別のワイヤでつなぐのを「バイワイヤ」、
1本の線でつなぎ、それを先で分けて高音低音両方に入れるのを「シングルワイヤ」
という。
そのどちらが良いかである。

以前はバイワイヤをしていたが、買う予定にしていたアンプがバイワイヤが
出来そうにないのでシングルを試してみた。
例の逸品館もバイワイヤリングよりシングルの方が良いように言ってた。
(2本のケーブル通すより、1本の方が良いということか?)

このシングルワイヤでもつなぎ方によって大きく音が変わる。
一番良いのは、プラス側を高音スピーカー側のプラスへ、
マイナス側を低音スピーカー側のマイナスへまず入れる。
あとは高音プラスから低音プラスへ、低音マイナスから高音マイナスへ
ケーブルを渡す。
これ以外に接続にすると音が小さくなる。
エネルギーの流れを一番良くする方向につなぐべき、と言うことか。

結果であるが、音の迫力から言えばバイワイヤであるが、
音の正確さで言えばシングルワイヤのような気がする。

シングルの時には注意が有って、+側は高音用スピーカーに先に入れて
後で低音用に、−側はその逆にする必要がある。
これを別の順番にすると途端に音がつまった感じになる。
どちらでもよさそうなものだが、事実変わるのが不思議である

・・・現在はバイワイヤはやっていない。スピーカーを交換し、
それが対応していないからである。


・TVカバー
うちの環境では、左右のスピーカーの間にテレビが来る。
      / ̄ ̄ ̄ ̄
    壁/TV
    /            こんな感じで、
   /左     右      左右スピーカーの線より少し後ろに
                29型TVが来る。

一般的にこういう置き方はいけないらしい。
TVのブラウン管表面で音が反射してしまい、音が濁るからだ。
でもうちではこれ以外の置き方は出来ないので、
代わりにTVに布カバーを掛けることにした。

結果、がぜん音が良くなった。音がはっきりし、定位感も向上した。
とくに低音域が改善される。
これはかなりはっきりした違いである。

ただし、TVの音をステレオ経由で出す時には使えない。
TVも見る必要があるから当然である。

・・・現在はこの当時と置いている部屋が異なるが、カバーは掛けている。


・レンズクリーナー
CDを綺麗にしたら音が変わるかどうかの実験である。
で、クリーナーは市販のCD用ではなく、

    カメラ用のレンズクリーナー
    HAKUBA レンズクリーナーキットKMC−05
    ¥360(定価)
    ¥290(買値;税別)

を使う。
確かに見た目は綺麗になる。
しかし音は?
じっくり聞き込めば違いはあるのかも知れないけど。
レンズクリーナー程度では実は綺麗になっていないのかも知れない。

そのうち、CD専用のクリーナーを買ってまた実験してみよう。


・吸音3題
今度は装置の調整ではなく、部屋の反響の調節である。
スピーカーから出た音は部屋の壁や隅で反射して耳に届くので、
スピーカーで聞く限りにおいて、その反響を調整するのは、装置の
調整以上に大切だとされるのである。

うちの部屋は畳の和室でしかも書院作りなので反響的には余りよろしくないらしい。
しかし、これは替えるわけには行かないので、この部屋にあった
調整を考える。

基本は2つ。
左右スピーカーの間、TVの後ろに壁の隅が来るが、
ここに音が溜まる感じがあるので、ここの吸音。
もう1つは部屋の天井隅、そのTVの上とその逆の隅。
以下の3つの対策をする。

1、部屋の天井の隅にミスティック・ホワイトを切って張る
    2*4cm位の短冊にして張り付けた。
    これは効果なし。小さすぎたか。

2、部屋の天井の隅にとげとげ状のスポンジを切って張る
    縦15*横15*厚さ3〜5cm位の物。
    会社で棄てられていた、荷物輸送用の緩衝材。よってタダである。
    これはかなり効いた。音が急に聞こえるようになった感じ。
    ボリュームを少し下げなくてはいけない位。
    天井隅の三角コーナーで音が反射すると逆位相になるのだろうか。
    (音は丁度逆の波形を重ねると消えてしまう。)
    それを減らすことで音が聞こえやすくなるのだろう。

3、左右のスピーカーの中央に紙で出来たショックアブソーバーを
  細かく切った物を詰めたパンストを吊るす。
    TVの真後ろに、今度は紙で出来た荷物輸送用の緩衝材を
    細かく切ったものをパンストに詰めたものを吊るした。
    これも会社で棄てられていた物であり、タダである。
    (もちろんパンストは違う。これは家での余りもの。¥300位か)
    こちらの効果はスポンジ程ではないが、でも音の定位が改善された。
    TVの後ろは先に書いた通り部屋の角になっているのだが、
    天井隅ほどではなくとも、ここでも音の反響がある。
    これを抑えているのだろう。

