「Ysオリジン」(2007/06/25号)
{ゲーム紹介}

        「Ysオリジン」

        日本ファルコム(株)
        定価 7980円
        買値 6980円(税込み)

過去に何作か紹介している、日本ファルコムの代表作
Ys(イース)シリーズの最新作。
「Ys ORIGIN」と書かれるが、事実上Ys0(ゼロ)という話。

このシリーズは長い物語の一部ずつを切り取ってゲーム化しているという感じになっているが、
今回はなんとYs1より前の時代の話で、Ysという国が滅んだ事件そのものを
ゲーム化している。
Ysの滅亡についてはYs1/2の中で「伝説」として紹介されているが、
その伝説自体のゲーム化というわけである。

ということで、主人公もいつもの「アドル・クリスティン」という少年ではなく、
別の3人が主人公となる。

正確には、プレイヤーが3人を操ることが出来る。
1回のプレイは1人で、要するに3回プレイすることになる。
誰を使うかで物語も変わってくる。

最初選択できるのは2人。
ユニカ・トバとユーゴ・ファクト。
Ysの伝説に出てくる六神官の直の子供である。
前者は剣士で、後者は魔術師である。
剣士は剣で斬りつける=接近戦であるが、魔術は魔法で遠隔攻撃が出来るので
ユニカの方が中級者向け、ユーゴの方が初心者向けとされている。
しかし、ある程度イースシリーズに慣れている人にとっては、むしろ従来の主人公と同様の
ユニカの方が扱いやすいと思う。

2人でクリアすると、3人目が選択できるようになる。
トール・ファクトといい、ユーゴの兄という設定である。

実を言うと、この3人目で語られる物語こそが
他のイースシリーズ(1〜6)につながるものであり、
その意味ではこれを終えないと、他作品とのつながりがわからない。
「イースの書」とか「匣(はこ)」とか。
ちなみにこの3人目はボスもだいぶ変わる。

舞台は、1作目の後半の舞台となったダームの塔の内部、だけ。
塔内で特徴的だった部分はそのまま踏襲しているが、
細かい部分は作り直されている。
Ys1ではマッピングしないと訳が分からなくなったが、本作では殆ど必要なし。
鏡の間だけマッピングした方が楽になるが、覚え切れないほどでもない。

出てくる罠やアイテム、ボスなどは過去の作品で出てきたものも多いので、
それらを知っているとかなり楽になる。どう回避すべきかとか
何をどこで使うか、どう戦うべきかがわかるからだ。
逆に言えば目新しさが少ないのは残念。

基本的なゲームシステムはYsフェルガナとほぼ同じ。
ただし、アクション度はフェルガナほど高くない。
(フェルガナでは一部凶悪なほどタイミングが難しい場所があったが、今作品ではそういうところはない。)
敵にやられることも、残りの体力をちゃんと見ておけばボス戦以外にはほとんどないだろう。

ボス戦はそれなりに難しい。それぞれに弱点を持っているのでそこをたたく必要があるが、
それがなかなか分からない場合がある(これもフェルガナほど難しくはないが)。
特にトールでの最初のボス戦が難しかった。いくらレベルを上げても勝てなかったが、
作戦を変えたら行けた。ヒントは「剣士相手に魔法が効くとは限らない」である。
ただ、このボスを除き、基本的には倒せなかったらレベルを後1〜2上げると
楽に勝てるようになることが多い。

映像は至極美しい。良い液晶モニタで見るとその描き込みのすごさがわかる。
が、基本的に塔内だけなので風景らしい風景が少ないないのは残念である。
(それでも海岸とか朝焼けは綺麗。)
今のうちのPCでは最高画質にしても基本的に問題ないパワーがあるが、
敵がわんさと出てくるところでやボスが攻撃をする直前に一時的に引っかかる部分がある。

音楽は旧イース1の曲が未使用曲も含めリメイクされたものが中心に40曲近くある。
もともとYsシリーズの音楽は、それまでのゲーム音楽の概念を
大きく覆すような音楽性豊かなものであったが、今回はさらにそれが豪華になっている。
音楽は従来と同じく.oggフォーマットなので、フリーのプレイヤーなどを用意すれば
聞くことができる。実は同じような音楽が複数あるが、これはプレイヤーによって
音楽がエンディングを中心に微妙に変わるためと思われる。

私はYsシリーズが好きで一番最初の作品からやっているが、
Ys6以降の作品ではシリーズ全体の背景が浮かび上がってくるような
物語になっているのが良い。
単なるPCゲームから、もっと奥が深い「物語」として昇華しつつあるようだ。

プレイを終わるとボス戦だけのタイムアタックが出来るようになる。
が、これが妙に難しい。
本編クリア時のレベルと違うからだと思う。
ボスの攻略法を見つけるには結構良い練習台になるのではあるが、
これではなぁ。

