「ゲーム紹介2002」
(2002/05/20号)
{ゲーム紹介}

        「知世のビデオ大作戦」(初回限定版)
        
        ドリームキャスト用
        SEGA
        GD−ROM 1枚

        定価    8800円(税別)
        買値    2980円(税別)

ドリームキャスト用「撮影」ゲームである。

初回限定版は、抱きつき枕カバー・時計・お皿・スプーン・フォークが付いている。
買ったのは新品であるが、店の在庫に残っていた物のたたき売りである。
はなからゲームの内容には期待せず、これらおまけ目的で買った。

んなもんで、先におまけから書いておくと、少なくともお皿は使える。
うちでは子供(嘘じゃないぞ)のお気に入りになっている。
スプーンとフォークは子供には大きすぎるので使わせていないが。
時計は飾り物、枕カバーは壁に飾ってある(子供が引っ張って遊んでいる)。
ということで、役に立つとはお世辞にも言えないが、
まったくの無駄でもない。

さて、肝心のゲームはどうであろうか。

このゲームはバーチャル「撮影」ゲームと書かれている。
カードキャプターさくらの世界を使い、
さくらの勇姿を知世がビデオ撮影するという設定である。
ビデオのアングルや撮影タイミングを合わせてベストショットを狙う。
画面上でさくらが動いているので、ここぞというところでアングルを調整して
ボタンを押すだけ、簡単である。

が、問題はその単調さにある。
難易度の設定は出来るが、基本的には3面のみで、少ない。
(それぞれの面で3回撮影がある。隠し面もあるようだが。)
せめて8面位有れば良かったのに。

その他ミニゲームや撮影したものをゆっくり見るモードもあるが、
所詮付けたしである。

はっきり言ってしまえば、いわゆる糞ゲーに入るだろう。
昔はキャラクターを使っただけの糞ゲーはたくさんあったが、
久しぶりに見た感じがする。
キャラクターが喋るのはいいけど、ディスクからの読み込みが多すぎて
勢いがそがれるとかの技術的問題もある。

        お勧め度        30%

初回限定版にはおまけの分価値があるが、
それらがない通常版(5800円らしい)には価値なし。
コレクターアイテムとしての存在だけか。
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(2002/07/22号)
{ゲーム紹介}

        「サクラ大戦4〜恋せよ乙女〜」

        DreamCast用
        GD−ROM1枚(+おまけディスク1枚)
        SEGA
        定価/買値      ¥8800(初回限定版)

何度か紹介している「サクラ大戦」シリーズの、
少なくともDreamCast用としては最終作品。

GD−ROM1枚ということで、内容の充実ぶりが非常に
気になっていたのだが、実際のものはどうか。
その評価をするには、いくつかの切り口から見る必要がある。

まず一番重要なのが話の内容である。
これについては、この4作目をこれまでの1〜3作目とは
少し違ったものとしてとらえなければならない。
1〜3作目では大方、
        個々のキャラクターの紹介
        成長
        隊長との理解し合い
        全体の調和
        大ボスとの戦闘
というような流れであった。敵との戦闘もそうだが、個々人の
成長を主題においていたと言える。

ところが今回は新しいキャラクターは1人もいない。
だから、ここのキャラクターを描く話はないし、
キャラクター間の調和をはかる話もない。
すでに成っているからだ。

また、サクラ大戦ではアニメのように途中で話を分け、
「第何話、なんとか」という題を付け、
途中で予告とアイキャッチを入れていた。
この4作目にはそれらがない。

データの記録上は4話構成になっているようだが、進める上では
区切りがなく、当然アイキャッチもない。
それが何を意味するかというと、1つは区切らなくてもいいほど
短いということ、もう1つは、この作品全体が
1つの話であるということであろう。

