「ゲーム紹介2005」
(2005/08/08号)
{ゲーム紹介}

        「YsIV Mask of the Sun
                a New Theory」

        PlayStation2用
        タイトー
        1枚
        定価    6090円(税込み)
        買値    5229円(税、送料込み)

Falcom社の誇る国産ARPGの雄「Ys(イース)」シリーズの4作目、
スーパーファミコンのYsIVをタイトーがリメイクした版。
YsIVにはPC−Engine版も存在するが、そちらではない。
私はスーパーファミコンは持ってないが、Ys6に付属していた
エミューレーター版でやった。

Ysシリーズは1〜2がすでにリメイクされているが、
これもその1つといえる。
(Ys3は本家Falcomが「フェルガナの誓い」としてリメイク版を出しているが、
これについては後日紹介。)

元はスーパーファミコン版なのでちゃちなグラフィックと安っぽい音楽であったが、
グラフィックは3Dで完全に作り直して非常にきれいになっているし、
音楽も豪華になった。
最近のRPGではムービーが多用されるが、このゲームではオープニング以外に
ムービーはない。それはそれでアッパレではある。

システムでは「エレメントと聖剣」という要素が追加され、
それを使いこなさないと解けないようになっている。
このゲームにとって剣の切換は非常に重要な操作である。
ただしアクション自体はYs6に比べればほとんどないに等しい。
Ys1/2に通じる操作である。

物語は、New Theoryということでキャラクターや大筋こそ同じだが
かなり違うらしい。ではその出来はどうか。

最初にはっきり書いてしまおう。

        「最低」

世の中にはもっとひどいRPGもあるだろうが、
Ysシリーズの、しかもリメイク版でここまでひどいとは。

どこがひどいかというと、大きく分けて2つ。

        「データセーブが出来ない場所が多すぎる」
        「物語そのもの」

である。
これらにより全体のバランスが崩れている。
絶妙なバランスが取り柄であるYsシリーズにはあるまじきことだ。

クリアする上で最大の難点は、セーブできる場所が限られていること。
Ys1/2/3では随時可能、Ys6ではセーブポイントでのみであったが
そのポイントはちょうど良い場所にあった。
ところがこのYsIVでは随時可能なマップと完全不可のマップに分かれている。
この完全不可のマップがあまりに広すぎるのだ。
特にボス戦直前は全てそうなっているからやっかい。
通常ボス戦は1発では倒せないことが多いのでやり直しが必要だが、
ボスの場所に行き着く手間で、かなり長い区間でセーブ不可なので、
かなり前からのやり直しとなる。しかもそういう場所の敵は結構強いことが多い。
加えて、こういう場所は似たような風景が続くので迷いやすく、
やられてしまうことが多い。薬草も1個しか持てないので尽きてしまう。
じっとしていれば体力が戻る場所もあるが、敵が多くてなかなかじっとしてられない。
これは非常につらい。

ボス戦の前には確認があるのだが、いくら確認があったところで入ってやられれば同じ。
結局、セーブできる場所に近いところでのかなり強烈なレベル上げ作業が必要となる。
ちなみにボスは牢屋、氷の洞窟、火の洞窟、レムノス、ブラスト、有翼人(これは勝てない)、
ガディス、バミー、グルーダ、最後(他にもいたかも知れない)と数は結構いるが、
これがまたほとんど印象に残らない。

結局、セーブできる場所お呼び出来ない場所でもセーブ出来る場所に近い場所で
ひたすら経験値稼ぎをして強くなるしかない。
これはボス戦の前もそうだし、後半はずっとやり続ける羽目になる。
ここまで経験値稼ぎだけのゲームは久々だ。

このために非常に多くの時間が費やされるため、物語の流れが解らなくなる。
しかも、戦闘もグランディアのように戦略を考えて出来るタイプではなく
ひたすら追いかけていくしかないので、指や腕がつりそうになる(腱鞘炎になりそう)。
その結果多くの場合、ボス戦では何も考えずに(敵の攻撃をよけずに)ひたすら
攻撃し続ければ数発で倒せるくらいになっている。
だからボス戦もおもしろくない。

