科幻情報 Vol.17


お詫びと訂正

 早速ながら前回トップ記事の訂正です。カレル賞受賞者の中に大先達の矢野徹氏を落としてしまいました(そーいえば誰か足りないような気はしたのだけれど)。従ってWSFから授与されるカレル賞を受賞した日本人は、深見さんが四人目ということです。また、楊瀟女史の通訳をした功により柴野夫人も受賞の由、ここに謹んで訂正させていただきます。あー冷汗かいた!


WSF大会情報

 WSF大会は予定通り行われる見通しです。私が参加できるかどうかという問題ですが、三月の人事移動で急に転勤が決まってしまいました。転勤そうそう授業をほったらかして海外へ行きますとは言えず、結局参加不能ということにならざるを得ません。せっかくの機会なのに誠に残念です。せめて会員のどなたか、行ってきて報告など書いていただけませんか?


彭懿氏、東京学芸大学研究生に

 しばらく音信不通だった彭懿氏……といっても最近になって入会された方は御存知ないかもしれません。上海の若手児童文学者で、三年前から日本へ児童文学およびSFの研究に来日中だったのですが、このたび東京学芸大学の大学院へ入ることができたとの事。この人が日本SFの体系的紹介に力を添えてくれれば、中国SFの発展のため何かと資するところがあろうと思われます。しかし、彼に対する日本SF界からの反応はといえば、私がハマナコン7に招待したくらいのもので、概して冷たかったような気がします。今年のSF大会に招いてあげたいというような話、出ませんかねぇ、あるいは東京近辺での催しに誘ってみるとか。海外というのは欧米ばかりじゃないぞお! と、声を大にして言いたいんですよ、私は。


科学文藝改め「科幻世界」最新号

 科学文藝雑誌社の譚楷氏から、《科学文藝》改め《科幻世界》の91年1期号が届きました。B5版80ページ。譚氏親子の合作という『太空修道院』や次男の胡暁鴎君(中学1年)の『魔盒』が掲載されているほか、「第三回中国科幻小説銀河奨」の応募作品が数編、翻訳ではマーチン・ガードナーの数学パズルほか2編、映画『ロボコップ』の紹介、科学界最新の話題などが満載されています。WSF成都大会に向けて張切っているようすがうかがえます(それにしても、今年に限って参加できないなんて!)。投稿されたショートストーリーやイラストには中学生もちらほら見え、次の世代が着実に育ちつつあるのが見て取れます。


台湾のSF専門誌「未来的女人」

 かたや香港・台湾でもSF専門誌が登場、このたびようやく実物を手にとることができました。こちらはA4256ページ、書名は『幻象』。昨年1月の創刊で、すでに第3号まで出ています。いまごろは4号か5号まで出ていることでしょう(日本の中国図書専門店は、こういう本に対して剣もほろろの扱いで、注文さえ受付けてくれません)。創刊者として張系国の名が挙げてあり、編集スタッフには黄海・倪匡という日本でも知られた人たちのほか、上海の葉永烈の名も見えています。この第3号はまず第一特集「未来的女人」で、表題通りの題材によるエッセイやショートストーリー。第2特集は日本のSFアニメで、ヤマト・ガンダム・銀英伝・ナウシカ・アキラなどについての論考。ほかに特集とうたってはいないが『スタートレック』シリーズについて、60ページにわたってかなりマニアックな紹介があり、これは「下」とあったので連載二回目ということらしい。ついでに昨年のSFマガジン7月号に載った張系国小特集のことも出ていました。うーん、あの記事を書く前に『幻象』を見ていたらなあ……。