「RD−XD71」(2007/03/12〜04/09号)
{商品紹介}

        デジタル放送対応DVD&HDDレコーダー
        「RD−XD71」

        http://www3.toshiba.co.jp/hdd-dvd/products/hdd/rd-xd91/

        東芝
        定価    オープン
        買値    54200円(税、送料込み)+7046ポイント


地上波およびBSのデジタル放送対応DVD&HDDレコーダーである。
地上波についてはアナログ放送も録画可能である。

うちの近辺は電波状態が非常に悪い。
TVは外部からアンテナ線を引き込んであるし(どこから来ているのかは不明)、
FMラジオもアンテナを上げてもメーターの半分も行けばいいってな感じである。

最近のTVは、夜中に1〜2クール(1クール3ヶ月、12〜14回)で終わるアニメがたくさん放映されており、
私自身録画することが多いが、この画質の悪さが日頃から気になっていた。
特に一番アニメの多いKBS京都が劣悪で、ブースターを入れても逆に減衰機も入れても
ケーブル換えても分配機を外してもどうにも改善されない。
もうアナログではどうにもならんので、地上波デジタル対応の録画機が欲しいと思っていた。

が、私には1つの計画があって、TVを大画面に換える際に一緒に
次世代DVD録画機を買い、これで一気にデジタル対応しようと思っていた。
2008年末にSEDという画期的なモニターが出るので、それまでは「待ち」であると。

んがしかし、最近は1クールアニメの数が増大、良い作品も増え、
さらにそういったアニメはDVD化が前提となっていて殆ど再放送されないので
後でお金をかけたくないなら今「きれいに」録画するしかない。
(DVDまで買う気がない場合も。)

そう思っていたところ、この機種が安売りされていたので、
ついふらふらと購入してしまったのである。

この機種の安売り傾向は、実はサッカーのWカップ開催前からあった。
Wカップ開催真っ最中に日本橋の某店で聞いたところによると、
すでに後継機種のXD72が発売されているが、71の価格がこなれている=売りやすいので、
この店他電気屋からの要望でメーカーに作ってもらっているのだとか。
Wカップ目当てで大量に売る見込みだったのであろう。
そのときにすでに5万円台だった。
機能やHDD容量が違うので単純な比較は出来ないが、後継機種のXD72が(これを買った当時)
9万円前後の価格であることを考えると、XD71がいかにお買い得か解ろう。
ヨドバシでも50台限定であったが、4日もせずに売り切れたようである。

私が買ったのは2006年7月末であるが、おそらくはWカップ特需が日本の予選敗退で予想より早く収束したため
売れ残りが発生、それをさばこうということではないかと思う。
商品という物は、在庫しておくだけで費用が発生するから、少々値を下げてでも早く売った方が良い。
まして、すでに新機種が出ている状態では旧機種が売れる期間には限界がある。

定価だけなら価格.comでもっと安い店はあったが、
送料やポイントを考慮すると圧倒的に安くなったし、店としての信頼度を考えてヨドバシカメラでの購入に踏み切った。

東芝のRDシリーズについては過去にRD−XS30(2003/1)、X4EX(2004/9)を紹介している。
今回はデジタル放送対応ということでかなり違う部分もあるが、
それぞれに搭載されているソフトの世代が異なるが、基本的な部分では共通することも多いので、
それらも参照されたい。
ちなみに買値は今回のが一番安いが、一番高機能である。

        ・・・つなぐべきケーブルは何・・・

映像信号系やデジタル信号系はXS30/X4とほぼ同じ。
うちの場合はTVへコンポーネント映像とアナログ音声、AVアンプに光デジタルをつないでいる。

このように、XD71にはコンポーネント映像端子がある。
これはY/Cb/Crの3本のケーブルで接続する方式の信号で、ちょっと前のテレビやプロジェクターには
この形式の端子が用意されていたが、最近は減ってきている。
高級なプロジェクターはともかく、テレビ系では少ないのではなかろうか。
デジタル対応機器ではデジタルのまま映像と音声を1本のケーブルで送ることの出来る
HDMIという端子を採用している危機が増え、3本分の場所を取るこの端子が敬遠されたからであろうし、
D端子とは簡単な変換ケーブルで変換できるからいいじゃん、ということもあろう。
でもうちではこれでテレビにつなぐ必要があるのでこれは重要であった。
後継機種のXD72にはこれが存在しない。D端子およびHDMI端子は付いているのだが、
知らずに買ってたらD端子コンポーネント変換ケーブルが別に必要になるところだった。
(と、ここまで書いた後にテレビを買い換え、それにはHDMI端子が付いているのでそれでもよくなった。)

アンテナは地上波デジタルのため1本多くなり、基本的には
        地上波アナログ
        地上波デジタル
        BSデジタル
の3系統が必要となる。
しかし、地上波アナログ信号にデジタル信号も重畳してある場合は
先にデジタルに入れて、スルーアウトからアナログへ渡せばよい。
地上波アナログとデジタルはVHF帯はアナログのみ、UHF帯はアナログとデジタルで共有するが
重ならないようになっているからこれが可能になる(アンテナとしてはVHFとUHFは一体化できないので、
引き込まれる線の源で混合する)。

BSデジタルのアンテナは、よほど古いものでない限り従来のBSアナログの物そのままでよい。
少なくとも、うちの1999年製のアンテナはそのまま使えている。
向きも変える必要はない。
しかし地上波デジタルのアンテナは、UHFアンテナがない場合は別途必要となる。

他の接続線としてはLANと電話線がある。
LANはX4でも紹介したが、初期以外の東芝機ではLAN経由でPCからの制御が出来たり
番組表が取得できたりする。
これは結構便利なのでLAN環境のある人はつなぐことをお勧めする。
XD71ではPCからの制御に加え、視聴も出来る「ネットdeモニター」機能もある。
これについては後述する。

電話は有料放送や双方向放送に対応する場合のみ必要となる。
デジタル放送の一機能である。
うちではそれらを見ない&参加しないのでつないでいない。
そもそも電話のモジュラーが遠すぎてつなぐのが大変という理由もある。
(PCがダイアルアップでインターネットにつないでいた頃は長い電話線でつないでいたが、
今はADSLでLANなので外した。)
それにしても、未だに固定電話のモジュラーなんだけど、携帯しか持ってない人はだめって事かいな?
私にはどうでも良いことだけど。なぜLANに対応しない?

