![]() ストラーニク98 レポートアンドレイ・ラザルチューク(右写真)訳:大野典宏 経済的な危機によって開催が数回延期された末、サンクト・ペテルブルグにて、プロによる幻想文学賞「遍歴者賞」の授賞式が開催された。ただ、今回、「幻想作家会議」の開催が一度も話題に上らなかったことは残念だった。たとえ、これまで「会議」などとはとても呼べない簡潔で質素なものだったにしてもだ。まぁ、それはそれで非常に今日的なのだが。
長編
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![]() 次の日、A・ストリャロフの講演に続いて記者会見があり、そして作曲家会館に移動した。ここで授賞式が行われることが恒例になっているのだ。ホールは満員だった。経済的な理由により、式典は質素になったが、こちらのほうがずっと良い。 まず、本の制作に関わる側、つまり出版社、編集者、アーチスト、翻訳者に対して賞が授けられた。媒体は「イェースリ」、アーチストはACT社の仕事をしているA・ヅボヴィク、出版社はACT、翻訳者はK・コロリョフ(面白いことにACTの仕事をしている)という具合だった。おかげで、ACTの編集長N・ナウメンコは、自分の席に戻ることができなかった。 ![]() B・ビッレヴィチによる大統領のランチキ騒ぎに関するジョークに続き、自嘲賞の発表。毎回、「ストラーニク」では、恒例としてファンタスティカにかかわる自分たちのことを笑い飛ばしているのだ。今年の自嘲賞はA・ラザルチュクとM・ウスペンスキイ(右写真)による短編「黄色い潜水艦『モルドヴァのコムソモール員号』」となった。 最後には、長編賞の発表。全員が立ち上がり、ボリス・シテルンの名前を呼んだ。そしてボリスの早すぎる死の記憶に対し、一分間黙祷した。 その後は再び報道関係者との受け答えの時間。とはいっても、昨年のロバート・シェクリイのような目玉は無いので、記者が押し掛けるというようなことはなかった。 A・シドロヴィチが現れ、インタープレスコンが今年もまた開催されると言った。そしてN・ユータノフが、次の「ストラーニク」はいつもの時期にいつものやり方で、多数のゲストを呼び、面白い企画を盛りだくさんにすると約束した。 まあ、そういうことだ。 ![]()
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