「DV3100」(2002/04/30号)
{商品紹介}

    「DVD−Videoプレイヤー
        MARANZ DV3100」
    
    日本マランツ株式会社
    日本製

    定価    ¥不明(俗に言うオープンプライス)
    買値    ¥21570(税+送料込み)

DVDプレイヤーである。とうとう買ってしまった。
レーザーディスクがあるからまだいらないと思っていたが、
安かったのでつふらふらと買ってしまったのである。
例の体調の悪い時だったので、歯止めが効かなかったのかも知れない。

それはそうと、質はどうかである。
安かろう悪かろうでは困る。

まず音質である。
DVDプレイヤーはCDも聞くことが出来る。
余裕がない人はこれ1台でCDプレイヤーも兼ねられるわけだ。
その音であるが、確かCD専用機に比べれば音が甘い。
全体的に生温い感じがする。
DVDとしての音も、少々はっきりしないところがあるが、
決して聞くに耐えないほどではない。

画質である。
思ったよりかは良いが、VTRのS−VHSで最高画質=プロ用で
録られたものとほぼ同等か(家庭で録画したS-VHSでは比較にならない。)。
べた塗り的な部分にちらつきが見られたり
輝度的に不安定(画面ごとに明るさがかなり変化することがある)なのは
普及機の証拠かも(ソフト側の問題という可能性もあるが)。
でも、同じ価格帯のVTRに比べればはるかにまし。

ただ問題もあって、ソフトによっては画質の悪さが目立つ部分がある。
特に輪郭線で「ブロックノイズ」と呼ばれる画像の乱れが出ることがある。
これはDVDで使われている画像圧縮方式の特徴的欠陥であるが、
これが目立つソフトがある。
これが出るかどうかはDVDに画像を圧縮して入れるための処理を
適切にしているかどうかで決まるので、プレイヤー側の問題ではない。

さらに言えばLD(定価9万)より上。
特に暗い部分におけるノイズがLDに比べ非常に少ないと言える。
DVDの記録方式(MPEG2)固有の問題によるノイズがあるけど、
LDの信号に起因する物に比べればはるかにまし。
アナログ(LD)は金をかけただけ良くなり、
DVD(デジタル)は低価格でもある程度の画質は保証されると言うが、
まさにそれを実感した。

現在までにアニメ、実写ともにある程度の本数を見たが、
かなり良い画質であるといえる。普通に見るに不満はあまりない。

その他をざっと書く。
操作性は悪くない。動作はディスク交換時の最初以外はかなり速くかつ
動作音は小さい。夜中に静かに見ていても全く音が気にならない。
DVDでは1枚のディスクで2層に記録されているものがあり、
通常その切り替え時に映像が長く止まるらしいが、
この機械ではほとんど気が付かない。かなり速いとみた。

音声出力は2系統+同軸デジタルと、価格のわりに充実している。
欲を言えば、光デジタル出力があるとうちの環境ではよかったのだが。

音声と言えば、DVDには6つのスピーカーを使ってサラウンドを
実現するデータが入っているが、この機械では2つのスピーカーで
それを仮想的に実現する機能が付いている。
が、これはだめ。
音が散漫になるだけでサラウンドには聞こえない。
やはり専用のアンプとスピーカーを設置した方が良い。
(雲泥の差がある。)

LDも音はデジタルなので、音に関しては同等もしくはLDの方が上
(ここは値段の差)に感じた。

画像出力は、ビデオ、S端子、コンポーネントと言う3種類あるが、
このうちコンポーネントとSは同時出力出来ないのでメニューで切り替える
必要がある(購入した時はSになっている)。
ところがどっこい、この切り替えをするには画面を見る必要があり、
結局、コンポーネントで見たければ、一度ビデオまたはSでつなぐ必要がある。
私はとある必殺技で設定したんだけど、これではまる人もいると思うぞ。

物はかなり薄型で軽い。
軽すぎてしっかりしないので設置する時には上に何か重しを乗せた方が良いと
思われる。うちでは砂袋を置いている。

なんにしても、仕事でDVD−RAMをしこたま使っているくせに
(多分、日本いや世界でも指折りの扱い量だと思う)、
今まで個人的にはDVD−RAMもVideoにも縁がなかった。
不思議であったが、ようやくここに至ったという感じである。

まだ当面買うことはないと思っていたが、
ここ最近急激にプレイヤーの値段が下がると同時にソフトの値段も下がり、
種類も充実してきた。
新作ではまだLDでも同時発売も多いが、古い作品の焼き直しでは
ほぼ間違い無くDVDのみである。

それ以前に、LDを扱う店が急激に減ってしまったと言うのもある。
日本橋やら梅田やら、店舗面積が広いところでないと扱ってない。
店頭になくても注文で扱ってくれれば良いが、それすらしない店もある。
そう、残念ながら世の中の趨勢から見ればLDは下火なのである。
私はそんなに買うわけではないが、買いたい時に選択枝が増えることは
良いことである。

    お勧め度    80%

安いので、最初の機種としては良いと思う。
残念ながらもう現行品ではないが、どこぞで在庫品として出ていれば
買っても良いだろう。

さて、実はこの機種に決めた理由は「安さ」と聞き伝えでの
画質などの評価の高さだけではない。もう1つ大きな理由がある。

DVDにはリージョンコードというものが付いている。
簡単に言えば、異なる国で発売されたソフトは再生出来なくする仕組みだ。
これがあるので、アメリカで売っているDVDは日本の機械では見られない。
何故か?

