「光触媒技術蚊取り機 ブラックホール」
(2005/06/27〜07/04号)

{商品紹介}

        「光触媒技術蚊取り機 ブラックホール」
        
        プレマ株式会社
        14800円(税、送料込み)
        http://www.binchoutan.com/blackhole/

電気蚊取り機である。
実はこのネタを書いたのは去年なのだが、今年は去年の猛暑の性なのか
早くから蚊がかなり多いので、今、出すことにしたのである。

電気蚊取りと言えばマットやボトルを電気で暖めて殺虫成分を飛ばす方式のものが
まず頭に思い浮かぶだろうし、その次には公園や郊外のお店にある高圧電気で
ショック死させるあれであろう(青い光を放ち、「バチッ」という音を立てているあれ)。
しかし、これはそのどれでもない。

基本原理は、誘蛾灯から出る熱と紫外線、および二酸化チタンパネルにおける
光触媒作用によって発生する二酸化炭素と水分が蚊をおびき寄せ、
吸引ファンで下部の捕獲網内に捕獲するという物である。
ここに書かれている各原理が、蚊の特性や科学的に非常に理にかなっているので
買う気になったのである。
(蚊は人間など動物の出す二酸化炭素を感じ取って近づいてくるのだ。
だから、生け捕りにするときは捕獲機内にドライアイスを入れるのだ。)

うちは蚊がかなり多い。
庭で金魚を買っているから・・・ではない。金魚水槽では蚊はほとんど発生しない。
金魚がボウフラを食べるからである。おそらくは隣の家にある池(金魚などはいない)か、
下水溝の中で発生していると思われる。

そのために毎晩ぶんぶんとやかましく、眠りを妨げられることも多い。
そうでなくても京都の夏は暑くて寝不足なのに、
蚊にやられると非常に腹が立つ。

以前なら殺虫成分系電気蚊取りを使っていたのだが、
嫁さんがそれが嫌いなことと、子供にも金魚にもよろしくないので使わないようにした。
蚊取り線香は子供が蹴倒すと危ない。
だから代わりの「何か」が必要だった。

さらに、新潟の蚊の量は半端じゃない。
周りに山はあるし池も田んぼも川も、蚊の湧きそうなところはいくらでもある。
さらに、蚊の種類も豊富(?)で、都会にいる赤家蚊などの小さな種類だけじゃなくて、
ヤブ蚊などの大きなのもいる。ヤブ蚊は挿されると痛い。
家の中は蚊取り線香も効くが、庭ではほとんど効かない。
(というか、少々の量はかいくぐってくるほどいる。)

この製品は韓国製で、韓国では大ヒットしているらしい。
科学的に理にかなっているとはいえ、蚊取り機に14800円というのは
非常に高い。蚊取り線香なら1夏1パック10本(おおよそ600円)を
2パック使うとして12年も買える金額だ。
効果が高くなくては困る。

最初は新潟に直送しようかとも思ったが、まずは京都で試すことにした。

一晩設置。

いやぁ驚いた。本当にすごく採れる。
こんなにいるのかと思うくらいに採れる。まるまると太った蚊が。
蚊の他、小ハエ・蛾なども入っている。
ほとんどは生け捕りになるが、しばらくほっておくと餓死する。
(高圧電流を使うタイプでは生け捕りは出来ないから、
もし何らかの用途で蚊を生け捕りにしたいなら、これは使える。)

大きさは小さなバケツ程度(高さ31cm/直径25cm)で重量約2キロ。
つり下げ用鎖が付いている。
捕獲網部分はこの下1/3であるが、ここにかなり溜まっている。

説明書には出来るだけ暗い場所、高さは1.5〜2mの位置とあるが、
実際には高さは低い方が良く採れる。
団地などの一定の階数以上には基本的に蚊は上がってこないが
(私も団地の9階に住んでた時は一晩窓を開けっ放しにして手も蚊に刺されなかった)、
蚊の飛翔能力はそんなもんなので低い方が良いようだ。
うちでは丸いすの上に置いている。発熱部分はないので大丈夫だ。
傾向から見て、涼しい日より暑い日の方が、さらに雨上がりなどにはよく採れる。

本当は庭に設置したいのだが、それでは誘蛾灯の直視が避けられないので
設置できないでいる。
誘蛾灯は紫外線等なので、直視してはいけないのだ。
それは人間だけでなく金魚も同じなので(庭には金魚がいるので)。
きっと庭の方が採れるだろうし、その方が私が寝ている部屋に近いから
効果が実感できると思うのだが。
ということで、残念ながら、未だ蚊が全くいないという状況にはなっていないので
蚊帳が必需であることには変わりない。
(で、蚊帳の中に蚊が入ってきて夜中に起こされることもしばしば。)
ただ、長く使っていれば徐々に蚊は減る・・・可能性はある。
もっとも、蚊はどこからでもやってくるのでそう簡単には減るとは思わんが。

うちでは昼間は電気を切っていることもあるが(最近は付けっぱなしの方が多い)、
1日中付けても電気代は16円程度(30W)らしいので、
つけっぱなしでも良いだろう。
というか、これは下向きのファンの風によってだけいったんは入った蚊を
飛び出さないようにしている=ファンを止めるとすぐに出られるので、
止めるとせっかく捕まえた蚊が逃げてしまう。
そういった蚊は飢えているのですぐに人の手に食いつく。
要するに、どれだけ採れたか確認しようとして電源を切ると
蚊に食われる可能性があると言うことである。
要注意。