1はともかく、2と3は見た目が良ろしくないのが難点だが、
音がかなり良くなったので、ここは我慢である。
パンストの方も、意外にもカーテンの色と似ているので余り目立たない
(多分教えて上げないと気が付かないと思う)のだが、
それでも気を付けてみたら、変かも知れない(^_^;)。


・スピーカータイツかぶせ
今までの実験から、振動に対する対策が音にとって非常に重要であることが
解ってきた。特にスピーカー回りのそれは非常に大きな変化が
出ることもある。

スピーカーと言う物は、コーン(逆御椀の部分)以外は動いてはいけない。
それ以外が動く=振動することで音を濁らせてしまう。
特に筐体が振動するのが一番いけないらしい。
では、スピーカー全体を厚手の布地で包んだらどうだろうか。

何回良い物はないかと考えていたら、タイツが目に入った。
あの足に履くタイツである。
これは隙間無くぴっちりになるので理論上はよさそうだ。
(タイツは厚手なので破けににくいが、それでも気を付けないと角で
切れてしまいそうになる。切れたら怒られる。パンストでは
厚みの問題もあるが、耐久性の面でも駄目だろう。)
ただし、うちのスピーカーは小型なので可能であったが、大き目のスピーカーなら
当然無理であろう。

で、効果であるが、残念ながら音が篭ってしまい駄目。
スピーカー部分まで覆われたのが原因かも知れない。
その部分だけ穴を開ければいけるかも知れないが、
借り物なのでそこまで出来なかった。


・ボタン電池インシュレーター
今度はボタン電池(小さい電気器具に入っている小指の先ほどの銀色の電池ね)
をスピーカーのインシュレーターとして使ってみた。
ボタン電池の下にMystic Whiteを置いただけ。

効果は、微妙な差だが黒檀のインシュレーターの方が上。
黒檀の方が高さがあるのが良いのか。

いやそれよりも、接触面積も差かも知れない。
今まので実験から考えるに、インシュレーターは振動を発する機器に対しては
出来るだけ硬い接触面で広く接し、台に対しては振動吸収材をかませて
狭く接する方がよさそうである。
要するに広く振動を集め一点に集約して消す、逆三角形が良いわけだ。

    ___装置
     ▼        こんな感じかな。
     ̄ ̄ ̄台

ボタン電池は台側に関しては合格だが、装置側の面積が少ない。
実際に見ていると少し浮いていて、電池の全面では接していない。
これでは振動を取れない。
黒檀との差はこれだろう。


・スピーカー全面にMystic Whiteを張る

これもスピーカー全面の振動を吸収するという目的である。

これを自由な形に切るのが非常に難しいため
スピーカーに張ると言うことは出来なかったが、
その前に置くようにしたところ、変化はなかった。


・カーボンシート
    BigWave
    ¥2000(税込み)

吸音シートである。というより、カーボン繊維を布状にまとめた
(この表記に注目ものを吸音シートとして使う物である。
純粋なカーボンの集合体だけに安く、1m*1m、厚さ8mmのものが
この価格である。この手の商品としては破格の安さではあろう。

安いので買ってみたのだが、これがまた吸音の性能を知る以前に大きな問題が有った。
「カーボン繊維を布状にまとめた」と書いたが、これが癖物だったのである。

カーボン繊維の1本1本は 非常に細く、しかも1cm位しかない。
これをただ単に布状に広げているだけなので、
ものすごく切れやすいというよりちぎれやすい。
刃断面からもぼろぼろと取れてくるのだ。崩れると言った方が正解か。

カーボン繊維は釣竿などにも使われるのだが、
軽量で硬いのが特徴である。
竿の場合は接着剤で固めてあるので言いのだが、
このシートのように単に寄せ集めの場合は、崩れその繊維が飛び散る。

