「書籍紹介2005」
{書籍紹介}
東寺文庫
「弘法さんの玉手箱」
雄飛企画
971円(税別)
ISBN4-7952-8667-1
京都にある東寺について、歴史・密教・現在の有様などを交えて
書いた本。
歴史は、東寺は真言宗のお寺なので、開祖空海の話から東寺建立、その後
歴史的事件をいくつも通り抜けて現在に至るまでを、
密教は、その大系や言葉の意味、教えを、
現在の有様は東寺の建物の説明や行事について、それぞれ書いている。
どの部分に置いても非常に平易かつ親しみやすい文体と内容で
書かれており読みやすい。難しい部分は全くない。
(それでも密教の体型などを覚えようと思ったら大変だけど。)
ページ数は多くないので、それぞれについて詳細に書かれているわけではないが、
逆にその分気軽に読める。説法めいたところも少ない。
東寺や密教について興味を持つには十分ではなかろうか。
お勧め度 95%
お寺のほんと言えば仰々しいものが多い中で、
これは本当に読みやすい。手軽にどうぞ。
{書籍紹介}
「クレヨンしんちゃん 映画大全」
品川四郎とブレイン ナビ編
双葉社
1700円(税別)
ISBN4-575-29386-5
クレヨンしんちゃんの映画、第1作;ハイグレ魔王から第10作;戦国大合戦までについて、
資料や関係者のインタビュー、いろんなひとのコメントを集めた1冊。
設定資料に関しては、はっきり言って対した内容はない。
キャラクター図は映画を見ていればあまり必要とは思えないし、
コンテは小さすぎて見にくい。
物語についても映画を見ていれば解るので不要。
じゃあ結局この本のどこに価値を見いだすかと言えば、
インタビューとコメント。
しんちゃんのテレビの裏側や映画の、作り手側からの話が聞ける部分。
また、いろんなひとが映画の各方面から見たときの特徴や優秀性を述べている部分。
これらは参考になる。
これはとりもなおさず、しんちゃん映画が大人が真剣に語れる映画であることを
意味している。いろんな方面からケンケンガクガクやっている。
大人帝国については特に長い対談がある。
これらを読めば、しんちゃん映画は子供映画の分類に押し込められているが、
実はその範疇に収まるものではないことが解る。
設定も物語も。
これが他の子供向け映画との大きな違いである。
子供だまし映画とは根本的に違うのだ。
同じキャラクターで10年以上も作り続けられるのはそれ故である。
(他にそのような映画はドラえもんしかない。)
この本では作り手側の思いと受け手側の解釈が両方読めるので、
どう作られてどう受け止められたかという観点で読み進むとおもしろい。
お勧め度 70%
ちょっと高い本なので誰にでも買って読めとは言わないけど、
読む機会があれば目を通すのは良いと思う。
{展示会紹介}
「アンパンマンとやなせたかし展」
JR京都伊勢丹7F 美術館「えき」KYOTO
京都駅隣接の伊勢丹内(正確には隣接)の美術館でやっている
同展示会へ行ってきた。招待券をもらったからだが、
もらってなくても行ったではあろう。
名前から見ても解るとおり内容は主にアンパンマン。
それとやなせたかしと言えば知る人ぞ知る、詩の雑誌
「詩とメルヘン」の編集長なので、詩関係の展示もあった。
こういう展示なので、見に来ている人は親子連れがほとんどで、
一部若い女性という感じ。アンパンマンの読み聞かせや紙芝居もあって
大盛況であった。
ご本人も謙遜されているが、絵はお世辞にも技巧的ではなく、よく似た絵柄も多く
本当にストレート。簡単に言えば絵本の絵。でももちろんそれが悪いわけではなく、
アンパンマンなどやなせたかしさんの世界にはぴったりである。
この展示会はなんと写真自由。こんなの初めて。
私は「どうせ写真は不可だろう」と思ってカメラを持って行かなかった、
そういう状況だったので、ちょっと残念。
大きなアンパンマンの絵の前で写真を撮ってやれば、子供は喜んだだろうに。
一応チケットの裏側には「写真、模写お断り」とは書いてあるんだけど、
実際には撮りまくりの状態で、そこにいる人もとがめていなかった。
半分以上はアンパンマン関係だが、それ以外の作品も展示されているので、
合わせてみると変遷や違いもわかっておもしろい。
もちろんの事ながら、関連商品の販売や、
版画の販売もある。
お勧め度 90%
8/23(火)まで、時間は20時まで(最終日は5時まで)なので
興味のある方はお早めに。すんなり見るなら1時間ちょっとくらいかな。