「GRANDIA3」(2005/12/12〜12/19号)
{ゲーム紹介}

        「GRANDIA3」(初回版)

        PS2用
        スクエア・エニックス(株)
        DVD-ROM 2枚
        定価    7980円(税込み)
        買値    6783円(税、送料込み)

        http://www.square-enix.co.jp/grandia3/

かつてSEGA SATURNで1作目が、SEGA DreamCastで2作目が
発表された(後日PS2にも移植はされている)GRANDIAシリーズの最新作。
なぜ「3作目」と書かないかというと、実は「GRANDIA Xtream」という作品が
PS2で2作目の後に発表されているからである。
が、私はこの作品をプレイしていないし、どうも物語での評判が悪いので今後もやる気はない。
ということで、「正当な流れの上での3作目」としておく。

1作目、2作目についてはかつて
「グランディア」 (2000/01/12〜01/19号)
「グランディア2」(2000/08/07、10/16〜10/25号)
にて紹介しているのでホームページから参照して欲しいが、
非常におおざっぱに書けば

1が「冒険者を目指す少年がやがて世界を救う」、
2が「『何を信じたらいいのかが解らなくなった』者達の苦闘」

という内容であった。どちらも高い評価を出している。
物語、映像、音楽、システムどれもが非常に高い完成度を誇っていた。

1は多くの人が「傑作」と評価しているが、2は評価が分かれている。
1の続きと思っていた人や物語の真意をつかめない人にはつまらなく思えたようだ。
私には1より面白く、何度もやって最後にはDVD-Rに画像を落としたくらいである。

果たしてこの3作目はどうであろうか。
なお、以降ゲーム中の名称を説明なしに使うので解らない部分もあると思うが、
そういう物があるというくらいに理解してもらい、解りたければ
ゲームをしてみるということで。

なお、今回「スクエア・エニックス」が発売しているが、
開発そのものは従来どおり「ゲーム・アーツ」社が行っている。

        ・・・

物語の粗筋は・・・省略。このゲームは物語重視なので書かない方が良かろう。
「世界が壊れるとき、2人は出会った」とあるが、「ユウキ」と「アルフィナ」という
主人公2人の出会いから話が進む(「始まる」ではない)。

やっぱり簡単に粗筋を書いてしまうと、
        アルフィナに一目惚れしたユウキが数々の困難を乗り越え結ばれるまでの話
・・・じゃなくて、
        アルフィナの背負う数奇な運命を切り開こうとする話
には違いないんだけど、それが世界の運命をも変えようとする話になっていく物語である。
かえって解らなくなった?

冒険を主題にしたところや敵の復活のあたりは1に似た感じ、
見せ方や神様がらみのあたりは2に似た感じ。
もっといろいろな面で見ると、
1似
        主人公は冒険心が強く、その過程で世界を揺るがす事柄に巻き込まれる
        最終的な敵の発動仕方
        エンディングでの主人公2人のその後

2似
        宗教がらみ、過去の神との決別というあたり
        最終的な敵の居場所
        最後のボス
        画面構成

という感じで、うまく前2作を受け継いでおり、あちこちで「あっこれはどちらだ」と思うことがある。
そういう意味では、過去2作をやっているとより楽しめるであろう。
秀逸なオープニングデモがあるが、最初にこれを見た上で進めていくと
だいたいの話の先は読めてしまうかもしれない。

基本テーマは「冒険」「親離れ・子離れ」「兄妹愛」「神からの人間の解放」となるだろうか。
少年の成長というか旅立ちも描かれている。
なお、やましい考えがある人には「兄妹愛」とか一部の台詞であらぬ妄想を抱いてしまう部分があるかもしれない。
そういう人は、煩悩を捨てた方が良い(^_^;;)。

過去2作はその基本思想として「人間万歳」があったが、この作品にもそれがある。
人間をそこまで信じていいかどうかはいろいろと議論があろうが、
売れるから同じ名前のゲーム出だすという安易な考えでなく、
こういう考えの話だからこのシリーズで出すというのは、
ゲームとして割り切ればこれはこれで筋が通っていて良いことである。

