「HR−DK1」(2005/06/13〜06/20号)
{商品紹介}

        「S−VHS&DVDデッキ HR−DK1」

        Victor
        定価    オープン
        買値    21000円(税込み、送料・手数料別);逸品館

最近のうちでのTV録画は2台のDVD&HDDレコーダー;
東芝のRD−XS30とX4EXによって行われているのであるが、
ごく少数だがVHSのテープが残っており、これをどうするかが懸案であった。
X4購入時点ではまだVTR(Victor HR-VX1)が少々おかしいながらも動いていたのだが、
買った直後に完全に壊れてしまった。
(VX1はテープを巻き戻し終わると自動的に電源を切るという「極悪」仕様であったが、
今回の故障はどうもこの「巻き戻した」信号が常に出てしまうようで、
電源を入れてもすぐにまた切れてしまう。)

XS30購入時点でうちにあったVHSテープは全てDVD化したが、
その後もらったテープがあるのだ(保育園関係)。未だ世間ではVHSが主流なのだと
妙に感じ入ったのであるが、うちにはもうVTRは無いので見ることが出来ない。

このVX1やもう1つ壊れながらも捨てられないSHARPのVC-BS50を修理するにもけっこうかかりそうだし、
(BS50はバブル期の重量級デッキで直せば結構な性能はあるので、直すこと自体は無駄ではないと思う。
ここ↓にカタログがある。うちにもこのカタログ現物があるんだけどね。
http://www.vhs-std.com/jpn/museum/Products/Sharp/cPage/1990VC-BS50/index.htm)、
いまさらVTRを買うのもばからしいので、会社にあるVTRを借りて帰ろうか
とも思っていたのだが、私は電車通いなのでそんな重量物は持って帰りにくい
ので伸ばし伸ばしになっていた。

万が一買うとして、録画することはもう無いだろうから再生専用でも良いが、
いくらなんでも安物を、一目で後悔するような物は買いたくない。
今はもうVTRは大手メーカーでも国内では生産しておらず
価格的にも昔に比べれば安い物しかないが、
今VTRであまり質の悪くないと思われる物を買おうとすると、
ノーマルのVHSで12000円、S−VHSで25000円というところらしい。
今DVD化できずに残っているのはVHSのみだが、過去の資産として
S−VHSのテープが若干数ある。

等と数ヶ月悩んでいたのだが、ふと気の迷いで買ってしまった。
とあるお店から「激安」というメイルが来て、ふらふらと。
いや本当に、なんで急に買う気になったのかわからないくらいに
あっさりと。
しかもS−VHSとDVDとの一体型。
値段は21000円(税込み。ただし送料・代引き手数料で1100円かかっている)。

        ・・・

このHR−DK1は同社のHR−DS1の派生機種で(2002年12月発売)、
一般には出回っていなかったようだ(だからビクターのホームページにも紹介がない)が、
DS1の平均売価を調べると40000〜安くても24000円なので、
そういう意味では、この価格でこの機種を買えたこと自体は「高い」とは言えない。

また、S−VHSのデッキで考えても安いと言えるが、普通VHSなら上記の通りだから、
冷静になって後から考えれば、私に必要な物としては過剰性能であり、その分高い。
それと、そもそも「激安」になったのは、このモデルが旧モデルの売れ残りだからで、
DVD部分も今はやりのプログレッシブタイプではない。
(まあ、うちにはプログレッシブタイプのDVDプレイヤーがすでに2台もあるので
無用なのではあるが。あっいや、そんなことを言えば、
DVDプレイヤー自体も稼働4台+PS2もあるので余計に無駄なのだが。)

そう思うと、なんで買ってしまったんかいなぁ・・・と、逆に悩んでしまう今日この頃である。
早々に残りテープをDVD化して、誰かに売りつけようかな?