戦闘場所のマップであるが、これがまた出入り口がわかりにくい。
単に道に迷うだけで一体どれだけの時間を無駄遣いしたか。
3Dつながりなのでいわゆるマッピングがしにくいので頭で覚えようとするが、大変である。
よく見ると床に目印が着いている場所もあるので、気がつけば少しは楽になる。
また、3D表示になっているが、これがグランディアのように回転(視点の移動)が
出来ないから影になった部分で惑うことがある。
そこに敵がいるとやられることもあるし、逆に宝が隠れていることもある。
宝があったら、アイコンが出るのでなんとか気が付くが。

あと、表現がおかしい部分がある。
「奥」と書いていながら奥ではなく横だったり。
普通「奥」と書かれたら長辺方向の奥と思うと思うが、
それが短辺方向の奥=横だとは。
これだけでゆうに30分は迷ったぞ。
で、そこへの入り口が例によって3Dの影で見えにくいと。

フラグ立てが厳密。
順番がちょっとでも違うと全く先に進まない。
別に本を読んで知っているわけではなく、それまでに聞いた話から
そこでそうするのは明らかなのに、先にあっちをそうしなければだめとか
そういうのが多い。

謎というか、単なる訳の分からん仕掛けがあって先に進まない。
特に「大地の剣」が難しい。ここの仕掛けは結局何がキーになっているか解らなかったが、
いつの間にか解けていた。
崩せない光る黄色の石が行く手を遮るのだが、それはいつの間にか火で焼ける植物になっている。
ここを超えれば後は一気に話が進む。
(いったん大地の剣を手に入れると、この黄色の石は大地のエレメントで破壊できるようになる。)
楽しい難しさではなくひたすら理不尽に苦痛だけの難しさ。
だからいらいらする。

システム上の問題もある。
マップは広いところはかなり広いが、狭いところはわずか数歩で次のローディングが
入ることがある(1カ所ではない)。PS2はかなりメモリーが少ないのかどのゲームでも
頻繁にロードがあるが、さすがに数歩で次というのはどうかと思う。
その都度流れが中断されるからいいことではない。
ちなみに、ローディング中の画面には2種類あり、
剣を持っていれば次は戦闘(一部例外あり)、犬連れなら町である。

今度は物語の問題。
一言で言えばYsらしからぬ物語になっている。
残酷性が強い。途中の化け物の正体とか(正体というかそれを倒した後の話)、一番最後とか。
敵の素性の設定は自体は悪いとは言えないが、Ysでそれが必要かと言われると?である。
「有翼人」「太陽の仮面」「ロムン帝国」あたりがキーワードとなるのだが、
特にこのゲームにおける有翼人の扱いがあまりにぞんざい。
存在している意味が全くない。一体的は何のために有翼人を利用しようとしたかが全く解らない。
Ysと言えば主人公に引かれる女性キャラクターがいてこの作品でも出てくるのだが、
何か今1つ盛り上がらない。
「太陽の仮面」の設定がYs1&2と6の間のような設定になっているのは良かったのだが、
それが活かせてない。
そしてラスト。あまりにあっけない。Ysシリーズの中で最低であろう。
PS2の機能をもってして、ファミコンでも出来そうなエンディングなんて。
ひたすら語りのみ。音楽もムービーもない。
また、太陽の塔がどうなったかとかがすっぱり抜けている。
どういう物語で何をどうしてきたのかが全く頭に残らない。
いろいろな設定があるのに、それらを使い切れていない感じだ。

はっきり言って、物語はスーパーファミコン版の方が良かったと思うし、
敵の素性というか目的ももわかりやすかった。

総合的に見て、兎にも角にもバランスが悪い。というか詰めが甘い。
やってるうちに物語を追う楽しみより、やる苦労の方が先に立ってしまう。
風の伝説XANADUの紹介でも書いたが、いくら物語が良くても
プレイヤーに苦痛を与えるようなものはだめなのだ。
風の伝説はまだ物語が良かったが、こちらは物語もだめなので
結局「苦痛」しか記憶に残らない。ものすごく消化不良で
「いったいなんだったんだぁ!」と言いたくなること必至。