        ・・・映るチャンネルはどこ・・・

映るチャンネルは、まず当然として地上波アナログ。
これに地上波デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルが加わる。

地上波デジタルとアナログの放送内容は基本的には同じだが、
解像度やサイズ(4:3か16:9か)、音声等は異なることがある。

BSアナログは見ることが出来ないが、BSデジタルは
        デジタルBS1          NHK
        デジタルBS2          NHK
        デジタルハイビジョン    NHK
        BS日テレ              日本テレビ系
        BS朝日                テレビ朝日系
        BS−i                TBS系
        BSジャパン            テレビ東京系
        BSフジ                フジテレビ系
        WOWWOW
となっており、NHKは現行のBSアナログ放送と同じ内容を放送となっているから基本的には「問題ない」。
アナログでは特別な受信機が必要だったハイビジョンもそのまま見られる。
(うちの前のテレビSONY KV-29DRX5はアナログハイビジョンが見られるタイプであった。)

「基本的に問題ない」の意味は、BSアナログは仮に料金を払ってなくても見ることが可能であったが、
デジタルではNHK BS契約者が登録したB-CASカードが入っている機器以外では、
初期利用から30日後以降警告が表示される。
NHK以外は無料なので見ないのなら気にしなくてもいいが、気になるならNHK BSの契約をした方が良い、
というか「した」。
(受信側をチェックしている=受信側から情報を出しているのではない。
登録したB-CASカードでは表示が出ないように送信側から解除コードを送るのである。
NHKに表示解除を依頼すると、それから1週間くらいの間解除コードが発信されるようになるので、
その間に10分間、BSデジタルNHKを受信すれば消える。)

うちでは地上波で入らなかったテレビ東京系が映るのがうれしいかな。
テレビ東京はアニメが充実してるし、なんでも鑑定団等がある。
地上波と全く同じ内容ではないのは残念だけど。

CSデジタルというのはスカパー!などのことであるが、
うちでは普通のBSアンテナで一応見られるようになった。
CSは基本的には有料で契約が必要なのだが、一部に無料放送がある。
中でもep055というチャンネルが常にハイビジョンの放送をしているので
性能チェックに良い(家電量販店でもよく流されている)。
ただしこれ、解像度はハイビジョンだが圧縮率が高すぎる場面があってブロックノイズが発生する。
だから「TVの性能が悪いのか映像が悪いのか解らない」状態になることもあるので注意。
(TVの性能が高いほど粗が見えたりする。)

前述の通り、うちのアンテナ線は少し特殊で外部から引き込まれているのだが、
そこにはデジタル域の信号が入ってなかった。
ということで急遽アンテナを発注。
うちの近辺は兎にも角にも電波状態が悪いからアンテナつないでも見えるかどうかは解らないが、
こればっかりはやってみるしかない。

いろいろ調べて、最初に買ったのがこれ。

        地上波デジタル対応UHFアンテナ
        「UwPA」(ウーパ)
        http://www.yagi-antenna.co.jp/products/home/uwpa/index.html

        八木アンテナ
        定価    オープン
        買値    4700円(税、送料込み)

およそアンテナとは思えない形状(結構小さい)だが、このサイズにしては4〜5dBとなかなかの高利得=感度が高いである。
室内・野外兼用だが、さすがにうちでは室内ではほとんど映らないので屋根の上に出す。
NHKとKBSについてはこれで何とか映るようになったが、他はノイズだらけで殆どだめ。

XD71には信号強度を表示するモードがあるのでそれを見ながら向きを変えてみるが、
人間が近くにいるだけでも変化するので安定しない。
うちの周りにはうちより高い建物が多いのでテレビ信号の直接波はほぼ来ないと考えられる。
そうなると建物に当たって跳ね返ってくる間接波を狙うしかない。
アナログではこういった信号はゴーストの原因になるのだが、
デジタル放送波ではそういった間接波でも強度さえあれば正常に映る。
そういう意味ではありがたいが、うちではその間接波ですら十分ではないようだ。

試しに今までアナログ系に使っていたブースターを入れてみたら、
信号強度の数値こそ上がらないが画像の安定度が向上した。
しかし、8CH(関西テレビ)だけはまだノイズが多くて視聴に耐えない。
そこで、もう1発感度の高い物を購入することにした(翌日速攻)。
(UwPAは後日売却。)

        地上波デジタル対応UHFアンテナ
        「TA-DUF01K
        http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=TA-DUF01K」

        Panasonic
        定価    オープン
        買値    11300円(税、送料込み)

これの感度は6〜9dBと、ベランダに付けられる小型のとしては調べた範囲では最高感度であった。
価格も倍以上高いが、これは設置線材やベランダ用ポールもセットになったものだからでもある。
それらを除いたアンテナだけなら8000円台になる。
うちではケーブルは有り余るほど持っているので不要だったのだが、ポールだけは欲しかったので
もったいなかったがセット物にした(後で考えれば、ポールは適当なパイプか木材で代用しても良かった。)
ちなみに大きさもUwPAよりずっと大きく、BSアンテナに近い。
当然これは野外専用。

これ以上求めるなら、普通に見かける枝の多いアンテナを屋根の上に設置する必要がある。
そういうものは最低でも1メートルはあるからベランダでは無理だからだ。
うちは借家なので屋根の上にアンテナを立てるのはほぼ無理(と、この時は思った)。
従って、これで様子見するしかない。

UwPAは置くだけでOKだったのに対し、こちらは加工というか調整が必要。
ポールを立てるだけでなく、受信部を前にせり出させるという作業がいる。
ところが、設置したとき最初このことに気が付かなくて感度が上がらず、
「高いもん買ったのにUwPAより感度が悪いなんて!」と思っていた。
で、よく取説を読んでそのことに気が付いたと。
「真ん中の部分は、後ろのねじを4本緩めたり外したりして前にせり出させる必要がある」
と書いておこう。

ちゃんと調整すると全CHで信号レベルが向上(平均的に+10)、
8chもだいたい安定して映るようになった。
さすがに高いだけのことはある。
設置場所さえ許すなら、こちらの方をお勧めしておく。

方向を変えたり高さを変えたりいろいろやった結果、現在の受信レベルは全CHで40ちょっと。
最大は100だから、半分以下という状態。これでも視聴にはおよそ問題ないが、
まだ時折受信エラーを起こすことがある。特にNHK教育と関西テレビが弱い。
どうもバイクが通るとそうなりやすい。自家用車クラスではなりにくいから、
バイクが思いっきりノイズを出しているのかもしれない。
(車は排気ガスを含め厳しい基準で作られているが、バイクは至極いい加減なので排気ガスもひどいし
ノイズもひどいのだ。)
増幅度の高いブースターを買うか、もっとアンテナを上げて道路の影響を少なくしてみるか。
まだアナログを完全に切ることはまだ当面できそうにない。
地上波アナログの出力はアナログに比べ低いらしいので、
将来アップされれば解決されるのだろうか。

ここまで書いたさらに後日、もう1本アンテナを買った。
屋根上に設置するタイプ、一般的に見るUHFアンテナ形の14素子タイプである。

        地上波デジタル対応UHFアンテナ
        「LS14TMH」
        http://www.maspro.co.jp/web_catalog/search.php?cat=pa&page=1070&type=LS14TMH

        マスプロ
        定価    9450円(税込み)→2007/9/13現在は11025円(税込み)
        買値    6000円(税、送料込み)

UHF帯域のうち、地上波デジタルのほとんど(すべて?)をカバーする13〜28ch専用にして、
その分その帯域では14素子でも30素子相当の感度を持たせたというアンテナ。
利得は11〜13.5dB。

