「書籍紹介2001」
(2001/02/22号)
{書籍紹介}

        「東海道新幹線」

        須田 寛
        JTBキャンブックス
        ¥1700(税別)
        ISBN4−533−03563−99

その名の通り、東海道新幹線についての本である。

東海道新幹線について、まず歴史から入り、その後
ダイヤ、切符、車両、サービスと言う観点から分析している。

若干の鉄道全般および車両に関する基礎知識を必要とするが、
それさえあれば、実に面白く読める。
薄い本ではあるがなかなかに内容が濃い。
しかし、専門的な内容であるにも関わらずマニアックでないのは
話題の進め方の妙であろう。

新幹線の発展の歴史、それに留まらず国鉄→JRの鉄道利用促進の
いろいろな策の話もあり、総合的な捉え方をされている。
今日では当たり前の回数券や自由席というものも、
昔は全く無かったというのだが、それが生まれる経緯などもある。

非常に詳しいなぁと思ったらそれもそのはず、
この著者はJR東海の代表取締役会長であった。

良い本なのだが惜しむらくは、同じ新幹線であるところの
山陽側の話がほぼすっぽり抜けており、つながりが解りにくいところが
あると点である。本題からすればそれは当たり前ではあるが、
東海道と山陽の新幹線は、一般から見れば(管轄会社が違うとは言え)
一体的に見えるのだから、

        お勧め度        80%

170ページで1700円だから、1ページ10円か。
薄さからすれば高いけど、内容からみれば安いかも。
もう少しいろんな話題があるとおもしろかったんだけど、
この人、同じ新刊線でもう2冊書いているようだから、
合わせて読むと良いのかも。
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(2001/08/03号)
{書籍紹介}

        「『地名のいわれ』が一気にわかる本」

        成美文庫
        浅井建爾(あさいけんじ)
        ¥530
        ISBN4-415-06941-X

電車の中での暇潰しには持ってこいの本。
内容的にも量的にも。

なかなか面白いが、一部の地名に置いて詰めが甘いのがちょっと気になる。
いや、解らないなら解らないでいいのだが、
―寸強引すぎる終わり方が多いのと、それなら最初から
取り上げなければ良いのに、と思う所が多いのが難点か。

        お勧め度        70%
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(2001/08/20号)
{書籍紹介}

        「空想法律読本」

        メディアファクトリー
        盛田栄一/森田高英/片岡朋行
        ¥1200(税別)
        ISBN4-8401-0269-4

一連の「空想」読本のシリーズの1冊。

空想世界におけるいろいろな出来事を、現在の日本の法に照らして
その意味を考えようとする本。

扱っている題材自体は面白い物だが、意外にも真面目な本で、
読んでいてつまらなくなることはない。

多くの題材が、日頃余りお世話にならない(なりたくない)
事件関係の物だが、それを事件(罪と罰)とみなすに至る
基本的理念の「法」についてまで述べられているので、
法の関係図も解っていく。

題材が良く知っているものを扱っているだけに理解しやすいが、
難解になりがちな法律の文面を平易な文面で書いたり、
本当のところどういう意味なのかを解説したりしているので、
途中でつまることはほとんどない。

また、単に現在の法律に照らして・・だけでなく、
将来こういう自体が発生することが予測出来るので、
今の内に対処を考えておいた法が良いという、法律に対する
一種の提言書でもある。
現行法の基本を知り、その向かうべき道を知る上で、
格好の手引書となるだろう。

        お勧め度        83%

惜しむらくは、扱われている題材(と言うより素材か?)が
狭いので、8件の項目があるのだが、なんか少なく感じる。
ぜひとも続編を出し、より広範囲のネタを扱って頂きたい。
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