「CD紹介1996」
(1996/03/14号)
        「金太の大冒険」
        
        つぼイノリオ
        東芝EMI
        ¥700

これはコメントすべきでないのかも知れない。
聞くしかないものである。

人知を越えた金太の大冒険物語を、華麗なリズムに乗せてつづった
叙情詩である。(オオウソ)

一部の歌詞を載せておくので、気に入った方は今すぐCD屋へGo!
(全部平仮名にして、続けて読むとGoodだ!)

        ある日金太が歩いていると
        美しいお姫様が逃げてきた
        悪い人に ネェ 今おそわれているの
        お願い 金太 守って
        金太 守って 金太 守って
        金太 守って
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(1996/06/25号)
        「VIRTUAL−ON CYBER TROOPERS」
        
        SEGA
        東芝EMI
        ¥2000
        31曲

今ゲームセンターで大人気のSEGAのロボット型対戦ゲームの公式音楽集である。
一般に言うところのサウンドトラックであろうか。
読み方は「バーチャロン」である。

以前にも言ったことがあろうが、現在のゲーム音楽は10年前の
いわゆる「ピコピコ」音=電子音ではなく、音源は全てサンプリングで、
今の(人間の奏でる)普通の音楽と変わり無い。
もっとも、その表現するものがゲームであるから、当然それにあった
構成はしているが、知っての通り今のゲームは見た目にも非常に進化している。
大画面、多色、3Dなんて当たり前だ。そういう時代におけるゲームミュージックは
すでに音楽の一分野を築いていると言ってもいい。
テレビなどでもBGMとして結構使われているようだ。
毛嫌いせず聞いてみることをすすめる。

まあ、そういう意味ではこの「VIRTUAL−ON」は
ゲーム音楽入門にはいささか向かない感はあるが、
今のゲーム音楽のレベルを知るには良いであろう。
ゲーム音楽というと、NAMCOのそれも良い物がある。
実は入門にはそちらをお勧めするのだが、NAMCOの音楽が
ゲームの域を越えている(それだけすばらしいということだが)のに比べ、
SEGAのゲーム音楽はゲームらしいといえる。

アレンジも含む全31曲。お勧めは29曲目の「FROM THE MOON TO ME」。
何かの音楽のパロディー(でもパクリではない)なのだが、わかるだろうか。
こういうお遊びは好きである。

        お勧め度        50%
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(1996/06/28号)
        「超兄貴 究極無敵銀河最強男」
        NCS
        東芝EMI
        ¥2800
        17曲

あのゲーム音楽界に一大センセショーンを起こした「超兄貴」シリーズの
第3段である。(正確に言えば、シューティングゲームとしてPCエンジンに
「超兄貴」「愛・超兄貴」の2作、スパーファミコンに格闘ゲームとして
「超兄貴 爆裂乱闘編」が出ているが、音楽CDが出たのは先の2作。)

過去2作は非常にすごかった。何がすごかったかというと、
音的には、今の音楽は(ゲームに限らず)ほとんどがPCMと呼ばれる
サンプリングがほとんどだが、これをここまで見事に利用した作品は
過去になかったといえる。
ほとんどのサンプリングは本物の楽器の変わりに、その「まね」を
させているだけである。従って、無くても良いわけであるが、
「超兄貴」でのサンプリングはこれなくしては語れない。

さらに、「超兄貴」はその音楽のイメージもすごかった。
たいがいのゲーム音楽はその映像があって始めて意味を持つ。
(映像を全く知らない人間に、その音楽からゲームの場面をイメージさせるような
ゲーム音楽は、実はまだ少ない。)
この「超兄貴」もそうではないといえないが、音楽だけがここまではやった
ゲームも少ない。元のゲームを全く見たことがない人間までがはまったのである。
ライブまで行われたのであるから、その人気は異常なほどである。

さて、当然今回もその流れを汲んでいてすばらしい・・・と言いたいところだが、
残念ながらそうではなかった。はっきり言うと今回の作品は「駄作」である。

もちろん中には良い曲もある。特に、過去2作を手がけてきた葉山宏治と岩崎琢の曲は
今回もいい出来であるが、今回から参加(正確にはSファミコン版の作品から)の
ドン・マッコウと笹原咲奈恵とやらの作曲したものがほとんど駄作なのである。
しかもそれが半分以上もあるので、全体として駄作と言わなければならない。

何故駄作と言うかというと、それは兄貴の音楽を声をサンプリングすればよいとか、
変であればよいとか、そのようにだけ受け取って作られているからである。
兄貴の音楽の神髄は実はそうではない。サンプリングは重要だが必須ではなく、
若干変と言ってもそれは「おかしい」ではなく「今までに聞いたことがない」
なのだ。それを勘違いしているのでだめなのだ。非常に残念だ。

ところで、ゲームの内容についてもちょいとだけ話しておこう。
今回はなんと「実写」である。最初見たときは香港かどこかで映画にでもなったか?
と思ったが、プレイステーションでポリゴン+実写のゲームになったようである。
となると、映像的も今一な気はする。「超兄貴」はあの現実離れした(この手の
ゲームはみんなそうだが)キャラクターが良いのであるが、それが実写になって
しまうと現実味が出て良くない。ジャケットの写真で見る限りはそう思う。
まあ、実物を見ていないのに評価をするのはこれくらいにしておこう。

たった1つ、このCDで面白かったところは「腹筋200億万回」の話。
        彼は腹筋をしていた。
        1、2、3・・・148、149、じゅうごひゃく。
        彼は150が数えられなかった。
        それは幼児体験に起因していた。
        「八百屋でミカンを10個、500円分買ってきて!」
        彼はリンゴを買って帰った。
        こうして彼はボディービルダーの道を選んだのである。

いいのか、こんなこと言って。全国のボディービルダーから苦情が来ないか?

        お勧め度        −10%
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(1996/11/22号)
        「筋属バット1号」
        
        葉山宏治
        制作/ユーメックス
        発売/東芝EMI
        ¥2800

        1、World of Music
        2、筋属バット1号
        3、筋属バット1号 入場のテーマ
        4、世界が私を呼んでいる
        5、All Right
        6、サイコキネシス 筋属バット
        7、激闘
        8、Jungle Master大酋長
        9、POWER
        10、ANIKI 02!!'
        11、NEWSを探せ!!'
        12、Oh Year!!

「金属」でもなく「筋肉」でもなく、「筋属バット」の1号。
謎のメキシカンだそうである。

曲は2が特にお勧め。3、4も良い。
思わずメキシコ語(あるのか?)を覚えたくなる。

10、11は先に紹介した「超兄貴 究極無敵銀河最強男」に収録されていた
ほぼ同名曲をちょっとだけ変えたもの(声が変わっただけ)。

ゲームミュージックだと書いてあるが、これはメッセージソングである。
オタクラのテーマCDともいえる傑作である。

今の日本をうれいている方にはぜひ聴いていただきたい。

        お勧め度        80%
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