「Xanadu Next」(2006/03/27〜04/10号)
{ゲーム紹介}

        「Xanadu Next」
        初回限定版

        Windows用
        日本ファルコム
        CD−ROM 2枚

        定価    7770円(税、送料込み)
        買値    6980円(税、送料込み)

X1とかPC88等の8ビットパソコン(マイコン)が主流だった頃から始まる
RPG「Xanadu」シリーズの最新作。

Xanaduは前回紹介の風の伝説シリーズなどに名前こそ受け継がれているが、
風の伝説はYsに近い感じなので、当時のXanaduと同じようなものはPC98や
Windowsに基本的にはそのまま移植されたものだけ。
今回はYs3に対するYsフェルガナのように、大幅なアレンジを施した作り直し版である。

当時のXanaduはSHARPのX1−Fという機種のCP/M上で開発されたと言うことで、
特にX1ユーザーには人気であったが、PC88等の機種を含め40万本というすごい数が売れたらしい。
当時のPCユーザー数から見ても驚異的であるが、
PCゲームでは未だこの数は超えられていないと言うから
いかにすごかったかが解る(あくまでPCゲームでの話。コンシューマーゲームはこの10倍以上売れないと
ヒットとは呼ばれない)。

Xanaduは1作目とシナリオ2が発売されたが、どちらもやりこんだ。
私はX1turboIIでプレイしたが、このために視力を落としたのは紛れもない事実である。
実家の屋根裏部屋にはまだ当時のパッケージが残っていると思う。
(ネズミに食われてなければ。)

今にして思えば、ただひたすらブロックで結合された迷路を歩いて王冠を探し、
ボスを倒すだけの単調なゲームであったが、
耳に残る音楽、武器など装備や魔法の熟練度、トレーニング、カルマ、鍵など
当時としては画期的であったのは間違いない。
それが20年経っていかに変って帰ってきたか。

        ・・・

ゲーム画面にはもはや当時の面影はなく最新の3D構成である。
単に高さや奥行きがあるだけでなく、ぐるぐるまわる。
GRANDIAシリーズに近い。
回さなきゃ見えない部分もあったり、立体の陰に入れば攻撃が避けられたりして
3Dは有効に活かされている。
マップも当時の正方形部屋のつながりではないが、微妙に当時の面影を残してある。

3Dなので当然PCに対する負荷も高い。
うちのPCはMobileAthron 1.2GHz、512MBメモリだが、描画負荷を一番軽い設定にしても
もっさりしている。もっとも、このおかげでクリアできている部分はあるが。
Ysフェルガナより負荷は高いと思う。Ys6もフェルガナもうちのPCではボス戦時に
画面上にボスの影が残り続けるという不具合があったが、XanaduNextではそんなことはなかった。
オープニング時だけ化けたが、これも1度だけで再度やったら化けなかった。

音楽はメインテーマが当時と同じ曲で懐かしい。
もっとも、かなりグレードアップしているし、新しい曲もたくさんある。
音楽は全体的にかなり良い。
ただ、ボスを倒したときやアイテムを取ったときの音は替っている。
これはちょっと残念。他の曲や雰囲気に合わないからかも削ったのかもしれないけど。

効果音は種類も多いがそれよりも3Dサウンドの効果がすごい。
スピーカーからずっと離れた位置から音がしてくる。
ヘッドフォンでも効果は解るが、スピーカーの方がより効果的である。
(もちろん外付けステレオスピーカーで。)

移動も戦闘もマウスなのでYsの様にキーで細かい操作というのはなく半自動の様な感じ。
ただ、アイテムの即時変更とかがやりにくい。
ボスを含め戦闘中にもアイテム変更は可能だが、これが遅れると致命傷になることがあるので
操作は慣れておく必要がある。

一部操作はキーでもできるのだが、せいぜいアイテムメニューの開閉、地図の拡大縮小、
装備している魔法と技の切り替えくらいが実利用できるところではなかろうか。
動かないと思ったらカーソルがあらぬ場所にあったりすることもあるので、
カーソル位置には要注意。使いたくないアイテムを使っちゃったり。
特に最終ボス戦では画面がにぎやかすぎてカーソルを見失うこと必至なので
よく見て捜すように。

ボール式マウスでは動きが悪いのでつらいかも。
また、マップ回転にはスクロールボタンが必要。
それにしてもこのゲームではマウスボタンを左右とも酷使するので、
壊れるマウスも多いのではと思う。マウスの売り上げが上がったらこのゲームのせいかも。
クリックする回数を少しでも減らすには、設定でマウスボタンの押しっぱなしで近くにいる敵に
戦闘を続けるようにしておいた方が良かろう。これで大分減るはず。

