「ゲーム紹介2003」
(2003/07/07号)
{ゲーム紹介}

        「サクラ大戦 熱き血潮に」

        PlayStation2用
        DVD1枚(初回限定版は紹介DVDが1枚付いている)
        SEGA/RED/OverWorks
        
        ¥6800(通常版;税別)

かつてSEGA SATURNで発表され大人気となった「サクラ大戦」
第1作目のリメイク版である。

SEGAといえば、自社でのゲーム機販売をやめてPS2等にゲームを供給するソフト専門会社
となったが(さらにCSKグループからも分離、パチンコ機メーカーのサミーと言う
ところに買収されそうになったがこれも中止、ナムコからの買収案も蹴った)、この
作品は、従来SEGA機上だけでしかなかった同シリーズを今後PS2上で継続していく
上で、その元となる話を知っておいてもらうために作られた、
という意味合いが強い。

だから、元シリーズでは2以降で明らかになった様な設定も早々から出てきている。
SEGA機版を持っている人はやらない方が良いかもしれない。
(話のつながりがおかしくなるから。)

第1作目はSEGA DreamCastにも移植されたが、それがまんまの移植であったのに対し、
このPS2用の物は、話の筋こそ(ほぼ)そのままであるが、
システム的には最新の物になっている。
その多くは、DreamCastで発表されたサクラ大戦4のそれに近い。

第6話が全く新規であったり、第5話の捜索シーンもほとんど新規であったり、
最終戦闘の終わり方が異なっていたり、
他の話でも細かいところ、グラフィックやイベントも変更されている。
移動パートにおいてどこでイベントが発生するかがあらかじめわかるなど、
だいぶ便利というか簡単になっているし(全体的に簡単になっている)、
戦闘パートなんて完全に作り直しである。

が、他機種版を持っている人が改めて買う必要があるかと言えば「?」。
それはある種の「違和感」を覚えるからだ。

一番違和感があるのは、最終戦闘の終わり方ではないだろうか。
(エンディングは一応変わっていない。)
オリジナルが、一種ハッピーでない終わり方だったが、
「熱き血潮に」ではハッピーエンドになっている。
第5話で語られる登場人物の「弱み」についても変更されており、
これも「そんな重要な話変えて良いか?」という気がする。

結局、変更された話は元のままの方が良かったし(無理矢理変更された感じ)、
追加された話も、サクラ大戦シリーズの設定を紹介するためや、
(たぶん)PS2には移植されない第2〜4作目の話で語られる設定を
出すためだけにしか思えない。
後から付け加えた話には、全体的にちょっとつじつまが合わないのでは?
と思うところもある。

システム的に見ると、やはり焼き直しだけの感がある。
それ以外のグラフィックは一部だけの書き直し。
音声も一部新規追加だけど、そのままのものが多い。
追加アニメーションやCGムービー部分はやたらと綺麗になったけど、
CGでないアニメーションは元のまま(圧縮率は下がってる)。
そのアニメーションの中にはおかしい部分もある。
頭から入ったはずなのに足から出てくるとか。
細かいイベントでは追加もあるが、あまり重要ではない。
音楽は少し豪華になっているようだけど(特に各キャラクターのテーマ曲)
ほとんどは4作目のまま。

さらに、ミニゲームは花札以外全て削除。
(この花札は大強化されているが。)

画面効果もごてごてしすぎでいまいち。
必殺技はまだ良いが、オープニングデモから全般のシステム、
画面構成などは4作目が一番である。
(でも、素直に映像のきれいさだけを比べたらこれが一番。
この後サクラ大戦3を見たら荒く感じたので。
でも、一番良く作り込まれているのは3。)

あと操作キー配置も悪い。戦闘パートでよく使うキーが非常に押しにくい。
これはそもそもPS2のパッド上のキー配置が変というのもあるが。
初のPS2用と言うことで、慣れていないのか張り切りすぎたのか。