長さが1.2m、幅は横50センチ、縦も60センチもあり結構でかい。重量も2.5キロある。
このサイズではやはり窓の外枠に設置出来なかった。
それでも一応接続して手に持ちながらいろいろな方向を探ってみたが、
一部を除きPanaのアンテナの感度を上回れなかったので設置をあきらめた。

そのままほってあったが、3ヶ月後、思い切って屋根の上(正確には屋根の横)に設置。
小雨の中2階の屋根の上に乗っての作業は大変だった。
後日晴れた日に再調整することでPanaアンテナより全CHで感度アップ(50を超える)させられた。
これでノイズで乱れることは(ほぼ)なくなった。
本当はPanaと2本立てにして信号を合成できればいいのだが、そんな装置はないものだろうか。
(単純に2本並べても受信感度は2倍ではなく√2倍にしかならない、波長合わせが面倒・・・らしい。
費用と手間の割に効果が少ないので、本当にあと少しを地道にねらう人向け。)

地上波デジタルのアンテナ設置では上記の通り感度を見ながら向きを合わせる必要があるが、
XD71の感度調整画面ではデジタルのCH番号ではなくUHFの元の番号で表示されるので
どこでどのCHが受信できるのかわからない。
一応京都市内での受信状況と送信アンテナの位置を書いておくと以下のようになっている。
                                                比叡山  生駒山
        UHF25      NHK総合京都          ○
           24      NHK総合大阪                  ○
           23      KBS                  ○
           17      関西                            ○
           16      毎日                            ○
           15      朝日                            ○
           14      読売                            ○
           13      NHK教育大阪                  ○

京都市内だと比叡山は近いので向けてなくても十分入るので、生駒山の方向に向けて設置する。
感度が上がる向きは非常に微妙なので、根気よく調整する必要があろう。
(うちでは6時間以上はやった。)

場所によっては18(生駒)か27(枚方)あたりにテレビ大阪が入るかもしれないが、
うちでは感度不足で映らない(うちではUHF18で感度8。全く映るレベルではない。)

        ・・・2007/9/13追記・・・

さら感度を上げるべく、新発売の多素子タイプに買い換えた。

        地上波デジタル対応UHFアンテナ
        「LS30TMH」
        http://www.maspro.co.jp/web_catalog2007-2008/search.php?cat=pa&page=1122&type=LS20TMH,%20LS30TMH

        マスプロ
        定価    19110円(税込み)
        買値    9800円(税、送料込み)

LS14TMHの上位機種。利得は15〜16dB。

幅や高さは14TMHと同じだが、長さは3m強となり重量は3.8キロもある。
もう持ち上げるのも大変。

信号レベルはLS14TMHに対し+5以上、局によっては+10も上がるので買った甲斐はあるが、
細い支柱に設置したので、強風時などちょっとこわい。
一応針金で補強はしたが。

そういえば。LS14TMHもこれもリフレクターと呼ばれる信号反射器を供えているが、
これが2機種で異なる。14の方が編み目が細かいのだ。
上記HPの写真ではどちらも同じなので、設計変更がなされたのかもしれない。
しかし、導波器を14付属のままで、30TMH付属のリフレクターを付けると感度が下がる。
14TMHのにするとだいぶ上がる。ということで、うちでは両方の部材を合わせて使っている。

今の14TMHは昔のに比べ2000円ほど上がっている。
カタログ上はRoHS対応したかどうかの違いしかないが(重量も100g減ってるが)、
ひょっとすると、リフレクターと導波器セットで変更された可能性もある。
(だから、片方だけを替えたらだめだと。)
設置の都合から言えば、14TMHの使える部分はそのまま使いたいのだが。
信号ケーブルの皮むきからやり直すのは非常に面倒だから。

        ・・・2007/11/03追記・・・

LS30TMHに換えてからNHK教育にノイズが入ることがあるので、LS14TMHに戻した。
ただし、魔法の力(^_^;)で今までより15センチほど上に上げた。
それだけで信号レベルがLS30TMHとほぼ同等以上に上がった。
14TMHの方が軽くて物理的も安定もするのでこれで良しとする。
LS30TMHどうしよう?
→だめ。戻してもNHK教育は同じ状況。いつもほぼ同じ時(電脳コイルの録画中)にノイズが入る。
XD71とA300の両方で録画しているからかもしれない。
A300はノイズが入りXD71の録画は問題ない。なぜ後ろの方が大丈夫?
A300のバグ?

        ・・・設定・・・

接続が済んでもそのままでは使えない。
チャンネルなどを合わせる必要があるからだ。

取説は接続などについて書いた2枚と、詳細が書いた3冊(接続編、操作編、ネット編)からなっている。
これにB-CASカードというものの説明書きもあるので結構多い。

一見して解るのは、XS30やX4の取説からイラストが増えたりして見やすくしようとしている努力の跡はあるし
進化してるとは思うけど、如何せん機能も増えているのでもうごちゃごちゃ状態だということ。
東芝機は出来ることが多いから余計にそうなっている。
この時点で入門者お断りという感じがする。
過去からの積み上げがあるからだが、一度すっぱり作り直した方が良い。
まあ私はXS30やX4を知っているからまだましなんだろうけど、これが1台目の人にはわからんのではなかろうか
(インターネット上で文句を言ってる人は大抵これだと思う)。

接続は上記の通りで、電気系の一般的知識とケーブル加工知識があれば出来る。
私にとっては接続は、手間はかかれど難しいことではないのだが、
世の中こういった接続が苦手な人が居るらしい。
そんな人が価格.com等の安売り店で買って「解らん」「説明書がわかりにくい」と
ほざいているのを目にすることがあるが、
そういうことが出来ないならちゃんとした家電量販店で買って、やってもらうべきである。
「安く買う」ということは「その分自己責任が増える」ということだ。
「サポートなしだから安い」のだ。
己の能力不足を説明書のせいにするんじゃない。
まあ、東芝の説明書が「わかりやすい」とは言わないけど。

チャンネル設定は地上波アナログ、地上波デジタル、BSデジタルの3つ別々に行う必要がある。
基本的には地域を選べば自動でやってくれるが、うちのようにCH変換されてきている場合や、
映るか映らないかぎりぎりのCHはスキップしたい場合は別途手動調整が必要である。

デジタル系で1つ注意というかわかりにくいのは、同じ放送局に複数(最大3つ)のCHが存在すること。
基本的にはそれぞれは同じ内容になっているが、時と場合によって変わることがあるらしい。
何でもハイビジョン放送するときには3つの信号帯を1つにまとめてデータ量を増やすとか。
そういえば、CHスイッチを押したときに、同じCHが続く場合と次へ進む場合があるなぁ。

その前に、デジタル系の放送を見るには付属のB-CASカードというものを入れなければならない。
著作権管理のためのものらしい。
紙に貼り付けられて入っているので取説に紛れてしまいそうだが、
前面パネルを開いて「B−CAS」と書かれた面を上にして挿入する。
入れればすぐ見ることが出来るようになるが、このカードには登録が必要である。
はがきまたはインターネットで申請する。