いきなりかなりの強敵が現れて大ピンチになるし、
「あれっ、もう!?」というタイミングで巴里華撃団が来る。

それらをふまえて見た時、今作品の主題は1,2作目の帝国華撃団と
3作目の巴里華撃団の融和であり、
隊長の大神の独り立ちであり(これがかなり大きなウエイトを占めている)、
そしてサクラ大戦自体としての締めくくりであるといえる。

今までは他の隊員の陰に隠れて目立たなかった大神隊長だが、
今回はかなり表に出てくる。最初の主題歌とエンディングの歌を歌うのもそうだが、
途中でかっこいい場面もある。
大神華撃団というものも出来るくらいで、やっと隊長として
一人前として扱われた証拠か。

また、この「締めくくり」という点についてはかなりウエイトを置かれている。
最後の戦いの後、エンディングの話だけで実に1時間以上分ある。
ここが一番いい部分なので詳しいことは書かないが、
なかなか感動的ではある(特に曲がよい)。

このとらえ方で見た場合、一応この作品はよくできているとは言える。

短い時間の中でよくもこれだけ、というほど詰め込まれている。
でも、先に「一応」と付けたのは、詰め込みすぎで息詰まりそうな感じが
するからである。もう少しのんびり話を進めた方がよかったのではないか
と思う。このあたりは残念である。

全体を通事でのプレイ時間はゆっくりやっても11時間で済むだろう。
でも、このゲームでは実に13人+1人もの相手方+自分が存在するので、
全員で終わろうとするとかなりの時間と気力が必要となる。
そういう遊び方をするのが筋なのだろう。
(2002年6月時点ですでに4人+1人で終了。)

では話以外はどうか。
GD−ROM1枚は1Gバイト、おおよそCD−ROM2枚分である。
1〜3作目が2〜3枚組であったことを考えると
その小ささがわかる。それについては先に述べたが、
この4作目では従来のサクラ大戦の1つの特徴であった
ムービーが大幅に削減されてる。エンディングを除けば
4つしかない(オープニング、光武出動、巴里華撃団出動、ミカサ強奪)。
従来あった先に書いた話の予告や戦闘中の必殺技ムービーもないに等しい。
(合体技だけはある。)
さらにいえば、一番最初のメーカー名のデモ(?)すらカットされている。
そのほか、画面の各所が質素で寂しい。特に前作3に比べるとそう思う。
敵は1人であり、大型の魔繰機兵も4体しか出てこない。
(小型も3種類だけ。)
これはすべて容量を稼ぐためだと思われるが、
ここまでして1枚に納めるべきだったのだろうか。

この1枚になったということにはいろいろな憶測ができる。
1つは1年という開発期間、1つはもう廃盤決定の機種に対して、
あまり多くの金をかけて開発できない、という台所事情であろう。
DreamCastはすでに製造中止の機種である。
ということは、現在市場に出ている機体数以上には
絶対に売れない。
SEGAが開発に際して厳しい条件を付けたのは想像に難くない。
そう思えば、よくここまでまとめたとは言えるのだが、
遊ぶ側がそこまで理解するのは、本当は筋違いではある。

「開発期間が短い」影響はこの作品のいろんな場所で
前作までの使い回しがあることでも見て取れる。
(従来の作品はおおむね2〜3年かけて1作品出ているが、
今回はサクラ大戦3から1年しかたっていない。)、
音楽は多くがそうであるし(新曲は3つだけ)、キャラクターの画像も
そうである。特にサクラ大戦3キャラクターについては
ほぼすべて使い回しである。別にそれが悪いとは言わないが、
気にはなる。

その一方で、セリフについては、驚いたことにかなり多くの部分に実音声付きである。
今回の作品では、前3作で誰で、もしくはどのようにクリアしてきたかなど
の条件や、この作品内で誰を選ぶかによってセリフなどが大きく変わる。
そのすべてが実音声付きであるから、音声データの容量は
かなりなはずである。音声データはあまり圧縮できないものなので、
実はこれが一番食ったためにムービーを削ったのでは?
という気もしている。

