「松下電器グループ内覧会レポート」(2000/05/26〜06/02号)
先日松下電器グループの内覧会に行く機会があったので報告するのである。
これは会社に出したレポートを、仕事にかかわる部分を除いて、
一部手直しを加えたものである。
こうしてネタを増やすわけである(^_^;)。

−−展示会総括−−

細かい部分は省略するが、民生品、チップ関係、製造機器など
非常に幅広い分野で展示されており、松下の裾野の広さというか底力を感じさせる。
(そもそも、1つの会社のグループだけで幕張メッセの大きな展示場
2つを使えるのだから、すごい。いわゆるショーではないので控えめだが。)
環境対策もかなりなされている。
消費者に直接アピールする部分ではソニーに引けを取っているが、
総合力では決して負けていないことを実感させる。

同じ松下内でも時代の花の製品・技術の部分には大きな展示スペースで
人だかりであったが、そうでない部分には小さく人がまばらで対照的であった。
しかし、地道な技術にも一応展示スペースが割り当てられているのは、
松下がそういうものを大事にしている証拠である。
こういう部分は好感が持てる。

いろいろな部品の中には面白そうなものもある。
コスト的な制約を取り払う、個人的な趣味で物を作るのであれば
使いたいものはいくつかあった。
意外に、そういうものの中から良いものがで切るのではないかと思うが、
そういうことを会社的にバックアップするのも良いのではないだろうか。

それにしても、ユーザーからしてみれば同じような製品でも
ちょっと違うだけで担当部署が違うという体制は何とかならないものか。
SDメモリーカードであれば、PCとの接続機器は松下電池が、
カードそのものおよびオーディオはAVCが、ソケット等はなぜか英語で
「Automation Control Group」(自動制御だろうか?)が担当と書いてある。
きっと販売も違うのだろう。
困ったもんである。

        ・・・

−−注目した製品−−
*DVD−RAMビデオレコーダー
とうとう松下もDVDを使った録画装置を出す。
機能的には同社のVTRからテープをDVDに置き換え、
MPEG2のブロックノイズを削減する機能を載せ、
それにDVD−ROM再生機能(プログレッシブ対応)も追加した感じである。
先行するパイオニアのDVD−RWには録画・再生できない
(するつもりもないようだ)。
パイオニアのそれに比べ、やはり家庭用VTRのノウハウを持つ同社だけに
載せている機能が実用的なのが良い。
実際に再生できる物が展示されていたが(録画は不明)、いかんせん、出力が全て
液晶モニターだったので、肝心の画質はわからなかった。
あまり良くないようにも思えたが。

使うディスクはもちろん4.7Gで、おそらく2.6Gのものは使えないだろう。
これで標準で2時間、長時間モードで3時間くらい。
価格と言い、録画時間と言いまだVTRの置き換えには程遠いが、
画質さえ良ければマニアには売れる可能性はある。
個人的にも欲しいところではあるが、もちろんそんな予算は確保できない(^_^;)。

*D−VHS
さりげなく展示されていたが、実はまだケースだけのものであり、
動作するようなものではなかった(背面端子も電源も何もない)。
10万円前後で発売されると要チェック機種になるのだが。

*AV−HDD
HDDにMPEG2による録画と同時再生機能を追加したものである。
つい先日発表されたが、展示によるとそういうHDDではなく、
HDD(インターフェースなし)に専用チップセットを組み合わせて
そういうものに仕立てるものらしい。
現在はIEEE1394インターフェース/AVデータコントロール/
コントロールCPUの3チップ+128MビットSDRAMから構成される。
価格の面は別にして、これを使えば簡単にHDDレコーダーが作れる。
HDDレコーダーが一気に出てくる可能性があるかもしれない。

        ・・・
*SDメモリーカード
今まで発表はあったもののいっこうに製品の出てなかったSDを使った
製品が一気に発表された。
PCで読み書きするものはもちろん、SDオーディオは¥49800で
近日発売のようである。展示だけならSDデジタルカメラもあった。

SDオーディオは先行するSONYのメモリースティックウォークマン
に比べかなり小さく軽いのが特徴である。これは売りである(電池込み55g)。
じっくり音を聞けなかったので音的な判定は出来ないが、
スピーカーで聞く限り、やはりいまいちな感じはする。
でも、屋外で普通に聞く分にはこれで十分なのかもしれない。
SONYのがMDに比べてもかなり音が劣るのがはっきりしていたが
これはどうであろうか。ちなみに音声圧縮手法はデジタルTVにも
採用されるというAACという方式らしい。
高音質モードで64分の記録が可能(64Mメモリーで)。
CD1枚が、規格上は入りきらない時間。微妙である。
(標準音質で86分、長時間で129分。)
駆動系を持たないために振動には強いが、モーターもないのに単4アルカリ電池
1本で4時間というのは短くも感じる。

しかし、それ以前に一番の問題は、これへの音の入れ方である。
やはりPCを必要とする。
録音にPCを必要とするというだけで、私なら買う気にならない。
USBを使うので公式にはWindows98以降のみ対応というのもダメだ。
やはり、ラジカセのようなもので簡単に録音できなければ。
この手の装置は「音が悪い」ので、マニアは決して買わない。
PC好きのあたりしい物好きは飛びつくが、それでは大量には売れない。
一般に売るためにはこの問題は絶対に解決しなければならない。
去年JRで実験されていたデジタル・キオスクなような端末で
楽にダウンロード出来るようにするのも良いかもしれない。
(10曲1分以内、1曲¥100くらいなら耐えられるか。
SDカードの書き換え速度が2MB/秒なので、64MBのデータなら
30秒か。これなら合格。)

        ・・・

−−どうでも良い情報−−
*この内覧会には外人の人もたくん着ていたが、展示ブースにいた
説明員の多くがそのまま話せているのには少し驚いた。
さすがは天下の松下というところか。たぶん、社員に英語教育を
強制しているのだろう。
そういう要求はこれから強くなろうが、個人的には御遠慮したい。
日本の展示会に来るなら、日本語喋れ。

*今回は内覧会なので、コンパニオンなどいないのではと思い気や、
なかなかどうして、ちゃんとしたコンパニオンを連れてきていた。
さすがは大手である。

しかし、この手の方々は以上と思えるほど痩せていらっしゃるので、
個人的には好みではない。相手もこちらを好みではないだろうけど(^_^;)

*記念品としてもらった小型懐中電灯がなかなか良さげ
(BF−958P ¥2200と思う)。
これからの夏場はあまりいらないが、冬場の会社からの帰り道には必要となろう。
何せ、真っ暗な田圃のど真ん中の道を歩かなければならないから。

そういえばこれが入っていたケース、紙を溶解した液を射出して成型した
ものらしいが(PIMと書いてある)、硬くて軽くて、しかも土中で数日で
分解されるのでなかなか良さそうである。
射出成型なのでプラスチックと同等の自由度があるとのこと。
ただこのケースを見る限り、乾燥時の収縮のせいかふたがきっちりあわないとか、
射出口と思われる部分がぼろぼろになりそうとか、問題もある。
現在は大きなものも作れないであろう。それでも今後は使用量が増えるような
気もする。
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