後、設定で必要なのが画面モードである。
4:3および16:9(ワイド)の設定だけでなく、さらにそれぞれに2種類ある。
それぞれの設定により画面の写り方が変わるので、家のテレビの形状やサポートしている画面サイズに
合わせて設定する必要がある。

が、これがまた結構わかりにくい。
例えばうちの前のテレビは4:3であったがV圧縮という機能により16:9をそのまま写すことが出来た。
だから、今までは16:9の映像はそのまま入れるようにしていた。
ところが、デジタル放送では画面は16:9だけどその中央に4:3の映像を入れる等という
ややこしい状態が存在するため混迷する。
例えば、TVが4:3なら
        4:3はそのままフル画面+16:9は左右を切って収まるだけ
        4:3は画面中央に縮小(29インチでも21インチ程度になるか)、
16:9は横をフルに出すよう上下に黒幕
という感じで、同16:9ならこの逆のような設定がある。
デジタル放送は16:9のワイドが基本になっており、
XD71のメニュー自体もそれに合わせた設計になっているので4:3に写すこと自体に無理があるように思える。
その後16:9の大画面TVに買い換えたが、これではおおよそ問題なく映る。
16:9であるということと、大画面という両方が効いているのだが、
やはり時々手動で画面モードを切り替える必要がある。

XD71のメニューが16:9前提と書いたが、感覚的には32型ワイド以上を前提にしているような気がする。
29インチ4:3(ワイドなら26インチくらい)ではちょっと文字が小さくて見にくい。

これは忘れがちだが、HDD内領域をTS用とVR用と配分を決める必要がある。
TSとはデジタル放送をそのままHDDに記録するモードで、
VRとはDVD-RAM/Rに記録できる画質やサイズに落とし、音声も2CHまでにし、
さらに各種情報も削除して記録するモードである。
アナログ放送では音声は2CHまででサイズも720*480(実際に画面に入るのは640*400程度)までであったが、
デジタルでは1280*720や1920*1080(これがフルハイビジョンと呼ばれる)のサイズ、
音声は5.1CH、字幕も別となっている。サイズを除けばDVDで実現されている機能の殆ど+αが入っている。
TSではその情報を全て記録するが、VRでは必要最小限にするというわけだ。

実はTSで記録した物はDVD系には保存できない。だから、永久保存するにはVR記録する必要がある。
これがHD DVDやBlueRayという次世代DVDでは記録可能になるので待ち望まれているのである。
というか、TSで永久保存できない今のデジタル放送対応レコーダーは中途半端と言われても仕方ない。
私がデジタル対応機を買いしぶっていた理由はここにもある。

TSとVRの配分だが、最初はTS:VR=8:2なのだが、うちでは殆どVR記録なので4:6にした。
HDD容量は200Gなので80G:120G相当、VRの領域がXS30の倍という設定である。
X4は250Gであるが半分以上使うことは殆どないから妥当な設定だろう。
なおこの配分は随時変更できるが、変えてもそれで領域をあふれるほどの録画がなければ録画されている物は消えない。
(あふれる場合は自動削除対象録画が消える。)

インターネット系設定は基本的に本体では使うかどうかの設定だけで、
詳細はPC側からアクセスして設定する。
設定項目は多いが、さほど難しくない。
と思うのは、X4EXで一度やっているからでもあろうが。
事実、だいぶX4の設定を見ながらやった。メイルでの予約もできるが、
X4とXD71では写せるCHが異なるので同じメイルアドレスは使えない。
幸い私は複数アドレスを保っているので問題なかったが、1つしかない人は使う機体を1つにする必要がある。

この機械にはネットdeモニターという、LANでつないだPCでXD71上の映像を見ることが出来る機能もある。
うちでは2台のPCのうち1台は問題なく視聴可能だが1台はうまくいかない。
ブラウザの設定もQuickTimeの設定もバージョンも全部調べたし、ファイヤーウォールも調べたつもりだがだめだった。
まあ、事実上見ることが出来るのは地上波アナログ放送だけであり(地上波/BSデジタルはだめで、
DVD−Videoもだめ)、しかも荒い画面になるのであまりメリットは感じなかった。
まあ、PCの前から離れられないがちょっとTVが見たいときくらいに役に立つくらいだろうか。
そうそう、一応メニュー画面なども見られるし操作できるので、遠隔操作に使えないこともない。

        ・・・基本操作・・・

RDシリーズは大きく分けてRD-X4まで、X4EX以降X6まで、RD-XD71以降のソフトが存在する。
基本は同じでありながら、それぞれで大幅に機能アップや操作性の向上などが行われている。
XS30とX4EXは紹介済みなので、今回のXD71で現存する全てのソフトについてそれなりに説明することになる。

XD71以降のソフトの特徴は、予約録画から編集、保存までという一連の作業をその通り行えるようにしてあると言うことで、
従来あった見るナビ、録るナビ、編集ナビという3つのモードを、基本的には「簡単ナビ」というものにまとめ、
そのつど次に行うべき必要なメニューが出てくるようになっている。

その前にリモコンの話。
リモコンはXS30とX4は基本的に同じであったが、XD71は全く違う。
キー配置も個別キーの内容も。
もちろん操作体系はこのリモコンに合わせて作り直されている。

今までと一番違うのはCH選択キーが付いたこと。
今までCHは順次切り替えしかなかった。
今回独立CHキーが出来たのだが、再生などの操作キーに兼ねさせており、
シフトボタンを押すことでCH切り替えになる。
おそらく、デジタル放送対応でCH数が飛躍的に増えるため、順次切り替えだけではだめだと思ったのだろう。
たしかにCH選択に関しては「慣れれば」楽になる。
でもうちでは結局順次切り替えしか使ってない。

XD71についてインターネットで「CH切り替え時にシフトキーを押さなければならないのが面倒」
という声をよく目にしたが、そもそも今まではなかったのだから、ダイレクト選局が出来るようになっただけましなのである。
私は操作を優先するので今ので良いのだが、CHを優先にするか操作を優先にするかの切り替えがあれば
そんなわがままにも対応できたのだろうと思う。

ただ、1つのキーに複数の機能が割り当てられているから、XS30/X4に比べわかりにくい。
基本的操作はクイックメニューからの選択でも出来るし、一部は画面上に説明が出るので問題ないが、
より素早い操作をしようと思うなら覚えておいた方が良い。
あと、キーの配置がちょっと悪い。特にコマ送りとチャプター切りボタンが離れているのが使いにくい。
(よく操作を間違える。)

操作法がX4までとかなり変わっているので操作に手間取ることが多い。
まして両方を現役利用していると余計に。
一番面倒になったと思うのは録画予約確認。
決して悪い操作体系になったとは言わないが、デジタル対応で一層混迷している気がする。
慣れている分もあるが、私にはX4の操作/メニュー体系が一番使いやすい。
残念ながら、まだ洗練されていない気がする。どうすれば良くなるのか妙案は浮かばないが。
いっそのことアナログを切り捨てれば少しはすっきりするのだろうか。