これはハリウッドの意向だと言われるが、
アメリカでは先に映画が公開され先にDVD化される。
それが日本公開前に日本に入ってしまうと日本での興業収入が減るからである。
だから、異なる地域で発売されたソフトは見られないよう、
全世界を6つに分けてあるのである。
(日本は2。)

普通はこのリージョンコードは固定であり変更出来ない。
ところが、このDV−3100はこれが変更可能、もっと言えば、
全ての国のものに対応出来るモードにも出来る。

現実には、リージョンコードだけでなく画像の大本の信号の違いもあるので、
ヨーロッパや中国のソフトは再生出来ない(正確には再生出来てもテレビに写せない)。
事実上は、アメリカ/韓国/台湾のソフトを再生出来るようになるだけである。
(正確にはこれに加えてフィリピン、ペルー、チリ、エクアドル、ミャンマー、
メキシコ、コロンビアとベトナムの一部だけど、それらの国ではDVDそのものが
なさそう。)

もちろんそんな方法をメーカーが公表するはずもないが、
情報はいろいろと出回っているものである。
もちろんうちの機械もそうした。もっとも、まだ日本以外のソフトは見ていないが。

DV−3100が何故そう出来るのかと言うと、
これがもともとはMARANZが作った機種ではなく、韓国メーカーの物の
OEM(相手先ブランド供給)だからで、もともとのターゲットが全世界だからである。
国内メーカーが日本限定で作るわけではないのでこうなっているのだ。

と言うことは、他のそのような機種も同等であることが予想されるが、
その結果は・・・インターネットなどで調べて欲しい。

    ・・・2003/05/01追記・・・

もうこの機種は現行機種ではないので、リージョンフリーにする方法を書いておく。

(1)DVDディスクを入れない状態で電源を入れ、"NO DISC"と表示されるのを待つ
(2)リモコンのPAUSEボタンを押す
(3)リモコンの数字ボタンを314159の順に押す
(4)"CODE__"と表示されたら、リモコンの数字ボタンの"0"(リージョン自動切替)を押す
(5)パネルの表示が消えないうちにまたリモコンのPAUSEを押す
(6)電源を切る 

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結局のうちのシステム                2001年 2月24日現在
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アンプ1AIRBOWPM6100SA/KAI
CDCEC/AIRBOWCH7700 Super2
+ケーブル自作
MDSONYMDS-JE700
+ケーブル自作
DVDMARANZDV-3100<追加
+ケーブル自作(音声/映像とも)<追加
チューナーONKYOIntegra TX445XG
+アンテナmasproFM3
レコードDENONDP-37F
+カードリッジVictorZ-1E
+ケーブル自作
スピーカー1DALIRoyalMenuetII
+スパイクジルコンサンド袋 <変更
+ケーブル自作 <変更
補助ツイーターAIRBOWCLT-1
+ケーブル自作
+スパイク黒檀+MysticWhite
+ケーブル自作 <変更
アンプ2TimeDomainYA9
スピーカー2TimeDomainYoshii9
+ケーブル自作(アンプ1←アンプ2間)
LaserDiscPioneerCLD-R7G
ビデオVictorHR-VX1
TVSONYKV-29DRX5
+BSアンテナ DXアンテナDSA353K
電源改良熱電子工業TVスッキリー(5台)
インシュレーター 自作黒檀+MysticWhite
ラックADKSE-5055NA+SE-OP50G
ヘッドフォンaudio-technicaATH-PRO6
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家の中の大移動でPCをオーディオセットから外したので、
MIDI関係がここからは無くなった(棄てたわけではない)。
それにともないセレクターも不要になった。

本当に、もうこれ以上は装置の買い換えや追加はしない・・・かな?
少なくとも、1つだけアクセサリが欲しいけど。
それ以外はDVD用に5.1CHセットかな?
安物でいいんだけど。

(掲載時注:装置構成の日付を見てもわかるとおり、このネタはもう1年以上も前に
書かれたものである。最近、ネタの出しがいかに遅れているかを示す例である。
今回掲載に当たり内容を若干修正したが、装置構成は当時のままにしておいた。
これからこの関連の記事がいくつか出てくるが、その都度どう変わっていくかを
見るとおもしろい。)

    ・・・2002/12/18追記・・・

このプレイヤー、コンポーネント出力で見ている時にワイド画面信号が正しく出ないようである。
4:3テレビ(うちの場合DRX5)に接続していて、テレビ側のV圧縮機能で
16:9画面を見ようとする場合、ワイド画面信号が重要となる。
16:9画面設定のDVDを見る時、そのメニュー画面ではワイド画面になるのに、
本編ではならない(本編再生中にメニューに戻るとまたそこでワイド画面になる)。
ここから考えると、プレイヤー側が本編再生の前にワイド信号を出せてない可能性がある。
同じソフトを別プレイヤーでD1端子で接続するとうまくいっているのでソフトの問題ではない。

また、そのプレイヤーと画質の比較をしてみたが、やはり廉価機なので画質は
それほど良くないようである。テープのビデオに比べればずっと安定しているが。
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