硬く細い繊維は指に刺さるととても痛い。
こんな物を吸い込んだり目に入ったらしたら大変だ。
ましてうちのように子供のいる家庭では。

さらに、カーボンは導電性があるので、電子機器の内部に入ると
ショートさせる危険性がある。

ということで、とりあえず1回はCDプレイヤーの下に敷いてみたが、
音の評価をする前に手が痛くて駄目だった。
直ぐに外し、袋に積めてセロハンテープで封印した。

どうしても使いたければ何かで固めるしかないが、
今のところ良い方法はない。

・・・

で、インシューレーター代わりは無理であったが、
とあるところで有効な使い方があった。
それはスピーカーの中に詰めることである。

吸音のつもりでスピーカーボックスの中に詰めてみたら、
これが非常に良くて、特に低音の勢いが良くなった。

この効果が、はたして吸音によるものか、
それともカーボンの導電性による静電気の防止によるものかは
はっきりしないが、後者の可能性が高い。

最近の考えでは、静電気を取り除くとスピーカーの動きが
妨げられなくなって音が良くなることがあるらしいからだ。


・テフロン線

スピーカーケーブルに細い線を使ったらどうなるかの研究結果は以前にも書いたが、
今回、テフロン線と言う 直径0.4mmの単芯線を使って実験することが出来た。

いきなり結論であるが、だめである。
音が引っ込んでしまう。簡単に言えば音が小さくなる。
以前にやった電話線での結果と同じ。

高音だけは出る。
どうも、細い線は高音が出、太い線は低域が出るらしい。
大電流を通せるかどうかの差であろう。
バイワイヤ駆動時に、高音側ケーブルに使うのは良いのかも知れない。
(この後、別の線で直径0.08線*13本の線も使ってみたが、
同じ結果であった。)

うちのスピーカーの置き方では左7メートル、右2メートルの変則である。
太い線ではそれによる差は出ないが、細い線はこの差が如実に出る。
音が右に寄るのだ。

今回は細い線を+側−側平行で離して走らせたが、
これは撚った方が良いとも聞いた。
そうすると違った結果が出るかも知れないが、次回にチャレンジである。


・ケーブル自作
オーディオ装置間をつなぐケーブルというものは、買うと理不尽に高い物が多い。
ということで、自作してみた。
ある程度音質、画質には配慮しているが、個人の手に入る材料、持っている機材で
作る以上、玄海はある。

映像・デジタル系
    映像系のケーブルはインピーダンスというものが75Ω
    出なくてはならないという決まりがある。
    簡単に言えば、そこら辺にあるケーブルをつなげばいいと言うことではない
    ということだ。
    同じように見える音声用のケーブル(市販のものは赤白)、と
    映像用ケーブル(黄色)は全く特性が違うのである。
    映像用のケーブルを音声に使っても良いが、逆はだめなのである。
    
    75Ωのケーブルと言えば、一番手っ取り早く手に入るのがテレビの
    同軸アンテナ線(黒)である。
    大まかではあるが、太いものが5C2V、細いものが3C2Vという。
    
    このTVアンテナ用同軸ケーブル(3C2V)とハンダ不要コネクタ
    を使って映像ケーブルを作る。作り方はあえて書くまでもないが、
    ケーブルの両端の皮膜を剥いてコネクタとつなぐだけである。
    アンテナケーブルは5C2VならTVを売っている量販店なら
    どこでも手に入るが、3C2Vは少ないかもしれない。
    でもそんなに少ないものでもない。
    コネクタはちょっと特殊かもしれない。日本橋あたりの
    パーツ屋に行けばある(私が手に入れたのは共立電子)。
    
    ここで半田不要コネクタ=ねじ止めするコネクタを使ったのは。
    ハンダを使うとインピーダンスの変化があるのか良くないという
    実験結果からである(かなり明らかに映像の劣化がある)。
    半田は何かと影響があるので、使わないで済むならその方がよい。
    但し、線の接触面積は出来るだけ多くなるようにする。
    アンテナ線の心線は堅く折れやすいので、ねじ止めできつく締めすぎると
    切れてしまう。要注意である。

    また、コネクタには空洞部分があるので、ここにはジルコンサンドを
    詰めて振動吸収させた。

    このケーブルを使うことでだいぶ映像が綺麗になった。
    それよりも、自由な長さのものを作れるのが一番良い。
    1本当たりで言えば、3メートルで700円位であろうか。
    そのうちコネクタだけで500円(250*2)位かかる。
    それでも市販の高性能オーディオケーブルに比べれば
    1/100位である。

    本当は、ケーブルとしてはBSアンテナに使われる白アンテナ線
    (4C2V)を使いたかったのだが、線が太くなりコネクタに
    入らなかった。BSアンテナ線はシールドが2重になっているため
    ノイズに対する影響が少ない。これが入るコネクタさえ手に入れば
    この方が良かろう。値段は倍近くするかもしれないし、
    このケーブルはあまり店頭にないので、捜すのが大変かもしれない。
    ただ、BSアンテナを扱っている店には必ずあるはずなので、
    聞いてみると良い。
    京都寺町でなら、小さな電気屋で手に入る(店名失念。)
    ここも店頭にはないので聞いたら、量り売りしてくれる。

    ちなみにこのケーブル、同軸デジタル信号の線にも使える。
    こちらも性能上問題ない。

音声系
    音声系は出来るだけ細い線を使うことにした。
    細い線の方が線自体が持つ静電容量を減らせると考えたからである。
    静電容量とは要するに電気を溜める能力のこと。
    これが大きいと、音がなまるのである。途中で電気信号を
    溜めてはき出そうとするから。

