「CD−RW700」(本誌未公開ネタ)
{商品紹介}

        音楽用CD−R/RW録音機
        「CD−RW700」
        
        TASCAM
        定価    ¥69800(税別)
        買値    ¥51000(送料、税込み)
        http://www.teac.co.jp/tascam/products/cd/pr_cd_cdrw700.html

最近は、パソコンではノート型でもCD−R/RWドライブが付いている物が多いが、
これは音楽専用のCD−R/RW装置である。
簡単に言えばMDのドライブをCD−Rに換えた物(機能的にはちょっと違うけど)。

TASCAMと言う会社名は聞いたことがないかも知れないが、
これはTEACの業務機器用ブランド。
TEACはCD−Rドライブのメーカーとしては有名で、PC用でも実績は多い。
したがって、そのあたりのノウハウは十分であると思って良いだろう。
私もそういう点は知っていたので、特にこのメーカーにすることに違和感はなかった。

音楽用CD−R気を買うと決めていろいろ調べた中で、
最後まで悩んだのが民生機にするか業務機にするかである。
民生機としてはMARANZのDR−6100(だったと思う)を、
業務機はこのCD−RW700を、最後に絞りこんだ。
機体の値段的にはMARANZの方が安かったが、結局次の点でRW700にした。
それは、

        「PC用のメディアが使える」

である。民生機では音楽用として売られているCD−R(RW)メディアしか使えない
のに対し、業務機はPC用のメディアが使える。
この2つの違いは一言で言えば価格である。

民生用のメディアには私的録音補償金とかなんとかいうのがあらかじめ
上乗せされている(デジタル録音機器・メディアには必ず入れられている。
もちろんMDにも)。
このため、1枚当たりの価格が高い。74分のメディアで1枚(最低)200円位か。
これに対しPCようはそういう物が入っていないので、高級なタイプでも
80分で1枚60円程度である。実に価格差3倍。

当然たくさん録音すればそれだけ差が出来るわけだが、
MARANZの機種とRW700の実倍価格の差がおよそ1万円。
1万円分録音しようと思ったら、10000/(200−60)=72枚
録音する必要があるが、私がそんなに録音するかどうかは解らない(たぶんしない)。

しかし、それよりも大きな決め手となったのは、そもそも音楽用CD−Rメディアの
入手が困難だ、ということであった。
PC用なら近所のパソコン屋でも買えるが、音楽用となると近所の店にはない。
今だカセットを置いてある店はあってもCD−Rはないのだ。

PC用の国産の一番良いCD−Rを買っても音楽用より安い。
今は、会社で聞くような音質にこだわらない物はPC用の安もんを、
家で使う保存用はPC用高級品を使っている。

その他機能的にはほぼ互角であったので、結局このメディアの入手しやすさが
決め手となってRW700となった。

CD−R機の使い勝手は、以前MDを使っていたということもあって、
特に慣れるのに時間も必要なくすんなり動かせた。
(後に 述べる「デジタルダイレクト」を除き。)

MDで出来てCD−Rで出来ないのは、録音した後の編集である。
MDでは曲名を入れたり、曲の順番を入れ換えたり、一部を消したり出来たが、
CD−Rではそれが出来ない。曲名は入れられないし、入れ換え、
一部削除も出来ない(CD−RWでも駄目)。
また、CD−Rでは一度録音したメディアを消して再録音も出来ない。

私がCD−R機を買った主な目的は、会社で音楽を聞くためである。
それならMDでもいいではないかと言われるかも知れないが、
MDの場合はそのプレイヤーが必要となる。
ところがCD−ROMドライブなら、今や付いてないパソコンを捜す方が難しい位に
普及している。これを使わない手はない。
このような目的ではCDの丸毎コピーが主になるのでそれほど編集はいらないが、
編集をしたい人にはお勧め出来ない。

また、MDは録音の際に微細な音を消してしまうのに対し、
CD−Rではそういうことはないので、音質的にはCD−Rの方が
上になると思われる。この点も良さであるが、もっともこの価格帯の機械で
その差を聞き分けることが出来る人はいるかどうか。

録音音質は、CDのデジタルコピーでは私の耳ではオリジナルとの差は無いと
言って良い。
アナログの録音としてLPをMMカートリッジで、アンプ内蔵のイコライザー経由で
録音したが、特に気になる点はない。良くも悪くもレコードプレイヤーの
再生する音そのままに録音出来ている(うちのプレイヤーは余り良くないので
大音量の部分でびびることがある)。

