「ステンレスランチジャー」(2006/08/28号)
{商品紹介}

        ステンレスランチジャー
        お・べ・ん・と
        「SL-GC18-SA」(色:シルバー)

        象印
        定価    オープン
        買値    2640円(税、送料込み)

いわゆる、保温できる弁当箱である。
形状は「箱」と言うより「筒」であるが「弁当箱」である。

それはいいとして、最近どうにも冷えた御飯のまずさに耐えられなくなった。

もう少し正確に書いておこう。
うちで使う米(主に新潟県柏崎産コシヒカリとか)はそれなりの物であり、
また研ぎ方や水に浸ける時間、その水自体、それに炊き方もそれなりに工夫はしているので、
炊いた直後はそれはおいしいし、冷えてもおいしい。
しかし、さすがに冷えたあと数日もすると水分も飛んで味が落ちる。
この状態でも蒸かして熱い状態だとそこそこ持ち直す。

だから、出来れば炊きたての温度のまま、
その後も出来るだけ暖かい状態で食べたいということで買ったのである。

インターネットでいろいろと調べてみたが、類似品はかなりたくさんある。
保温時間はほぼ横並びだが、入れられる量によってやデザインが異なるようだ。
その中で今回これを買ったのは「安かったから」である。
「迷ったときは安い方を買う」はオタクラの鉄則である。

        ・・・

まず構造であるが、汁物・御飯・おかずの3容器があり、
これらを保温機能のあるステンレスの本体ケースに収める。
本体は、株がステンレス構造、上部がプラスチックの蓋である。

ここで言う「保温」とは他の保温できる製品、
例えばポットや水筒と言ったたぐいの物とはちょっと意味あいが異なる。

ポットなどは、内部に入れられたものの熱を外部に伝えないことで保温する。
しかしこの弁当箱の場合も構造上は真空断熱で同じなのであるが、
入っているものの熱を外部に伝えないと言うより、内部を温めておくことにより
入っているものの温度低下を遅らせるという感じである。
そう、保温能力は魔法瓶のごとくには高くないのである。

この弁当箱の場合の保温能力は、各容器にあるのではなくケース側の本体部にある。
先にケース内に熱湯を入れて温めておく。蓄熱材が入っているわけではないので
熱を溜めるわけではないが、一度温めるとそこそこ冷えにくい。
(お湯は入れっぱなしにするのではなく、容器を入れる前に棄てる。)

蓋部は普通のプラスチックなので保温能力はない。実際暖かい=熱が逃げているのが解る。

だから、御飯を炊きたてのほかほかを入れても5時間もすると生暖かい程度になってしまう。
入れる熱湯を60℃以上にしても余り変わらない
(40℃くらいに比べればちょっとだけ下がりが遅い程度)。
従って「あつあつ」を期待してはいけない。「ほんのり暖かい」程度である。
冬場はそれでも暖かいと思うが、気温が高くなるにつれて相対的に冷えて感じられる。

この「お湯を入れる」事はちゃんと取説にも書いてあるが、
読まずに「保温」というイメージだけで暖かい物を入れて「思ったより冷えてしまう」と
思っている人もいるかもしれない。

私自身、最近は面倒なのでお湯は入れてない。
熱々の御飯を入れて(または冷たい御飯を入れて電子レンジで温めて)、
その熱で保温させている感じである。
これでもお昼にはまだ暖かさはある。

        ・・・

ケースの大きさは13センチの円筒で高さ21センチ。
ぱっと見でも結構でかいが、縦型というのは、
私のようにリュックで通勤している分には実は非常に都合がよい。
今までは、平型の弁当箱をリュックの中で平らになるようしていた。
でも歩いている内に傾いて御飯やおかずが偏っていることがしばしばだったが、
この心配がないし、そもそも縦型のリュック内に納めやすい。