    それなら単線にすればいいと思われるかもしれないが、
    電気信号は高周波になればなるほど電線の表面だけを通ろうとする
    性質があるので、単線では通せる電気量に制限が出る。
    これを防ぐために細い単線を数本束ねたものを使う。

    さらに、線自体は同軸で、かつ柔らかいものとした。
    同軸なのはノイズの影響を下げるため、柔らかいのは線を引き回す時には
    必ず曲がる部分が出るが、その部分における線にかかるストレスを
    減らすためである。

    これらの条件を備えた電線として協和電線が出している13/0.08*1
    シールド線(No.5)を使った。1本直径0.08ミリの極細電線を
    13本束ねていて、その5メートルものという意味である。
    480円位である。
    これもパーツ屋に行けば手に入る。京都寺町ならニノミヤ無線1F奥の
    パーツフロア、日本橋なら三重電業(だったとおもう)か共立でも
    手に入ったと思う
    
    これを直径5ミリ〜10ミリほどの熱収縮チューブというものに通す。
    ジルコンサンドに余裕がありケーブルが短いなら太い方がよい。
    (砂に余裕がない、ケーブルが長い時は5ミリで。特に長くなると
    砂の重さでケーブルが重くたるみやすくなるので注意。)
    これも協和電線から出ているが、他でも手に入る。
    1m*3本で400円位であろう。
    ただしこのチューブ、1メートルのものしかないので、
    ケーブルをこれ以上に長さにする時は途中で継ぎ足す必要がある。
    この通す作業はかなり難しい。柔らかい電線を別の管に通すのは
    慣れが必要だ。少しでも楽をするなら、1メートルの針金を用意し、
    この先に電線を付け、針金を先に通して引っ張り入れるという手もある。

    ケーブルは、チューブの両端から3センチ位出るようにする。
    で、そこにコネクタを半田付けする。
    コネクタは2個320円位の金メッキものでよい。
    (いや、先に紹介のねじ止めコネクタならもっと良いのだが、
    あれは高い+今回は本数が多かったのでこれを使った。)
    本来ならハンダを使わない方が良いが、細い線では
    接触面積を増やすためには必要。
    コネクタ自身で十分な接触と締め付けが出来るならハンダは不要だが、
    十分でないならハンダを使った方が良い。
    音声系は元々インピーダンスが高いせいか、ハンダの影響は少ない
    ようである(むしろ接触面積が小さいことの影響の方が大)。

    このとき、コネクタのカバーを先にチューブに通しておくことを
    忘れてはいけない。そうしないと後で閉められなくなる。
    
    出来たら、このチューブの中にジルコンサンドを充填する。
    細い管に砂を入れると、最初は詰まったようでもすぐに隙間が出来てくる。
    とんとんとたたきながら、根気よく詰めていく必要がある。
    上戸のようなものを作らないと入れにくい。
    
    充填出来たら、両端を閉じる。
    このとき、5ミリ管ならコネクタの中に入るように、
    10ミリならコネクタの外に被さるようにする。
    (ちょっと言葉だけではわかりづらいだろうが、やればわかる。)
    熱収縮チューブは、その名の通り熱を与えると縮まる性質がある。
    だから、はんだごてで熱を与えると良い。
    でも完全には管は閉まらないので、出来るとことまで縮めたら
    後は木工用ボンドで閉じる。
    
    また、管全体にもはんだごてを当てて管を収縮させて、砂ががっりち
    固まるようにする。この熱収縮チューブは少々熱を与えすぎても
    融けることはないので安心して当てればよい。
    (お湯程度のでは縮まらない。火であぶっても良いが、コネクタ近くは
    無理なのではんだごてを使う。)
    何度も言うようだがこの砂は振動吸収用なのでがさがさではだめ。
    また、がさがさだと砂がすれてそこに静電気が発生して静電容量と
    なるので、堅め方はしっかりすべきである。
    
    結構時間と手間はかかるが、思いのままの長さのケーブルが出来る。
    このケーブル、少なくとも市販の5000円クラスのケーブル以上の
    細かい音が出せる。普通ならこれで十分だ。
    後はコネクタやら半田の付け方を考慮すればもっと良くなるだろう。

    ・・・

ついでなので、ここでオーディオにおける信号線について考察してみよう。

どのような信号線が良いかと言えば、途中で信号をなまらせないことと
その間で外部からのノイズを受けないことと言えるであろう。

信号のなまりは、信号線が持つ電気を溜めてしまう性質=静電容量が原因する。
複数の線を束ねた場合や、心線に対して被服をした場合、
そこに電気を溜めるところが出来てしまう。
一概には言えないが、細い線の多束ねが静電容量を多く持つと考えられる。

