「アコースティックファイル サウンド改善ディスク」(2005/07/25号)
{商品紹介}

        ピーター・ボフィン工房
        「アコースティックファイル  サウンド改善ディスク(SID)」

        モデル15
        モデル14

        定価    各5145円(税込み、送料別)
        買値    各5145円(税込み、送料別)

        http://acousticphile.com/product01/sid.html

CDまたはDVDに重ねて入れることにより音質および画質を改善するという
プラスチック円盤。
いわゆるオーディオ小物であるが、その中では比較的理論がまともだし、
何よりこの手の物の中では安いので買ってみた。

まずモデル14と15の違いだが、軸受けの形状による違いである。
世の中にあるCDもしくはDVDプレイヤーでは大きく分けて軸形状に2種類あるらしい。
CD/DVDの中心穴の口径はすべて15mmなのだが、
そこに入る回転軸が(先が切り落としてある)円錐形か、円筒形かである。
円筒形は上から下まで15mmだが、円錐形はCD/DVDの収まる根本は15mmだが、
上の方は少し狭くなる。CD/DVDの厚みが1.2mmあるらしく、
その上では14mmになるのだそうだ。
要するに自分の使っているプレイヤーの軸受けがどちらであるかによって
買うモデルを決める必要がある。

国内メーカーの多くは14らしいが、CECや海外のは15らしい。
私の持っているのはCECのCH7700というCDプレイヤーなので15を買った。
ただ、本当にこのモデルも15が最適かは不明であるが、15の軸に14は入らないが、その逆は行ける。
(ただし、効果は薄くなるだろうが。)
また、うちのRD−X4やXS30、SONYのDVDプレイヤーは
ほぼ間違いなく14と思われるので14も買った。

原理については上記ホームページを参照されたし。
簡単に書けば、CD/DVDの読み取りレーザーの迷走光を緑
(緑はそれらの読み取りレーザーである赤色の補色である)の板で
吸収することで読み取りエラーを減らそうというものである。

非常に薄っぺらい緑色の板、というより紙切れにも似たもので、
最初、本当にこんな物で効果があるの?と思った。
また、これくらいなら自作できるのではとも。
プラスチック(や紙)を円形に切り出すのは結構難しいので、実際には出来ないだろうが。

半信半疑、というより1信9疑で試したところ、
CDではよくわからんのだが、DVDははっきり効果が確認出来た。
特に音。今まで気が付かなかったような細かい音が聞き取れるようになった。
あと、映像も少し奥行きが出たような気もする。
色合いが良くなったと言うべきか。

DVDの方がCDより細かい読み取り精度を必要とするため
エラー減少による改善度が高いのかも知れない。
オーディオ小物の中にはほとんど効果が感じられないものも多い中、
これは珍しく効果が大きいと思った。
(小物は所詮小物なので、音を良くしようと思ったらまずは小物に頼らず
スピーカーのセッティングを突き詰めるべきである。
最初から小物に頼ると本当のところ何で音が良くなったか分からなくなる
可能性が大で、結局無用な投資をしてしまうことになりかねないので。自戒を込めて。)

ここで利用上の注意点。

非常にぺらぺらなので、手荒く扱うと折れてしまう可能性がある。

14と15を同時に買うような奴は少ないと思うが、この2つ、
ケースに入れれば識別は出来るが、間違って並べたりすると識別が難しい。
軸部分の大きさを違いで解るがそれでもたった1mmの違いしかない。
絶対に、取り扱い時に混ぜないようにする必要がある。

オーディオ用ドライブなら一部の特殊ドライブを除きほとんど問題ないようだが、
薄型PCドライブのように軸がむき出しでかつセンターにCD保持用の爪がある物はだめ。
なんと言っても薄っぺらな物なので、その爪で軸部分が欠けてしまう。
重ねて入れることから、スロットインタイプや、
縦型ドライブもだめであろう。

RD-X4はドライブは実はPC用ドライブなので、トレイのCD型のくぼみが浅く、
DVDとSIDを重ねて納められない。
そのためセンターを正確に合わせて置く必要があり、
本当にちゃんとはまっているかが心配。
まあ、はまらなければエラーになるはずなので読めている以上大丈夫だと思うが。
というか、少しずれると変な音がして中心部分が少し変形した。
しかもこすれて緑色の粉が飛び散るので非常にまずい。
一度ずれると削れて穴が大きくなるのか、再発する確率が高くなる。
このディスクを汚すだけでなく、後に入れる多くのディスクにこの粉が付いてしまう。
ひょっとするとレンズにも付いてしまうかもしれない。
トレイにCDに沿うようにフェルトを貼ったら、楽に重ねられるようになったが、
これでも時々失敗する。
フェルト張りはSIDを使わないときもディスクが確実に入れやすくなるのでお勧めであるが、
基本的にX4のようなPCドライブ流用機器では使わない方が良いのかもしれない。

SIDの取説には「PCドライブはだめ」と書いてあるが、薄型ドライブだけでなく、
このようなくぼみの浅いドライブも本来はだめなのかもしれない。
でもそうだとすると、最近のDVD&HDDレコーダーの多くはPCドライブを流用しているし、
一部CDプレイヤーもそうだから、使えないドライブが多いということになる。
もしそうなら、「そう言うドライブはだめ」とちゃんと書いておくべきである。

        お勧め度        CD    50%
                        DVD  90%

特にDVDにおける効果が大きい。
オーディオ小物の中にはべらぼうに高いものも多いので、
この価格でこの効果なら価値あり。
DVD1枚買うのを我慢して買ってみるといいかも。
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