「RM−A1500」(2004/01/26−02/02号)
{商品紹介}

        学習リモコン
        ビクター
        RM−A1500
        定価    8000円(税別)
1台目  買値    6980円(税別)
2台目  買値    6350円(税込み、送料なし)

うちのホームシアターも一応完成した。
全体の機器構成は省略するが、リモコンを持っている機器が多い。
というよりも、ほとんどが持っている。
        AVアンプ、メインアンプ、CD、CD−R、DVD、DVD−RAM(XS30)
        プロジェクター、扇風機、蛍光灯、テレビ、エアコン
とまあ、こんなにもある(これで家中のリモコン全てではない)。

これだけ多くのリモコンをいつも手元に置いておく訳にはいかないので、
リモコン置き場からそのとき使うリモコンいくつかを持っては椅子に座り、
映画鑑賞など始めるわけである。

この時最低でもAVアンプとDVDかDVD−RAM、蛍光灯の3リモコンは
手元にある状態である(前3つのリモコンはTVのリモコンも兼ねているので
TVリモコンは通常不要)。

以前は蛍光灯はリモコンなしだったが、うちは壁スイッチがないのでひもで引くしかなく、
このひもがプロジェクターの投影時にじゃまになっていたので、リモコン付き
蛍光灯にした。
このリモコンが来たことで手元には3つのリモコンが置かれることとなり、
2つまでなら何とか置けたのが置けなくなってきた。
そこで、これらをまとめる「学習リモコン」が必要になってきた。

「学習リモコン」とは、各種リモコンの内容を学習出来るリモコンである。
いくつかのメーカーの内容をプリセットしてある万能リモコンは
いろいろと売れているが、学習出来るリモコンとなると種類は減る。
高価な物はあるが、うちでの使い方からすればそれほど高額は出せない。

アメリカではこの手の学習リモコンはたくさんあるらしいが、
日本ではせいぜいテレビとビデオの操作を一体にした万能リモコンが
売れているくらいで、学習リモコンの種類は少ない。

インターネットで調べてみると、SONYのRM−VL700Uという物が
良さそうであった。定価5500円(税別)、実売4000〜5000円
というところである。
5装置対応ということで、うちではちょいと足りないが、まあ良く使う物だけでも
まとめられればよい。
(意外と、高いから良いということでもなさそうである。)

ということで、これの価格をいろいろ探っている最中にこのA1500が引っかかった。
両方使っている人のレポートがあったのだ。
2003年3月に発売されたばかりの新機種だそうだ。

VL700UかA1500の最終決定は店に行ってからと思い、
在庫を確認して店に行ったら、あると言っていたVL700Uは店頭になく、
このA1500だけがあった。ほんとうはVLも見たかったが、
A1500もなかなかよさげであったのでこれにした。

        ・・・

A1500は6装置対応で液晶表示付き。

デフォルトの装置設定はテレビ、BS/CS、CATV、ビデオ、DVD、(AV)アンプ。
プリセットもあるがほとんど国産大手のみなので、うちの装置群では
SONYのTVとDVDにしか使えなかった(マランツやフナイ等はない)。

そのためほとんどが個別の学習を使うこととなった。
このリモコンは、液晶もあるおかげで学習操作は至極簡単であるが、
うちのようにリモコンが多いと、どこにどのキーを割り当てるかを決め、
その名前を入力することも含めると結構時間がかかった。
全部で4時間以上か(第1段階として。あとの微調整は別途)。

「6装置対応」とあるが、これは実は正しくない。
学習可能なキーが37個あり、これに6重に定義出来ると考えた方がよい。
キーの種類は大きく分けて、
        電源            1
        切り換え        2      汎用キー
        数字            12    いわゆるチャンネルダイレクト切り替え
        音量            3      音量上下と消音
        チャンネル上下  2
        操作            8      再生、停止など
        カーソル        5      DVDの上下左右カーソルと真ん中の決定
        メニュー        4      その周りにある4つのキー。
で、それぞれに6つ定義出来、そのどれを使うかを機器切り替えキーで
決めるのである。機器切り替えキーは独立で一発。

と言うことは、1つの機器定義の中に複数の機器を入れても良いと言うことである。
実際うちでは、
        テレビ、DVD、CD−R、CD、AVアンプ、その他
として、その他に蛍光灯、扇風機、プロジェクターの3つを入れ込んでいる。
これにより、事実上6機種以上のリモコンを入れ込める。
世にある学習リモコンの中には、本当にテレビならテレビと機種を完全に
限定してしまうものもあるので、こういう完全自由形は高く評価できる。

37のキーがあれば、多機能な装置でもほとんど全てのキーを割り付け出来る。
実際に使う機能だけに限定して割り付けた結果(使うかも知れないものは入れ、
絶対に使わない機能は入れない。たとえばAVアンプのチューナー機能はうちでは
絶対に使わないので、そのためのキーは入れない)、
全てのリモコンの全ての機能を入れることが出来た。
これで(ほぼ)完全に元のリモコンは使わなくて済むようになった。