結局、全体のリメイクのされ方がどうも好きになれない。

ということで、今までのを知っている私には、いま1つな感じがする。
決して悪いわけではないが、あえて買う必要があったかと聞かれれば
「?」なのである。今はゲームのレンタルは禁止であるが、
レンタルがあれば借りても良かったところか。
それでもやり込んでしまうところは、さすがであるが。

まあ、次回作「サクラ大戦5」がPS2上での本当の意味での新作となるので、
そちらに期待しよう。

少々厳し目に書いたが、これを始めてとする人には十分良い出来だと思う。
細かいところまで、実によく作り込まれている。
やってみて損はない。

初めての人に楽に戦闘を進めるこつをちょっと書いておく。

・基本命令は「火」にして「ため」を使いまくって必殺技を多用する。
 必殺技を出し惜しみする必要なし。
 合体技(取説には書いてない)を使えるようになったら、
 敵が出来るだけ攻撃範囲に入るように移動して使う。効果絶大。
 回復は回復技を持った仲間に任せるか、危ないときだけ回復が使える命令に変える。
・「かばう」を有効利用する。
 1戦闘で3回までだが、かばっている相手とくっついていると自分も攻撃されない
 ので2倍お得。
・仲間の各機体の特性を良く理解して、接近戦部隊と遠隔攻撃部隊に分ける。
 また、敵味方の隙間もしくは上を飛び越えて進める機体とそうでない機体がある
 ので、それもうまく考えて移動を止める位置を決める。特に狭い地形では重要。

これらをうまくできるようになると、最初から最後まで1人も離脱者を出さないで
終われる。

        おすすめ度      同シリーズ初めての人には   90%
                        従来のものを知っている人には 69%

ついでに、今回買ったPS2についても書いておこう。

今更詳細は書くまでもないと思うが、SONYのゲーム機、PlayStationの後継機種である。
従来のゲーム機の常識を覆し、従来機種(PlayStation1)のソフトも遊べるという
画期的な機能を持った機種である。

ハードの能力が発売当時のPCより遙かに優れていたとかグラフィック周りがPS1に比べ
大幅に強化されたとかいろいろあるが、一番の貢献はこれでDVDも見られる
(CDも聞ける)ということであろう。DVDプレイヤーとして、その普及にも大いに
貢献しているらしい。私はそういう方面では使わないが。

個人的感想。
DVD読み取りがDreamCastにくらべそこそこ静かで速いのは気に入ったのだが、
  デザインは極めてださい(特に色)
  ファンの音がうるさすぎでしかも周波数的に耳障り(ゲームへの集中力をそぐ)
  コントローラーが小さくて使いにくい(キー配置がだめ)
  設定画面のインターフェースがわかりにくい
という感じで、DreamCastの方がよほど洗練されている。

ひょっとすると、サクラ大戦の出来の今一感はPS2標準インターフェース指導
(こういう風に作りなさいという指導があるはず)に従った結果かも知れない。
そうすると、そもそもそういう「指導」自体が「ださい」のかもしれない。
それとも、PS2ユーザーの気質に合わせた結果なのか(問題発言?)。

一般的にSONYの製品は洗練されているというイメージがあるが、
それはあくまでPCやオーディオの世界だけであり、それも一歩引いてみれば
単に斬新なだけで、優雅さでは欠けていることも多い。
これは別にSONYだけじゃなくて、日本の大手会社全部に言えることかも知れないが。
実用性(使いやすさ)でも疑問が付くことが多い。
わかりやすい(?)たとえで言えば、「成金と本物の金持ちの違い」という感じだ。
もちろんSONYが「成金」。
技術力や商品にする能力はぴかいちと言うか世界一ではあろうが、
本当に使っているの?という気がする。
(それとも、「俺のインターフェースに付いてこい」と言うことかも知れない。)