信号線として太い線(実は多束ね線)を使うと音に力があるように
感じるが、これは単に音が大胆=細かい音が聞えないだけである。
これを良いと勘違いする人も多いようだが。
(細かい成分のない、低周波用信号線ならこれでも良いだろうが。
スピーカーの低音側ケーブルとか。)

それからすると、細い線で単線を使うのが良さそうだが、
これとて実際に配線すると周りとの間で静電容量を発生するので、
何らかの対策が必要である。

また、オーディオでは振動対策も重要と言われるが、
これは振動によって静電容量が変化するからであろう。
一定の静電容量ならまだそれはそのケーブルの性質として
理解されて良いが、これが変化すると音がふにゃふにゃする悪いケーブルとなる。

そう考えると、ノイズの対策も含め、細い線に通電性のある物でシールドをして、
そのシールドをアースに落とし、さらに周りから振動対策を施すのが
良いのではないかと思う。

理想では、抵抗値の少ない金属(銀や銅か?)の単線をカーボンで巻き、
これをさらにジルコンサンドで覆って熱収縮チューブでしっかり固める
と言いと思う。

こんな手間、なかなか出来ないが、時間があればやってみたい物だ。
これを読んで作った人があれば、是非分けて頂きたい。


・CDプレイヤー傾け
これは、とあるホームページにあった実験結果を実践したものである。
CDプレイヤーを10〜30度傾けるとノイズが減ると言うことである。
    http://www.bekkoame.ne.jp/~jh6bha/higa9906.html

うちでは、CDプレイヤー、CD−Rレコーダー、DVDプレイヤーの
3種類のディスクプレイヤーがある。LDプレイヤーもあるが、
これは大きすぎて無理なので、前者3つだけに施すことにした。

元から装置に付いている足を取り、先に述べた黒檀インシュレーターで
2点支持をして傾ける。こんな感じである。
        \
        □\
これで10〜30度になるかどうかはわからないが、
とりあえず、これ以上の傾けは今のところ出来ない。
(奥行き30センチに対して3センチの上げだから、

            |3cm
    ────────┘
      30cm
tanθ=3/30なので、θ=arctan(3/30)。あ〜何度かな?

このとき1つ注意しなければならないのは、まれに傾けると装置に
悪影響が出る場合があると言うこと。
壊れると言うことではなく、トレイが出てこなくなることがあると言うことだ。

うちのCDプレイヤーはすでに紹介している5連奏のCH−7700であるが、
これは5連奏だけあってトレイが大きくて重い。
そのため、傾け方を前を上げて後ろを下げるようにすると
トレイがその重さによって出てこなくなるのだ。

従って、この場合は左右に傾ける必要がある。
このホームページの実験によると傾ける方向は関係ないそうである。

またもう1つの注意として、同様に前を上げている場合、
トレイが斜め上方向に出てくるため、たとえばラックに入れている場合
天井面に向かって出てくることになる。
ゆえに、板を出し入れする時に天井に擦りそうになる。

この結果であるが、音は確かに細かいところが出てくるようになったと思う。
特にDVDでそう思う。
が、劇的な変化とは言えないかもしれない。
かなり良い装置(または耳)でないとわからないのかも。

なお、このホームページでは他の改良法も書かれているが、
件の5連奏プレイヤーではこれも構造上実践出来なかった。
CD−R/DVDでは可能かもしれないが、分解が必要なので
実践していない。


・スピーカー改良
MenuetRoyalスピーカーに対していくつかの改良を行った。
・スピーカー裏にレゾナンスチップを貼る
・吸音材としてカーボンシートをできるだけ入れる。
・元から入っていた吸音材の入れ方を直す。
 元々の物は片寄り、後ろの穴を塞いでいた。
 一度落としたので、その時にずれたのかも知れない。
・内部の配線のスピーカー(SP)側5〜10cmにジルコンシールドを施した。
 SP内部の配線であるが、本当は全体に対策したかったが、
 取れないので、前に引っ張り出せる部分のみ処理した。
・SP接点にSETTEN No.1を
・SP接点をペンチで締め付ける
・SPの取付方向を左右合わせる
 実は、左右でウーハーのスピーカーの取付が違う角度であった。
 (うまく言えないけど、90度回転していた。)
 これを合わせた。それによってどれだけ音に影響するかは不明で、気休めである。
・SPの取付ねじをきつく締める

特に変化したのは低域の量感が飛躍的に向上した。
こんな小さなスピーカーでもこんなに出せるもんかと驚いた。
中高域もしっかりした感じ。


・壁一面キルト張り
スピーカーから出た音は、正面から聞く人間に直接届く音(直接音)と、
いったん後ろや横の壁、天井にぶつかってから届く反射音がある。
このうち、特に後ろの壁や部屋の隅で反射する音は音を濁らす原因となるらしい
ので、これを少なくする。