音声については困ったことに、どうでもいいようなところでしゃべっているくせに、
重要な場面でしゃべっていないところがあったりする。
最後に場面を追加したと読んだことがあるが、
おそらく音声のない場面がそういうところなのだろう。

後、絵柄が今までとちょっと違うとか、
細かい気になる点も多いとはいえ、シリーズを締めくくる作品として見たとき、
決して悪い作品ではない。それなりに感動できる。

このサクラ大戦4、そして前作3に共通しているポリシーとして、
「都市は悪ではない」というのがある。
都市は自然を破壊するから悪としたのが3、都市に住む者に裏切られたのが4
であるのだが、都市が愛をはぐくみ子供を育てる営みが自然であり、
また、過ちは世代を超えてただしていくという。
このあたり、少々人をを買いかぶりすぎているというか、性善説すぎるような
気がしてならない。

都市という存在が自然と相容れられないとは思わないし、
子供を育てる営みは確かに自然である。しかし、今の都市を見るに、
世代を超えて過ちをただせる前に、次の世代に付けの残し続けて行っているように
しか見えない。そしてそれはもう限界にきており、付けが払いきれないまま崩壊する
可能性すらある。こうなると「都市は悪」であると言わざるを得なくなる

そうなる前に何とかせよいう意味あいの逆表現なのかも知れないが、
少々甘すぎる気はする。ゲームにそこまでの訴えかけを求める方が無謀なのかも
知れないが、せっかく良いところまできていると思うので、もう少し
危機感を持たせるようにした方が良かったのではないか、などと思う。

1〜3作目はそれだけで独立した価値があったが、
4作目には残念ながらそこまでの価値はない。
この作品だけでけでは何のことかわからないだろう。
通しで見ればよい作品になっていることがわかるのだが、
これだけだとある意味、コレクターアイテム的なのが残念。
「DreamCastファンへのありがとうの気持ちを込めて」
といううたい文句は、その意味では当たっている。
あくまでファンサービスの作品である。

        おすすめ度
                1〜3作目をやっているなら85%
                やってないなら30%

書き忘れていたが、1〜3作目では最終的にだれでエンディングを迎えるのか、
ネタ本でも見ない限り決めていくことは難しいが、
この作品では最初に帝国華撃団と巴里華撃団の双方から1人づつ選べる。
普通にプレイすれば、このどちらかでエンディングを迎えられる。

また、今までの作品ではおまけ的性格であったお風呂・シャワーシーンが
今回は本筋の中にある。
この2点から言っても、今回の作品がファンサービスの固まりであるといえるだろう。

しかし、いくらおまけ付きとはいえ、1枚で8800円(通常版でも6800円)、
従来の作品と同じというのはいかがなものか。
(SOFMAPで予約したら湯飲みとコーヒーカップセットもついていたが、
これの価格を考えてちょうどくらいか。
あっ、本来の初回限定版のおまけはこれではなくて、
13人の隊員の顔が掘られたアルミプレート付き携帯ストラップ。
携帯電話を持たない私がこんなもんもらってどうするね。
いや、これがほしかった訳じゃなくて、間違って予約してしまったのさ。
本当は通常版でよかったのに。)

話の流れからして、今までのメンバーでのサクラ大戦はもう終わりだろう。
ただ、別の華撃団が作られて、名前の上でのシリーズは続けられるかもしれない
(というよりその伏線が張ってあるからきっとあるだろう)。
それは買うかどうかは、出来を見てからである。
(つい先日発表された新作案内では、やはり次回作はあり、
舞台はニューヨークになるそうな。と言うことは、敵はテロ?)

おまけディスク?サクラ大戦3のダウンロードドラマが入ってるんだけど、
「所詮はおまけ」とだけ書いておこう。
そうそう、当然サクラ大戦3を持ってないと無用である。
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