再生音質は以前紹介のCH7700Super2と比べれば、
低音高音共に強調されている気がする。
良く言えば音がはっきり聞こえる。
音色がきつい音楽(ロックなど)には向くのではなかろうか。
CH7700はこれに比べれば随分とおとなしい。
        〜〜2006/02/21追記〜〜
デジタル入力でPS7400Specialに入れても音の傾向は大して変わらないので、
基本的素質のようである。
普通に聞くには十分だが、お世辞にも高音質とは言い難いので、
録音専用機と捉えておくべきであろう。

機能的な点をいくつか。
録音時にはアナログ/デジタルともにレベル調節可能となっているが、
ボリュームで実際に自由にいじれるのはアナログのみ。
デジタルはメニューから数値で設定するので、録音中に連続で
変化させることは出来ない。
要するにデジタル録音時にフェードイン・アウトを手作業で行うことは
出来ないということである。これは少々残念。
あくまで、出力の小さいもしくは大きなデジタルソースがあった時に
その補正を全体に掛けるためにあるのだ。

で、フェードイン・アウトについては、別途その機能がある。
録音時にフェードスイッチを押す簡単に出来る。
曲間毎に自動にやってくれると非常に良かったのだが、そういう機能はない。

シンクロ録音はデジタル、アナログでも、無音部分が1秒以上あった後に曲が始まると
自動的に一時停止を解除して録音を開始、逆に録音中に無音部が5秒あると
自動的に一時停止になる機能だ。
一時停止毎に曲番が付く(アナログソースではノイズの関係でなかなかうまく働かないけど)。
この機械のシンクロが優れているところは、手動で一時停止すると
自動的にシンクロが外れることである。
外れたら駄目じゃん、と思うかも知れないがそうではない。
手動で一時停止する時は、ソース側で何等かの準備をする時で、
こういう時は得てして音を何度か出す。この時にシンクロが外れてないといらない
録音をしてしまってディスクがパーになる。
CD−RはMDのように途中編集は出来ないので、
一度録音したものは消せないのだ(CD−RWでも曲毎の消去は出来ない。
全体一括消去だけだ)。だからこの―寸した気配りは重要である。

リハーサル機能というのもあって、シンクロ録音で録音を開始する
音の位置をあらかじめ設定しておくことが出来る。
単に、音の出出しから何秒後に録音開始という設定だが、
うまく使えば編集もどきが出来て良かろう。
使ったことはないが。

RW700ではデジタル入力とアナログ入力のミキシングも出来る。
私が使うことはまず無かろうが、自分で演奏してソースを作る時に、
多重録音なんかするなら使えるのではなかろうか。

そうそう、CD−Rは録音が全て終了したらファイナライズという処理を
する必要がある。これはCDに録音した曲を確定する処理だと言えば
あっていると思うが、CD−Rを一般のCDプレイヤーで聞けるようにするには
必要な処理である。
この処理、実は結構時間がかかるが、この機種ではおよそ1分で終了する。
通常の倍の速度らしい。

後はデジタル入力系統が光と同軸の2系統ある(同時録音は当然は不可)とか
サンプリングレートコンバーターがあるとかはMDと同じ。
再生面の機能も普通のCDと同じで、特筆すべきところはない。

操作面では、本体に付いているキーは最小限であるが、
ジョグダイアルのお蔭で操作しやすい。
ダイアルを押す操作もあるが、これがちょっと堅いのが難点ではある。

ヘッドフォン端子も付いているが、ここから聞こえる音声はだめ。
(小音量時でも)音が割れすぎて聞くに堪えない。
おまけ以下。

        お勧め度        80%

全体的に見て、良くまとまった良い機種であるといえる。
普通に使う上では申し分ない。

しかし、ここでRW700を使う場合の大きな問題を1つ。

RW700と、以前に紹介した逸品館の「CH7700Superシリーズ」
およびその元機種であるCECの「CH7700」との組み合わせにおいて、
デジタル接続による「デジタルダイレクト」録音は出来ない。

デジタルダイレクト録音と言うのは、CDに入っている情報を
音楽情報だけでなくその他諸々の情報まで含めてすべてそのまま
渡す録音のようである。この方法を使うと、文字情報付きCDや
HDCDという高音質CDもコピー出来るらしい。
しかし、上記組み合わせではエラーが出てデジタルダイレクト録音が出来ない。

不良かと思って逸品館を通じて調べてもらったがそうではなく、
デジタルの微妙な同期ずれによるものと考えられると言うことであった。
また、CECおよびTEACともにデジタル出力の調整は不可ということであった。
(多分IC一発なので調整出来ないのだろう。)