まあそれは冗談として、買ったからには使わにゃ損損である。
当然残りVHSのDVD化を行い、あとはDVDからVHSへのコピー・・・
なんかする必要がないので、XS30とX4でも撮り逃してしまう番組の
フォローに回らせるかである。

では、久々に買ってしまったこれの性能はどうか。
まずはVTR部分の性能。

*画質・音質
前使ってた同じVictorのVX1は再生中にちらちらノイズ(メダカノイズと呼ばれていた)
が出る構造的欠陥品であったが、さすがにこれはそんなことはない。
しかし、それがない部分での画質はやはりもろに価格差が出るのか、
VX1の方が上。
特に、VX1では出なかった画面の横方向に淡い色の帯が出る事がある。
このデッキだけ見れば「そんなものかな」と思うかも知れないが、
VX1と比べるとわかる(それを使ってダビングして作ったDVDと元のテープをDK1で
再生した画像での比較である。)。
そのほか、全体的にVX1の方が発色がよい。
今の廉価VHSにある程度以上の画質を求めるのは無理なのかも知れない。
故障したとはいえVX1もとってあるから、将来もし画質が必要になったら修理する
・・・ことはまずないだろうが。
(いっそのこと、VX1にメカ部分を移植するというのはどうだろうか。
逆は電源容量から考えると無理と思うが。)

VHSでの画質は求めるべくもないが、S−VHSではどうか。
(VHSの3倍は、見るに堪えない映像になる。ノイズも多いし発色も悪い。)
DK1にはテープレベルアップといって、テープの特性を検知して
最適な録画条件を設定する機能があるが、そのおかげか標準速度ではかなりの画質になる。
はっきり言えば、DVDレコーダーの4.0Mbpsよりは上。
テープの問題は、この画質が長持ちしないことだけど。
3倍ではそれなりに落ちるけど、VHSより上。
ゆえに、S−VHSで3倍で録画するのが一番経済的か。

ただ、自己録再では問題ないのだが、うちに残っていたテープの内、
VX1で録画したものに関しては、トラッキングがうまく合わずに
ぶれまくって見るに耐えない。それ以前のVTRで録画した物や市販の物は
大丈夫なのだが、どうもテープ機器にはこのような互換性の上での
問題が出ることがある(カセットテープでもそうだった)。
でも、同じビクターの機種なのになぁ。

つなぎ撮りは、フライングイレースヘッドがないので
つなぎ部分に若干の乱れが出るが、昔の機種に比べれば十分綺麗。

早送り・戻し再生では、やはり画面にノイズが出る。
VX1ではタイムスキャン機能によって全くノイズが出なかっただけに
違和感はあるが、これが本来普通なのだろう。DVDを見慣れた目にはあれだが。
このノイズも、自己録再だと少なく他機種だと多い。

この機種にはHiFiのVHSテープにS−VHSに近い画質で録画する
S−VHS−ETという機能もあるが、S−VHSが使えるのに
わざわざそんなことする気はないので試していない。
もうテープを新規に買うことはないが、買うとしてもVHSは買わない。

チューナーそのものの画質もそこそこ。
VX1の方が色がくっきりしている気がする。
DK1はだいぶ明るめかつあっさり目。
悪いものではなく、好みの問題。
チューナーは地上波のみでBSはなし。
その代わりと言ってはなんだが、外付けBSデジタルチューナーとの連動機能があったりする。
まあ、私にはどちらも必要ない。

映像出力にはD1端子もあるが、Sに比べて格段に良い感じはしなかった。
(SONYのKV−21DA75という比較的安いTVで見たとき。)
この程度のTVにつなぐなら、奮発してD1でつなぐ必要はないと思う。
ちなみに、標準ではVTR部もDVD部もSおよびコンポジット端子からの出力の
設定になっているので、D1から出力するときは設定を変更する必要がある。
変更すると、SからはVTRのみ、D1からはDVDのみという出力になる
(コンポジットは常に出力)。ゆえに、TV側にも両端子が必要でかつ
どちらを見るかによって入力切り替えが必要になる。
(D1に切り替えてもわずかにSから映像が出ているので、一見故障?と思ってしまうが、
実は、D1出力時にはSからは出ないのが仕様である。)