DVDで2枚組もあるので話はかなり長い。
セーブデータに残るプレイ時間での差はあまりなくとも、
実質の時間は1/2作目よりずっと長く感じる。

長い冒険の本を読んでいるようであるが、
結構な回数あるムービー(本当は違うが詳しくは後述)によって
いやがおうにも話は盛り上がっていく。

結構ぐっと来るところは、ユウキ親子の別れの場面。間違いなくこれが一番の名場面。
        「あの子今、『母さん』って言ったわ」
ここを名場面と思えるかどうかは、自分が親であるかどうかで分かれると思うけど。
(「親」なら解る。「子供」なら解らないかも。)

今回は特に画像面が強化されており、画像はひたすらきれい。
いろんな場所で360度見渡して欲しい。
映像表現は基本的に2に似ているが、画面内に動きが多いのが3の特徴か。
霧が出てきたり、雲が上がってきたり
海近くやバース界抜けた後の草原が秀逸(特に草原は実写のようにも見えるくらい)。
ムービーのように見える映像も、ほとんどがリアルタイムレンダリング(3Dデータを
その場で計算して映像を作っている)らしいのでぼけや圧縮ノイズがなくきれい。

1作目では単にフィールドだけ3Dだったのが2ではキャラクターもそうなり
人形劇のようになった。3もその流れであるが、少しだけリアルになっている。
でもムービー部分もゲーム中も見た目実写と見分けが付きにくいような感じではなく、
統一されていて良い(同社のファイナル・ファンタジーシリーズがこの逆らしいのだが、
映画しか見たことがないので詳しくは解らない)。

今回は飛行機に乗って空中も飛べるが、ハッキリ言って蛇足な気もする。
飛ばなければ行けない場所もあるのだが、それ以外の時にあえて飛ぶ理由がない。
もう少し、飛んでいると面白いイベントなどがあると良かったのだが。
隠しイベントの町とか(鯨が飛んでいるらしいとも聞いたが)。

フィールド内ではGサーチというものがあって、近くに宝箱や仕掛けがあると反応する。
これのおかげで変なところで詰まることは少ないが、
逆にこれがなければさっぱり解らなくなることがある。
だからこそ付けられてシステムではないかと思ったりする。
宝箱の開け方には一考が必要だと思う。
従来はぶつかれば勝手に開いたのが、今回はぶつかってさらにボタンを押す必要がある。
先に進むと宝箱のふりをした敵がいるのでこのようになっているのかも知れないが、
やはり面倒。

マッピングはほとんど不要。というのも、画面上に、歩いた場所の地図が表示されるから。
ただし、隠し通路や回転などによって変化する通路に関してはうまく表示されないので、
ある程度は「記憶」が必要。
わかりにくい場所では迷うんだけど。

音楽は、作曲者が過去2作と同じ岩垂さんなので傾向は同じである。
傾向というか、ほとんどそのままの曲もある。
ただ、一部合ってないような曲もあり、特にDISC2、バース界までの戦闘曲は今ひとつと思う。
サントラCDは買うかどうか悩んだが、一応お約束ということで買っておいた。
これについては後日別途紹介。
なお、初回版には歴代GRANDIA(1/2/Xtream)+今回3の音楽中からだいたい3曲づつ
取り出してまとめたCDが付属している。私は1/2はCDを持っているのであえて必要もなかったが、
運良く初回版が手に入った。過去作を持っている私にとっては、おまけ程度にしか思えなかった。

効果音はかなり良くできている。
森に入ると回りからいろいろな音が聞こえてくる。特に森の中が秀逸。
音のありなし、左右などで敵の存在も解る。
このあたりも2から踏襲されている部分。