        お勧め度        89%

語られる物語が若干異なるとはいえ、3回も同じことを繰り返すのは、正直ちょっとつらいものがある。
まあ、慣れては来るので1人目ほど迷ったりはしないが。
あと、舞台が塔の中だけなのでちょっと単調なのも事実。
それゆえちょっと低め。
難易度はNORMALでも十分行ける。
フェルガナはNORMALでもきつかったけど。
やる順はユニカ→ユーゴ→トールが良いと思う。

詰まるところはあまりないゲームだとは思うが、
ユニカでは1カ所だけ先に進めない場所があると思う。
ヒントは「困ったら女神に相談」である。
「あれ」はそれまでのように宝箱に入っているわけではない。

        ・・・機能拡張ディスク・・・

2007/3に機能拡張ディスクが配布開始(宣言)された。
ファルコムのゲームにはよくあることなのだが、いつもはホームページからのダウンロードで済んだが、
今回は量が多いと言うことで、CD-Rでの配布になった。
そのものは無料だが、送料として630円(税込み)かかった。
3月に注文してきたのが4月だから1月ほどかかった。
しかもどこの誰からと書いてない封筒だったから、最初「なんじゃい?」と思った。
開けたら一発で解るけど、そんな怪しいものでもなし、
会社名とか書いて欲しかった。

で、拡張内容は
・超簡単/超難モードの追加
・ボスアタックならぬ雑魚アタックモードの追加

他である。
もう全員でクリアしているので今更モードの追加は必要ないが、
雑魚アタックモードではポイントが溜められ、一定以上になると
次のレベルのアタックとか、別の登場人物などを選択できるようになる。
最初から魔法は最高で持っているので、低いレベルのステージは楽勝だが、
第3ステージ以降になると体力をよく見ておかないとやられることがある。
以降は体力の温存とブーストゲージのたまり具合を見計らいながらの戦闘となる。
思いっきり面白いというものではないが、まあ、暇つぶしにはなるかなってな感じ。

送料630円って、今時にしては高いなあと思うのだが。
郵便でも500円で入るだけなら何でも送れるというのがあったはずだが。
送料といいながら、若干売値が入ってる?

        ・・・おまけ;ボスの「だいたいの」倒し方・・・

タイムアタックでは開始時に魔法が外されているので、
まず魔法の装着が必要(コウモリは除く)。

・コウモリ
 実体化したときに8〜9回斬りつけるを繰り返すだけ
 風の魔法を使うと楽勝。
 実体化しそうなときに近づきすぎると再度分離するので注意
 2分割した以降はどちらを攻撃しても同じ

・最初のでかい奴
 泡および光線は顔の真横から後ろ側に入れば避けられるしすぐとぎれる。
 ただし、光線は少し残っているので注意。
 ただ、この位置にいると腕振り攻撃はかわせないので注意。
 腕を登るときは、正面にいるときは左右どちらでもいいが横にいるときは手前側が楽。
 時々掃き出される細かいのはさっさと倒す方がよい。
 吸い込みの時にそれを食って体力回復するが、その量が馬鹿にならんほどでかいので。
 ジャンプ魔法を使うと通り過ぎるので魔法はOFF。
 一応剣だけでも勝てないことはない。

・エポナ
 「シャキーン!」と鳴って突入攻撃してきた後に数秒間の隙が出来るのでこのときに
 魔法を含め攻撃を集中する。数回当てるとシ−ルドを張って攻撃が効かなくなるのでそれまで。
 それ以外の時はひたすら逃げる。風魔法を適当に発行して移動中のエポナに当てる手もある。
 2回目は「シャキーン!」が2回連続で起こるので、2回目の後の隙をねらう。
 3人に分かれたら「シャキーン!」がなかなか起こらないので、
 こちらもダメージ覚悟で風魔法で近づいて攻撃。
 多分、一番簡単なボスだと思う。

・むかで
 弱点は背中のとげなので、基本的には降りてきたときにジャンプで背中に乗ってそれを斬りつける。
 雷撃が一番良く効くが他でも大丈夫。とげを全部切り落としたら最後頭に数回攻撃を当てればOK。
 うまくいけば回転攻撃を始めるまでの間ずっと背中に乗り続けて攻撃を当てられる。
 回転攻撃中は真ん中中央ソロ側の3ラインの内いずれかに来るので避けるしかない。
 ただし、基本的には内から外またはその逆なので、その反対側にいればいい。
 回転攻撃に入る直前まで当たり判定がある。
 糞はほっておくと雷撃に変わるので、出来るだけ広い範囲になる魔法ではじき出す。
 (ユニカなら風。)
 はっきり言って私はまだ運任せの所がある。