このための吸音(もしくは制音)材が売られているが、当然のごとく高い。
そこで、キルト布を使った。
キルト布は、布の裏側に綿の層があるため、音を反射しにくい。
また、その表面も縫い込みがあるためでこぼこしていて音をまっすぐ反射しない。

キルト布も良い物を買うと高いのだが、手芸屋などに行くとはぎれが
売れているのでこれを買うと安い。私の場合、近所のカーテン屋で
なぜか売れていたのでこれを買った。(1m*2mで300円位。)
1枚1枚は安いのであるが、壁一面分となるとそれなりの枚数(内で30枚位)が
いるのでやはりそれなりにはかかる。それでもオーディオ用より遙かに
安いけど。ただ、端切れで柄をあわせるのは難しいので、見た目はあまり良くない。
ここは我慢のしどころである。

スピーカーの後ろ壁一面、下から上まで+上はコーナーを回って少し天井まで、
また、聞く位置の後ろの天井の上の角にも付けた。

    上から
    /−−−−−−−−−−−\
    |          |  |と/\の位置である。
    |SP      椅子    |
    |          |
    \−−−−−−−−−−−/

    横
    /−−−−−−−−−−−\
    |          |  |と/\の位置である。
    |SP      椅子    |
    |          |
    +−−−−−−−−−−−+

効果のほどであるが、過剰に響く低音が少なくなったように思う。
が、普通の音量なら大丈夫だが、音量を上げるとやはりまだ耳に付く響きが出る。
安いだけに限界はあるようだ。コーナーについては、キルトだけでなく
フェルト生地を2センチ角に切って貼り付けると吸音効果が
ますらしいので、これも併用すると良いだろう。


・フェライトコア
フェライトコアとは、電話線やPCの電源線に付いていることのある
黒または白の筒みたいな物である。

これを通すと高周波(1MHz〜1GHz。形状や大きさによって
若干異なる)の、機器から出るノイズが軽減される。
このような高周波を出すのはPCや、オーディオではDVDやCD等の
デジタル機器である。

そういった機器の、電源ケーブルの、コンセントに出来るだけ近いところに
これを付ける。なぜコンセントに近いところかというと、
それまでに外部から混入したノイズもここで止めるためである。
あくまでこれはノイズを「出す」ことへの防御だから。

通し方であるが、ただ単にその中を電源線を通すより、
1回巻き(コアの中を2度通す)をしたり、コアを複数付ける方が
効果がある。どちらかというと、1回巻きの方が効果が高い。
(このあたりはノイズ試験所の資料から。)

これを、家にあるほぼすべての家電製品(電灯も含む)のすべてにいれた。
結果、細かい音が聞えるようになった感じがする。
特に、理屈にはちょっと合わないかもしれないが、
洗濯機や乾燥機、冷蔵庫に入れると効いたような気がする。

このフェライトコアは、PCショップで売っている。
買うと1個400円以上と結構高いが、私の場合、会社で大量に出た
廃棄製品からもらったのでただであった。
(そうでもなきゃ、20個以上とか付けられませんて。)

このフェライトコアによる高周波ノイズカットの意味をもう少し科学しておく。

入力電流波形に高周波電流成分を含む機器が不特定多数配電系に接続された場合、
ここに高周波電流成分を多く含む電流が多く流れる。
配電系のわずかなインピーダンスによって高周波電流成分が電圧に変換され、
結果として電圧波形に高調波ひずみが生じる。
これは、ひずんだ電圧波形で給電されることになり、(隣近所も含む)周りの
機器の内そうした条件に弱い物が異常を生じる。
(株式会社エヌエフ 回路設計ブロック「低周波のEMC」の技術資料より)

これを簡単に書けば、ノイズを出す機器があると、それが電源に入り込んで
電源電圧を変動させ、それによって機器が異常動作することがあるということである。
異常動作まで行かなくても、オーディオなら音がおかしくなる。

勘違いしてはいけないのは、高調波対策が直接(それが入れられた)オーディオ機器で
聞えるノイズと関係するわけではないと言うことである。
周りとの相互作用で影響すると言うことである。

だからフェライトコアなどでノイズを取る必要があると言うことである。
しかも、入る側ではなく出す側で取る必要がある。
このあたりの理屈を知らないで対策しても無意味である。

ちなみに、この高周波ノイズに対する規格はヨーロッパが特に厳しく、
非常に多くの対策がなされている。これに比べて国内の規格は(今は)まだ甘い。
国内会社の製品でも、海外にも出ているモデルは対策がなされている
可能性があり(国内と海外とで対策を変えてコストダウンしている可能性は十分
あるが)、また輸出しているということはそれだけ数が出ているということなので、
量産効果から考えても低価格で良い物が多いと考えられる。
もし製品選択で迷ったら、こういう観点から選んでも良いであろう。