あと耐久性に問題があるのは昔から言われること。
私が過去に買ったSONY製品で、利用を辞めるまでに全く故障しなかったのは1つ
しかない(チューナー)。それ以外は1年以内もしくは1年ちょうどくらいに壊れたか
不具合が出た。他にこんなに壊れるメーカーは知らない。業務機は知らんけど。
このユーザーの声に答えない限り、私にとってSONYは本当の意味で信頼できる
メーカーにはならない。
(今TVとDVDプレイヤーとハンディービデオを使っているが、ちと不安。)

おすすめ度は省略。ゲーム機本体なんておすすめしてもしょうがないから。
要はその上でどれだけやりたいソフトがあるかが決め手だから。
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(本誌未公開ネタ)
{ゲーム紹介}

        「スペースチャンネル5」

        DreamCast用
        SEGA
        GD−ROM1枚
        定価    ¥5800(税別)
        買値    ¥980(税別)

一応音楽というかダンスもののジャンルに入るゲーム。
最近、第2作目がプレイステーション2(とドリームキャストでも)で出たようだが、
この1作目は1999年の作品らしい。

宇宙人が攻めてきて、地球人に変な踊りをさせていくという設定。
それを、同じ踊りをすることで解放していくのである。
わかる?

要するに、敵と同じ動きをすればいいわけ。
まずは敵が踊るので、それを覚えて後で同じ動きを再現する。
また、途中でシューティングモードというのがあって、
このときは出てきたのが宇宙人か地球人かによって押すボタンを変えるなどはある。

押すボタンを上下左右とシューティングの6つだけ、
後はタイミングだけのゲームで操作は簡単なのであるが、
話が進むにつれて覚える量が増え、速度が上がるので難しい。

途中でどれだけ相手を倒したか=同じ動作ができたかや、何人の
地球人を救ったかなどによって、それ以上先に進めるかどうかが決まる。
(ゲーム中では、それが視聴率という数字で表され、面ごとに設定された
最低視聴率をクリアしないと次の面に行けない。)
まだ1面しかクリアできていないが、数面あるようである。

ゲームというものは、だいたい後で安売りされるものほど「くそ」ということらしい。
中にはずっと前に紹介の「グランディア2」のように、現在は安い価格がついているが、
実際には良いゲームもあるので一概にはいえないが、おおかた当たっているようである。
(グランディア2は話的にお子様には理解できない部分があるので、
お子様の評価が得られず「くそ」評価されているのだと思うが。
ああいう良いゲームを正当に評価できないところが、日本のゲーム市場の
精神的未成熟さを露呈していると思うのだが。)

このゲーム、インターネットで調べると高評価をしている人もいるようだが、
個人的には、おもしろくないことはないが、どうも今ひとつぱっとしない感じがある。
画面があるいみ質素というか荒く感じるからだろうか、
音楽が個人的にすき!という範疇でないからだろうか。
絶対にちゃんと押しているはずなのに反応してくれなくていらいらすることが
あるからだろうか。
どう説明して良いかわからないが、すごく「はまる」という感じではない。
言うほど悪くもないが。

音楽系ゲームには難しいものや体力を必要とするものが多い中で、
簡単な操作でいて音楽ゲームのおもしろさは伝えられるという意味では
画期的なのかも知れない。

        おすすめ度      69%

このゲームでは、ゲームパッドの状態の善し悪しも大きなポイントとなる。
自分でちゃんと操作したつもりなのに、違うと言われることが結構あるのだ
(音でわかる)。
使い古したゲームパッドでは、スイッチが効きにくいこともあるので要注意である
(うちのがまさにこの状態)。
実は、こういうパッド状態が大きくものをいうゲームというのはあまり好きでは
ないのである。おすすめ度が低めなのはそういった理由もある。

この手のゲームが特に好きなわけではないが、安かったので買ってみただけ。
まあ、大はずれではない。980円の価値はある。
安いのは、単に古いゲームだからかも知れない。

ということで、安いからよしとしよう。少なくとも前に紹介の「知代のビデオ大作戦」
よりよっぽどまし。あれはコレクターアイテムとして以外に価値がなかったからね。
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