学習する上では、その装置で空いているキーには別の機器の操作を入れ込むと
操作性が俄然向上する。
たとえば、DVDやCDの設定では音量キーが空くので、ここにAVアンプの音量キーを
入れると、いちいち機器切り替えをせずに音量くらいは変更出来ることになる。
元のリモコンにあるキーでも滅多に使わないものは入れずにこういう割付をすると
良い場合もあるだろう。
使う中で入れ替えていくことで使い勝手を向上出来るわけである。
ある意味、人間をも学習させるリモコンであるといえる。

液晶は付いているが機器名/ボタン名表示しかできないので
Gコード予約などには使えない。ゆえに、ビデオ系にはあまり使えないのではと思う。
(うちでもこの理由でXS30は入れなかった。)
また、AVアンプなどで1キーに複数定義されているものの場合
(選択機種別とか)はその定義別に学習する必要がある。
リモコンによっては、2回押しで始めて送信するような物もあるが、
これは2回押しそのものを学習させることで行ける。
うちにはなかったが、双方向リモコンもだめ。
エアコンも学習出来るらしいが、結構面倒そうである(入れない方がましだと思う)。

学習させる際のこつは、一応取説にも書いてあるのだが重要なのでここでも書いておくと、

(1)リモコンは密接させず3〜5センチほど間を開けて置く
密着させるとかえってうまくいかなくなる。特に出力の高い(遠くまで届く)リモコン
ではその傾向が強いようである。

(2)リモコンのキーの中で連続送出によるリピート機能がある物は、
リピートが効き始めるまで押し続けて学習させる。
たとえば、アンプやテレビの音量、CDの早送りのキーなどは
連続押しすることでリピート入力される。
このようなキーでは、キーを1回押しただけではリピートまで学習されないので
毎回押さなければならないことになってしまう。
そこで、数秒押してリピートまで学習させるわけである。
取説には「ガクシュウシュウリョウ」が出るまで押し続けろと書いてあるが、
その理由はこれ。リピートのないキーはちょんと押すだけでも大方大丈夫である。

学習も一発ではうまくいかないこともあるので、あとの確認が必要である。

その機器で不要なキーはどうするか。
残念ながらキーを無効化する機能がない。
機器によっては一部のキーが使われないことがあるが、その内容を消すことが出来ない
ので、何かが送出されてしまう。多くの場合それは無効になろうが、
やはり気持ちよくない。今は絶対に使われないリモコンのキーを入れているが、
すっぱり消せた方がよい。これは要改善点。

結局、うちではこれで
        A1500、XS30、エアコン
の3リモコンだけになった(メインアンプは元からリモコンを使ってない)。
非常にすっきり。

実は今までもAVアンプとかDVDのリモコンは簡易の万能リモコンであったが、
プリセットが多くない上に学習出来ない簡易型だったので操作出来ない機器も多く、
大きい割に使えない状態だったが、それが1つまとめられたのが一番大きい。
各メーカーとも、使えない似非万能リモコン付けるより、
シンプルな小型リモコンを付けるか、ちゃんとした学習リモコンを付けて欲しい。

さて、これでリモコンが減ったのは良かったのだが、大きな問題があった。
それは人間側の記憶容量の問題である。
どこにどのキーを割り当てたかが解らない!

出来るだけ直感でわかるように割り当てたつもりであるが、
それでもキーが多いだけに忘れてしまうのだ。
残念ながら機器選択以外のキートップの上にシールを貼るスペース無いので、
別の紙に書いておく必要がある。
これがないと操作出来ないのが難点である(^_^;)。
私は、三四郎(JustSystemの表計算ソフト)で表を作った。
要望があれば別途公開することもあろう。

装置名は液晶に表示は出せるがやはりキートップの表示も変更したい。
とりあえずシールを切って作ったが、専用があると良かった。

このリモコン、単にキーへの学習だけでなく、一定手順の操作を
覚え込ませることも出来る。システムというキーがあって、
機器選択キーと同時押しすることで6種類の連続動作を
定義出来るのだ。たとえばこんな感じ。

        プロジェクター ON
        DVD ON
        DVD STOP2回(リジューム解除)
        AVアンプ ON
        AVアンプ 入力=DVD
        蛍光灯 OFF
        蛍光灯 OFF
        DVD PLAY

このように、学習したキーのどれをどの順番でどういう間隔で送るかを決められるのだ。
ただ、私にはそれほど多くの使い方は思い浮かばなかったが、
必要な人には便利なのであろう。
ちなみに、この定義を書き込むためのページは取説に付いている。
(やはりキー定義ページがないのは片手落ちだと思うぞ。)

        ・・・

その他の特徴などをいくつか。

キータッチはよい。デザインもまあまあ。
取説はわかりやすい。

重さは電池込みで180gで、実際に持った感じはちょっと重いかなと言うところ。
ただ、リモコンはいつも持っているものではないので問題ではない。
操作は片手で十分可能。
(どうも世の中片手操作にこだわっている人も多いようだが、
私にはそのあたりが解らない。確かにアンプの音量上下とかDVDの一時停止をするのに
両手を使うのは面倒だけど、それ以外の操作は左手に持って右手でボタン押すで
良いのでは?と思うしそうすることも多いのだが。)