お箸は付属で、外側に付けるようになっている。
弁当用のお箸と言えば短すぎることがあるが、これのはちょうどの長さである。

惜しむらくは、調味料を入れる場所がないことで、
外側にそれ用のポケットでもあったらなあと思う。
外側を包むカバー付きのタイプもあるようなので、そちらには付いているのかもしれない。

入れる順は下から汁物、御飯、おかずで、前述のごとくケースの構造上、保温されるのは下2つ。
おかずは蓋部分にあたり、ここはプラスチックで保温能力がない
(下から伝わってくる熱で若干暖かくなるが)。

外側ケースはアルミなのでだめだが、各容器は電子レンジに入れられる。
だからうちの場合、夜の内に冷えた状態でこしらえて冷蔵庫で保管、
朝、必要な物を電子レンジで温め直して容器に入れる、としている。
(朝に御飯を炊いたときは別。)

御飯の容器はかなり大きい。深さは8.5センチ。
普通の弁当箱に丸ごと御飯を詰めたくらい(お茶碗3杯分と書いてある)入る。
私はそんなには食べられないので、浅めに入れて上に漬け物などを乗せている。
時たまカレーをかけたりするが、こういうときはこれくらいの深さがあるとやりやすい。

でも筒状でそれだけ大きい=深さがあるので、食べるとき少々食べにくい。
瓶に御飯を入れて食べることを想像するとわかりやすい。
お茶碗という形;下が狭く上が広い逆円錐形がいかに合理的かを再認識出来る。

ケース直径の13センチ、その中に入る各容器の直径11.5センチと聞いてもピンと来ないかもしれないが、
ししゃも(本物)が横に入らない大きさである。
(頭としっぽを切れば入る。)
鮭の切り身もそのままでは入らないだろう。
切ればいいのだが、微妙な大きさであると言っておこう。

私はお味噌汁は持って行ってないので汁物容器にもおかずを入れている。
普通のおかず容器は保温されないがこちらはされるので、
おかずの中で暖かい方が良い物(肉系)をこちらに、冷めても良いというか
温めない方が良いもの(野菜系、生もの系)は普通のおかず入れに入れるのが合理的である。

各容器は密閉できるが、汁容器はパッキン付きで一番機密が高いので、
おかずで汁気の多いものでも問題ない。

これの深さは4.5センチと、味噌汁椀を想像するとかなり浅く感じるが、
おかず入れにするならちょうどである。

おかず入れは深さ5センチ。
残念ながらしきりがないので複数種類入れようとすると結構苦労する。
私はこれにはいるくらい小さいタッパを入れているが、余りうまくは仕切れていない。
2〜3つ位に仕切れる物を入れてくれると非常にありがたい。
(と、それとなくメーカーに要望してみる。)
私は暖かいおかずが多い方が良いので、汁容器とおかず容器の大きさが逆だとちょうど良いのだが。
(容器の形状上、入れ方を逆にすると収まらない。)

保温時間は約60度を6時間とある。が、実情は前述の通りである。
正確に測ったわけではないが、60℃が5時間後に40℃くらいというのがいいところだろう。
(ある程度は最初に入れる熱湯の温度にも影響される。)
気をつけなければならないのは、内部が暖かいままなので雑菌が繁殖するのも早いということ。
「6時間以上の保温はだめ。開けたら食べ切る(残さない)。」
と書いてあるのはこれえゆえである。
入れるものの鮮度にも注意が必要というわけである。

        お勧め度        90%

この手の保温弁当箱の価格は買値で上は5000円くらいまであるが、
量を考えても、私ではこれで十分(というかこれでも多すぎるくらい)。
上記のごとく、一部に「惜しい」点があるが、総じて良く出来ていると言えよう。

重さは900g。実際だいぶ重たく感じる。
私は、これとは別にステンレスのお茶用水筒も持って行ってるので、
行きは合わせて2キロは下らないだろう。

大きいし、やや重いし、保温に熱湯を使う必要があるなど手間はかかるが、
やはり、あたたかい御飯という物はおいしい。
おいしい食事のためにはこれくらいの苦労は惜しんではいけないのであろう。
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