・がいこつ
 まずは両手のねじが弱点、魔法と剣術の同時攻撃で回転させて落とす。
 風を貯めておいて発行+剣+再度風くらいで落とせるはず。
 理想的には1回の攻撃で切り落とせれば楽になる。
 腕が離れた場所にあるときは炎で攻撃。
 土台をたたいてきそうなときはジャンプして避ける。
 左右の手を切り落とすと顔を落としてくるので額を斬りつける。
 このとき雷または風魔法、バーストでたたみかけるのが吉。
 雷撃はタイミング良く1ますづつ左右に動けば当たらない。落ちてくるタイミングは
 魔法陣が大→小になった直後なので、小になる直前に隣に移動する。
 このボス戦に入る前に、クレリア鉱石があれば必ず剣を強化しておく。

・砂の花
 あたり判定は目玉だけでなく本体にもある。
 この本体のあたり判定部分を0にすると本体からの攻撃が止まるので、
 まず最大炎魔法でそこを攻撃する(目玉を一直線上に置くと後が楽)。
 そのあと目玉を炎魔法+剣で攻撃する。
 目玉は最大炎魔法では複数個貫通で攻撃できるのでお得。
 しばらくすると本体のあたり判定が復活するので、すぐそれを再攻撃する。
 目玉を全部倒したら本体上部の目が開くので攻撃する。
 炎の剣ならダメージ大。
 ポイントは本体からの攻撃を以下に止め続けられるかに依る。
 うまくいけば3分経たずに倒せるはず。

・カマキリ
 基本的には遠隔で魔法攻撃する。
 鎌が水平なら水平攻撃なのでジャンプでかわし、垂直なら垂直攻撃なので左右にかわす。
 岩隆起はする瞬間が解るのでラインを読んで避ける。
 ただし、後半はラインが曲線になるので難しい。
 バーストが溜まったら近づいて一気に剣+魔法攻撃する。
 子供が出ているときは出来るだけ破壊しておかないと、やっつけたと思っても体力回復されてしまう。

・ラドの塔のボス
 相手の攻撃を避けながら火魔法を最大にして当てる。
 ただ、剣を当てる方がダメージは大きい。
 周りの小さいのは倒せない。
 時間がかかる。

・ザバと2体
 最初はザバしか攻撃を受け付けないので2段ジャンプで飛んでザバを攻撃。
 もしくは雷を当てる。
 位置は下に映っている影で判断する。
 落ちてすぐも攻撃を受け付けるので魔法連続か剣で切る。このとき与えるダメージが一番大きいので
 出来るだけ確実に落下地点に行って斬りつける。
 ザバが頭に乗り移った後はビットが飛んでいる方だけが攻撃を受け付けるので
 魔法やバーストを使ってたたみかける。
 ただし、頭に近づきすぎると連続かみつき攻撃されるので距離を取っておく必要がある。
 基本的に剣による攻撃はしない方がよい。
 地面を変化させて来たときはザバを攻撃すると止まるので、連続ジャンプしながら相手を探して攻撃する。
 ブーストを利用するとかなり楽になる。

・キシュガル
 炎魔法しか効かない。
 炎は最大でも最小でも与えるダメージはほぼ同じ。
 氷の柱に当たるとこちらのダメージがでかいが、全部消すと次のを撃ってくるのが早くなるので
 こちらが動ける範囲だけを破壊しておく。ゆえに、大炎は余り使わない方が良い。
 ブーストが可能になったら、近づいて大ブーストをかけると相手が勝手につっこんできてダメージを受けてくれる。
 うまくいけば1:50を切れる。

・ダレス
 最初は剣および魔法で中央のシールド部分を攻撃
 色が変わったら、同じ色の魔法しか効かなくなるので攻撃。
 シールドが破れるとしばらくは左右の分離体だけが有効になるので魔法か剣で攻撃する。
 分離体が攻撃可能になった時の攻撃は、その真正面から行わない。
 真正面に行くと避けられない貼り付け攻撃されて大ダメージを受けてしまう。

・ダーム
 時間はやたらとかかるがそれほど難しくはない。ダレスとほぼ同じ感じ。
 ただし、割れる大地から下に落ちると吸い込み攻撃されるので、
 大地が動いている間は動かない、余り外側に行かないこと。

・ガレオン
 魔法攻撃だけではまず倒せない。攻撃の瞬間にダッシュして後ろに回って剣で切る。

・ユーゴ
 青のシールドはしばらくすると消えるが、攻撃を数回当てても消える。

・司祭
 魔法攻撃が非常に強いので基本的には攻撃中は避ける。
 シールドは何回か攻撃しないと消えないので、攻撃を当て続ける。
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