戦闘システムはGRANDIAシリーズの特徴である、半リアルタイムの戦闘。
今回も基本的なやり方は踏襲されているが、いくつかの点で改良されている。
ただ、ゲージが従来の線から円に変ったうえに表示が細かすぎて見えにくいため、
誰がどういう状態にあるのかがつかみにくく、何をしたらいいのかが判断しにくい。
それを補助するかのように「SAS」というシステムで、次に何をすべきが教えてくれるが、
DISC1の範囲では簡単になりすぎる嫌いもあるので、良し悪しである。
DISC2ではそれがあっても厳しくなるし、必ずしも最適の方法とは限らない。
クリティカル技等で敵を空中に飛ばして他のキャラが合わせ技を仕掛けるというシステムもあるが、
面白いと思う前に単に派手さだけが目に付く感じもする。
最初は面白いんだけど、同じ技なのでそのうち飽きると。
ただし、結構強いのでうまく使えば戦闘を楽に進められる。

戦闘は基本的な剣術と必殺技、あと魔法とスキルという4つの要素を使って行うことになる。
剣術は単に戦えばよい。これを繰り返すと必殺技を覚え、レベルがアップする。
必殺技の習得とレベルアップは、先に進むためには必須となるので
よく考えて行う必要がある。

一応、最後まで残るキャラクターの全必殺技を書いてしまおう。

ユウキ
        ○天空剣、旋風剣、疾風陣、烈風斬舞、無敵のオーラ、竜神剣
アルフィナ
        ○コメットスパイク、スタンフォース、リップルショット、ホーリーサークル
        、エネルギードライブ
ウル
        ○岩石砕き、衝波、熱血魔球、○大車輪、影法師、熱血大魔球、紅蓮華、ウルダイナマイト
ダーナ
        ○ホーミングシュート、マナキャプチャー、ダンシングカード、魔王陣

○が付いているのが重要な「キャンセル」効果の付いた技。
キャンセルでは相手の攻撃を中止させることが出来るので、これをいかに使うかで
戦闘が楽というか先に進められるかどうかさえ決まる場合もある。
(決められないとほぼ確実に全滅する場合がある。)

一部キャラクターは途中で抜けるので、全ての技を見たい人は
無理してでもそれらのレベルを上げる必要があろう。
(ただし、途中で抜けるキャラクターの必殺技は数が少ない。)

最初に覚える技はキャンセル技なので、自ずとそのレベルは上がりやすいが、
他は難しい。
実戦では技を適宜使うことが勝敗の行方を左右するから、自ずと使える技だけに集中する。
最初の技は必要SPが少なく、発行が早く、キャンセルがかかるので使いやすいからだ。
よってすぐに熟練が完了する。

他の技の熟練度を上げるにはどうしたらよいか。
実はSPは戦闘していると勝手に回復するので(というか、薬と睡眠以外に回復しようがない)、
残りを気にせず、それぞれをばんばん使いまくるのが一番手っ取り早いのだが、
ある程度自分のレベルが上がったら、動き回れる内にレベルの低い敵のいる場所に行く。
(先に進みすぎるむと他の場所に行けなくなる。)
Lv30を超えているなら砂漠とかアロンソと出会ったあたりに行くとちょうど良い。
ここなら敵の攻撃を受けてもほとんど0でダメージがない。
ダメージなしで敵を倒すとSPが10%回復する。
これを使うのだ。
その辺の雑魚相手に徹底的に技を掛けまくる。で、SPが減ったら全滅させて回復するわけである。
それでもなかなか熟練度は上がらないが、
技は発行回数だけで熟練度が決まるようなので、これが一番。
ちなみに砂漠にはオアシスの南に「ヌシ」がいて、こいつは油断しなければ
経験値とお金稼ぎになるので一石二鳥の場所である。

そういえば、必殺技のうちユウキの最終奥義である「竜神剣」のグラフィックというか
動きがしょぼいのが残念。特にGRANDIA2での同名技と比べるとおとなしすぎて、
「これが最終奥義?」という感じがする。