このリモコンで一番困るのは、DVDのEjectボタンが電源スイッチの真下にあること。
時々押し間違えて電源を切ってしまう。
で、後述するけど、XD71は起動が非常に遅いのでいらいらしてしまう。
うちでは電源スイッチの上に紙のカバーを付けてすぐに押せないようにしている。

並行動作の度合いは
        高速ダビング中
                HDD→DVDコピー中: *HDD録画(W録除く)、HDD再生
                HDD→HDDコピー中: *DVD録画、DVD再生

        録画中
                別タイトル再生
                追っかけ再生
                *プレイリスト編集
                *録画予約新規登録と変更
                高速ダビング
                チャプター分割を含む編集
                タイトルサムネイル設定
                チャプターサムネイル設定

という感じで、*を付けた部分はX4より良くなっている(と思う)。
XS30ではダビング中の再生も出来なかったのだから、世代を追う毎に良くなっているのが解る。
録画中でもダビングできるというのは結構良いかもしれない。

全体的に反応は遅い。
動作の機敏さはX4>XD71>XS30という感じである。
ゆえに、リモコンのクリック音を出すようにしていないと受け付けられたかどうかわかりにくい。

        ・・・録画周り・・・

まずこの機種で書いておかなければならないのは「W録」である。
W録とはその名の通り2つの録画が同時に行える機能である。
先に書いたとおりXD71には地上波/BSデジタルを元の画質のまま記録するTS録画と
地上波アナログまたは外部入力をそのまま、またはデジタルを画質を下げて録画するVR録画があるが、
この2つが並行録画できる。表にすると以下の組み合わせが可能である。

                        地上波アナログ  地上波デジタル  BSデジタル
        地上波アナログ    ×            VR+TS      VR+TS
        地上波デジタル  TS+VR       ×             ×
        BSデジタル    TS+VR       ×             ×

地上波アナログは外部入力も含む。

現在は地上波のアナログとデジタルは同じ内容を放映しているので、
地上波アナログ(または外部入力)とBSデジタルの同時録画をするか、
はたまたマニアックな使い方としては、同じCH内容をDVD保存用にはアナログからVR録画、
視聴用にデジタルからTS録画というやり方もあろう(画質が異なってしまうけど)。

ここで大きな制約と思えるのが地上波デジタルとBSデジタルの組み合わせがだめなこと。
片方をVR記録にすれば行けそうな気がするのだが、実際には設定できない。
VR+TSなら出来ると思って録画を入れたら無視されたので気がついた。
あくまでアナログ:デジタルでのW録画しか許されないのだ。
チューナーではなくデジタルデータを復元する回路が1系統しかないからであろう。
これさえ出来ればもっと活用範囲が広がったろうに、もったいない。

ということは、デジタルのみになったらW録は使えなくなる。
2本録画をメインに考えている人は、この機種は外した方がいいと思う。
ちなみに、後継機種のXD72はデジタルのW録が可能である。
(それはそれで別の制約があるそうだが。)

アナログはXS30/X4でも十分だが、デジタルを主体にするときにはデジタルのW録可能機種を
導入する必要があるのは間違いない。
とりあえず現時点でアナログ3本、デジタル1本の録画体制が出来たことになる。

W録画できるということもあろうが、録画件数が従来の32件から64件と倍増している。
これに加えお任せ録画用に64件分あるが、これはユーザーが自由には設定できない。

お任せ録画とは、キーワードを設定しておくとそれに合致する情報を保つ番組を自動的に録画してくれる機能である。
例えば「アニメ」「新番組」と登録しておくと、アニメの新番組=第1回目を番組表から調べ上げて
自動的に予約してくれる。なお、ユーザーがあらかじめ自分で入れている予約と完全に重なっている場合は省かれる。
(前の番組が終わって、同時間に新番組が始まる場合など)。
一部重なっている場合は、「優先順位」というものを設定しておけば、
重なったときにユーザー定義録画を優先するかおまかせを優先するか決められる。
この優先順位はユーザー定義録画同士でも有効である。

最近の番組は短期物が多いのでかなり有効なのだが、残念ながら番組表自体の質に依ってしまうので、
まれに録り逃ししてしまう。一応確認した方がよいだろう。
再放送の初回などもだめな場合が多そうなので、これに頼りっきりには出来ないが、
「新作の初回見逃した!」ということは殆どなくなったのでありがたい。
また、初回は自動録画してくれるが、その後毎週録画するのであれば別途予約を入れ直す必要がある。
当然「初回」と着くのは1回目だけなので、毎週物の場合は遅くても1週間経つ前に継続するか確認する
必要がある。

予約録画にはもう2つ重要な機能が追加されている。「おっかけ録画」と「自動延長」である。

「おっかけ録画」は、予約しているものが野球中継などで遅延したら自動検知して録画時間をずらしてくれる機能である。
私も大切な番組をバカ野球やサッカーのためにどれだけ録画ミスさせられたことか。
だから最近は30分の番組でも最低1時間は録画するようにしているが、こういう手間とHDD容量の無駄遣いが必要なくなる。
もっとも限界もあるので過信は禁物ではあるが、今のところほぼ完璧な対応をしてくれている。
ずれた結果他の録画と重なったときも「優先順位」が効いてくる。

「自動延長」は、最終回や特番で番組自体の時間が延びたとき、録画時間も延ばしてくれる機能である。
アニメでは最終回だからと言って時間が延びることは珍しいが、ドラマとかではありがちのようである。
(アニメで知ってるのは「不思議の海のナディア」と本放送時の「エウレカ7」くらい。)

ただ、この2つの機能には共通する制約がある。
それは「必ず本体の番組表から録画設定する必要がある」ということである。
番組表と全く同じ日時でも、手動で録画時間を入れた場合には設定できない。
番組表から設定しても、時間をちょっとでも変更した場合も解除されてしまう。
例えば、時間的に連続する2番組をそれぞれ別に予約しようとすると「予約が重なっています」と出るので
1つにまとめると、上記機能が解除されてしまうのだ。
また、ネット経由のiEPGからも不可である。
事実上XD71ではPC経由での録画には大きな制約が付くことになっている。
これらはかなり致命的で、将来の機種では是非とも改良していただきたい。

予約名やその番組内容などは番組表から自動的に入力されるが、
最終回が終わって同じ時間に後番組がない場合(今まではその時間放送があったが無くなった場合も含む)に
勝手に予約がキャンセルされることはないし、最終回の内容のまま残ってしまうので注意。
終わったはずの番組がまだ予約に入っていて「おかしいなぁ?」と思ってみたら内容がなかった
ということがあった。

番組表は電源をOFFした後に取り込まれるので(この間DEPGと表示される)、
逆に言えば、OFFしないと更新されない。
24時間連続ONとかすると番組表が古いままになるので注意。
この取り込みには結構時間がかかる。電波状態にもよると思うが、1時間くらいかかることもあるようだ。
(ホームページによると「最大2時間」だそうな。何でそんなにかかるねんと思うが、
他社製品の中には「最大1日」というのもあるので、まだましなのかも。)