・金属巻き
今度は、電源線や信号線に金属を巻き付けてみる。
金属の薄膜で、今回使ったのはアルミホイルと銅箔である。

こちらはフェライトコアとは逆に、外部から侵入する電磁波を
遮る目的である。
資料によると10〜50MHzではアルミの方が銅より効果があり、
1GHzになると銅の方が効果があるそうだ。
ちなみに、遮るとは書いたが実際には電磁波は吸収され、
それは熱となる。

これから考えると、オーディオではアルミが、(最近の)PCでは
銅が効果があると考えられる。

で、とりあえず2カ所に施行。

    ・CDデジタルケーブル(同軸)に銅箔をまく
     →効果不明

    ・オーディオのすべての電源線にアルミホイルを巻く。
     ノイズを受けにくくする。
     →効果不明

と言う感じで、劇的な変化はなかった。

今回はやらなかったが、一般に製品から出る高調波対策では
開口部の周りにこういった金属を貼ると効果がある。
CDやDVDやVHSのトレイの周りに貼ると効果があるかもしれない。


    ・・・後書き・・・

いろいろやった結果、少なくとも私の耳では、最初よりだいぶ
音は良くなったと感じている。特に細かい音が聞える。
ちょっと高音が強いかもしれないが。

いろいろな実験は、それぞれを独立でやっている訳ではないので、
どれが一番効いて今の音になっているかははっきりしないところではある。

しかし、「音が良くなった」かどうかと言うのは、結局は私の耳の感覚だけ
によっている。
測定器など使っていないので、具体的に周波数特性が上がったとか
S/N比が上がったなどの客観的情報はない。
音楽の聞こえの善し悪しは、決してそういう測定されるデータの善し悪しと
一致するのではないが、客観的情報が出せないことには違いない。

で困ったことに、人の耳、もちろん私の耳も日によって聞こえ方が違うし、
1日の中でも時間によって違うし、感情によっても違う。
これを付けたら良い音になるはずだ、と言う思い込みもあろう。
他人から「良くなる」と言われると、そうなった気にもなる。誘因効果というやつだ。
(だから、最近は、絶対に変わるわけはないと思いながら実験するようにしてるが。)
朝は良く聞こえないが、夜の方が良く聞こえるのは体調の影響もあるだろうし、
夜の方が回りの音が良く聞こえると言う現象によるものかも知れない。
天候によっても違う。

これは実験としては書かなかったが、装置の電源を入れて、
直ぐに聞き始めるよりしばらく経ってからの方が良い音が出ると言う事実もある。
(経験から言えば、最低10分はかかる。)

変更対象以外のすべての条件を全く同じにして2回聞くことは難しい。
だから、耳で聞いた変化が、ある時は大きくにあったように思えても
別の時にはなかったりするのだ。善し悪しが逆転することもある。

世の中には、他にもこういう実験をいろいろとやっている人はいるが、
全て個人の聴感だけによっている。

それ自体は別に構わないのだが、困ったことに、人によってそもそもどんな
音を良いとするのかの判断基準が違うので、その結果が自分には当てはまらない
ことが多いのだ。

しかし、そういう人達は自分の見つけた結果に酔いしれているようにしか見えない
ものが多い。「自分はこれで音が良くなった、それで良くならないのは、
耳が悪いか、装置が陳腐(もしくは高級すぎる)」とさえいう奴もいる。
その上で「そんな効果はない」と言った人間を非難さえする。
愚劣である。

客観的データがない、科学的根拠が示せない以上、
そんな実験のどんな結果も全て虚構である。
これは、科学者が絶対に外してはいけないことである。
例え自分の見つけた結果がいかに素晴らしくても、それを客観的に示せない限り、
それは「事実」ではなく、それに溺れてはいけない。

こんな例があった。
あるグループが「CDの中心の穴の周りに切れ込みを入れたら音が良くなる」
と言うことを書いていた。別のホームページでそれを科学的に検証した
実験があり、結果、信号的にはどこをどう見ても音が悪くなっている
(ノイズが乗りまくっている)ということであった。
こんなものである。ノイズが乗っているのをいい音だと勘違いしているのだ。
その筋では有名だと言われる人の耳でも、所詮はその程度なのだから、
あまり気にしなくて良い。

フェライトコア等のノイズ対策にしても、自分で考えたいい加減な理屈で
書いている場合がある。しかし、個人の考えと実際の科学は違う。
ノイズ対策に関しては、オーディオ馬鹿が勝手に考えている以上に
すでに多くの実験と研究がなされている分野なのである。

