「IMPACT DISC MAKER」(本誌未公開新ネタ)
{商品紹介}

        「IMPACT DISC MAKER」

        カリテ・プリ
        定価    ¥45000(税別)
        買値    ¥28000(位だったと思う。送料、税込別)

CDやDVDのディスクに紫外線を照射して音を良くすると言う装置。
気の迷いで購入。

ある特定周波数の紫外線をあてることで、
「CDやDVDの板の素材の分子構造を整列し
光の透過率を上げて音質&画質改善する」らしい。
理屈通り働けばすばらしい。

ところが。

CDやDVDの素材であるポリカーボネイトは極めて安定度が高く、
湿気や光線で変質することはないと言われる。
それから考えれば、多少違う周波数の光であろうが強い光であろうが、
効果はないのではなかろうか。

        ・・・技術的補足・・・

ポリカーボネイトは、耐衝撃・耐熱・耐候性に優れ、透明性が高く、燃えにくく、電気特性も良い。
塩素基を持たないので燃やしてもダイオキシンを発生しない。
但し、ベンゼンには弱いので汚れ落しには注意。
アセトン、トルエン、シンナーでは絶対に拭いたら駄目。
中性洗剤や水で。イソプロピルアルコールも可。
レーザーディスクの板は一見同じようでアクリル材なので湿気に弱い。

熱を加えると原料であるビスフェノールAというのが溶けだし、
これがいわゆる環境ホルモンとして作用する、と言う意見もある。
「通販生活」と言う通販雑誌では、ポリカーボネイト製の食品関係機材は扱わない、
と書いている。
詳しくはhttp://www.polycarbo.gr.jp/study/qa.html参照のこと。

        ・・・

それどころか、ポリカーボネイトは紫外線を受けると化学変化を起こしてしまい
茶褐色に変色してしまう(黄変劣化という)。
ということは、逆にこんなもんにはかけない方が良さそうである。
(一端変化すると、この変化した層が広い周波数帯で光を吸収するので、
それ以上の変化はなくなるらしいが。
http://www.agc.co.jp/polycarbonate/tech2.html
逆に言うと紫外線吸収効果を持たせられるわけで、実際に使われている。)

実際に、これにかけても音質の変化はそれほど感じられない。
あえて言うなら音がなまくらになる感じ。
これをアナログ的と言えなくもないが、私にとってはいい方向変化ではない。

        お勧め度        10%

買う必要なし。なまくら音が好きな人だけどうぞ。
こんなもん買う位なら、以前紹介したAcousticReviveのRD−1
(現在はRD−2になっている)の方がまだ効果が感じられる。

これを作っている(売っている?)会社が実家の直ぐ近くだったので
買った、というのもなくはない。

それにしても、この手のオーディオアクセサリの歌い文句には
たいてい「激変」と書いてあるが、その通りに変わったと感じた物はほとんど無い。
変化を感じるには元々の装置のグレードがある程度高くないと
だめというのもあるだろうが、
装置の大きさや通常聞く音量の違いもあるんだし、
普通の人の耳ではわからないというのもあるだろうし、
もう少し客観的な変化を表現すべきである。
どういう装置で度の位の音量で何を聞いたら変化が感じられたのか。
「これを入れたら激変しているはずだという思い込み」が
多いような気がしてならない。

いずれにしても、この手の物は音の変化の最後の数%を担う程度もの・担うべきであって、
本質的変化はやはり装置の設定によると思うので、
金を出してまで余りあれこれ試さない方が良いと言える。
これは、この手の物にだいぶお金を注ぎ込んで片っ端から失敗している人間からの忠告である。
<戻る>