魔法やスキルといった要素もあるが、これらは勝手に手に入るものではなく
マナエッグとかスキルブックという物を宝箱や戦闘の結果で得たり、合成したり、店で買ったりする。
また、単独で使うのではなく2つ以上を使って合成というのも出来る。
合成するとより上位の力を得られる。
全てを合成する必要もないしするのも大変だと思うが、いくつかはあった方が思うのもあった。

敵には面白い物がいる。
「メーメー」はただのヤギ。全然攻めてこないが倒せるし、そこそこのお金を落としてくれる。
何の役にも立たない鳴き技がかわいい。
倒すのに少し良心の呵責が(^_^;)
倒しても後で面倒なことにはならない(なるかもしれないと思って途中で倒すのを止めた)。
それを知っておればもっと倒したのに(^_^;)

なお、外見はほぼ同じだが、DISC2で出てくるのは攻撃してくる。
後一見ただのウサギのくせにやたら強い奴とかもいる。
ウサギ系は何種類か居るが、逃げて行く奴は基本的に倒す必要がない。
無理に戦うと意外と強くて困ったりする。
(逃げる奴と戦うと貴重なアイテムを得られるらしいのだが。)

雑魚敵キャラクターも1&2に出ていたのに似ているものが多く
(間違いなくデータの使い回し)、思わず「これは!?」と思うことも多い。
これは別に悪いというわけではない。

敵はそれぞれ属性を持っているので、効果的なのは剣か魔法か、
魔法ならどの系統(火、土、水、風など)が効くのか等がある。
これが解ると戦闘がぐっと楽になる。
必ずしも攻撃系魔法だけが効果的とは限らない。
(レベル下げとか毒とかも有効な場合がある。)

DISC1内では経験値稼ぎはあまり必要がないと思う。
そこにいる敵を倒せばよい。それすら無視して進むことも可能であるが、
そのときの経験値で先に進めるかは不明。
しかし、DISC2は兎にも角にも雑魚が強いので、経験値稼ぎはしておいた方がいい。
ちょっとGRANDIAらしからぬ仕様ではあるのだが、
経験値は得られやすいのでレベルアップ自体はそれほど面倒ではない。
森に行くと強い敵=経験値が多く得られる敵が連続で出てくる場所があるのでねらい目かも。
ちなみに、レベル36くらいを超えるとスルマニア城までの雑魚戦での全滅はほぼなくなる。

ボス戦はそれなりにつらいが全滅することは少なかろう(私がボスで始めてやられたのは天空の城のボス)。
(2008/02/14追記:2回目のプレイでは最初のボス戦で2連敗してしまった。不覚。)
ボス戦で苦労するかどうかは、雑魚戦でいかに戦い方を習熟しておくかにかかっている。

しかし、その雑魚の一部にかなり強めの物がいる。
1匹1匹は強くなくても、団体ではめ技を連続されるとあっという間にやられることもある。
雑魚のくせに1発で全員から1000以上体力を奪う技を使ってくるような奴や、
必殺技をキャンセルしてくる奴など、半ば反則的強さの物もいる。
こうなると、優勢だったのが一気に全滅なんて事もある。
私はDISC2のバース界のスルマニア・ゼロに向かう途中でなんと3回も全滅を食らってしまった。
雑魚での連続全滅はその後はなかったが、全体では本当に多い回数全滅している。
回復や復活はこまめに行う。必要な薬は多めに、また魔法も早々に買っておいた方が良い。

セーブポイント(セーブできる場所)は限られているが、
危ないポイントの前には必ずあるのでYs4程いらいらすることはない。
ただし、回復も出来るポイントとセーブだけが出来るポイントとがあるので体力調整は慎重に。

全滅すると、Ysのボス戦の様にその対戦からやり直しではなく
最短でも直前のセーブポイントまで戻ることになるので、
そういう意味でもセーブはこまめにしておく必要がある。
「ここには雑魚しか居ないから」などと思ってセーブしないとえらい目に遭うこともある。
時にはディスク読み取りエラーで吹っ飛ぶこともあるので。