XanaduはYsの様なフラグ立て中心の1本道のARPGではないが、
戦闘とかはアクティブであるし、フラグを立てないと先には進めないので、似ていないこともない。
所々でデモが入り物語が進んでいることが解るが、少なくとも途中は
Ysの様にハッキリと物語が解るという感じではない。
名前付きの登場人物は何人か居るが、Ysほど主人公の行動にはかかわっては来ない。
アイテムもいくつかは必須であるが、別になくても良いものもたくさんある。
回りで勝手に物語が進むという感じだ。

        ・・・

Ysとまったく異なるのが熟練度やパラメーターの配分であろう。
Ysはレベルアップとアイテムの入手によっていわば勝手に総合的に強くなったが、
Xanaduはレベルアップによって強さや魔法力などいくつかあるパラメーターに
割り振れる数値を得られるだけで、それをどう配分するかはプレイヤー次第である。
それによってどの方面で強いかが変る。
装備も買ったら即装着可能とはかぎらず、このパラメーターの数値によっては
不可な場合もある。従って、基本的には装備が可能なように配分していくことになろう。

熟練度は武器を使う込むと上がって行く=強くなるもので、
100%を超えるとその武器が持っているスキルというものを体得できる。
スキルとは一種の才能のことである。技と呼べるものもある。

武器を上位の品に交換するとたいがいは一度攻撃力が落ちるが、
熟練度が上がるとやがてより強くなる。
要するに武器は使わなきゃだめと言うことである。
この熟練度の上げ方もプレイヤー任せなので、まんべんなく上げるのもよし、
絞るのもよしである。
スキルが欲しければ、今持っているのより弱い武器を使う必要もある。
ただ、熟練度の上限は200%なので、遅くてもそこに至ったら他のに付け替えた方が良い。
(そうしていれば、自ずとほとんどの武器を持つことになるので、絞る必要は
早解き以外にはあまりないと思う。)

もう1つガーディアンというのもある。
これは守護霊の宿ったカードで、これを選ぶことでHPがあがったり
熟練度が早く上がったり、不都合な状況にならなかったりする。
買い物が安くなるものもある。これって以前で言うところの「カルマ」に近いが、
今回は悪くなる方向はないのでちょっと違う。

スキルの取得=武器の熟練度の向上とガーディアンのレベルアップは比較的楽だが、
主人公のレベルアップとお金儲けはなかなか進まない。
先述の通り、Xanaduではレベルアップはパラメーターの取得であり、
それは装備できる武器などにも影響するので装備も変更できないという意味にもなる。
強さはほとんど装備によるのでこれはちょっとつらい。
強くなってもお金がなくて武器が買えないことも良くある。
レベルアップやお金儲けが楽なゲームが多い中、
このあたりは硬派なゲームだと思ってあきらめるしかない。
もっとも、それほど強烈なレベルアップもお金儲けも必要ではない。
最高レベルは20(追加マップを適応すると30まで上がるそうだが、それは全部を終えた後でのお楽しみ)。
お金儲けで言えば、一度あけた宝箱が再び閉まっているものがあるが、
この中身はお金である。ということで、宝箱の位置を覚えておけばちょっとは楽にお金が得られる。

ヒントは少ないが、かといって詰まってしまうことも「あまり」ない。
最初の詰まりは2回目の千古の迷道で石の扉が開けられないところ、
次はイーグリット山頂のボスを倒した後であろうか。
詰まったら手持ちのアイテムをもう一度見直してみるとか、
昔行った場所にもう一度行ってみるのも一手である。

迷宮内にはブロックを使ってのパズル的要素もある。
半壊し、色合わせ消去など駆使し並べたり重ねたりしてないといけない。
どうしても解らないほど難しい場所はないとは思うが、千古の迷道の中の1カ所はかなり難しい。
先にあるのはエリクサーだけなので取らなくても先には進めるが。

アイテムは、全て揃える必要はない。
必須の物は必ず得るようになっているし、そうでない物はなくても先に進める。
重要と思われた石版や手記でさえ(一部は)なくても大丈夫。
あれば少しは楽になるのだろうけど、大差はない。

