「スーパーシェイプウォーカー」(2006/08/07号)
{商品紹介}

        「スーパーシェイプウォーカー」

        アシックス
        買値    12915円(税、送料込み)

歩くだけで筋肉が運動されて痩せるという靴。

私は平日はほぼ毎日3キロ以上歩いてはいるが、それ以外にこれと言った運動はしていない。
だからこそ、この間に運動相当のエネルギー消費が出来ればありがたい。

この靴の存在はカタログハウスの「通販生活」にも載っていたこともあって
以前から知っていて気にはなっていたが、
たまたま新聞の折り込みチラシが入り、かつ値段が安かったので買った。
楽天にあるアシックスのインターネット店で購入。

「通販生活」のも同社製のだが、16800円(税込み)と高かった。
よく見ると、それは牛革の日本製であったが、今回購入したのは人工皮革の中国製である。
耐久性は解らないが、機能面では大差ないと言えるのではなかろうか。

製品として男性用がなかったので女性用を買ったが、
サイズは26センチまで用意されていたし、
幅はEEEなので全く問題なし(レディスEEEと書いてあるが、
E表記にも男性・女性の区別があるのか?)。

2006年春号では本革が16590円、合皮が12390円となったので、
後者のだと思われるが、いかんせん通販生活ではこれとは別に送料600円がかかり、
また横幅がEE、サイズは22.5〜24.5しかない。完全に女性向けになっている。
ということで、インターネット店で買った方が都合がよい。

色は、26センチでは第1希望だったオリーブ(深緑)が売り切れていたので、ダークブラウンにした。
簡単に言えば焦げ茶色。

形状は、ぱっと見は普通の靴と変わりない。
幅もぴったりでずれない。
軽量で適度に柔らかく、長く歩いても靴の硬さでいやになることはないだろう。
生地の関係で中は結構温いので冬場は良いのだけど、夏場はつらいかもしれない。
(冬場でも暖かい部屋内では蒸れてくる。)

この靴は簡単に言えばかかと側が削られている靴である。
いや、かかと側が薄いわけではないのでつま先側が肉厚と言うべきか。
いずれにせよ、これによりつま先を地面に付けた状態ではかかとと地面の間に
約9度の隙間が出来ることになり、かかとを地面に付けると
その分アキレス腱から上の筋肉が引っ張られて運動になると理屈である。

この角度が9度のものが「スーパー」で、5度のものが普通となる。
いきなりスーパーを選んで大丈夫かとも思ったが、日頃そこそこは
歩いているのでこちらにしてみた。

1日目。平地で土の地面の公園で1時間ほどゆっくり歩いたり座ったり。
特に問題なし。

2日目は通勤。行きはアスファルトの平地。結構足には来るがまだ大丈夫。
帰り、最初少し走った後緩い登り。来る来る、ふくらはぎが痛い。
相当負荷があることが解る。アキレス腱が弱い人には無理ではなかろうか。
私の通勤路は歩きだけで往復3キロくらいあるが、
慣れる前にいきなりこれは止めた方が良いと思う。
翌日に響くような痛みではないが、一時的には大分つらくなる。

う〜む、確かにアキレス腱からふくらはぎあたりにかなりの負担がかかっているのが解る。
「同じ距離でも下半身の筋肉活動量が1.5倍から2倍」になるらしいが、確かにそう思う。
平地で1.5倍、ちょっと坂道の多い場所を歩けば2倍という感じか。

今までならこれほど筋肉を使って歩くのは、白馬の山登りの時または
日本橋を歩き回るときくらいではなかろうか(後者は近年ほとんどしてないが)。
足だけでなく、体全体も普段の半分くらいの距離で温まってくるから、
上半身にも良い影響があると思う。

これに意識してケツ筋(おしりの筋肉ね)を動かすようにして歩けばさらにいい運動になろう。
意識してが難しければ、少し大股で歩けばケツ筋まで動く。
まあ、しばらくするとこの必要もないほどおしり回りの筋肉が引き締まるが。

歩き方については説明書にも書いてあるが、内股すぎず・がに股過ぎずで、並行から少し外側に向ける感じ。
また、足の裏の重心の移動は、意識的にかかとは全体〜つま先に移動するときに内側に移動させるような
感じにすると歩きやすいと同時に、一番筋肉に負荷を掛けるので効果的である。
さらに早足にすれば効果倍増。
ふくらはぎの痛みを抑えるためにはつま先立ちするような感じで歩けば楽になるが、
それはそれで運動になると思う。
(ハイヒールのような、つま先から降ろす歩き方ではだめ。)

靴の中で足の平が地面を蹴るようになるので、それを妨げない靴下でないと
効果が低いというか若干歩きにくい。
具体的に言えば、パンストのようなつるつるした物はよろしくないかと(タイツはOKだった)。
慣れれば大丈夫になってくるけど。