ボスのエメリウスはべらぼうに強いので出来る限りレベルを上げておいた方が良い。
スルマニア城内の敵に対して必殺技使わずに倒せるようになるのがベスト。
(偽宝箱を無傷で倒せるくらいと言ってもいいかも。)
レベルは48〜46前後。
私の場合、ユウキとウルに必殺技をさせながら
アルフィナとラーナにキャンセルと回復という構成で攻めた。
オーブは回復。時間止めはすぐに終わってしまうので余り使えない。
必須スキルは必殺技で自動応酬するバーサクと避けと反撃。
魔法系は回復以外ほとんど使えないので外して通常攻撃または必殺技系の
スキルやマナエッグを装備する。

最終ボスは時間はかなりかかる(1時間くらいか)が実は余り強くはない。
オーブを使わなくても倒せる。
時々ほぼ一撃必殺の技を掛けてくるので、こまめに回復&復活をすればいい。
アルフィナの魔法力を最大にして「ヘブンズゲート」を連発させるのが一番効果的。
他は、相手の動きを遅らせるためのキャンセル必殺技を中心に、基本的にはコンボで。

実はこのボスへ行く直前の雑魚が異常に強い。
体力がかなりある上に卑怯な技(魔法技が効かない防御とかオートキャンセル等)を使ってくるので、
こちらも最大技の連続で応酬するしかない。
この場所には多分6集団居ると思うが、3集団倒せばすり抜けられる。
私はここでオーブを使ってしまったので最終ボス戦で使えなかった。
で、使えなくても倒せたと。

        ・・・2008/03/28追記・・・

2回目のプレイで気が付いたが、GRANDIA3のDISC2では基本的に「必殺技」もしくは
「魔法」を使うのが前提になっているようである。

GRANDIA3は回復ポイントでもSP値が回復しないが、代わりに、戦闘中のSP値回復が大きい。
すなわち、必殺技はけちることなくどんどん使い、時々SP回復のためにダメージを受けたり
通常攻撃をするという戦い方をする方が良さそうである。

また魔法も、敵によってどの系統(火・土・風・氷・爆裂)が効果的かが決まっているようなので、
それを見つけて使いまくるのが良い。DISC2から出てくるどでかい奴(名前忘れた)は
バーン系の3番目の奴(これも名前忘れた)で一発で倒せるとか。
砂漠の主には氷がよく効くが、このように住んでいる場所によって判断できるものもある。

このやり方で行くと、DISC2でも全滅は殆どしなくなる(全くなしには出来なかったけど)。
後半の経験値稼ぎは、上記砂漠の主が一番効率がよい。

        ・・・

最終ボスを倒すと即エンディングが始まる。
ルナ2やGRANDIA1/2にあったような2段エンディングではないが、
最後にちょっとだけ後日談が入るのは同じ(ちょっと物足りないけど)。

ここまでは基本的にほめておいた(つもり)が、悪い点も書いておこう。

・キャラクターの描写が足りない部分がある
 キャラクターは結構多く出てくるが、描かれ方が足りないキャラが居て、
 何でこれがここで出てきて何をしたいのかがわからないことが多々ある。
 敵やサブキャラ(ドュンケル)がそういう感じだし、一番最後の
 本来なら大どんでん返しになることろもそう。実にもったいない。
 取説では重要そうなキャラクターに書かれているのに1〜2回しか出てこない上に
 出てきたと思ったらあっさり消えてしまうとか。
 GRANDIA2がキャラクターの正確や内面を丁寧に描いていたので余計にそう思うのかも。
 ボスクラスの登場人物の中で、1人だけ途中で行方不明になるのが居る。
 完全には倒してないのに、出てこなくなる。
 そういった面も、ちょっともったいない。
 キャラクターから物語に入る人には、物語も物足りないと思えるだろう。
 確かにちょっと浅い。でも、大筋を捉えれば何とかなるのではないかと思う。