なお、XD71はGコードに対応していない。
新聞で気が付いてとっさに予約を入れるときにはGコードは役に立つんだけどなぁ。

「シリーズ予約」というものもある。
放送曜日やチャンネルが変化する番組の自動予約機能らしい。
曜日が変わると言っても月〜金とかそういうことではない(それは別途設定がある)。
番組名が同じものを探し出して、さらに再放送分は省いて予約してくれるそうだ。
そういう番組があるのだろうか?私の見る番組ではないので使ったことがない。

「おすすめサービス」はネットで他の(RDを持っている)人の予約ランキングを見たり、
お知らせを見たりできる機能。
ランキングはたまに見ると、どんなんがはやっているか解ったりして面白い。
が、「何でこんな番組に人気があるんじゃい!」と思うこともあるけど。

あと録画で1つ注意すべきは、デジタル放送は処理負荷が高いため、電波を受信してから画像が表示されるまでに
若干(1〜2秒)遅れがある。地上波で同じ番組をアナログとデジタルで表示してみるとよく分かる。
しかしタイマー自体は本来の時計の時刻で動くため、特に終了時にまだ画像が残り1〜2秒あるのに先に切れてしまう
という現象が起こりえる。民放なら後ろはCMだろうから問題ないが、NHKでは困ることもあろう。
このため、XD71では「録画しろ」として予約録画の前後5秒も録画する機能がある。
番組によってはこれを設定すべきであろう。

        ・・・画質/音質・・・

*画質
地上波デジタルの画質は、アナログに比べもう圧倒的に綺麗。
特にうちのアナログ電波環境が非常に悪い事もあるが、比較的綺麗だった他のCHでも差ははっきりする。
VR録画にして解像度などを下げても元が綺麗であれば差は解る。
元の信号がきれいだと言うことは、同じ圧縮レートを使ってもよりきれいに録画される。
信号にノイズが入っていると、その分圧縮しにくくなり圧縮後のサイズが大きくなる=
本来の画像を表すのに使うべきデータサイズを消費してしまうのである。
これを見てはもう地上波アナログには「基本的には」戻れない。

BSデジタルとアナログの差は「ハイビジョン放送でなければ」地上波ほど明らかではない。
そもそもBSはアナログでも綺麗だからだ。
でもハイビジョンでは差は歴然。引き込まれそうなほどが画像が美しい。
これがVR記録すると解像度が落とされるため「並」になってしまうのは非常に残念である。

ここで「基本的アナログには戻れない」と書いたのには理由がある。
デジタル放送にはコピーワンスという信号が付加されていて、録画が1回しかできない。
HDDに記録したものをDVDに保存した場合はHDDから消えてしまうのである。
要するに複数枚録画するということが出来ないということである。

この件については世間ではかなり騒がれている。
コピーし放題にすると、デジタルだから基本的に劣化なしに頒布できてしまうから利権者は嫌がり、
ユーザーは私的利用の権利まで奪われているというわけである。
これがデジタル化を阻害しているとまで言う人もいる。
この件に関しては総務省も動き始めたようで、個人のコピーは自由にするが、
ネットなどへの流出は防ぐというEPNという方式で調整するようである。
これを書いている時点ではまだ決まってないが、そうなればありがたい。
それにXD71が対応できるのかどうか解らないが。

デジタルで記録する民生用メディアには「私的録画保証金」というのが基準価格の1%で
上乗せされている。要するにそういうお金を払わされているにもかかわらずコピーに制約を
付けられているというのはおかしい。
ネット上に流すのは確かにまずかろうが、せめてEPN程度でないといけない。

私はコピーワンスでも余り気にはしてなかったが、最近は2つの点で困っている。

1つはダビング失敗時で、タイミングによってはHDD上からからも消えてしまうので完全にパーになる。
SCMS(シリアル・コピー・マネージメント・システム;MD等での録音に使われている)のように孫コピー禁止位が良いのに。
ちなみに、そのDVD-RAMをだめにしたのはXD71ではなく、東芝ドライブ時のX4である。
(うちのX4はLG電子製DVD-RAMドライブに換装してある。)
番組で、本当に重要な物はアナログ系とデジタル系両方で多重録画するのが吉である。
ただし、現在地上波デジタルとアナログはほぼ同じ内容を放送しているが、
デジタルではワイド放送しているが地上波では4:3になっている場合が結構ある。
地上波でもワイド放送は可能であるにもかかわらずである。
単に横を切っている場合と圧縮している場合があり、作品によっては
画角が変わることで印象が結構変わるものもあったりする。

コピーワンスでは、HDDからDVD-RAMへの移動は出来るが、逆は「出来ない」。
もう一度HDDへ移動して後で番組をまとめ直しすとかが出来ないのだ。
ダビング失敗は殆どないが、こちらは困った。
コピーを作らせないだけなら移動はOKなはずだ。
これをも禁止しているのは許し難い。ユーザーの録画に著しく制約を与えていると言えよう。

DVDプレイヤーとしての画質はプログレッシブ出力の分XS30よりかは良いが、X4よりかは下に思える。
それよりも気になるのはX4では目立たないブロックノイズがかなり目立ってしまうこと。
ノイズを押さえ込む方が良いのか素のまま出す方が良いのかは意見の分かれるところだが、
見た目はX4の方がよいといえる。ただし、X4はコンポーネント接続、XD71はD端子接続で、
うちのTV MH700はD端子からの映像があまりきれいでないのでそのせいもあるかもしれない。
標準での色合いはあっさり目。

一応480pを1080iにアップコンバートして出力する機能があるらしいが、
コンポーネント出力は720pまでしか対応していないし、DVD-VideoはD2(480p)までの
出力しか許されていないのでその効果のほどはよく分からない。
(D3/D4に設定していても警告が出てD2に落とされる。)
うちのTVは前のDRX5にも今のMH700にも同じような機能を積んでいるからでもある。

再生時に拡大表示する「ズーム機能」があるが、DVDおよびVR録画のみでTS録画では使えない。
データ量が多くて負荷が高すぎるのか、ワークエリアが足りないか
(XS30のときはDVDのみだった)。

なお、XS30/X4であった子画面を写す機能(PinP:Picture in Picture)は省かれたと思われる。
専用キーが存在しないし取説にも記述がない。これもデジタル対応では大変だからか。
時々使ってたんだけどなぁ。


*音質
テレビで5.1CHが可能になる。
二カ国語放送でもモノラルにはならず、ステレオ(以上)のまま吹き替えが可能になる。
ようするに、DVDビデオで出来るようなことはほぼ全て可能だと思って良い。
5.1CHは映画でも有効だが、野球中継のようなスポーツでもかなり臨場感が上がり効果的だ。
まるで球場にいるような感じになる、というのは誇張ではない。
マラソン中継などでも5.1CHだと結構面白い。
ただし、これもVR録画時には2CHになってしまう。
TS録画では保存可能だが、HDD上だけなので永久保存できない。