機器名は液晶に英数字カタカナ、一部記号で入力出来るが、
これはMD方式というか携帯電話方式で入力しやすい。
(やはりXS30の表から選択方式はだめだ。何とかして欲しい。)

液晶はバックライトがない。キーも蓄光式(蛍光で光るもの)ではない。
どうもビクターというかこのリモコンの想定している「シアター」は
テレビによる、明るい部屋での鑑賞と言うことのようで、
プロジェクターによる暗い部屋での鑑賞ではないようだ。
それは、デフォルトの機器設定やプロジェクターのプリ設定が1つもないことからも
解る。最近はプロジェクターも多いので、ここは1つ考えて欲しい。
(それともプロジェクターを買うような奴はもっと高いリモコンを買えと言うことか?
逆だよ、プロジェクターにお金を使ってしまったから、他はケチりたいのだ。)

キーの大きさと配置は少し問題がある。
カーソルキーが一番下にあるので少々操作しにくい。
シアター用であれば、チャンネル選択用の数字キーよりもカーソルキーの方が
操作回数は多いはずだ。数字キーを小さくしてでもカーソルを上に
持ってきて欲しかった。
リモコンの裏側の指受けのおかげで、見た目ほど操作しにくいことはないのだが、
それでもカーソルの位置は一考の余地ありだ。
液晶や操作キーこそないが、同社のRM−A702という物が良い線行っているので
これをモデルに改良して頂きたいところだ。
リモコンは、幅はあると持ちにくいが長さは少々あっても大丈夫だ。
(手元側=下側に電池を入れ、少し大きくして重心をそこに持ってくるように
しておけば先が長くても持った時に不安定にはならないのだ。)

もっと多くの機器を学習出来る学習リモコンもあるが、
全て1万円を超え、2〜3万円台が多い(10万円以上の物まである)。
リモコンにそこまで出せないが、やはりまとめたいという人には
良い1台であるといえる。

        おすすめ度      90%

リモコンが多くて困っている人には、一押ししておこう。

惜しむらくは、キーが自照式でないこと。
ホームシアターではこれはかなり致命的。
他が良いだけに非常に残念。
(キーの配置をブラインドで覚えるには少々数が多すぎ。)

・・・2004/06/09追記
現在は、キーの上に蛍光シールを貼ってその上に名称を記入している。
蛍光シールは結構すぐに光りがなくなるので完全な問題解決にはならないが、
ないよりかはまし。と同時に、手元に小型懐中電灯も置いてたりする。
懐中電灯でなくても小さなLED灯でも良いのではないかと思う。

本当にこれだけ解決すれば実用上の問題はなくなる。
あとキー無効化、キー配置とキートップシールと
設定表ページがあれば直良い(最低6機種分+予備がいるぞ)。

VTRを引退させてからビクターの製品は家にはなかったが、久々に買った製品は
なかなか良かった。そういえばビデオも取説は良かったよなぁ。
たまに大はずれがあるけど基本的には良い物を作る技術志向の会社だけに、
あとこれで見せ方さえ覚えれば、と思うことしきりである。

http://www.jvc-victor.co.jp/press/2003/rm-a1500.html

        ・・・2004/06/14追記・・・

家にあるもう別のTVとビデオを連動したいためにもう1台購入した。
発売からだいぶ経っているが、値段があまり下がっていない
ところを見ると人気があるのかもしれない(以前買った店では
値が上がっていたので別の店で購入)。インターネットで調べてみても
使っている人をちょくちょく見かけ、評価はよい。

今回は1台目では使わなかったシステム登録=一連の動作を覚え込ませるを
一番重視した。うちのTVはチューナーが悪いのでビデオのチューナーを使って
表示させる必要があるからである。
さらに、TVはフナイ製であるが、世にある万能リモコンの多くが
なぜかフナイを無視しているし、あったとしてもうちのTVでは使えなかったりで、
結局学習が必要となった。
この2つをカバーできる機種として探すと、値段からしてA1500以外に
選択肢はなかった。今回はTVとビデオだけで良かったので安い万能リモコンで
何とかいければと思っていたのだが。

連動機能はTVリモコンの学習さえすればうまくいった。
(VTRはシャープ製で、さすがにこちらはプリセットがあった。)
コマンド送信間隔を最短の1秒にしたが、0.5秒などもあった方がよいと思った。
1つの機器に対してあまり速い間隔でコマンドを送ると
受け付けない可能性もあるが、異なる機器に対してなら問題ないはずだから。

TVとVTRの設定だけではもったいないので、今まで学習させてなかった
RD-XS30とX4も記録させてみた。XS30/X4のリモコンはどうやら出力が高いらしく、
密着して学習させたらだめだったので、離して再度学習させた。

キー数が多いのでさすがに全キーを学習させることは出来なかったが、
主なキーだけでも割り付ければ操作は楽になる。
特にRDシリーズのリモコンのキーは位置はちょっと特殊なので、
A1500では一般的になるのでわかりやすくなる。

ただし、Gコードでの予約などには液晶画面が必要なので割り付けても無駄となる。
というころで、それを使う限りRDリモコンは引退させられないのだが。
<戻る>