他のRPGなら許されるかもしれないが、Ysと冠する以上これはだめだ。
「金返せ」級ゲームであると言い切ってしまおう。

        お勧め度        35%

ひさびさにやってていらいらが募るゲームであった。
何度途中で放り出そうと思ったことか。
せっかく買ったのだからと思って一応やり上げたけど、二度とやる気はないし、他人にもお勧めしない。
YsIVを知りたければ、スーパーファミコン版(Ys6付属版を含む)をやりなはれ。
冬にはYsVもリメイクされるらしいが、出来が非常に思いやられる。
たぶん買わないであろう。

やった後にあまりにいらいらが募るので、他の人が同じ思いをしないよう、
各種情報を載せてしまおう。

(1)石と剣の入手順
        氷(ルグオの屋敷で見つける)
        氷の剣
        火(ボス戦の後だったと思う)
        火の剣
        大地(コモドの長老からもらう)
        刻(盗賊の屋敷で見つける)
        雷(ハイランドの長老からもらう)
        雷の剣
        刻の剣
        大地の剣
        光の剣
        光(有翼人からもらう)

火の剣までは石と剣が対になってるけど、その先はバラバラに見つかる上に
剣は河の町まで行って鍛え直さないとエレメントの召還が出来ないので結構面倒。
刻の剣が使えるようになるとワープできるので少しはましになるけど。

光の剣が使えるようになるとどこでも回復出来るので、有効に使うこと。
特に最後近くのボス戦では必須。魔法力を溜めている間に攻撃されると
少しレベルが下がるが完全に0にはならないので、じっと我慢して満杯にする。
キーの押し間違いで別のことに使わないようにするのが大切。

(2)イリスの塔の中
・5階の行き方は「正しい道は正しい紋章」(間違った道は間違った紋章)
・白金の街での突起のふみ方は
        4 × 1
        × 5 ×
        2 × 3
・ラストボスは「同じシンボルの剣」で
ちょっと見えにくいシンボルもあるのでよく見る。

そうそう、このゲームにはバグがある。
一番最初にYs1/2を知っているかどうかを確認する質問があるのだが、
この中で「魔法の源はダームだった」という設問がある。
ここで「はい」を選ばなければいけないようになっているのだが、
実際には魔法の源はダームではなく、それが持っている「黒真珠」である。
今頃きっとタイトーには「間違ってるぞ」コールがたくさん届いていることであろう。
だめじゃん。
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(2005/12/26号)
{ゲーム紹介}

        「サクラ大戦5 -さらば愛しき人よ-」
        通常版

        PS2用
        セガ(株)
        DVD-ROM 1枚
        定価 6980円(税込み)
        買値 6961円(税、送料込み)

過去に何度か紹介したサクラ大戦シリーズの最新作。
従来の作品はSEGAが自社のゲームマシン、サターンやDreamCastに作っていたが、
セガが自社でのゲームマシン製造を中止したためPS2に移行、
その上で過去の作品のリメイクを2本ほど出していたが、
今回は全くの新作である。

過去の作品の舞台が日本(帝都東京)と巴里であったのに対し、
今回の舞台は毛唐が紐育(ニューヨーク)である。
舞台が変ると同時に、登場人物も全員入れ替え。
最初にちらっと過去作品で隊長だった大神一郎司令(隊長から司令に昇格している)や
真宮寺さくらが出てきたり、2から登場している加山雄一が出てきたり、
映画に出てたラチェット・アルタイルが隊長で出てきたりするが、
他は全て新人。

ということは、舞台が東京から巴里に変ったサクラ大戦3にも似ていなくはないが、
3では隊長は同じで、1/2のキャラクターも出演していたのでつながりがあったが、
今回は旧来作とは基本的には切れた作品と見るべきである。

この全くの新作は、はたして旧来作品を好んだ者にも楽しめるであろうか。

        ・・・

いきなり結論を書いてしまおう。

        「面白くない」

別に過去の作品の登場人物が出てこないからとか、そういうことではない。

旧シリーズの基本路線は継承した上で、新しい試みもたくさんなされている。
空中戦や町中の移動時の3D表示などは目新しく、全体に画面はかなり派手である。
写真を撮る機能(?)もある。

にもかかわらずこれが面白くないと感じさせるのは、
・毛唐文化
・二番煎じ
・何でサクラ大戦の戦闘でここまで苦労せにゃならん?
という、根本的、一種精神的問題にある。