とにかく設定の自由度が高いのがXanaduの特徴なので、
それを十分活かすと面白いし、逆にここにおもしろさを感じられる人がはまれるだろう。

基本的には町とそれ以外の場所の間を何度も行き来することになる。
そこはうまく設定されているので、長ったらしい道を無駄に往復することはあまりない。

一番最初の「町はずれの遺跡」以外は何度も行くことになる。
同じ場所でも区切られていて、一度に行ける範囲は限られているからだ。

千古の迷道も何度も潜ることになるが、特に後の方で水があって進めない場所は、
先に一度動かした水門を再度動かして(戻して)水面に浮かぶ宝箱を取る必要がある。
それでも行けない場所は、とあるアイテムを入手してから行くしかない。

イーグリット山頂のボスを倒した後はけっこう難しい。
湖底の遺跡までは解るとして、その先どうすべきなのか。
ヒントは、
        弓矢を揃える;矢は自動的にもらえるが、弓は買わなければならない
        弓は武器である
        一点を「射抜く」
ということである。
「単なる魔よけだと思ってたのにああ使うとは。」
これが解るのにほぼ2日分(とはいえ6時間くらい)がかかってしまった。
これで後は一気に進む。

自動マッピングがあるので一度行った場所は記録されるのだが、
罠とかまでは書き込まれないのでやはり紙上マッピングも必要。
特に魔粧の森はつながりが難しいので必須(さほど広くはない)。
奇岩城もマッピングした方が良いと思うが、何せ
同じ部屋でも区切られていたり上下関係があったりしてつながりが
複雑なので無理かもしれない。

戦闘は、体力任せで突っ切れるものもいれば、
うまく避けたり、攻撃方法を考えないといけないものもいる。
でもYsフェルガナほど凶悪じゃないので何とかなるだろう。
ただ1種類だけ、雑魚のくせに制限時間付き即死技を掛けてくる凶悪なのが居るので注意が必要。

ラストボスは
・第1形態は楽に倒せる。剣はほとんど効かないのでとある魔法を使う
 理想的にはここでは回復薬を1個ほどしか使わない(エリクサーで復活なんてもってのほか)
・第2形態は本体に対しては剣で攻撃(もちろん剣はドラゴンスレイヤー)するが、
 回りからの攻撃が非常に激しいので、これを見切って避ける。
 氷結の魔法をかけられるので、氷の魔法よけのヘルメットをかぶっていると良い(と思う)。
 この氷結光線の照準が出てきたらボスの特大レーザー発射の直前なので、
 竜殺しのスキルに切り替えて発射口を打つべし。
 うまくいけばエリクサーは使わず、回復薬も少し残した状態で終われる。
という感じ。アイテムを使いまくるはずなのでアイテムウインドウは出したまま。

とにかく第2形態には非常に手こずったが、結局は「逃げるべき時は逃げる」
と言うことに尽きるのかも知れない。ここは力押しだけでは無理。
それと「最強の装備が必ずしも良いとは限らない」。
プレイ時間は、やり直しを含めずに約20時間。かつてのXanaduはもっとかかったと思うが、
長ければ良いと言うものでもない。

エンディングデモの後に時間や宝箱回収率、回復回数などが表示される。
どうも何度もやってタイムアタックとか宝箱全回収とかいろいろやって欲しいような感じである。
今回はLv3 Battlerとなったが、宝箱の回収率は86%くらいなそうだから、
まだまだと言うところか。
そういえば石版や手記もまだ1枚ずつ取れてない。
当面やり直す気はないが、暇になったら考えよう。
その前に全アイテム収集しようかな。

        お勧め度        90%

プレイ時間は短いけど、どっぷりはまれるのでこの点数。

昔のXanaduは途中経路はどうであれ4つの王冠を得、キングドラゴンを倒せば終わりだったが、
同じ事の繰り返しだったので途中で飽きてきたのも事実。
当時はそれでも画期的なゲームだったので気にならなかったが、今となっては多分だめ。
今回は一応どんでん返し付きの物語もあるし画面も変化するので中だるみすることもない。
昔のを知っている人は特にはまれると思う。

物語は最後にどんでん返しがあるが、うまくまとめたという感じがする。
ちょっと切ない話。
いくつか名前だけ出てきた設定があるし、長い旅の回顧録(今回が第2章)のような感じの
デモが挟まれるから、ひょっとすると「最後の騎士」もしくは「トレジャーハンター」のシリーズとして
続くのかも知れない。聖剣ドラゴンスレイヤーの出てくる話は終わりかも知れないけど。

初回限定版の付属品は取説、ガイドブックと音楽CD、風の伝説Xanadu1&2パック。
この内取説は、操作がマウス中心で、最初は覚える必要があるので良く読む必要がある。
ゲームの取説をしっかり読んだのは久しぶり。