デジタル放送にはラジオ機能や双方向機能、データ放送などもあるらしいが、
データ放送以外はうちでは使ってないので詳細不明。
データ放送はいろいろと使えるが、一番便利なのは自分の住んでいる地域の天気予報が表示されることか。
あとはおおまかなニュースがいつも見られるとか。
番組に見る物がないときに時々見ている。
非常に簡単なゲームが出来る番組もあったりする。

*対応メディア
対応している記録メディアはDVD−RAM(殻付き対応)、DVD−R、DVD−RW、
それにDVD−Rの2層もの(DVD−R DL=Double Layer)にも対応している。
2層だからと言って単純に倍にはならないのではあるが(4.7G→8.5GB)これはかなり重要で、
今まで4.0Mbpsでは1層ではせいぜい2時間ちょっとしか記録できなかったのが3.6時間近くまで入ることになり、
多くの映画が画質を落とさずに入りきることになる。
X4で録画したが保存できてなかったものも、一旦分割してDVD−RAMに入れ、
こちらに移動して結合してDVD−R DLに記録すれば1枚に収まる。
ただ、問題はその2層メディアが1層ものに比べずっと高いことにある。
2層だから2倍、ではなく、なんと12倍ほども高い。おいそれと使えないのが残念である。

        ・・・編集・・・

編集機能は従来とほぼ同じ。
TS録画でもVRでもほぼ同様に処理できるのだが、実はこれが東芝機のすごいところで、
他社機ではデジタル放送分に対してはいろいろな制約があったりするらしい。
編集の東芝の面目躍起である。
制約と言えば、タイトル結合ではTSはTS、VRはVRとしか結合できないと言うことであろうか。
まあ、私にとってはこの程度の制約はある内に入らない。
VR同士なら、デジタル放送分とアナログ放送分の(プレイリスト上での)結合は可能である。

そういえば、プレイリストでも移動が可能になった。
これは大きな改良点。もっともこれは、コピーワンスの物を編集して保存するときに必要だからであろうが。
ところが、移動しかできない場面でも「コピー」という選択肢が出て、
しかもそれを選ぶと何のエラーもなしにすぐ終わって仕舞う。
コピーワンスの番組から作ったプレイリストは移動のみ、と覚えておかなければならない。

ごくまれに移動すら選択できなくなることがあるが、
どうやらメディアの認識に失敗しているのにエラーを出さないことがあるようである。
DVD-RAMをDVD-Videoと認識しているのか、エラーは出ないのに移動が選択できない。
こういうときはメディアを入れ直すと直る。

細かい部分ではいろいろと改良されている。
チャプターを切ると隣同士の色が変わってわかりやすくなったとか、
編集時に選択されているチャプターがわかりやすくなったとか、いろいろある。
開発者が自分で使って良いようにしているかユーザーの声をちゃんと反映しているか解らないが、
地道な改良は歓迎すべきである。

ただ、編集機能は総じて面倒になった。
この点で言えばX4が一番良かった。
XD71の操作体系は、初心者には良いのだろうが熟練者にはかえって面倒だ。
特にサムネイル設定の時にそう思う。
両方の切り替えが出来れば良かったのだが。

        ・・・その他・・・

起動はやたらと遅い。LinuxというOSを使っているようだが、
画面が真っ暗なままタイトル画面が出るまででも1分近くかかる。
基本的にRDシリーズは起動が遅いが、格段に「遅い気がする」。
電源入れてすぐ録画ボタンを押して録画するというような使い方をする人には全く向かない。
完全な予約録画マシンである。

Linuxであることや、その他複数のフリーウエアを使って開発されていることは、
取説の最後にそれらのライセンスについての記述があることからわかる。
フリーウエアの中には使っている部分のソースの公開を義務づけているものもあり、
そういう部分に関しては閲覧可能だそうだ。
誰も言わなければ解らないだろうに、ちゃんと公開しているところがえらい。

今回大幅なソフト変更が行われた&地上波デジタル対応したと言うことで
やはりソフトが十分デバッグし切れていない部分があるように見受けられた。
うちのはモデル末期(というか公式には生産終了後)なのでそれでもまだ安定度は高かったのだろうが、
・番組表の一部が抜けることがある
という問題が頻発していた。
が、これも購入後にあった3回目のバージョンアップで発生しなくなった。

うちで起こった他の問題点を挙げておくと、
・「LOGO」と表示されたまま一切の操作を受け付けなくなった(電源OFF中)
・AACの音声がとぎれることがある
・ダビング中にリモコンから排出ボタンを押したらそこからダビングが進まなくなり、
 中断しても読み取りから帰ってこなかったことがある
・アングルマークが消せない

「LOGO」というのは、デジタル放送の番組表の横に出る、
各放送局のロゴマークのデータを受信しているという状態なので、これが出ること自体は問題ではないが、
こんなこと少しの時間で終わるはずである。
ところがこのときは30分以上ほって置いても直らなかった。
電源ONも何も効かないので、コンセントを抜いて復旧させた。
多分受信中に何らかの異常が発生し(電波新居図が入って正常受信できなかったとか)そのようになったのだろうが、
普通この手の製品では万が一の時のために「ウォッチドッグ」という監視機構を入れて
動作が止まったらリセットかけて元に戻そうとするはずなのだが(私の作っている製品にも入れてある)、
東芝機には、そのような異常時に復旧させる機構がないのかもしれない。
それはそれで困ったもんである。

AACというのはデジタル放送の音声圧縮方式のことだが、
これをデジタルでAVアンプに入れていると、CH切り替え時などに音声が出なくなることがあった。
リアルタイムの放送時も録画の再生時も両方ある。
一旦停止したりCHを切り替えたりすると出るようになるのだが、面倒。
途中からいきなりでなくなるのではなく切り替え時に発生するので、
AVアンプとの同期が取れなくなるのかもしれない。
根本的問題がXD71側にあるのかAVアンプ(PS7400)側にあるのか解らないが、
少なくとも同じデジタル出力が出来るTV(MH700;後日紹介)から入れたときは
発生していないし、2回目のバージョンアップ以降発生頻度が下がった
(でもまだ発生はしている)ので、やはりXD71側の問題が大だろう。

ダビング中の問題は1度だけ発生したが、こちらは電源キーの長押しでのOFFが効いたので
再ONで復帰した。HDDもDVD−RAMにも問題なし。
何せほとんどの番組がコピーワンスだから消えたらおしまい。
こんなことで消されたらしゃれに成らんが、そういうことはなくて安堵。

マルチアングルの記録があるDVDを再生すると、画面上にアングルマークが出て
それを知らせてくれるが、困ったことにこのマークを表示させないようにする設定がない。
ゆえに、ディスクによってはこのマークが表示され続けてしまって見にくい。
X4やXS30では「表示設定」というところで、他の再生マークなども出なくなってしまうが、
一応設定できる。他の設定項目が増えたから削ったんだろうけど、
これは限りなく不具合に近い仕様(変更)だと思う。