私がこの作品に一番違和感を感じるのは「毛唐」文化である。
私がそもそも毛唐文化、その考え方が大嫌いというのが大きい。

この作品、毛唐文化を表すという意味ではそこそこ、というかかなり良くできている。
「アメリカンスピリット」「自由」「2つの背反するものが競い合って・・・」とか
「華僑」「大統領」とか。
精神面だけではない部分でもその文化をよく表せている。
アメリカ学入門には良いのかも知れない。

しかし、私は根本的に毛唐文化、毛唐のものの考え方が大嫌いなので、
余計にこの部分で受け付け拒否してしまうのである。

特に嫌なのがあの詭弁師ども。
日本語ではよく似た職業で「弁護士」という訳語が付けられているが、あれば別もんだ。
(日本のも似てきているというツッコミは、とりあえず却下。)
毛唐のはお金を奪えるネタを探し出し、その権利を持つ人間を口車に乗せて扇動し、
口八丁手八丁で相手を負かして金を巻き上げる商売だ。何でもかんでも裁判。
で、自分の責任は一切考えず全て他人の責任にする。
それが毛唐流。この作品でも登場人物にもそれがいていや。

その他いろいろとアメリカンな考えがいろいろと出てくるけど、
それらが最後の最後までいや。
ニューヨークなんてつぶれたって良いじゃない?等と思ってしまう。
あっいや、読者が1人居るからだめか?
やばいときは日本に帰ってきてね。

台詞にも受け付けがたい部分があって、特に違和感を感じるのは
         従来     今回
        「了解」→「イエッサー」  (Yes,Sir)
        「参上」→「レディーゴー」(Ready Go!)
という台詞の変更。
特に「イエッサー」というのが一番違和感あり。
「了解」のハモリがきれいだったので余計にそう思う。
(「イエッサー」については使われ方がおかしい部分もある。)

ひとまず文化的に受け付けがたい部分は置いとくとして、他の部分はどうか。

キャラクターの描写が二番煎じ。
他のゲームと比較してではなくこのシリーズ内での話だけど、
例え登場人物を新人にしてもそれは払拭できない。
個々の背景の設定も浅い。というか、どうでもいいような感じになってる。
仲良しキャラクターとの間に発生するサブイベントも陳腐。
会話内容もどうにも盛り上がらないというか、こっぱずかしいというか、
単に「変」というかで聞いて・見ていてつらい。

今回の作品で一番乗れないのは隊長がひたすら弱いこと。
ひたすら弱気。「未熟」と言う言葉で表しているが、そうではないだろう。
とにかくいやになるほど弱い。

過去の作品では年若くとも気持ちは強いという設定ではあったが、
今度は年齢を下げ、外見を子どもっぽくし、それゆえなめられているような設定である。
このあたりも主人公に感情移入出来ない理由である。
この主人公は女装もばっちりのかわいい設定というところから見ると、
女性受けをねらっているような気もする。

それは台詞にも見て取れる。
男には恥ずかしい台詞が連続する。
(が、ここは1つとことんそれを選ぶべきではある。)

敵側のキャラクターが舞台は毛唐であるにも関わらず和風。
仲間という感覚が全くない。1人だけずっと出てくるが、
あとは1話1回だけで、バラバラで何のつながりもない。
(3人目のだけは少し笑わせてもらったけど。)
大ボスとのつながりも解らない。
悪い意味で変で印象薄すぎ。
大ボスは意外な人物だが、これは書かない方が良かろう。

音楽は4作目に少し似てる。これも和風。
舞台がニューヨークなのに和風というのは違和感ありまくり。
なぜ和風なのかは第7話になるまでわからないから余計。
主題歌は毎回一度聞いたら覚えられる、ちょっと恥ずかしいくらいの
アニメの主題歌の黄金パターンだったのだけど、今回のは覚えやすさは同じだけど、妙に据わりが悪い。

まあ、音楽はまだいいとして問題は効果音。非常にちゃち。
本物のサンプリングでなく適当な音でごまかしてる。
特にひどいのが「歓声」。これはちゃんとしないと。
(過去のシリーズもほめられたものではないが、今回のはことのほかひどい。)

喋る部分は前半と後半に集中しているが、まあ従来と同じくらいのしゃべり頻度か。
メディアがDVD-ROMという、今までで一番大領のはずと言うことを考えれば少なすぎる気もする。
(サクラ大戦4がよく喋ったから余計にそう思える。)
不要な場所でばっかり喋ってるも少しするが、これは従来も同じ。