誘蛾灯の寿命は約3,000時間と書いてあるので、
24時間点灯でも125日もつから夏場だけ使うとすると
おおよそ2年近く持つことになる。
実際には、2年目の夏にはもう少し蛍光灯の端が黒ずんでいる。
これが劣化に依るものか、入った虫の汚れなのかは確認していないが、
どうも劣化臭い。そういう店から見ても、2年というのはいいところかも知れない。
ちなみに、ファンのモーターも寿命品であるがそれについては書かれていない。
多くの場合、モーターの寿命は3万時間〜良い物で5万時間だが、
少なく見積もっても20年くらい使える計算である。
もっとも、そんな長い間使ってたら汚れがこびりついて大変だろうけど。

汚れと言えば、基本的には1週間に一度くらい溜まった蚊を取り除く必要がある。
刷毛が付いているので、これでかき集めて捨てるのだ。
捕獲網部分を回してはずすのだが、ここが柔な上になかなか回しづらく、
しかもその作業をするためには上部分を持たねばならないのだが
そこに取っ手が無いのでいので大変。
ここは要改良点だろう。

蚊(だけでなく昆虫は)粘液を出すので、結構こびりつく。
そのせいで刷毛だけでは落とせない汚れも結構付くので、
季節が終わる頃には一度濡れティッシュなどで綺麗に拭く必要もあろう。
(わずか1ヶ月でもファンの先が真っ黒になっている。)

光触媒には消臭、制菌、空気の浄化作用もあるらしいが、
うちでは野外に設置しているので効果は不明。

で、今度は本番の新潟での利用。
・・・まずはっきり書いておこう。

        「ほとんど捕れない」

なぜ!?と思うが、本当に捕れない。
2004年の新潟は、例の大雨の後は丸1月雨がない状態で、そのため水たまりが減ったのか
蚊は例年に比べて少なかったとは思う。でも庭に出ればそれなりにいる。
にもかかわらず「蚊」は全くと言っていいほど捕れなかったのだ。
原因は全く不明。
高さも変えてみたがだめだった。
代わりによく捕れたのが蛾。濁点だけの違いだが、こちらはこれでもかというほどよく捕れた。
大小多数。
このほか、コガネムシ、羽蟻、ハゴロモ、ハエ、さらには小型ではあるがスズメバチまで捕れた。
途中で1回捨てたが、1週間で結構な量になる。
ああそれなのに、なぜ蚊は捕れなかったのであろうか。
新潟の蚊は好む温度や二酸化炭素の量が違うのであろうか。

ちなみに、新潟の家は庭が広いので、庭の端で人の目の高さに吊していても
ほとんど直視することがない。従って、京都のように人が歩いて、しかも
蚊が多い場所には設置で出来ない、ということではない。

        お勧め度        80%

本来活躍すると思った新潟で全く捕れなかったのが何とも不思議なので
最初予想していたよりお勧め度を上げられないのだが、
京都では実力を発揮しているので、少なくとも眉唾物でないことは確か。
とりあえず、うちのように都会で蚊が多い環境の人にお勧めしておこう。
田舎で実力を発揮させるにはどうしたらいいかは、来年以降の研究課題である。
(2004年はもう蚊の時期が終わるので。2005年度も
京都では抜群の効き目であるが、新潟は当然これから・・・結局、他の荷物が多かったので
持って行かず。今年は蚊が多かったので効いたかもしれない。)

・・・1夏終わった時点での評価。
もうこれでしまうと言うときに掃除をしたが、はっきり言ってメンテナンス性は「悪い」。
下部の捕獲網部分が外しにくいのは前述の通りだが、ここは外してしまえば
水洗いできる。しかし、その上のファンと蛍光灯部分は、
外せると書いてあるが、どうやっても外せない。
従って、下から手の入る部分だけをティッシュで拭くくらいしか出来ず、
結果かなり汚れが残ったままとなる。

これで12年(根拠は前述ね)も使えるかと聞かれれば、「まず無理だろう」と答えよう。
もう少し分解しやすい構造にしないとだめだ。
基本的なコンセプト捕捉性能は悪くないのだから、
こんなところで評価を下げられるのは不服であろうから、
何とか改良していただきたい。そして、その際にはサンプルを「いただきたい」。
・・・等と書いておこう。

        ・・・2005/10/11追記・・・

2005年度の稼働を終え分解清掃した。
下部の網の部分は外れるが、上部の蛍光灯のある部分が上記のごとくなかなか外れない。
購入店のホームページには図解および動画があるのだが、
そんなにうまく外れない。どうやら、虫の死骸から出るタンパクか何かで
くっついてしまっている感じ。壊さないよう軽くたたきながら格闘すること
およそ30分、何とかはずせた。ほんと、壊すかと思ったよ。

上部には蛍光灯とファンと二酸化チタンパネルがあるが、全て取り外して個別洗浄。
他の部分は濡れティッシュで拭き取る。チタンパネルに付いている虫の体液は
スポンジでこすったくらいではなかなか取れない。
軽く爪でこそげ取るような感じにすると取れる。きつくすると酸化膜を
はがす危険性もあるので注意深く。

きれいにして乾燥させてはめると、今度は上部もすんなり外れるようになった。
毎年というか、出来れば1ヶ月に1回くらいこのような清掃をするべきだと
思った次第である。

でも、やはりメンテナンス性は悪い。効果は絶大だが、構造には一考の余地があると
再度書いておこう。
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