・音楽が薄い
 少なくとも1/2と比べ音が妙に薄い曲がある。軽いと言うべきか。
 生楽器が電子楽器に聞こえる。
 全部ではないが、戦闘とか目立つ曲でもそうなので気になる。
 TVのスピーカーやちゃちなラジカセで聞くことをターゲットにしているのだろうか。
 (最近のJ−POPにはそういう、ターゲットの選定がゆえに非常に悪い音のCDもある。)
 サウンドトラックCDをちゃんとした装置で聞くとそれなりの音で鳴っている曲も多いので
 PS2のハード的特性の様な気がする。PS2は音声系で言えばDreamCastやSATURN以下と言うことか。
 それでも一部の曲はやっぱり元から薄いとは思う。

・台詞の文字がかなり小さい
 このゲームでは実音声でしゃべってくれる場所も多いが、一部は文字による台詞である。
 この台詞の文字が非常に小さくて見にくい。うちでは29インチのTVにつないでいて
 そう思うのだから、もっと小さなTVだと余計だろう。
 (2008/02/14追記:57インチ画面で見てやっとこさである。それでも小さく感じるが。)
 また、台詞の横にしゃべっている人物の絵が出るが、これが配色が悪く見にくい。

・セーブが1メモリーカードにたった9カ所
 とにかく長い旅なのに、1メモリーカードに記録できるのがたった9カ所。
 もちろん上書きすればいいのだが、ポイントポイントで記録して後から
 見るというような事をするにはあまりに少なすぎる。
 余り容量も使ってないようだから、もっと増やして欲しかった。
 せめて25カ所、可能なら50カ所くらいは欲しい。
 私は3枚のカードを使い回したが、何とかして欲しいところである。
 ちなみにサクラ大戦Vでは50カ所以上セーブできる(上書きなく全てのセーブ場所でセーブ可能)。
 まあ、あちらは話の切れ目毎にセーブを要求してくるから、それくらい必要なのだけど。

・初回からContinue
・Continue時に最終セーブデータを指していない
 初回起動なのにカーソルがContinue(継続開始)にあったり、
 Continueしてもカーソルが最後に記録したデータを指していなかったりするので
 いちいち探す手間が必要だったりする。
 ちょっとしたことなのだが、手抜きを感じてしまう。

・暗い画面で敵が見えないことがある
 画面が全体的に暗い場所が多い。さらに、暗い場所で黒っぽい敵がいたりするので見えない。
 特にうちのテレビは消費電力を落とすために輝度を下げているので余計。
 ゲームそのものの問題ではないが、余り暗い画面続きというのはどうかと思う。

・DISC1とDISC2のオープニングデモが同じ。
いや別にこれは欠点ではないのだけど、1は1内で出てくる場面だけのデモを、
2もそういう風にしていた方が良かったのではと思う。

        お勧め度        89%

クリアにかかった時間はちょうど50時間、レベルは53〜52。
でもこれは全滅での差し戻しとかが含まれてないから実日数にすればちょうど一ヶ月。
(途中新潟行きで1週間全くやっていなかったが。)

全体的に見ると、DISC1は話も面白いし戦闘の難易度もちょうどで良いのだが、
DISC2は特に雑魚が異常に強くなって戦闘が面倒になってくる。
何回全滅した事やら。
特に、全滅したときの台詞が妙に感情がこもってて本当につらくなる。
「森」や「天空の城」などセーブポイントはあっても回復ポイントが全くない場所もあるので、
回復アイテムは必須となるし、各人のスキルや魔法、アイテムの装備も
十分練らなくてはいけない。それはそれで面白い所なんだろうけど。
結局、DISC1には特に経験値稼ぎはいらないが、2は積極的にした方が良さそうである。
DISC2でレベルが上がるまではつらかったが、それ以外は中だるみなく非常に堪能させてもらった。