科学の歴史を見てきた人間ならこういうことは当たり前のごとく知っている
ことなのだが、「普通」の人は、とかく自分の見つけた結果に酔いやすいようである。

また、オーディオ系には似非専門家もたくさんいるようなので、
彼らの甘言に惑わされてはいけない。
静電気と電磁波と混同していることはよくある。

メーカーですら平気で嘘付いたり勝手な思いこみで高額な商品を売っていたりする。
ケーブルで「抵抗値0」等と言うことを平気で書いているメーカーがあったが、
抵抗値0を常温で実現出来たら間違いなくノーベル賞だ。
非常に残念ながら、オーディオで良心的なメーカーの方が少ないように思える
のは困ったものである。

    ・・・この件についてもう少し科学的補足・・・

信号線という物は、その中における自由電子の動きによって電流が出来る。
この自由電子を持つ物を導体と言うが、導体中では別の原子核の
振動などもあるため、自由電子の動きに大して抵抗が生じる。
従って、極低温(マイナス270度近辺)まで下げずに
抵抗値を厳密に0にすることは出来ない。

また、オーディオの信号は直流ではなく交流成分なので、
いわゆる直流抵抗値はあてにならない。交流抵抗値=インピーダンスが
意味を持つ。交流における抵抗とはコイル成分(線がくるくる巻いている
ことと思えばよい)と静電容量である。
静電容量も絶対に0には出来ない。大地との間にでも静電容量は
形成されるからである(もっとも、これは無視出来るほど小さくは出来ようが)。

抵抗値0というのは、単に使っている測定機器の精度が悪いことを
自慢しているだけである。ゆえに、こういう会社の製品は全く信用出来ない。

    ・・・

考えを書くなとは言わない。私も自分の考えだけで科学的裏付けを取らないまま
書くことは良くある。だがそれは「可能性」であって事実とは異なる場合もある
ということは肝に銘じておかなければならない。

だから、それが場合によって効果が出なくてもそれは仕方無いのである。
そこんところを間違ってはいけない。
オーディオにおいては、科学と言うより「感性」の世界が多いため、
なおさら断定はしてはいけない。

自分が信じることは別に構わない。
信じることで音が良くなることはあろう。
だけど、自分と違う評価を出した人間を非難するのは愚かである。

音の善し悪しは、決して電気的な善し悪しだけで決まる物ではない。
最終的に聞くのは人間だから、その気持ちにも左右されるのだ。
結局、一番大切なのはやはり「音を楽しむ」という「気分」であり、
それさえ十分であれば、良く聞こえるようである。

    ・・・

どのような実験をするか、そこから得られた結果をどのように判断するか。
そこにも科学的理論付けと考察が必要である。
音とは何なのか、振動とは何か、音を良く・悪くするとはどういうことなのか。
音の正体を見極め、それを聞くのが人間であると言うことを考え
何をすべきかを決定すべきである。また、成功しても失敗しても
出た結果に対してなぜそうなったかを考察すべきである。
その積み重ねが次のステップとなる。
感覚だけで決める・受け入れてはいけない。

もちろんのこととして、そこに自分の判断が必要である。
他人の出した結果と違ってもかまわないのである。
他人の結果を鵜呑みにしてはいけない。

ここ↓にもおもしろい解釈をしている人が居るので参考まで。
http://www.bekkoame.ne.jp/~k-kara/ht/sound07.htm#tv-sukkily

    ・・・

世の中には、他にもこういう実験をいろいろとやっている人はいる。
「金をかけずに」と標榜しているところも結構あるが、
よく見ると、結構金をかけてたりする。
1つ1つは¥1000くらいでも、それをかなりの数やっているとかだ。
どうにも、ステレオ関係を触っている人間には
金銭感覚がずれた輩が多いのがいけない。
(自分がまったくずれてないとは言わないが。)
私にとって、本当に安いといえるのはせいぜい1つ500円までだ。
それ以上は高額である。

そうであるなら、もっと知恵を使うべきである。
音が良く聞こえるとはどういうことかをちゃんと科学し、
それにあったことを身の回りにあるもので対策するのである。
決してオカルト的、信心で行うのではない。
そういうものは結局捨て金になってしまう。

誰でも考えそうなものを使ったり、オーディオ用の小物を使うのも良かろう。
それはそれで、試用レポートとしては面白いがありふれている。
捨てられるものとか、普通は使われないようなものを考えて使ってみた
結果こそ、わざわざ読む価値があるのではないかと思う。

実験で物が壊れてしまうと困るが、壊れない程度の実験は
大いに行ってみるべきである。
その多くは失敗であろうが、必ず発見はある。
そして、万に1つの成功を見つけられたら大もうけ・・・じゃなくて
自信につながるのである。

実験は、自分の自信を見つける手法なのである。

・・・でも、究極のところ、一番音を良く聞くための物は
耳かきかも知れません。いや、まじで。
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