音質は、これもVX1にくらべちょっと軽め。
全体的に価格なりというかよく頑張っているといえるのか。

*設定など
録画はGコードでの予約が可能であるが、いかんせんリモコンに液晶がないので
TV画面上での確認が必要となる。これは結構面倒。
番組予約のためにいちいちTVを付けるというのはねぇ。
歴代使ってきたVTRで、少なくとも最近3代(日立、シャープ、ビクターVX1)は、
ついでにいえばXS30/X4もリモコンに液晶があった/あるので、
こんなこと不要だった/であるのだが。

そのほかの機能も全て画面上のメニューで行う。
チャンネルの設定などは取説を読まないとわかりにくい。
用語が悪いような気がする。

*その他
動作音はかなり静か。
これに比べるとやはりDVDレコーダーはうるさいかな。
もっとも高速巻き戻し中はうるさいけど。

早送り・巻き戻しと言えば、停止ボタンを押してから実際に停止するまでに
数秒時間がある。この間にだいぶ進んでしまう。
急に止めるとテープに負荷が掛かるからだろうが、
思いの位置に停めるには慣れが必要だ。

発熱は結構ある。これも特にこの機種だからと言うことはない。
VTRはこんなもの。でもあまりテープには良くないと思う。
だから、見終わったら、基本的にテープは早く取り出すべし。

リモコン。ボタンがかなり多いので覚えるのは面倒かも。
それと一番よくわからないのがVHSとDVDの切換。
この2つの切換がうまくいかないことがあった。

TVについては他会社のものも操作できる。
実際にはVTR操作についても変更できるようである。
が、変更しても意味はない。
他のメーカーのVTRを使っている人がわざわざこのリモコンを使うとは思えないから。
TVのメーカー設定をしたつもりが切換スイッチがVTRになっていて、
その後VTRの操作ができなくなったことで気が付いたが、
こんな中途半端というか無用な変更機能は外しておかないと、
「VTRの操作ができなくなった!」というクレームが来るのではないかと思う。

ボタンは蓄光型。
この点は評価すべき。

        ・・・

DVD部分はどうか。
DVDと書いてはいるが、このプレイヤーは当然のごとくCDも聞ける。
MP3もOKである。
この辺りは普及機としては当たり前。
DVD−RWやRAMには対応してないのが残念だが、DVD−Rは問題ない。

*画質・音質
細かい画質変更は出来ないが、2段階の設定がある。
X4に比べ全体的に暗い目で、かつちょっと甘い。
なお、今はやりのプログレッシブタイプではない。
画面と言えば、停止を押したときに画面がフェードアウトしてから
Victorマークの画面が出るのだが、それが結構おもしろい。

音質は音がだいぶ軽くなるか。
DolbyDigital音声には2CH変換してアナログ出力に
対応しているが、dtsでは対応していない。
必要ならデジタルでAVアンプなどにつなぐ必要がある。
(でも箱にはdtsのマークがある。デジタルで出力できればいいの?)
ひょっとするとX4等でも同じかも知れないが。

このDVD部の最大の問題は、リジューム機能が効かないこと。
リジュームとは、DVD視聴をいったん中止し、再開したときに前の位置を覚えている機能である。
停止を押した後に再生を押したらちゃんと続きから再生は当然として、
どんな機器でも、最低今入っている1枚については電源を切っても再生位置を覚えている、
と思っていた。RD-XS30やX4でもそうだし、DVP-NS715Pに至っては
ディスクを入れ替えても過去数枚分は覚えてくれている。
ところがこのDK1は停止でも忘れてしまうし、もちろん電源切ったらだめ。
これは非常に使いづらい。一旦停止の代わりに停止を使うことは、
メカへの負担を考えれば良くあることだし、1枚のDVDを何日に分けてみることもあるのだ。
このリジュームがないだけでも、DK1は「買うに値しない」と言い切ってしまっても良い。

早送り・巻き戻しを押しても今が一体どれくらいの速度なのかを示す表示が出ない。
画面の進みは早くなるが、どうも速度は1段階または2段階くらいしかなく、
途中を飛ばすときなどにはあまり使えない。
また、この状態から再生に戻るときに一瞬画面が止まる。