ガイドブックは最初は読んでなかったが、途中で読んだら大分状態が解った。
というか、最初から読んでも余り理解できないだろうが、
読むとゲームの世界観やどういう場所があるか、
どういうアイテムが出てくるかよく分かるので読んだ方が良い。
(今先に進めない場所も、このアイテムを得れば行けるようになる、というのが解る。)
ただし、ここに載っていない場所やアイテムも存在する。

そういえば昔のXanaduもごっつい取説というかガイドブックが
付いてたんじゃないかなぁ。久々に実家に行って探してみるか?
(X1版Ysの取説は手元にあるんだけど、Xanaduは持ってきてなかった。)

音楽CDはXanaduNextから2曲、他は過去のXanadu関係の音楽を集めたもので
全11曲。前半は悪くはないが、7曲目以降が最後の曲を除きどうにも受け付けない。
前にも書いたことがあるけど、Falcomはゲーム中の音楽は良いのにアレンジが下手。
いや、私が好むようなアレンジをしてくれないと言うべきか。

音楽ファイルは.decという形式で普通には聞くことができない。
YsシリーズがOGGというフリーのフォーマットだったのに残念。
普通に聞けるとサントラCDが売れないからだろうか。
音楽は良いのでサウンドトラックが出たら買うかな
・・・と書いてたら、WAVファイルに変換するプログラムを見つけたのでやってみたらうまくいった。
これで十分。ただし、曲番号は出てくる順ではない。以下のように並び替えると良いだろう。
曲名が解っているのは付属CDまたはダウンロード版のサンプル曲、ならびに前後から判断した想像に依る分。

        000 オープニング
        003 タイトル
        004 Harlech                     ハーレックの街
        010 LA VALSE POUR XANADU        街外れの遺跡・・・オリジナルXanaduのテーマ曲アレンジ
        020 Clover Ruins                クローヴァー遺跡
        030 The Eternal Maze            千古の迷道(前半)
        100 閉じ込められる罠
        050 The Treacherous Woods       魔粧の森
        110 vs ボス
        040 Egret Mountains             イーグリット山
        060 千古の迷道(後半)
        330 奇岩城出現
        070 Xanadu Labyrinth            ザナドゥ・ラビリンス
        080 Time Crevice                時の狭間
        340 The One                     ローレライ
        090 The Castle of Strange Rock  奇岩城
        320 黒き花嫁
        200 ガルシス(第一形態)
        210 Evildoer                    ガルシス第二形態
        310 True Intent                 真実
        001 転生
        002 White Lie in Black          スタッフロール
        350 エンディング
        300 ランキング

XanaduNextは1曲が3分強の曲も多く全部でおよそ1時間10分にもなる。
ゲーム音楽と言うより映画音楽のような感じが強い。
良曲が多いので聴けるようになって良かった。

ただし、そのツールが創り出すWAVファイルはそのままではオーディオCD化出来ない。
おそらく圧縮されているからだと思うが、一度何らかのWAV編集ツールを使って
展開すれば問題なし。うちでもそれでうまくいった。
(この辺のやり方については、読者以外には聞かれても答えない。)

なお、ちゃんとしたサントラも↓ここでダウンロード販売された。
http://listen.jp/game/dl_album.aspx?pid=xananost

        オリジナル・サウンドトラックXANADU NEXT
        Falcom Sound Team jdk
        収録曲数:      24曲
        価格:      1575円(税込み)(1曲ごとなら105円)

ということらしい。
                                        
XANADU NEXT Falcom, RPG 2005, PC Falcom Sound Team jdk
1. Two love
2. LA VALSE POUR XANADU〜XANADU NEXT OPENING
3. Harlech
4. LA VALSE POUR XANADU〜XANADU NEXT FIELD
5. The Eternal Maze
6. Clover Ruins
7. LA VALSE POUR XANADU〜XANADU NEXT BATTLE
8. Egret Mountains
9. The Treacherous Woods
10. LA VALSE POUR XANADU〜XANADU NEXT INTERMISSION
11. Xanadu Labyrinth
12. The One
13. Time Crevice
14. Bump in the road
15. The Castle of Strange Rock
16. Beginning of the end
17. Devil advent
18. Evildoer
19. True Intent
20. Two love〜Eternity
21. White Lie in Black
22. Two love〜Requiem
23. LA VALSE POUR XANADU〜XANADU NEXT EVENT
24. LA VALSE POUR XANADU〜XANADU NEXT DEMO

曲数は上のと同じだから、特に未使用曲などはないわけね。
手間を惜しむ人はこっちを買った方が吉。
<戻る>