1つ注意が必要なのは、慣れるまではバランスが取りにくいのでふらつきやすいこと。
特に階段等では要注意で、手すり近くを歩いた方が良かろう。
電車(バス)の通勤で、満員電車の中で踏ん張って立つのにも不向きではある。
慣れると大丈夫になってくるが。

あと、「平地を坂道を歩いているようにする」ということは「坂道はよりきつい坂道になる」
ということなので、坂が多い環境では歩きにくくなる。
私の通勤路では会社から駅までの帰り道が坂になるのでちょっときつい。
基本的には平地用と考えるべきである。
慣れたと思った頃、紅葉狩りにこの靴で行ったら、ちょっと坂が多かったせいか
翌日から足の筋肉が痛くなった。それだけ負荷がかかっていると言うことである。
(逆に下り坂は楽になる。)

さてこれで本当に足が痩せるのか。
私の10ヶ月ほどの結果を書いておこう。

おしりは割とすぐに上がっているのが解った。それまではおしりが股の方に下がっているようで
股とおしりの境界がハッキリしなかったが、2週間もしないうちにそれがハッキリ解るようになった。
また、直立したときに股下で太ももが強く触れあう状態だったのが、
軽く触れるもしくは少し隙間が空くようになった。

男性でもそうなるのだから、女性でははっきり隙間が解るようになるのかもしれない。
ただ、細いズボンが楽々はけるようになったわけではないので、
太さは変らずに、たるんでいるのが引き締まっただけのようである。
むしろ、おしりが上がった分きつくなったかも。

筋肉の引き締まりは股の揺れでも解る。以前ならたるんだゆったりとした揺れであったのが、
すぐに揺れが収束するような感じになった。

私の足は元々太いがこれは高校は4キロ以上、しかも途中1キロ以上の坂を超えての通学、
大学時も駅まで約500mの坂を越えての自転車通学であったゆえである。
その後頻度は下がったが、足の太さは変らない。
でも触ってみると脂肪質ではなく筋肉質であるように思っていたが、
それでもある程度は引き締まったのである。

がしかし、体重は減らない。むしろ一時期3キロほど増えた。
脂肪が筋肉に変ると同時にエネルギー消費量が増えるのでそれを維持しようと
食べる量が増えるのだと思うが、これが過剰になっていると思われる。
ここで食べる量を以前と同じにすれば減ると思われ、
事実、ある時から徐々にではあるが減っている。

もっとも、大切なのは体重の増減ではなく体脂肪率の減少なのだが、
こちらも、うちにある簡易の測定器では23%前後で変化なし。
後日ちゃんとしたやつを買ったら19%程度を示す。
減ったのか、やはり簡易ではだめなのかはわからない。

結局、筋肉の引き締まり自体は実感できたが、
それが体重や体脂肪の大きな変化に結びつかないのが残念である。

なお、2ヶ月もするとこの靴での歩きに完全に慣れる。
慣れてくると最初の頃のように筋肉への負荷を感じなくなるが、
でも引き締まり自体は維持されるから、それなりに負担はかかっているようである。
しかし、効果を持続させるには、意識的に上記の歩き方をする必要がある。

        お勧め度        85%

残念ながら便秘解消には効かないようである。
まあ、目的が違うからこれは致し方ないところ。
少しは腹筋が動くので効果があるかな、と思ったのだが。

総合的に見て、足を細くしたい人には向かないだろう。
健康的に美しい足にする人向けである。

時々「マッチ棒か?」と思うほどの足(だけでなく全身)の人を見かける。
本人は痩せていて満足しているのかもしれないが、
端から見ると全然魅力的でない。人間は、特に女性は適度なふくらみがないと美しくない。
本来、スタイル良さというのはバランスによるものだ。
太りすぎがだめなのは当然だが、痩せすぎもだめなのだ。
しかもどちらも不健康。過剰に体重を気にして拒食症になるという人もいるらしいが、
人間本来の魅力のあり方について、正しい認識が必要だと思う。

        ・・・2006/10/12追記・・・

これを買って以来、外出の時の殆どはこれで行くようにしていたが、
1年ほどで靴底のゴムがはがれてしまった。
歩くときに靴に曲がるような力がかかるためそうなりやすいのだろう。

ゴムにも対応した強力接着剤でくっつけて修理したが、
基本的に耐久性は1年くらいと考えておいた方が良いだろう。
出来れば、2足買って交互に履いた方が良いのかもしれない。
靴は毎日履くより隔日に使う方が長持ちすると言うし。

・・・ということで現在は黒を追加購入、2足体制で使っている。
新品を買って解ったが、1年でかなり底がすり減って角度が落ちてきているようである。
それでも普通の靴を履くともっと低く感じるから5度くらいはあるのかもしれない。
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