        お勧め度        75%

今はもう後継機種があるのでわざわざこれを買う人は居ないだろうが
(というかもはや新品で出回っている物はないだろう)、
XD71は入門機には絶対にお勧めしない。総合的に見て。

機能だけで言うならもっと上げてもいいが、
東芝RDシリーズに慣れた人向け、もしくはそういう人が周りにいる人向けなのでこれくらいに押さえておく。
というか、画面出来るなら今は機能も価格もこなれているアナログ機を買っておいて、
将来的にデジタル1本に絞られて機能がまとまった機械を追加で買った方が良いと思う。

これを購入後にTVを買い換えてHDMI端子が付いたことを思うと、上位機種のXD91を
買った方が良かったかなあと思わなくもないが、まあそれは仕方のないことである。

私は編集をよくするので、編集機能の充実した東芝機が好きなんだけど、
普通に見るだけ、画質を最優先するならお勧めはしない。
PioneerのDVDプレイヤーを買ってから解ったけど、東芝機は画質は余り良くない。
Pioneerの画質で東芝の編集機能を持った機械が出来ればいいのだけど。

        ・・・HDDについて・・・

また、東芝機だけではないが、HDDの故障について書かれていることを目にするが、
これについてちょっとだけ書いておこうと思う。

HDDの不具合があった場合、それ大きく分けて3つに分けられる。
・物理破壊
・ファイルシステム不整合
・不正常書き込み(読み出し不可)

物理破壊は読んで字のごとくヘッドが動かないとか記録板が破損したとかいう状態で、
製品寿命を大幅に超えて使われた場合の劣化や、振動・衝撃による破損が原因となる。
ところが、実際にHDDメーカーの人に聞くと、故障で帰ってきた物のうち、
物理破壊のものは殆どないそうである。多くて10%。

ファイルシステム不整合は、Windows等でファイルを書き込んでいるときに電源を切ったりして、
情報が正しく書き込めなかったために異常になる場合である。
Windowsや昨今のデジタル録画機は読み書きを並列動作するため、下手にコンセントを抜いたりすると
この状態になりやすい。また、時によってはソフトのバグによってこの状態が起こることもある。

で、ここまでは知っている人も多いが、余り知られていないが実はよく発生するのが
「不正常書き込み」である。
今のHDDは非常に高密度なので、1つのデータを記録するための面積が非常に狭い。
また、記録は磁気を使っているので、ちょっとでもずれると周りのデータを破壊してしまうことがある。
実際にはずれた場合は補正がかかるのだが、書き込みパワーが不安定になって強くなりすぎると
周りまで破壊することがある。また、書き込みデータを送る信号線にノイズが乗ると
誤ったデータを書き込んでしまうことがある。それが画像領域なら殆どの場合画像の乱れだけで
済むのだが、管理領域だと全体がおかしくなることもある。
(具体的にどうしたら書き込み不良が発生しやすいとかどう対策すればいいかは、企業秘密もあったりするので
残念ながら書けない。オタ会で口頭で喋るくらいは出来ると思うけど。)

信号線にノイズが乗りやすいかどうかは使われている配線、その引き回し方、回路を見れば解ることもある。
また、電源が弱いと異常になることもある。
一般に電源というものは温度が極端に下がったり、あがったりすると出力が低下する。
HDDはそうでなくても電気食いなので、供給電力が少なくなると異常をきたすことも考えられる。
これはHDDだけでなく、周辺の電子回路も同様である。

東芝の耐ノイズ対策がどうか、電源が余裕があるかは分解してないのでよく分からないが、
最近の機器は安くするために結構ぎりぎりの規格で設計していると思われるので、
特に廉価機種ではやばいかもしれない。

インターネット(価格.com)で見ていると、東芝機は不具合が多いように
書かれているように「見える」。
私の経験から言えば、確かに不具合はあるが、そんなに致命的なものはないと思う。

不具合がよく発生する人は、
・筐体が過剰に熱くなる環境に置いてないか
・周りに強大なノイズ源がないか
・電源にノイズが入ってないか
・振動が伝わってないか
等を調べたらどうか、と思ったりする。

ちなみにうちは整流器相当(TVスッキリー)を入れてるし、
振動対策としてインシュレーターを噛ましてある。

それか、よほど何か変な使い方しているのではないか。
その機器における制約で正常動作なのに「不具合だ」と騒いでいる「お子様」も結構いるし。
自分の思い通りにならないからって不具合扱いしちゃあ、メーカーがかわいそう。

        ・・・地上波デジタルについての私見・・・

地上波デジタル化に対する反対意見も多く聞く。
個人の投資が大きいがそれに見合ったメリットが見えないとか。

しかし、チューナー価格はこれから2011年までの間にまだまだ下がるだろうし、
画質の良さは一目見ればすぐ解るはず。
(双方向とかデータ放送にどれだけの価値を見いだせるかはその人次第だと思うけど、
画質の良さは誰にでも解るはず。)

2011年7月で止めるべきかどうかは議論の余地があるにせよ、
デジタル化を止めることに関しては「意味がない」と言える。
製品としてのTV装置はやがて寿命が来るから、そのときにアナログ対応機がなければ自然に切り替わる。
そのためには、
・メーカーがアナログ機を作るのを止める
・デジタル機を安くする
・アナログと同じだけのサービス範囲(視聴地域)を提供できるようにする
の必要があろう。少なくとも、大手はもうアナログ機の製造を止めても良い頃だと思う。
それで投資を全てデジタルに向けて安くすると。

それでも、デジタル機はアナログ機に比べハードの複雑さが段違いなのでアナログ機ほど安くは出来ないだろう。
また、一口にデジタル放送と言っても日本の方式とヨーロッパ、アメリカの方式は異なるので
全世界的な量産効果による価格低下にも限界がある。
逆から見れば、海外メーカー;特に中国や台湾などの安売りメーカーの参入がアナログ機ほどには望めないので
価格は高止まりする可能性が高い。それは国内メーカーにとっては良いことだと思うが、
それに見合った品質は確保してもらいたい。
安く品質が悪く寿命が短い物が氾濫するとゴミが増えるだけなので、そういう物が増えないことは良いことなのである。
安いことは必ずしもユーザーにも地球環境にも良いことではない。

あと、アナログ放送なら少々電波が弱くても何とか映るしノイズが入っても
画面に白線がちょっと出るくらいで済むが、デジタルでは全く映らない、
画面が盛大に乱れるという現象が出て、特に録画時には致命的である。
このせいで、未だデジタル1本には出来ない。
出力増強もして欲しいし、デジタル自体の効率の良い受信システムの提案も欲しいところである。

とにもかくにも画質・音質が良いので、それをもっと大々的にアピールすると同時に、
それらにこだわる人はさっさと買い換えるべきである。

コピーワンスの問題についてはこれとは別で、
さっさと解除すべきである。最低限「自由移動」は可能にしないと。
これなしでの全デジタル化は「絶対反対」と言っておこう。

以上
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