前半のペースだったらもっと高くもしたんだけど、後半が結構つらいのでこの点。
それでもYsフェルガナのように「絶対無理」という難易度ではなく、
いろいろと攻略法や装備を変えて何度かやれば倒せる、
個人の指の技量に依らない戦略が立てられるのがGRANDIAの面白いところである。
これに比べると、毛色が違うゲームではあるがサクラ大戦5の戦闘が(1〜4ではそうでもなかったのに)
非常に単調でかったるく思えるし、Ysフェルガナはプレイする人を選びすぎる。

キャラクターの描き方が浅いなど問題がないわけではないが、
総じて面白かったのでこの点数にした。
このシリーズが好きなので、多少甘くなっている部分はある。

感動の具合であるが、正直なところちょっと物足りないので、僅差で2>1≫3と書いておこう。
(最初に書いたとおり、世の中1を絶賛する人が多いが、私は命題からして2の方が上。)

ただ、インターネットで評価を見るとかなり酷評が多い。
私が思うに、こういう人たちは与えられたゲームに1から10まで求めすぎだと思う。
それか第1作目を美化しすぎているか。
物語が陳腐だとか声優がなってないだとかが主な酷評だが、
物語が足りないなら自分で補完すればよい。主題さえ理解できればそれは可能だ。
主題「人間万歳」はシリーズ通して一貫している。
声優が気に入らないなら、これも自分の頭の中で気に入った声に変換すればよい。
(私はそんなに悪いとは思わんが。最近の一部アニメや映画の吹き替えの方がよっぽど悪い。)
私は基本的に物語は楽しみたい方だから、足りない部分で自分で補う。
そうして楽しむわけだ。細かいことは気にしない。
世の中それすら許さない/操作するだけでいらいらするような駄作もあるが、
この作品はそこまでひどくない。
良い音楽ときれいな画像、(満点ではないが)良くできた戦闘システムと
動くキャラクターがいればどうにでもなる。

好意的なサイトでは各種情報も得られるけど、
楽しみたいなら、見ずにやる方がいい。
攻略本も情報もなくても終わることは出来る。
戦闘が楽になるとかはあるにせよ、クリアするのに困ることはないはず。

4作目が出るかどうか。おそらくはスクエア・エニックスとしては
「ドラクエ」がマンネリ化、「ファイナルファンタジー」もオンラインに
行っちゃってるので、第3のシリーズものとして続けていくのではと思うが。
続けるなら、方向性は見失わないで欲しい。
「ドラクエ化」「FF化」はまっぴら。
ただ、酷評は酷評でちゃんと理解して、改善すべきは改善することは忘れないで。

もう一度やるかどうか。1は2回、2は3回以上やっているが、3は解らない。
長さは1と同じくらいだけど、何かもっと長く感じるから。
得られてないアイテムなどを探すためにやってみるか。
まあ、年内はやらない(というか出来ない)だろうけど。

*おまけ
(1)サブイベント
1本道に進むのではなくたまに前の町に戻るとサブイベントというものが発生したりする。
気が付いたのは、シュミットが最初にいた町での「紙芝居がなくなった」事件。
聞き込みをして推理した結果をある少年に言って当たっているとアイテムが貰える。
(聞き込みをしても完全には解らないので、ある程度推測が必要。)
(2008/02/14追記:最初に訪れた時にも「酒の飲んだのは誰?」事件がある。)
あと、アロンソが閉じこめられていた樽を覗くと復活の指輪があったりする。
きっと他にもあると思うので、行き詰まったら戻ってみるのも良いかも。
でも、従来あった隠しダンジョン的な場所はないと思う。

(2)アイテムの無料入手法
宝箱は一度開けるとそのままだが、
キノコなど、切れるものは一度そのエリアを出ると復活する。
物だけでなく、中にあるアイテムまで復活するので、
これを繰り返すと無料でアイテムが手に入る。
ただ、中に入っている物は毎回同じではないので特定の物を
増やすことは難しそうである。
<戻る>