なお、この組み合わせでも「デジタルダイレクト」OFF状態では問題無く録音出来る。
音楽情報のみのコピーであれば、ほぼ劣化無くコピー可能ということだ。
この場合、44.1KHzなのでサンプリングレートコンバーターがOFF
されているかどうかは不明。

また、MARANZのDVDプレイヤーDV3100と接続した場合、
デジタルダイレクト録音は一応可能になるが、曲間が付かない。
要するに全てが1つの曲となってしまう。

この原因は、このDVDプレイヤーがRW700が認識できるサブコード
というものを出していないためと考えられる。
メーカーに問い合わせたところ、RW700ではデジタル信号の場合、
トラック情報(Pコード)とサウンドレベルで設定した しきい値(-**dB)でトラックを分ける。
もしこの時トラック情報が無いとサウンドレベルのみでトラックを分ける。
このDVDプレイヤーの場合では、曲の終わりの信号レベルがサウンドレベルで
設定したレベル値まで4秒間下がらなかった為、
全体が1トラックになってしまったと推測される、ということであった。

未確認ではあるがおそらく、RW700の民生モデルであるRW800でも
同様だと思われる。

デジタルダイレクト録音をする場合には、相手機種を大きく選ぶらしい。
もちろんTEAC製なら問題無いのだろうが、
デジタル入出力にはばっちりした規格があって外れが無いと思っていただけに
少々残念ではある。

禁断の隠し技。
このRW700は、というかMDも含めデジタル録音機器には必ずSCMS
=Serial Copy Management Systemという信号が書き込まれる。
この信号、簡単に言えばコピー回数と言うかコピー世代を制限する物で、
オリジナルから子供は作れるが、子供から孫は作れなくする。
RW700でCDからコピーを作ることは出来ても、このコピーから孫は
出来ないのだ。

ところが、RW700ではある方法を使うとこのSCMSを止めることが出来る。
やり方は、次の通り。

1. STOP+PLAY+PAUSEを押し続ける。するとディスプレイに数字が出てくる。
2. FINALIZEを押し続ける。するとディスプレイに"SCMS=ON"と表示される。
3. ジョグダイヤルを回し"SCMS=OFF"にする。
4. FINALIZEを押す
5. STOPを押す

但し、製造時期によって出来ない可能性もある。
また、これによっていかなる不具合が起こっても一切保証しないので、
個人の責任においてどうぞ。

SCMSをOFFにするのは、基本的には自作CDのコピーでも孫が作れないと言う
理不尽を解消する場合にのみ使うものであることも理解しておくこと。

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結局のうちのシステム                            2001年 9月3日現在
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アンプ1AIRBOWPM6100SA/KAI
CDCEC/AIRBOWCH7700 Super2
+ケーブル自作
CD−RTASCAMCD-RW700<追加
+ケーブル自作
DVDMARANZDV-3100
+ケーブル自作(音声/映像とも)
チューナーONKYOIntegra TX445XG
+アンテナmasproFM3
レコードDENONDP-37F
+カードリッジVictorZ-1E
+ケーブル自作
スピーカー1DALIRoyalMenuetII
スパイク 自作黒檀+ジルコンスタンド+MysticWhite 
+ケーブル自作
補助ツイーターAIRBOWCLT-1
+ケーブル自作
スパイク 自作黒檀+ジルコンスタンド+MysticWhite 
アンプ2TimeDomainYA9
スピーカー2TimeDomainYoshii9
+ケーブル自作(アンプ1←アンプ2間)
スピーカー3VolodyneCT-80<追加
+ケーブル自作
LaserDiscPioneerCLD-R7G
ビデオVictorHR-VX1
TVSONYKV-29DRX5
+BSアンテナ DXアンテナDSA353K
電源改良熱電子工業TVスッキリー(5台)
インシュレーター 自作黒檀+ジルコンスタンド+MysticWhite
ラックADKSE-5055NA+SE-OP50G 
ヘッドフォンaudio-technicaATH-PRO6
音質改善AcousticReviveRR-7
 AcousticReviveRD-1
 カリテ・プリIMPACT DISC MAKER
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RW700の導入に伴いMDは取り払った。
私のアンプには録音機器を2つはつないでおけない。
今後MDは、ゲーム機からの音楽を録音するときなど、
いったん通しで録音し編集する形態を取る必要があるときにだけ
使われることになろう。で、最終的にはここからCD−Rに焼く。
以前ホームページで書いていたLUNAR1/2の音楽はそうして作った。
(この時フェーダー機能がもっと優秀ならもっと綺麗に録音出来たのだが。)
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