それにしても声優はどうにかならんかったのか。過去作品の声優さんはみんな実力のある人
(私でも名前を知っているくらいの人ばかり)でうまかったのだが、今回はどういう人なのか。
ちょっと聞いていてつらいものがある。
一部はキャラクターに合ってない。
GRANDIA3では気に入らなければ自分で脳内変換したらいいと書いたが、
こちらは他の部分もだめなのでそこまで気が回らなかった。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」状態である。

全体的に見て、今回の音声系はとてもほめられたものではない。

動画は最初は多いが途中から少なくなる。
サクラ大戦3に比べると格段に非効果的。
はっきり言えばほとんど無駄。

物語の進み方は基本的には1〜4作と同じ。
1話は数話に分かれその都度データセーブが可能であるが、
それが1つ5分程度の所から40分から1時間かかるところまでバラバラに存在する。
戦闘に至っては終わるまでセーブ不可なので1時間以上かかる場合もある。
ただし、途中で「中断」も可能なので、いつでも止めることは出来る。
(中断データは1つしか持てない。)

第1話は導入部、第2話から6話までは5人の登場人物の紹介の話で、
第7話、8話が決戦となる。それぞれの話がかなり長い。
1〜3話が3時間、4〜7話が4時間、8話に至っては7時間+αもかかる。
だから全部で3*3+4*4+7=32時間以上である。
ただしこれは「戦闘のやり直しを含まない時間」である。
問題は、その物理的時間ではなくて、それが楽しい時間であるかそうでないかである。
長くてもそれが楽しい時間であれば全く問題ない。

アドベンチャーパートの見た目は従来と余り変らない。
女の子としゃべって、町中回ってという動作を行う。
ただ、今回は町が広いので、全部回るには結構時間がかかる。

戦闘シーンもぱっと見は3作目や4作目と変らない。
が、従来地上戦だけだったのが空中戦もあるのが大きな違いである。
ところが、この特に空中でどうやったら思う場所に移動できるのかが
非常にわかりにくい。まずはここで引っかかる。

最初のボスとの空中戦は、最初にしてはやたらと強い。
3回もやり直してしまった。まず出だしでやる気を失わせてくれる。
こいつの攻撃のこつは、
1、まず広範囲攻撃を止める=首の砲台を壊す
2、次が腕(の先の鎧)
3、頭*2回
の順で攻撃することとこまめに回復すること。
特に隊長機が一番狙われやすいようで、またこれをやられると即終わりだから
その回復は必須。
敵は、背面の蒸気機関が動いていると回復を掛けてくるが、
その回復よりこちらの攻撃の方が大きいので、
蒸気機関の破壊は行う必要なし。頭部へ攻撃を集中する。

第5章では石像を押していく必要があるのだが、これが非常にいらいらする。
まっすぐ押せないからやり直しを何度も行う必要があるからだ。

1〜4作の戦闘が基本的にはそこにいる敵を倒すだけで済んだ場合が多かったのに対し、
今回は、そのほとんどが「何かをどうにかする」という目的が付けられている。
それが良ければいいのだが、単に面倒なだけな事が多い。
この間敵は基本的に「倒してもまた出てくる」。
(多くの場合敵を転送してくる装置を壊せば止るのだが、それなしにひたすら増える場合もある。)

複数の場所を移動しながらの戦闘もあるが、これも面倒なだけで全く面白くない。

過去の作品では途中で一度乗っている機体が壊れて新型が出来てパワーアップ
というお約束パターンがあったのだが、今回はなし。
それがあればいいと言うわけでもないが、
起承転結の「転」がない感じで、話が盛り上がらないのも確か。
機体が変わらないので必殺技も変わらない。ついでに言えばその必殺名もかっこよくない。

第7話は4時間だが、実際にはもっと長く感じる。
いろいろあって、最後雑魚戦があって、そのあと「勝った」で胴上げするのだけど、
まだ大ボスが居るのに何やってんだ?ってな感じ。これは絶対におかしい。