DVD視聴中にVTR側に切り替えたらどうなるか。
答えは「DVDは動いたまま」である。
従って、DVDの映像をD1、VTRをSにしておくと同時出力が出来る。
もっとも、そんな使い方をしても意味はない。
両方を交互に見たい人にとっては、この仕様は使いづらいだろう。
なお、両者の切換はリモコン上のボタンで出来るが、
本体の表示管は最後に押したモードで表示しており、
リモコンのキーもその時のモードで動く。
従って、DVDとVTRが同時に動いていても、それぞれの動作を変更するには
いちいちそれぞれのモードにしてから操作する必要がある。
そういう意味でも、あまり意味はない仕様である。

*機能
DVDからVHSへのダビングも可能。
当然の事ながら市販のDVDでマクロビジョン(コピープロテクト)が掛った物はだめ。
これもボタン一発ではないので、取説を読まないとわからない。

このダビングの一番の問題は、途中でVTR側と一旦停止すると
それが解除できないことである。一時停止キーを再度押しても、再生キーをもう一度押しても
再開されない(リモコンでも本体のキーを押してもだめ)。
結局、丸ごとコピーしか想定してないようである。
DVDを持ってるのにVHSにコピーすること自体、ほとんど無いとは思うので、
事実上無駄な機能であり、だからこそ一時停止すら出来ないのかも知れない。


そういえば実はこの機械、カラオケ機能などというものが入っている。
マイク端子2つと、CDから人の声を消す機能とか、カラオケによくある
キーの調整機能やエコー機能とかがある。
実は私はあまり回数は行かないが、カラオケではマイクを離さない方なので、
結構使えるのかも知れない。
もっともご近所迷惑もあるので、家ではやりにくいが。
そうだ、マイクは2本持ってるから(生録用だけど)
新潟に持って行ってやるか!?(→やりまへん。)

        お勧め度        50%

まあ、S−VHSのデッキが欲しくて、DVDプレイヤーも欲しい人には
安めなのでお勧めできなくもない。
でも、本来の私のようにVHSをDVD化するという目的のためだけとすると、
ちょっと高い気もする。
DVDプレイヤーとしても早送り系がちょっとあれだとか、リジュームが使えないなど、大きな問題がある。
正直に言えば、「損した」と思っている。
画質が今1つだし、VX1で録画したテープが再生できないとなるとなおさら。

BSチューナー内蔵のS−VHSデッキだって2万円以下で買える(三菱のHV-BS500など)し、
SでないVHSとDVDプレイヤーももっと安く買える。
しかもプログレッシブタイプでも。
もちろんDVDプレイヤーだけなら、この値段を出せばもっと良い物が買える。
結局、VTRとしてもDVDプレイヤーとしても合格点はあげられないと言うことである。
(合わせ技でもだめ。)

となると、後はカラオケ機能に価値を見いだすかどうかだろうか。
私には見いだせない。というか、都会の普通の家ではなかなかできんぞ、カラオケは!

・・・等と書いていたが、近所の児童図書館でビデオ等の無料レンタルがあることを
発見。DVDもあるのだが、まだ圧倒的にビデオテープの方が多いので、
そこに価値を見いだそうと画策中。児童向けとはいえ、おじゃる丸とか、
ウルトラセブン・帰ってきたウルトラマンのCD等もあって、
結構お父さんも楽しめる内容である。ふふふのふ。

追記:
この機種、子供が勝手に操作しないように「キーロック」機能がある。
設定は電源キーの長押しなのだが、どうもこれが微妙らしく、
勝手に掛かってしまうことがある。こうなると、解除方法を知らないと
コンセントから抜くしかない。
どうにもキーが効かなくなることがあるので「故障か?」と思って
調べてみたらこの機能があったのだ。
(私は、基本的にビクターの製品には信頼感がない。)
電源キーじゃなくて、もっと別のキーにしとけよ。

この件、リジューム、ダビング時の件等、
ちょっとしたところが抜けているのがビクターなんだよな。
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