2002年の流氷ダイビングに向けて開発していた
オネクリ2002の試作モデル。何とあのNHKから
取材を受けるという、ごんずい史上初めてマスコミ
デビューする事になったマシーン。
オネクリM−18での失敗に反省し、動作を重視。
若干大型にはなるが、モーターの回転で直接羽根を
駆動する構造に戻した。これはM−6/M−7構造。
構造変更に伴い、昨年M−18でバッテリーに使用
していた釣りウキ用小型リチウム電池ではトルクが
不足してしまう欠陥があり、電源には小型アルカリ
電池であるLR41ボタン電池を採用、約5分間の
連続動作が可能となった。 初めて金属羽根を採用。
全長3.3センチ、総重量は9グラム。
2002年1月15日、16日にオネクリM−21を使ってNHK(日本放送協会)の収録が行われた。
オネクリM−21は実はこの収録用に作成したマシーンなのだ。
頭部と尻部の発光ダイオードは2001年に公開された
オネクリM−18と全く同じだが、電源バッテリーには
超・超小型の釣りウキ用のリチウム電池:BR211/
2B(3V)を使用。メインのモーターである携帯電話用の
小型バイブレーションモーターの駆動には昨年使用して
いたリチウム電池:BR425/2Bではトルクに対する
電流能力が不足している事が収録の4日前に発覚し、
急遽仕様変更した壮絶な戦いがあった。
電流が欲しいが為にアルカリ・ボタン電池:LR41を2ケ
直列して対策。見事に5分間の連続動作に成功した。
初めて羽根には金属を使用し、メカである事を誇張した。
羽根にはジョイントで内側に折れ曲がる細かい細工も施した。
最終組み立て工程で羽根を接続する際に、シャフトからのステンレス針金に微妙な歪みが起こり、
ハイビジョン・カメラがまわる前で完成後の初スイッチ投入から約2分間、動作しない空白時間が
あった。非常に焦ったが、歪みを修正して無事に動作した。発光ダイオードも光り、金属の羽根を
バタバタさせながら舞うオネクリM−21は輝いて見えた。
そして最終収録である水槽での水中撮影。
会社の同僚であり、密かに金魚の養殖をも
やってる加トちゃんから借りた金魚と水槽が
用意された。
4匹の金魚が一体どの様な反応をするかが
見物だったが、投入されたオネクリM−21に
見事に食らいつくシーンも撮影された。
それでもオネクリは動き続けたのだ。
ただ収録の時、水中では発光ダイオードが
光らなかった・・・(残念) どうやら接触不良
だった模様で、収録を終えたNHKの人が
帰ってからは安定して光っていた・・・(悲)
日本中を震撼させたであろう衝撃シーン
↓
オネクリM−21は既に70%以上も開発が進んでいたオネクリ2002:M−19の開発を中断して
作成する事になったが、この試作で電源仕様や発光ダイオードの反対への埋め込みレイアウトなど
幾つかの有効な手法を確認したのであった。
更に使っていた小型のバイブレーション・モーターよりも更に小さい世界最少の直径4mmの小型
モーターも入手した。これらを使い、新たにオネクリM−22として2002年の流氷ダイビング本番用
マシーンを開発する事を決意したごんずいであった・・・
が、
実はNHKの取材、撮影はこれで終わった訳では
なかった。この2日後に電話があり、『やはり発光
ダイオードは全く光っていないので再撮影したい』
という連絡があったのだ。が、自宅での撮影が一応
無事に終わり、ホッとしていたオレは残った電力で
何回もM−21を動かし、会社の人に見せたりして
いたのでM−21は既に電池切れしていたのだ!
そして超特急の2日でM−21のレプリカモデルを
完成させた。それが左のM−21:レプリカである。
本体は全くM−21と同じ作りで、電源のみ外部から
供給するコードを伸ばしている。金属羽根の部分は
M−21から取り外して流用した。完全に追加撮影
用に制作したマシーン。これを渋谷のNHKに送り、
ようやく慌ただしい撮影は完了した。