第8話の雑魚戦は無駄に長すぎ。
卑怯とも言えるほど増えるでバランス悪すぎ。
3回も再戦してしまった。
8話の時間は7時間と書いたが、それはやり直しを含まない時間だから、
やり直しを入れたら12時間以上かかってる。
ここまでになるともはやおもしろいとは全く思えない。
ただいらいらするのみ。
ちなみに、このパートでは「浮遊機雷」を破壊していく。
雑魚戦だけでなくボス戦も長すぎるか。いい加減にせい!というくらい。

全体的に、上記の通りボスが強すぎる上に雑魚戦が面白くない。
これは従来との大きな違い。
雑魚は雑魚で戦略が必要だったのに、今回はそれがない。
「目的」と「戦略」は異なるのだ。
ボスは「でかけりゃいいと思っているのではないか?」と思えるほどむやみにでかい。
かようにこの作品での戦闘は全くと言っていいほど面白くない。
いや、「怒りすら覚えるほどつまらん」。

ちなみに、戦闘では「連携」を使うと効率よく攻撃できる。
というか、使わんとどうにもならんと思う。

        ・・・

サクラ大戦のメインテーマの1つ、「生きる」は健在。
そこだけは安心したが、でも第3作目をまねしているようで台詞にも描写にも
新鮮みはない。

終わり方は悪くないんだけど、エンディングは今1つ。
いや、これはこれで悪くはないが、名作第3作のエンディングが最高だっただけに
その落差は大きい。

そうそう、第7話の前半ではパートナーを選んで、後は最後(変な想像しないように^_^;)まで行くのは
シリーズのお約束。でも、誰も選びたくないと思ってしまうのは、
それだけ登場人物に魅力がないから。

戦闘が面白くないというかいらいらする上に、アドベンチャーパートも今ひとつ、
キャラクターもそれほど良くないし、
全体の物語も陳腐で盛り上がりがない。
これでどうやって面白く思えるのであろうか。

        お勧め度        55%

これが限界。
ハッキリ言って、過去の作品をやっていればそれで十分で、
あえてこれに手を出す必要はない。
新しいおもしろさがない。
最初はもっと下げてたんだけど、最後は、戦闘部分は除き話自体はまあ
次第点だったのでちょっとだけ上げてこれ。

いろいろと新しいことをやりたいという意欲は解るが、
空回りしている。画面構成もシステムも音楽も台詞も設定も物語も。
だからバランスが良くないし、今ひとつ面白味に欠けてのめり込めない。
特に主人公とヒロインの関係について、過去の作品では筋がよく見えたのに今回は全く見えない。
主人公の年齢を下げたことに原因があるようにも思える。
次回作が出ても、よほどのことがない限り買わない。

やはり今までの所、3作目がいちばん良かったかと。
キャラクターが(総入れ替えではないけど)変わっても良い作品はちゃんと出来る
ということを3で証明したのに、今回のはねぇ。
逆に言えば、過去の作品を知らなければこれはこれでそこそこの
評価は出来るんだろうけど、知っている以上はこの点数で仕方ない。

実際の所、先にこれをやり始めたがつまらないので積極的にプレイしてなかった間に
先に紹介のGRANDIA3が来て、結局先にそちらをやり上げてからこちらに戻ってきた。
で、GRANDIA3が面白かっただけに余計にこちらのかったるさが目に付く結果となった。
結局終わるまで約4ヶ月もかかってしまった。
本来楽しむべきゲームを、苦痛を感じながらするなんて間違ってる。
(これはYs4やフェルガナでも同じだったけど。)

そうそう、これの購入についてもちょっと書いておく。
これを買ったのはAmazonであるが、1月ちょっと前に
予約を入れておいたにもかかわらず、届いたのは発売日から2週間も遅れてだった。
まあ、その間前に紹介のYsフェルガナをやっていたので良かったのだが、
新作をいち早くやりたいという人なら困るだろう。
注文が殺到したのであろうか?

Amazonは比較的安く、品揃えも良く、カード払いでもキャンセルしやすいなど
利点も多いのだが、納期という面では遅い。DVDで発売日から数日遅れは当たり前、
ゲームでもこの通り。
ひょっとすると、予約品であっても発売日以降にメーカーに
注文を入れるのかもしれない。Sofmapではほぼ確実に
発売日に来るので、急ぐ人はそちらの方が良かろう。
(先で紹介のGRANDIA3は発売日に発送通知が来たから、まだ比較的早かったけど。)
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